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plumeria

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苦しい・・・コルセットが苦しすぎる。

ほんの少しシャンパンを飲んだだけなのに、ひと口だけオードブルに手を付けただけなのに!
総二郎ったらこんなに苦しい思いをさせて・・・もう我慢の限界!どうにかしてウエスト部分を緩められないのかしら。悲しいけど胸は苦しくないのよ。

とにかくウエストが・・・胃を楽にしないと目の前のご馳走が食べられないっ!

チラッと見たら3人は笑いながら何かを話してるし、道明寺の姿はない。
今ならトイレに行ってコルセット、緩めることが出来るんじゃないかしら・・・そう思ってこっそり会場を出た。


廊下に出て辺りを見ても知ってる人はいない。恐ろしい顔も・・・見えないよね?
こんな綺麗なドレス着てるクセにコソコソしながらトイレに駆け込んだ。

嘘の谷間を作るためのコルセットは肩甲骨の方から編み込んだ特殊な紐で背中の下の方で結ばれてる・・・ドレスのトップ部分を1度脱いでから大奮闘してその紐を結び直した。
これ・・・全部脱ぐ時って1人じゃ無理なんじゃないの?まさかそこまで考えてるんじゃないよね?総二郎・・・。


「はぁ・・・よくわかんないけどちょっとは緩んだかしら・・・うん、これで少しは食べられそう!ドレスのライン、可笑しくないよね?」

これでよし!とトイレを出て会場に戻ろうとしたらバッと目の前に来たのは3人の女の子!
どの人もすごく可愛くて素敵なドレスでメイクもバッチリ・・・ただ、その綺麗な顔の中で光る目が怖かった!

その人達が腕組みして横一列に並び、私が行こうとするのを遮ったからびっくりしてトイレ前の廊下の壁に背中をぶつけた。


「な、なんですか?あなた達」

「なんですかってのはこっちの台詞だわ。あなた・・・何処の方?見たことないんだけど」
「どうして総二郎様の横にいるの?そのうえ類様とあきら様まで傍に置いて何様のつもり?」
「一体どういう関係なの?セレモニーは西門のお家元といたでしょ?総二郎様のご親戚・・・ならいいんだけど?」

「・・・は?えっと、それは・・・その」

「類様とはどうなの?随分類様が嬉しそうだったけど?」
「あきら様は?まさか3人共にいい顔してるんじゃないでしょうね?」
「言いなさいよ!何処のご令嬢?一般人じゃないんでしょ?」

一般人じゃないって・・・西門さん達も変わった環境だけど一般人でしょうが!って怒鳴りたかったけど言えなかった。
ここで反論しても間違いなく私の方がヤラれる・・・こういうお嬢様達の争いごとには関わらない方が身のためだって、これまでに嫌って程味わってきたもの。


ただ、どうやってこの場から逃げようか・・・大声で叫ぶわけにもいかないし。
黙ったまま頭を搔いてたら余計頭にきたのか、その中に1人が私の肩を掴んで派手なネイルの爪を立ててきた!

「きゃ・・・!痛いじゃないの!」
「言わないからよ!あなた、本当はお嬢様でもなんでもないんでしょ!」

ドンッともう1回壁に押し当てられてグラッと傾いたから、こうなったら・・・!ってキッと睨み返した。

その時、彼女たちの間から見えたのは・・・独特なヘアースタイルのあいつ。
もの凄い冷気を背負って彼女たちの後ろ5メートルぐらいのところに立っていた・・・ってか、めっちゃ怖い!!


「・・・てめぇら、何してんだ?」


「きゃああぁーっ!道明寺様!いえっ、あの、これは・・・」
「わ、私たちはこの方と仲良くしようかと思ってお話ししてましたのよ、ねぇ!そうですわよね?ねっ!」
「そう!そうですわ、別に苛めてるとかじゃありませんわ、道明寺様!」

すごい怖い顔してこの3人を睨み付けて眉毛を片方ヒクッとあげた・・・それって女の子に向ける視線じゃないでしょうがっ!
しかも腕組みしてる手をグーにした・・・。

まさか、今度はこの人達を殴る気なんじゃないでしょうね?


「ど、道明寺・・・私なら何もされてないし、何も言われてないから!だからその握ってる手を開きなさいよ!怖いって・・・あんたがそんな顔したら普通の女の子は即死だよ!」

「あぁ?なんだと?」

私が道明寺にまでタメ語で話したからなのか、女の子達は私たちの顔を交互に見ながら、そしてすごい勢いで会場の方に逃げていった。



はぁ・・・驚いた。
なにが起きるのかと思った、って額を手で拭ったけど、よく考えたら今の状況の方がヤバい!


今、私の目の前には道明寺が立っていてジッとこっちを見てる。
私に向けてる目はロビーで見たような怖いものじゃなかったけど、何を言われるのかと思って思わず後ろに2~3歩下がってしまった。

「なんでそんな態度だ?牧野」
「いや、なんでって・・・道明寺がそんな目で見るからじゃないの。止めてよ、怖いじゃない」

「怖い?恋人の目付きが怖いとはよく言うな」
「だから!もう私たちは終わったでしょう?ちゃんと別れたはずだよ・・・覚えてるよね?」


「・・・忘れた。そんなもの」



*************



「あれ・・・牧野何処に行ったの?総二郎」
「え?類の横にいただろ?」

「さっきシャンパン取りに行ったよな?その後どうしたっけ・・・戻って来たか?」

類とあきらと昔話で盛り上がってた僅かな時間、その間につくしがいなくなったことに今頃気がついた。
あれだけ目立つドレスだから少しぐらい離れててもわかるはずなのに・・・そう思って3人でテーブルの周りを見たけど何処にもいなかった。


「トイレかな。それなら俺達には言いにくいだろうから黙って行くかも」
「そう?牧野なら普通に言いそうだけど」

「・・・余程のことがないと黙って行かねぇとは思うけどな。ここにはあいつが来てるから」


やっぱり司の姿も見えない。
少しだけ嫌な予感がして類とあきらと顔を見合わせた。


「悪い、探してくれねぇか?会場にはいないから廊下に出たんだろうし」

俺が言うと2人とも頷いて、3人で出入り口に向かうと廊下からお嬢が3人、血相変えて飛び込んで来た。
そいつらにぶつかりそうになって避けたけど、俺達の顔を見てすげぇ驚いた顔を見せたから気になって呼び止めた。

「あんたら、何かあったのか?」
「そ、総二郎様、いえ!あの・・・なんでもございませんわ!私たちは何も・・・」

「そうなの?それにしては驚いてるね。廊下で何か面白いものでも見つけた?」
「類様、ご冗談を・・・ほほほ、面白いものではなかったですわね・・・あ!」

「へぇ、もしかしてすごく恐ろしい顔したヤツとか?そいつ、何処に行った?誰か連れてなかった?」
「ど、何処かしら?私たちにはわかりませんわ。彼女なら知ってるかもしれませんけど・・・あきら様、そんなに怖い顔で見ないで下さいな」


ヤベぇ・・・やっぱり司がつくしを何処かに!

赤くなったり青くなったりしてるそいつらのことなんか無視してパウダールームに向かい、大声でつくしを呼んだが返事はない。出てきたヤツに聞いてみたがそこにはもう誰もいないと言う・・・。

何処に行ったか・・・それを考えたらこのホテルの最上階にあるあいつ専用のVIPルームしか思いつかなかった。
今度はエレベーターに向かって走り、そこにいた従業員を捕まえて「司を見なかったか!」と問い詰めたら、ガタガタ震えながら予想通りの答えが返ってきた。


「ど、道明寺様でしたら青いドレスの女性を抱えてエレベーターに乗られました。おそらくご自分のお部屋だと思われますが、私などがお声掛けできませんので何も・・・これ以外は何も存じ上げません!」


くそっ・・・!
司め、やりやがったな?!

最上階へと上がっていくエレベーターのランプを睨み付けたら類とあきらの溜息が漏れた。


「・・・大変だよね、これから」
「やっぱり行くしかないよな。牧野が無傷なうちに」

「縁起でもないこと言うな!司に何が出来るってんだ・・・いいから行くぞ!」


「どうしても3人で行かなきゃダメ?牧野だけなら俺1人で行くけど」
「総二郎に任せて俺達は見とくだけでもよくないか?怪我するのは嫌だし」

「喧しい!!・・・もういい、俺1人で行く!」




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2018/10/27 (Sat) 16:05 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんばんは。

えっ?!何を期待してるの?・・・まさか、ですよね?
そんな匂い、させてないよね?(笑)

ダメダメ・・・それはいくら何でも書けない(書いたら怒られる)←誰に?


あら、即死はいけなかった?(笑)
そうか!いきなり過ぎたか!失神ね・・・そうかそうか。

ほら・・・司君を書けないから・・・そこは仕方ないかも。まぁ、死んじゃヤバいよね、確かに。


コルセット・・・外せないよね(笑)
余計締め付けて怒られそう!!(爆)


「ちょっと!道明寺、キツい・・!死んじゃう!外すんなら早く外して!」
「お、おぅ!待て・・・ここが、こうなって・・・ああーっ!!イライラする!!」

「ぎゃあああーっ!反対反対!!それ、もっと締めてるっつーの!!」
「ええい、くそっ!!ナイフで刺してやる!」

「ええっ!!やめて・・・それだけはっ・・・」
「どりゃあぁぁぁーっ!!」

ベリッ・・・!


「ドレス破ってんじゃないのっ!!役立たずーっ!」

「お?」

2018/10/27 (Sat) 21:54 | EDIT | REPLY |   
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2018/10/27 (Sat) 22:23 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、あっはは!

可愛かった?

コメディー・・・いや、だからそれでも無理だって(笑)

2018/10/27 (Sat) 22:29 | EDIT | REPLY |   

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