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牧野を助け出してから、総二郎がすぐに花沢の病院へ向かい俺の腕の処置と牧野の検査が行われた。

腕の傷は明らかに銃創なので主治医からは何か言いたげな不思議な顔をされたけど、
両親やマスコミにバレないよう念を押して、警察への通報も止めさせた。
しかも牧野は手首に傷を負い、その汚れ方はいかにも捕まってましたと言わんばかり・・・。

「結構深い傷ですよ?何針塗ったと思ってるんですか?この様子じゃ傷跡も残るでしょうし・・・花沢のご子息がどうして
こんな傷を負うんですか?本当に警察へはよろしいんですか?」

何度も警察に言いたがる主治医を総二郎も一緒になって説得した。

念のために2~3日の入院をすることになった。
俺はどっちでも良かったけど、ショックのひどかった牧野がまだ眼を覚ましていなかったから。
検査の結果、牧野には特に問題はなく意識が戻れば大丈夫だという。
総二郎も安心して、その日はあきらの所へ戻ると言って病院を後にした。


******


病院の花沢家専用の特別室・・・翌日になってから無理を言って牧野と同室にしてもらった。

「いくら、類様のお申し出でも病院内では規則というものがございますでしょ?それを破れというんですか?」

頭の固い看護師長が俺の隣で寝てる牧野を見て文句を言ってる・・・いくらいわれても聞かないんだけどね。
腕に包帯を巻いてるだけで起きてても問題のない俺は、ずっと牧野の寝顔を見ていた。
アパートで襲われてから3日目・・・牧野が俺たちが行くまでの間どうしていたのかも聞けてない。


「また会えなくなるのかと心配したよ・・・牧野、早く眼を覚まして・・・」

動かせる右手で牧野の顔を撫でて、そっとキスをした。



「王子様のキスでも眼が覚めないのか?そのお姫様は!」

振り向いたらあきらと総二郎が立っていた。ノックぐらいしてよね・・・!


「まだ無理みたいだね。ショックが大きかっただろうから仕方ないかも・・・なんたって狙撃シーン見たんだから」

「あ?いけなかったか?美作のナンバーワンを送り出したんだけど?あいつ、外したことないんだぜ!」
「今回は結構ヤバかったよなっ!類が撃たれたときは一瞬、俺は助かったと思ったけどよ!」

「最低だよね!あれだけあの男を煽っといて、なんで俺の方が撃たれたんだかわかんないよ!」
「まあ、そう言うなよ。1人じゃなくて良かっただろ?持つべきものはこんな親友だぞ?」

助かったから出来るんだよね、こんな会話。
もしも総二郎が撃たれていたら・・・俺の怪我がもっとひどくて左腕を失ったら・・・
もしも牧野が被害者になったとしたら・・・その時司はどうするんだろうかという思いが頭をよぎった。

後は牧野が眼を覚ましたときに、精心的ショックが長引かなければいいんだけど・・・。


******


「司の方は?何か言ってきたの?」

「今回の件は報告しといたよ。結構びっくりしてたけど・・・早くカタをつけろって念は押しといたけどな」

「言うこと聞くか?あいつが」

3人で目を合わせてため息をついた。ひとつ気になっていたことをあきらに聞いた。
あのドイツの男達がどうなったか・・・特にニュースにもなってないし俺たちはその場に置き去りにしてきたから・・・

「あいつらならうちの人間に言って、ドイツ大使館に身柄を預けさせた・・・って言うか敷地内に捨ててきたはずだ。
その後のことは自国民同士で片付けるだろう。俺たちにはもう関係ないことだ」

「大学で牧野を襲ったのは?あいつらか・・・?なんか手口が違うような気がするけどな」

「それは同感だ。あんな昼間に大学の教室で外国人が襲うとはあんまり考えられないけど・・・
しばらくは警戒した方がいいかもな」


あきら達がしばらく待っていたけど、牧野は眼を覚まさなかったから、またあした来ると帰って行った。
2人が帰った後も牧野のベッドの端に座ってずっと牧野の顔を見ていた。

縛られていた手首には両方とも包帯が巻かれている。
もし、この手に傷でも残ったら、今回の事件を一生引きずってしまいそうで怖かった。
布団からでている牧野の手をとって、そこに自分の指を絡めて握りしめた。


その日の夜になってから、牧野が眼を覚ました。うっすらと開けた眼であたりを見渡している。

「牧野!わかる?・・・牧野?」

「類・・・?ここは病院?私たち助かったの?」

「うちの病院・・・みんな助かったよ。心配しないで」

牧野は眼だけを動かして・・・記憶を辿っているらしかった。

「無理して思い出さなくてもいいよ。もう大丈夫だから・・・あの男達ももう日本にはいないと思っていいよ」

そう言うと少し笑ったけど、すぐに俺の怪我を思い出したらしい。

「類・・・そういえば撃たれたよね?腕を・・・傷は?大丈夫なの?!」

「うん。大丈夫・・・もう手当てしたから。弾もかすっただけだよ?そんなに深い傷でもないから心配ないよ」

「本当に?・・・でもすごく血が出てたよ?・・・」

「ほら!こうして起き上がってるだろ?あのくらい何でもない・・・牧野が捕まっていた時間に比べたら・・・」


「・・・・・・良かった」

そう言うと涙を流した。

その涙を指で拭いて、そっとその瞼にキスをする。

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Comments 2

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2017/05/01 (Mon) 17:19 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんばんは🎵

らぶらぶするのはまだですよん。
病院ですから。そんなところが初めてなんて、嫌でしょ?

早くおうちに帰らないとね。
ゆっくりじっくり待っててくださいね。

今日もありがとうございました‼

2017/05/01 (Mon) 19:56 | EDIT | REPLY |   

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