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「牧野!・・・牧野っ!無事かっ?!」


俺は無我夢中で牧野の所へ近寄った!両手をロープで縛られてて動くことが出来ない状態だった。
恐怖のあまりどれだけ泣いたんだろう、その汚れた顔にはいくつもの涙の後があるのがわかる。
すぐにあきらが持たせてくれたものの中からサバイバルナイフを出した。

「もう、大丈夫・・・!すぐにそのロープを解くから!後ろ向ける?」

牧野は後ろ向きになって俺の方に背中を向けた。あちこちに血が付いてる・・・
怒りと焦りを沈めながらそのロープを切ろうとするけど、その傷が眼に入って手が震えてしまう。
牧野の両手首はすり切れて血がにじんでいた。

それに、あれだけ強いスタンガンを受けたんだ・・・どこかにもっと傷を受けているかもしれない。

両手が自由になった牧野はすぐに俺に飛びついて泣き始めた。

「類!類・・・!怖かった・・・怖かったよっ・・・!」
「ごめんね。遅くなって・・・でも、もう大丈夫だからね。総二郎も来てるし、すぐにここを出るよ!」

牧野は恐怖のためか立って歩くことが出来なかった。俺の首にしがみついて離れないからこのまま
抱きかかえて出ることにした。

「ほら。こうしててあげるからしっかり掴まってて!」

涙が止まらない牧野に軽くキスをして笑って見せた。もう大丈夫だって!


******


「類!牧野いたか?ちゃんと生きてんだろうな」

もう1人の男を隣の部屋に運んできた総二郎が戻ってきた。

「総二郎?牧野はこっちにいるけど立てそうにないんだ!抱えて降りるから・・・」


振り返りざまに総二郎を見た、その瞬間・・・・・・事態は最悪になった。


総二郎の後ろにもう1人の男が立っている。さっき出て行った男だ!
いつの間に入って来ていたのか、牧野に気を取られて俺たちはその足音を聞き逃したのか!

総二郎ももちろん気が付いていて、眼と神経を自分の後ろに向けていた。
後ろ頭に拳銃を当てられた総二郎は両手を挙げ、薄笑いを浮かべた男が俺と牧野の方を見ている。


「に・・・西門さん!」
「牧野!黙ってな・・・悪いけど降ろすよ?」

そして俺は牧野を一度降ろして、その前に立って牧野を自分の後ろに隠した。
総二郎も身動きせずに後ろの男に意識を集中させている。
いくら俺と総二郎が護身術を習っていたとしてもこの状況ではなんの役にも立たない。
もしかしたら最悪の状況になるかもしれない・・・これを牧野に見せるわけにはいかなかった。


「牧野。・・・耳を塞いで、眼も閉じといて。牧野は何もしなくていいから言うこと聞いて!」

牧野は小さく頷くけど俺の言うことが頭に入らないのか、総二郎の方をずっと見ていた。
仕方がないから、牧野に見せないように牧野と背中合わせになるように強引に向きを変えさせた。


総二郎に銃口を向けたままその男は話してきた。

『お前達はここで何をしている。仲間の男はどうした?』

「あんたの仲間は隣の部屋で寝てるよ。心配すんな。死んでないから」

『ふん!で・・・お前達何者だ?どうしてここがわかった?』

「俺たちはこの女の友達だ。捕まったって聞いたから助けに来ただけだ。どうやって調べたかなんて
話すわけねーだろ?企業秘密だよっ!」


ドイツ語で総二郎が会話をしている。相手の男からはなんの感情も感じられない。

『生憎だがこの子は帰すわけにはいかない。ある人から頼まれてここに置いているだけだ。
この子を置いてこのまま帰るなら見逃してやる。日本に来てまで殺人はしたくないからな』


冷静にそう言ってるけど、多分言葉とは裏腹に、ちょっとでも総二郎が動いたら即打ち抜かれるだろう。
そのくらい人の命なんて考えていない連中だろうから・・・


『お前もそこへ並べ』

そう言って総二郎を俺と牧野の隣まで歩かせた。その手の拳銃は俺たちの方に向けられたまま・・・
総二郎はこれがまるで大したことじゃないって思わせるくらい、平気な声で牧野に話しかける。

「牧野、大丈夫か?せっかく助けに来たのに悪かったな!俺たちまで捕まっちまって!」
「西門さん・・・大丈夫?」

「お前に心配されるほど落ちちゃいねーよ!・・・類が言うとおり眼を瞑っとけ」

震えて声もあまり出ない牧野はうずくまって顔を下に向けた。


「あんた、わざわざドイツから来たんだろうけど、知ってるのか?この子は道明寺とはなんの関係もないって。
さっさとドイツへ帰った方がいいと思うけどなぁ。痛い目に遭うぜ?」

『そんな事は知らない。ボスに言われたとおりにやってるだけだ』

「んじゃ、そのボスに伝えてくれよ。俺たちもあんたを見逃してやるから、無関係なこいつから手を引けって。
このままじゃ間違いなくあんたの方が不利だ。あんまり俺たちを舐めない方がいいと思うけど?」


総二郎はその男から銃口を向けられているのに話すのを止めなかった。
俺は後ろにいる牧野を守るために必死で総二郎を助ける余裕はなかった。

『いい度胸だな・・・』


その男が拳銃の引き金に手を掛けた。

総二郎は眉一つ動かさずにその男を睨んでいた。

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Comments 2

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2017/04/29 (Sat) 05:44 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: 絶体絶命!

えみりん様、おはようございます🎵

そうか!
それでも良かったかも。あきらくんがね!
うんうん。あぶ刑事だとそんな感じですよね。

誰がくるんでしょうね。現場説明が非常に難しいのに、
こんな展開にしたことを後悔してます。

ゴールデンウィーク❗
うちは入院中の家族がいるので、何処にも行けない‼
妄想に走ります🎵

明日もお待ちしております。


2017/04/29 (Sat) 06:38 | EDIT | REPLY |   

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