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plumeria

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9時になった・・・そろそろ総二郎が帰ってくる時間だ。

急いでツリーのスイッチを入れて、料理を温める。もうテーブルに並べていいものは出して、ワイングラスも2つ。
ケーキの仕上げにフルーツを乗せて、スープの湯気がたってきたら火を弱める。

すぐに食べられるように支度を進めていたら、9時をほんの少し回ってインターホンが鳴った。

自分でもカードキーで開けて入れるのに私がいるときは出迎えて欲しいっていう彼の我儘を聞いて、今日もエプロン姿のまま玄関のドアを開けた。


「お帰り、そうじ・・・うわあぁっ!」
「ただいま!あーっ、寒かった!」

開けた途端に抱きつかれてもう少しで後ろにひっくり返るところだった!びっくりして総二郎にしがみついたらそこで速攻甘いキスが来る・・・!

「ふぅ・・・んっ、ん・・・総、待って・・・」
「まだ足んない・・・逃げんなって」

冷たいはずの総二郎の手が背中にあるのに何故かすごく身体が熱い・・・私も抱き締めたかったけど腕ごと総二郎に抱きかかえられてたから動かせなかった。
ほんの少し唇が離れたら、今度は私が追いかけるようにキスをする。

「甘えてんな?」ってクスクス笑うから「淋しかったんだもん・・・」、そう言うと頭を撫でられた。


「ねぇ、見て見て!頑張ったんだよ!」

リビングに入ったら並べた料理を見て「すげぇな!」ってニヤけてる。
部屋に戻ってスーツを脱いだら大急ぎで部屋着に着替え、リビングに座る前にワインを取りに来た。

私はその間に温めた料理を並べてオーブンに入れたままだったローストチキンも飾り付けして真ん中へ。全部が揃ったら総二郎の横に座って乾杯した。
今日のワインはシャトー・ラトゥール、お肉料理がメインだから赤ワイン。


「つくし、張り切りすぎじゃね?大変だったろ?」
「うん、少しね。でも最近は本邸で食べることも多いからサボってたもん。久しぶりに気合い入れたんだよ?」

「ん、すげぇ、美味い!」
「でしょ?ローストチキン、初めて作ったけど中々綺麗に焼けたの!これも食べてみて?」

「食べさせて?」
「・・・は?」


ホントにたまにこんな子供染みたことを言う。私がブルスケッタを手で摘まんで総二郎の口元に持って行くと、指まで食べられそうだったから怖くて手が震える。そしたら私の手首を掴んで自分に引き寄せ、案の定指ごと食べられた!

「きゃああぁーっ!なんてことすんのっ!子供なんだから・・・もうっ!」
「ははっ、1回やってみたかっただけ!どういう反応するのかと思って」

「・・・馬鹿!あっ、そうそう!テレビであんな風にウィンクするの、やめなさいよね!」
「あれ?見てたんだ?」


「さ・・・最後だけね」


待ち構えたように登場シーンから見たなんて言えない・・・。
一応、ちゃんとした婚約者だからそんな風にテレビまで見なくても実物を見てるんだし。総二郎がその言葉で嬉しそうにするのなんて癪に触るし!

「やっぱ1番いいオトコだっただろ?嬉しかった?」なんて腕を突いて聞いてくる。
だから「はいはい、あなたが1番カッコ良くて素敵だったわよ!」って言うと「だよなー!」・・・って、ナルシストにも程がある!



「誰からも誘われなかったの?あのあと・・・」

「勿論めっちゃ誘われたぜ?だけどホントに全部断わったんだ。放送でもそう言ったろ?」
「・・・うん、聞いたけど」

「なに?ジェラシーってヤツ?」
「・・・タレントさんってみんな美人だもん。総二郎の少し後ろにいた人、何回も足を組み替えたりしてさ・・・司会者の横に立ってたアシスタントさんも綺麗だったもん」


「そうかもしれねぇけど、俺にはお前しか見えねぇから・・・ここが1番落ち着くじゃん?」

食事中なのにチュ!って軽めのキスなんてして、私もブルスケッタを口の中に放り込まれた。


食事が終わったら頑張って作ったガトーショコラのケーキを出した。
普段はこんなケーキなんて口にしないんだけど、今日は特別・・・切り分けた分を全部食べてくれた。

「俺が食える唯一のケーキだもんな。やっぱお前のは美味いわ!」
「ごめんね、何にもプレゼントが用意できなかったからこれで我慢してね」

「くくっ!いや、最高だって。この時間をくれただけですげぇ満足してんだから」


プレゼントが時間?
そういうことも・・・ありなのかな?って笑ってしまった。



***************



「ご馳走さん、つくし・・・ちょっと来てみ?」
「ん?なあに?」

「お前・・・今日1日ここで準備してて気がつかなかったのか?」
「何に?あっ・・・また何か悪戯したの?」


悪戯・・・くくっ、そうかもしれねぇけどホントに気がつかなかったのか?クリスマスツリー、最後の飾り付けしてるくせに。
鈍感にも程がある。すっげぇ光ってると思うんだけどな?

つくしを手招きして隣に座らせ、ツリーのてっぺんを指さした。


「クリスマスツリー?今日電球ならつけたけど、それがどうかした?」
「よく見てみ?1番上・・・星のとこ」

「星?あっ・・・あれ?」

3メートルもあるんだから当然手は届かない。
近くにあった椅子を持ってきてそれに登って、つくしは1番上の星に手を伸ばした。


その星の先に掛けておいたもの・・・それを手に取ると椅子からコトンと降りて来て、俺の顔を見た。


「・・・総二郎、これ・・・」
「前に約束しただろ?ほら、指出せ・・・」

それはセンターに輝くソリティア(ひと粒ダイヤ)が数億円の婚約指輪・・・サイドストーンでさえひと粒2カラットの石を使ったヤツ。
そんなものがツリーのてっぺんで輝いてたなんて・・・まぁ、普通は思わないよな。

そいつを左手薬指にはめてやると呆然としてる。何かひと言ねぇのかと思った瞬間、ボロボロと泣き出した。


「なんだよ!泣くことねぇじゃん、不満なのかよ!」
「そうじゃないけど、そうじゃないけど驚くじゃないの!こんな・・・こんなの、あんなところにーっ!」

「ははっ、普通に渡したら面白くねぇだろ?こういうのはサプライズがいいんだって!」
「・・・サプライズ過ぎだよ!もうっ・・!」


つくしは俺の胸に倒れ込んでわんわん泣いて、泣きながら自分の手を見て「綺麗・・・」を連発。
そんなつくしを抱き締めて、その首に揺れる俺と揃いのネックレスを見ながらニヤけてた。


”أبدي”・・・永遠。


もうすぐその日が来ると思うと嬉しくて堪んねぇ!



「つくし、風呂に行こうぜ?気になるならそいつ、外しとけ」
「うん・・・こんなのつけて入れないよ。ちょっと待っててね」

指から外したダイヤを何処に置こうかと悩んでるから、つくしを抱きかかえたまま椅子から立ち上がった。
「きゃああっ!」なんて悲鳴あげて、もう1回ツリーの横に連れて行くと驚いた顔してたけど、笑いながらまたてっぺんの星に引っ掛けた。


そしてそのままバスルームへ・・・クリスマスだからこいつに内緒で用意していたのは、バスタブに直接浮かべて使うアロマバスキャンドル。
ちょっと俺には甘すぎるけどイングリッシュローズの香りがするアロマを幾つも浮かべてやった。

「うわぁ・・・綺麗。薔薇の形してるの?・・・いい香りだねぇ」
「俺はお前の香りだけでいいんだけどな。ほら、もっとこっち来いって・・・逃げんなよ!」

「あははっ・・・だって総二郎、すぐに抱き締めるんだもん。少しだけこれ、見ててもいいでしょう?」
「だーめ!お前の指定席はここ・・・」

「あっ・・・やぁ、総二郎・・・そ・・・」



噎せ返るような薔薇の香りに包まれて、俺とつくしは1つになった。




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2018/11/11 (Sun) 13:17 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

抹茶と鶯様 こんにちは。

コメントありがとうございます。

激甘でしたでしょ♥
飛んで帰る総ちゃん、指まで食べる総ちゃん♥
抱っこしてお風呂に向かう総ちゃん♥

怖いですよね~!数億のダイヤがツリーのてっぺんにあるんですよ?
つくし、気がつけよっ!って感じですよね(笑)

その前に数億のダイヤの輝き方がイマイチわからないんですけど・・・。


で・・・1行で終わった?
その前に3000文字x2日間、頑張ったんで!!


あっ!エロplu食堂完全閉店したらしいですよ。

残念でしたねぇ・・・うんうん(笑)

2018/11/11 (Sun) 16:37 | EDIT | REPLY |   
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2018/11/11 (Sun) 17:53 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

抹茶と鶯様、こんばんは。

あっはは!

文字子さんは10000字越えですよ。誰も勝てません。
私の通常の話で大体3000~3500文字です。少し前は4000文字でしたが毎日更新の場合は長すぎるとご意見をいただき減らしてます。
まぁ、その方が私も助かるので。

なので毎日7000文字ぐらいを続けてます(笑)
そりゃキーボードも壊れるって?(笑)

え?レストラン出来ちゃった?



店長はGip様かな・・・?(笑)

2018/11/11 (Sun) 22:03 | EDIT | REPLY |   

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