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plumeria

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もう夜遅くなってしまったけど自分のベッドには戻らず、ずっと牧野の横についてその手を離さなかった。
随分疲れているんだろう、時々眼を開けたり、また閉じたりを繰り返している。
俺が握っている手にもあまり力が入らないらしくて、たまに指を動かすぐらいだった。

それでもこうして一緒にいることが嬉しくて、この場所から動くことが出来なかったんだ。

「牧野・・・喉渇かない?何か飲む?」

「うん・・・少し飲みたい・・・」

まだ左腕が動かせないから右手だけで牧野の身体を起こしてやると、その左腕の包帯に気が付いた。
腕に巻かれたその包帯の上に牧野の手が触れる。


「類・・・どのくらいの怪我なの?本当に大丈夫?あんなに出血してたのに・・・あの時はびっくりして・・・
類が死んじゃうかと思ったよ」

「まさか!このくらいじゃ死なないよ。・・・牧野を置いてはいけないからね。はい・・・スポーツドリンクだけど・・・」

一口、水分を取って深呼吸する・・そのまま牧野の身体を支えて横に座った。
牧野も俺の右肩に頭をつけるような体勢になってる。確かにそこにある存在感・・・と同時によみがえる恐怖もあった。
もしかしてあの男達に乱暴されたってことはないよな・・・牧野にもそんな素振りは感じられないし。
確かにあいつらの目的はそんな事じゃないけど、何が起きてもおかしくはない。
あの部屋に入ったときから気になっていたけど聞ける状態じゃなかったし、総二郎もいたから・・・。


「牧野・・・手を縛られてたから少し怪我をしてるんだけど、それ以外は何もされなかった?」

「うん・・・気が付いたら1人であの部屋にいたの。あの人達が帰ってきた時はなにかされるのかと怖かったけど
私には近づきもしなかったよ。気を失ってるときのことはわかんないけど・・・」

「良かった・・・。その手首の怪我だけでも許せないのに」

自分の手首に巻かれた包帯を触りながらそこに滲んでいる血を見て苦笑いしてる。
いつも間にされたのかもわからなかったらしい。

「でもね・・・背中も痛いの。スタンガンっていうの?あれを背中に当てられたから。類は?なんともないの?」

「少し意識が戻るまで時間がかかったぐらい。もう痛くないよ」

あれだけの事をされても俺の方を心配してくれるんだね。
そんなにすぐ近くから、そんな泣きそうな眼をして見上げられるとここが病院だって忘れそうになる。
でも今は2人ともボロボロだから片方の肩だけで我慢しとくよ。


一番心配してたこと・・・牧野が穢されなくて良かった。


******


病院で目が覚めてからずっと側に類がついててくれる。自分も大怪我をしてるのに・・・
本当は目を閉じると捕まっていたときの部屋の光景を・・・類が撃たれたときのことを思い出すから
いやだったんだけど、頭が重たくて身体が痛くて・・・とにかく力が出なかった。


「西門さんは?西門さんは怪我をしてないの?大丈夫?」

「総二郎は大丈夫だよ。さっきまであきらといたんだけど牧野がまだ起きそうになかったから帰ったんだ。
でも、心配なんかしてやらなくていいよ?だってあいつ、俺が撃たれたから自分が助かったって言ったんだから!」

「そうなの?西門さんらしいね・・・でも、西門さんも必死に戦ってたじゃん。私はドイツ語わかんないけど」

「俺も日常会話程度しかドイツ語はわかんないけど、結構無茶なこと言ってたと思うよ?マジで俺の方が焦ったから!
それなのに本当はビビってたって言ってたけどね。狙撃の時も自分だけ柱の陰に逃げたんだから!」

「狙撃・・・?狙撃って映画にあるみたいな?あの狙撃?」

そういえばそんな事があったような・・・なんでそんな事になったんだっけ?
誰があの時、窓の外から助けてくれたんだろう・・・。不思議な顔をしてたら類がクスクス笑い出した。

「そうか・・・牧野はあんまりあきらの家のこと知らないからね。あの狙撃はあきらの・・・美作の雇ってる人が
撃ったんだよ。あきらんとこは海外でもちょっと危険な地域での取引とか多いから、その世界の人たちがいるんだ。
あんまり他では言えないけどね。・・・だから、盗聴や情報収集とか、まぁ狙撃とか?頼めばその道のプロが来てくれる
ってワケ。牧野のピアスも場所を突き止めた超小型レーダーもあきらんとこの開発部が作ったもの!一流品だよ?」

「・・・美作さんって、意外なのね。あんなに優しそうなのに」

「怒らせると一番怖いよ?牧野には黙っておこうと思ったんだけど」

「そうなの?怒った顔なんて見たことないよ?いつも笑ってるし・・・」


類と話をしてるうちに、あることに気が付いた。
そういえばおかしくない?なんでここに私がいるの?どうみても隣は類のベッドで、ここは特別室みたいだし。

「ねぇ・・・類。今更なんだけどなんで同じ部屋に私がいるわけ?」

「今気が付いたの?ダメだった?病室に会いに行くよりこっちの方が楽だと思ったんだけど」

楽とかっていう問題なの?そもそも病院って男性と女性は普通同室じゃないでしょ?
横で悪戯っ子のように笑ってるけど、また類が無理を言ってこうなったのね?

仕方ないなぁって笑っててあげる。
私も今は1人になれないから・・・類と一緒にいたいから。

私の身体をずっとその右腕で支えてくれてる・・・類の右肩に自分の頭を乗せて眼を閉じてたら
また思い出してしまった。
空港で片手で抱き締めてくれた時に、その腕の中で思いっきり泣いたこと。
何回こうやってもらったんだろう・・・その度に類への気持ちがもっと強くなっていく・・・。


この前、ちゃんと自分の気持ちを伝えたけどまだ恥ずかしくて素直になれない時もある。
だけど、今回のようなことがあったら・・・もしかしたら伝えたいことを伝えずに終わることもあるかもしれない。

そう思ったらちょっと勇気を出してみようと思った・・・
こんな事、今しか絶対に言えないかも。


「類・・・キス、して・・・」

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激甘再開・・・なのか?それとも・・・
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Comments 6

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2017/05/02 (Tue) 05:47 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: おはようございます

えみりん様、おはようございます🎵

今日はジョーですか?(* ̄∇ ̄*)
範囲が広いなぁ。

そんなには落としませんよ。激甘にしたかったんですから!やり過ぎたら類君がマジで、死んじゃいますよ?
なんだか暴れるシーンって難しいってわかったんですよね。次からは狙撃とか、殴りあいとかやめようっておもいました。

やっぱりコメディ派なのかな?わたし。

いま、ジョーのおっさんの名前が出なくてイライラしてます。何だったっけ?

2017/05/02 (Tue) 07:20 | EDIT | REPLY |   
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2017/05/02 (Tue) 08:33 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: 再びお邪魔します

えみりん様、ありがとうございます🎵

すっきりしました!自分で調べろって?
絶対えみりん様からお返事くると思ってましたよ🎵

え?ジョーが総二郎?
嫌だ、同じハダカでもちょっと違うと思うけど。

2017/05/02 (Tue) 08:42 | EDIT | REPLY |   
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2017/05/02 (Tue) 09:33 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんにちは‼

ホントに好きなんですねっ!
いや、マジで無理です~❗手が止まるんですって。

私はコメディっぽく書くのは平気ですけどね。リアルは他の方が書いてるからそっちで楽しんだほうがいいですよ!

あ、まさか今から始まると思ってます⁉
まだまだ❗落ち着いてくださいよ?

なんか、自分がドキドキしてきました。
ホントに書くの?

2017/05/02 (Tue) 12:52 | EDIT | REPLY |   

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