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セレモニー会場に入ったら何も知らない親父とお袋は既に招待客に囲まれて歓談中。
そこに現われた俺達を見て嬉しそうに手招きしやがった。

2人が先に会場入りするから俺達が司を怒鳴り合いになったってのに何を脳天気な・・・ムカッとしたがつくしの手を引いて両親のところに向かった。


そこに集まっていたのは花沢の取引先でもあり、うちの後援会のお偉方連中で、どうやらお袋がつくしの紹介をしたいらしい。
公表前だから「婚約者」とは言わないが「西門で作法のお勉強を・・・」だなんて如何にもそれっぽい説明で、取り巻いていた奴らは驚きの表情を見せた。

「あら、お可愛らしいお嬢様ですこと。総二郎様の・・・?」
「ほほほ、そのうちご紹介しますわね。毎日が楽しいですわ、うちには男の子しかおりませんでしょう?」

「あら、どちらの・・・お見掛けしたことがございませんわね」
「月代の縁の方ですの。このような席も初めてですから皆様からもご指導いただきたいですわ」

「奥様、だからそんなにご機嫌が宜しいのね?総二郎様がねぇ・・・ちょっと驚きましたわ」
「お陰様で最近は落ち着いてますわ。どうぞ、これからも宜しく・・・」

ここでいつもの極上の笑みで俺からも挨拶を返し、それを見てつくしも慌てて頭を下げていた。
でもその遙か向こう・・・すげぇ目付きで睨んでる司が目に入った。


主催の花沢家なんか完全無視。
みんながステージ上の類の親父さんを見てるのに司だけが身体を真横に向けて俺達を見るから当然親父もそれに気がついた。


「・・・もう司君は来てたんだな。しかし恐ろしい顔つきになったものだな」
「親父達がさっさと先に会場に入るからロビーでもう捕まったよ。大声で喚き散らして大変だったんだ」

「あぁ、それで・・・そりゃ役に立てなかったな。まぁ、何とか上手くやれ。何かが起きても西門は揺らがんよ」
「・・・簡単に言うなって!相手は司だからな」

「骨折だけは勘弁してくれよ?私はもう代行は懲り懲りだ!」
「・・・初めの勢いはどうしたんだよ、親父」

「いや、あの顔を見たら・・・ははは、すまんな、総二郎」


誰が司に骨を差し出すっつったよ!こっちだって簡単に折られて堪るか!



セレモニーは殆どが類の親父さんの挨拶と主な招待客の祝辞や、花沢物産のこれまでの歩み的なビデオなんて見せられて形式的で面白くも何ともない時間。
豪華な花で飾られたテーブルにはワインにシャンパンなどの酒と僅かなオードブルがあったが、それを口に運べるような雰囲気じゃねぇ。

諸々の挨拶が終わったら一応フリータイム。
早速類が俺達の傍まで来て親父とお袋に挨拶していたが、なぜかつくしの背中を抱きかかえるようにして話すからお袋が変な顔をしていた。

それを見てあきらも頭を抱えて溜息をつき、俺はこの程度は覚悟してたから何も言わなかった。
ただし、背中の手が変な動きをしたらその場で類を・・・そのつもりであいつの動きを見張っていた。


「おば様、ホントにお変わりないですね」
「あ、あらそう?類君は背が高くなったわねぇ。この前まで私とあまり変わらなかったのに」

「それ、中学ぐらいの時じゃないですか?俺、こう見えて総二郎と同じ年ですから」
「そんなに前だったかしら?ほほほ、月日が経つのは早いわねぇ・・・って類君、その手・・・」

「背だけじゃなくて総二郎と同じぐらいの気持ちも持ってるんです。しかも1度も余所見してないんですよ、おば様」
「そ、そう・・・純粋なのねぇ。あの、類君・・・牧野さんに近寄りすぎじゃない?」

「昔はもっと近づいていました。割り込んだのは総二郎ですから」
「えっ、そうなの?牧野さん」


「・・・む、昔話です。遠い昔の出来事です」
「え?今も変わってないけど」


つくしまですっかり類のペースにハマってしどろもどろ。今度は親父のところに行って悪魔の微笑みってヤツで恐ろしい事を言い出した。


「おじ様もお元気そうですね。俺が言うのも変ですが・・・本気で牧野の事、守ってくれるんでしょうね?」
「・・・どういう意味だね?」

「俺達のような企業家よりも伝統重視の西門の方が揉め事も気苦労も多いでしょう?牧野はそんな世界とは無縁の女性ですし、大きな家に付きものの裏部分も見たことはない・・・西門に入ってからの苦労は大変なものですよ。
総二郎が守るって言ってるけどそれだけじゃ心許ないんですよね・・・おじ様が全力で守って下さらないと俺は安心してフランスに帰れないんですけど」

「類君は牧野さんの家族みたいなことを言うんだな。いやいや、総二郎と共に私も牧野さんの事はしっかり守るつもりだよ?」

「牧野と俺はソウルメイト・・・家族みたいなものですから。この先少しでも西門に関する事で牧野が泣いたら花沢が黙っていませんよ?総二郎から奪い取って即日フランスに連れて行きますから。その後のことは・・・おわかりですよね?」

「わ、わかった。約束しよう、類君、そこまで睨まんでくれ!」
「花沢類!お家元になんてこと言ってんのっ!」


親父、司に対してだと少しは強気発言だったのに類には完全にやられてんじゃん。なんでだよ!


このあと、あきらも類も日頃世話になってる企業家のところに挨拶に行ったりして、しばらくは俺達家族4人で1つの場所にいた。親父のところにも何人もの後援会関係者が来るし、お袋もその夫人を相手に話し込むから、その度に俺も次期家元としての挨拶がある。

つくしも言葉は出さないが愛想良く俺の横で笑顔を作ってお辞儀に専念。
何人かは「おや、もうお決まりで?」なんて言うから否定もせずに笑顔で返事代わりにしていた。

そんな時、つくしが喉が渇いたからと1人でグラスのある場所に向かった。


ふと、司の方を見た。

俺から離れたつくしを、今度はあいつらしくない穏やかで優しい顔で見ていた。


そんな顔・・・お前がするとは思わなかったな。
そんな目で見るぐらいなら何であいつを5年も1人にした?別れた後で荒れるぐらいならどうして大事にしてやらなかった?


悪いがもう俺はつくしを離さねぇ。
たとえ司と友として付き合えなくなっても、俺はあいつを守る・・・西門で共に生きるって決めたからな。


「総二郎、これ美味しかった!」


つくしが俺の横に戻って来たらまたすげぇ恐ろしい目をして・・・分かり易い男だな。



****************



セレモニー会場で総二郎や花沢類、美作さんに囲まれて笑っていたけど、どうしても別の場所からくる道明寺の視線が気になって仕方なかった。


美作さんから前に聞いた話・・・私と別れた後に大きなミスをしてアメリカて謹慎させられたって・・・。

今ではもう大丈夫なんだろうか。その時のミスはやっぱり私が原因?
商談相手に殴りかかろうとしたのって本当だったの?

でも、アメリカではそこまで私の事を引き止めなかったよね?・・・驚くほどあっさり私の事を解放してくれたよね?

チラッと横を見たらやっぱり私の方を見てる。
その目にドキッとして視線を外したら、総二郎の手が背中に回って道明寺が見えない所に誘導された。

「ばーか!そんなに見てんじゃねぇよ。お前、誰のパートナーで来てると思ってんだ?」
「み、見てなんかないもん!あいつが・・・あいつが睨んでるから、それで・・・」

「お前が見るのは俺だけでいいだろ?何か言ってきたら話を付ける・・・心配すんな」
「・・・う、うん」


それでも背中に突き刺さるような視線を感じる。
見てなくても、見えなくても道明寺は私の事を見てる・・・それがわかるからチクチクと心が痛んだ。


そしてセレモニーが終わって今度は打ち解けた雰囲気のパーティーに変わる。
お家元も家元夫人もここまでの出席だから総二郎に「しっかりな!」のひと言を言い残して帰っていった。


「よし、じゃあ俺達もこの息苦しい着物を脱いでこようか。つくし、上に部屋を取ってるから行くぞ」
「あっ、はーい!待って、総二郎」

総二郎がニコッと笑って私の背中を支えてくれる。
花沢類と美作さんに「ちょっと待っててね」って手を振ったら、それを見た花沢類が不機嫌な顔で私のあとをついてきた。


「・・・俺も行く」
「なんで類が一緒に行くんだよ!お前は俺と一緒に大人しく待ってろ!余計話がややこしくなるだろ!」

「離せよ、あきら!」




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2018/10/25 (Thu) 12:19 | EDIT | REPLY |   
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2018/10/25 (Thu) 13:52 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんばんは。

ないない!それはない!
2人でも大変なのに3人とか無理っ!

そんなの書いたら・・・

「総二郎、ちょっと・・・だめだって、そっちは・・・あっ」
「なんだよ、類はこっちの方がいいのか?でも・・・うっ、そこ反則・・・類っ」

「だって総二郎が・・・今度から総って呼んでいい?」
「やめろ!それは・・・あっ、ヤベっ・・・」

「総・・・へぇ、これが好きなんだ?」


「・・・ちょっと!!あんた達、あたしを入れなさいよっ!!」


・・・難しいよね。3人は・・・。

いかんいかん、また変態って言われる(笑)

2018/10/25 (Thu) 18:53 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

まりぽん様 こんばんは!

つくしちゃん、モテモテですよね♥羨ましいっ・・・!
何気につくしちゃんの着るドレス選びが好きです。毎回どうしようかなぁって考えるんですけど、自分がブルーが好きなので比較的ブルードレスが多いですね。

着物も実際にネットで1000万のものを参考に・・・(笑)
帯も300万ってのが私が見たものでは最高でしたがすごい世界ですよね。


あっはは!類君・・・可愛いでしょ?
類君だから出来ること(笑)


類君がいなかったら完璧に大喧嘩、殴り合いです。あきら君は・・・見てるだけでしょうね(笑)

この後も類君が楽しくリードしてくれますのでお楽しみに~♥

2018/10/25 (Thu) 19:01 | EDIT | REPLY |   
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2018/10/25 (Thu) 21:29 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、爆笑!!

そうそう、書けないからそっちに走ってみた(笑)

ぶははははは!西門の紋って!!そうやって出来るのーーっ?!
めっちゃ想像してしまった・・・類が、類があぁぁぁっ!!

「こっちもな」って(爆)



「あっ、いいなぁ!私もそれがいい・・・総二郎、私もやって♥」

「悪い・・・無理だ」

「なんでよっ!!いいじゃないの、類に出来るんなら私にだって出来るでしょ!」

「以外と体力使うから1日1人って決めてるから」
「ごめんね、牧野。お先~♥」


どうしたらいいんだろう・・・もう壊れた(笑)

2018/10/25 (Thu) 21:45 | EDIT | REPLY |   

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