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plumeria

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「それじゃ、カードを相手に見せようか。いくよ、せーの・・・」
「ちょっと待って!!」


花沢類のすっとぼけた声を思わず止めてしまった!
ドキドキしすぎて心臓が痛い・・・やっぱりこんな大事なことをトランプで決めるってどうなの?

たとえ道明寺のものになるって決められてなくても、今夜の私のことを賭けるだなんて納得できないというか何というか・・・総二郎があまりにも平気な顔で臨んでるのが腹立つというか!
人の一夜を賭け事の対象に決めた花沢類が憎たらしいというか、見て笑ってるだけの美作さんも悪魔みたいに見えるし!

どうして私がこんな気分にならなきゃいけないの?!


「なんだよ、今更止めるなよ」
「総二郎っ!何言ってるのよ、もし総二郎がジョーカーだったらどーすんの!!」

「そんな心配してんの?それなら気にしないで見とけば?」
「気にするわよっ!こんな猛獣と一晩同じ部屋にいるのよ?!」

「だからそれは俺がジョーカーの場合だろ?まだわかんねぇじゃん?」


なに?その余裕・・・!何処からそんな自信が来るわけ?!


「牧野、落ち着きなよ。取って喰われる訳じゃないんだから・・・」
「落ち着かないわよっ!!」

「ま、いいや。じゃ今度こそいくよ?総二郎、司、自分のカードを相手に見せてね?せーの・・・はいっ!」

「・・・・・・・・・!!」


ほんの僅かカードが動かされる音がして、その瞬間私は両手で自分の顔を覆って美作さんに縋り付いた!!



「・・・・・・・・・あれ?」
「牧野、すごく嬉しいけどヒールで俺の足踏んでる」

「ああぁっ!美作さん、ごめんっ!!」
「いいから早く降りて振り向いてみな?」

美作さんの言葉でゆっくり振り向いたら・・・総二郎が道明寺を見てニヤリと笑ってた。


「司、やっぱりな!」
「・・・くそっ!!」

「くすっ、司がジョーカーだね!って事は・・・」
「俺、このカードの数字も当てて見せようか?」


2人がお互いに見せ合ってる数字・・・総二郎が見てるのは道明寺のジョーカーで、道明寺が見てるのは私が選んだカード!
そして総二郎はそのカードの数字を当てると言い出した。

うそっ・・・!だって誰にも聞こえない声で花沢類に教えたのに、どうしてそれを当てる自信があるの?!



***************



自慢じゃないがこの中でこういう時に1番勘が働くのは俺・・・そして1番勘が鈍くて「当たり」を引けないのが司。


いつだってそうだった。

最終的には強引に好きな事をした司だけど、1番初めに「くじ引きで!」ってなった時には絶対に「ハズレ」しか引けない男なんだ。逆に何の気なしに引いたくじが常に「大当たり」なのが俺。類もあきらも知ってることだ。

それなのに何故か毎回ムキになって司も参加してたから、実はこいつも自分の事をわかってる。

案の定、悩んで悩んで悩んで引いたカードがジョーカーだ。


「くすっ、司がジョーカーだね!って事は・・・」
「俺、このカードの数字も当てて見せようか?」

「えぇっ?!」

俺の言葉につくしが驚いてる。
だから俺には見えないようにつくしにカードを向けてその数字を言い当てた。

「つくし、お前が選んだのは12・・・だよな?で、多分、ハートだろ?」
「えっ!どうしてわかったの?さっきの聞こえちゃったの?」

「聞こえてねぇよ。この数字を選んだのは俺とお前の共通点・・・同じ12月生まれって事だろ?だからラスベガスでもルーレットの一点賭けの時、この数字を選んだんだよな?その時のシートの色が赤だからハートかダイヤ・・・まぁ、それならハートだよな?」

「あの時の事もバレてたの?!」
「当然!」

改めて自分の目でトランプの確認をして、テーブルの上にそれを置いた。
司はとっくにカードなんて手から離しててすげぇ恐ろしい顔してソファーに座っていた。


「それじゃ、約束通り牧野の事は総二郎に任せるって事で・・・司、もうそれでいいよね?これ以上牧野の顔を曇らせないでやりなよ。元カレ・・・なんだからさ」

「・・・うるせぇよ!類、その言い方やめろ!」

「いいじゃん、元カレになってるだけでも」

類の言い方もどうかとは思ったけど、こんな事でも勝負は勝負。
俺は放心状態のつくしを連れて自分たちの部屋に戻ろうと席を立った。

つくしを支えてくれていたあきらが呆れたような顔で渡してくれて「部屋に戻るぞ」と声をかけたらやっと正気に戻ったようだ。
真っ赤な顔でドレスの裾を持ち、俺の腕を掴んで司の部屋を出ようとした。


「待て、総二郎」


呼び止めたのは司・・・類もあきらも、つくしも同時に司に顔を向けた。
俺は振り向かずにドアの方を向いたまま足を止め、あいつが何を言うのかを待った。


「これで最後だ。牧野と2人で話がしたい・・・そいつを置いて先にお前達は出て行け」

「・・・そんなの俺が聞くと思うのか?ヤだね」

「最後だと言っている。時間は30分・・・そのぐらい問題ないだろう」

「たとえ1分でも断わる。行くぞ、つくし」


司の頼みを聞く気にもなれなくて部屋を出ようとしたら、今度はつくしが足を止めた。


「つくし・・・?どうした、行くぞ」

「あの・・・総二郎。私、道明寺と話をするよ」


つくしの言葉に驚いて顔を見たら、意外にも真面目な顔して俺の目を見ていた。
さっきまで真っ赤な顔して動揺していたのに今度は凄く冷静に・・・そして掴んでいた俺の腕を離した。


「馬鹿言うな!ちょっと来い!」
「きゃっ、そ、総二郎!!」

離された手をもう1度掴んで、今度は俺が強引にドアまで引っ張って行き、そこでドアに押しつけるようにして理由を聞いた。

「何言ってんだ!お前、司と2人っきりでここに残る気か?俺がそれを許すと思ってんのかよ!」
「あ、あのさ、心配しなくても僅かな時間でしょ?そのぐらいなら・・・」

「だから!!僅かな時間でも他の男と・・・選りに選って司とだなんて絶対に認めねぇからな!」


そう言うとつくしは小さな声で答えた。


「信用してよ・・・総二郎。道明寺の所に戻るために話をするんじゃないの。
私、あんまりにもあっさり別れ話をしちゃったでしょ?あいつもすんなり受けてくれたでしょ?だからね、本当はずっと引っ掛かってるの。5年間の私の想い・・・その変化をちゃんともう1回話したいの」


すげぇ真剣な目。でも、こんな目で司と2人で話したら・・・そう思わずには言われなかった。
つくしを押しつけてる手をギュッと握ってしまう。俺の口は堅く結ばれたまま返事が出来ない・・・。


「お願い・・・ちゃんと総二郎のところに戻るから」






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2018/11/01 (Thu) 14:34 | EDIT | REPLY |   
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2018/11/01 (Thu) 17:20 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんにちは。

ははは!それで行けば私は司君ですね(笑)
本当にくじ運も何もないんですよ。

でも、絶対に当たりを引くのが私の母と娘です。この2人はくじ運がめっちゃ強い・・・特に母ですけどね。
娘は懸賞にかなり運があります。

だから何かの時にはいつも母に代わってもらいます・・・スーパーの何かのくじでも特賞当てて5000円もらったし(笑)


ふふふ、ちゃんとお話出来るといいですけどね♥

2018/11/01 (Thu) 17:25 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんばんは!

何もなかったのに♥マークが9個も・・・(笑)

ははぁ!壁に押し当てるのは会話だけでも言い訳ね?そんなものなのねぇ・・・壁ドンって。


で・・・ちょっと待って?
この後にご褒美ってなに?・・・そんなのあるって言いました?

もう終わりが近いとは言ったけど、まだそんな事するって言いました?
小っちゃいの、書いたよね?(笑)

あれじゃダメなの?・・・いいよね!うんうん!


それでは司君に頑張っていただきましょうっ!!

2018/11/01 (Thu) 18:15 | EDIT | REPLY |   
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2018/11/01 (Thu) 18:47 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、探さないで(笑)

謝るから‼️(爆)

2018/11/01 (Thu) 18:51 | EDIT | REPLY |   

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