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plumeria

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眼が覚めたら、そこはすごく寒くて薄暗い場所だった。少しだけ窓から光が差してる・・・


「ん・・・あ、痛っ・・・あれ?私なんでこんなところに・・・」

身体中が痛くて、頭にも激痛が走った・・・今、自分がどこにいるのかさっぱりわからない。
埃だらけでかび臭い匂いが鼻をつく・・・どこかの倉庫の中?それともビルの部屋?
ここには誰もいなくて、使われていないどこかの一室みたいだと・・・そのくらいしかわからなかった。

「そういえば・・・あの時に・・・」

類とアパートに荷物を取りに行って・・・帰ろうとしたら2人組の大男に類が倒されて・・・!


「類!類はどこ?!・・・類・・・いないの?」

小さい声で言ってみたけど何も返事はなかった。もしかしたら私だけ連れてこられたの?
類が言ってた、道明寺がトラブルを起こしたっていうドイツの?
私は両手を後ろで縛られていてそのロープのような物は少しだけ離れた柱に繋がれていた。
窓はあるけどそこまで行くことも、ドアに近づくことも出来ない。

今は誰もいないけど、どんな人がいつここに戻ってくるのかわからなくてすごい恐怖だった・・・。
まさか・・・帰ってこなかったら?大声を出しても大丈夫だろうか・・・?
でも、大声を出してすぐ外に誰かがいたら・・・色んな事が頭をよぎった。


「どうしよう・・・!怖い・・・怖いよっ!助けて・・・類、助けて・・・!」

動かせない身体を縮めて、震えが止まらなくて涙が溢れた。

類は大丈夫だろうか・・・?別に場所に連れて行かれてないだろうか、酷い目に遭ってないだろうか・・・
類の事もわからなくて不安でたまらない。

私のせいでまた、彼に迷惑をかけてしまったんだ・・・。


その時、ドアの外から足音が聞こえた!誰かが帰ってきたんだ!
恐怖で固まった身体を一生懸命動かして、自分が繋がれている柱の方に身を寄せる・・・
隠れる所なんてないけど、そのぐらいしか出来なかったから・・・。

その足音がドアの前まで来て・・・ギィ・・・と鈍い音をたててドアが開けられた。
入ってきたのはあの時の2人組・・・何か話しているけど聞き取れなかった。

明らかに外国人・・・背が高くて大きな男の人だった。いかにも普段格闘技でもしてるかのような体格。

これは英語じゃない・・・フランス語でもない。やっぱりドイツ語なんだろうか?でも私はドイツ語は全くわからなかった。
意識を取り戻している私を見て何かを話していた。時々浮かべる薄笑いが気持ち悪い・・・。
でも、私に話しかけるわけでもなく、近寄っても来なかった。
ずっと小さな声で2人が話し込んでいる。

黒っぽい服装の男達はこの暗い部屋の中でもサングラスを外さなかったからどんな表情で話しているかも
どんな顔をしているかもわからない・・・例え見えたとしても見る勇気なんてなかったけど。


この人達はもしかしたら拳銃とか・・・持っているかもしれない。

自分がこんな目に遭うのが・・・類が倒されてしまったのが、道明寺のトラブルのせいだと思うと悔しかった。
私はともかく、関係のない類が巻き込まれたことが悲しかった。

そして私を助けに来てくれるのは道明寺ではなく、類であって欲しいと・・・。
誰にも聞こえない声で呟いた・・・。


「類・・・助けて!類・・・」


******


あきらの所で司から届いたフォーゲル社の実態を調べた。
ドイツでは結構大規模な事業展開をしているがその裏でやっている事はライバル会社への営業妨害・脅迫などに
とどまらず、誘拐・スパイ活動など手荒いことをしている。
ドイツ政府が直接行っている公共事業で道明寺とは衝突していて、その金銭的規模は膨大なもの・・・
フォーゲルも道明寺も手を引くわけにも行かずトラブルは長引いている。

しかも2ヶ月前には道明寺の方が幹部家族の盾にとって攻撃している。
発案は道明寺のドイツ支社の人間で司ではなかったが許可を出したのは司・・・これが為に相手側は司の
ウイークポイントを狙ってきた。俺たちの推測どおりだ。


「問題はこいつらの過去のデータだ・・・誘拐・拉致はもちろん、最終的には殺人を犯している事例がある。
もし、このまま司も動かなかったら本当に牧野が危ないな」

「んじゃ、早いとこいくか。時間がかかる方がヤバいんだろ?」

「そうだな・・・。この最近でも誘拐した相手を何らかの形で解放、または処分するのに3日くらいしかかけてない。
もうすぐ牧野が捕まってから2日だ。・・・そして道明寺があと2日で解決するとは思えない。時間がないな・・・」

「すぐに行くよ。あきら・・・美作の人間、その辺のプロを集められる?花沢には残念だけどいないんだ」

「大丈夫だ。そっちは任せとけ。すぐに集める。俺はここで情報を集めるから総二郎は類と行ってくれ。
うちの人間は打ち合わせが済んだら向かわせる。ただしお前達は素人だ、無茶はすんなよ!返って邪魔になる。
もし、相手が武器を持っていたら絶対に飛び込むな。わかってるな!」

いつにもまして緊張した声であきらが指示を出す。
そしていくつかの小道具を持たされて、総二郎と牧野のいる場所へ向かった。



牧野、待ってて!必ず俺が助けるからっ・・・!


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