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結局、次の日も看護師長に怒られることで始まった。

朝一番に起こしに来た看護師が2人で抱き合って眠っていたから驚いて看護師長を呼びに言ったから。

「何度言えばわかってもらえるんですか?ここは若い子も働いてるんですからね?!びっくりするでしょう!
起こしに来てこんな事になってたら。普通病院じゃあり得ませんから!笑っている場合じゃないですよ!
それに花沢様は傷のある方の腕で・・・その、腕枕っていうのはいかがなもんですかね?!」

「ご・・・ごめんなさい!昨日つけ替えたときに私の点滴が左側になったので・・・」

いや、牧野・・・そんな問題じゃないと思うけど?牧野の変ないいわけがおかしくて吹き出してしまった。
そうしたら看護師長はもっとその顔を険しくして怒り出した。

「次にしたらご実家へのご報告でしたよね?花沢社長は随分驚きになるのでは?今はフランスでしたかしら!
さぞやお怒りになりますよ?拳銃で撃たれたなんて知られたら・・・大問題ですからね!」

この人、うちの親父のことも知ってるんだ。要注意人物・・・報告だけはされたら困るから大人しくしておくか。
腕組みして仁王立ちの師長を前に、ベッドに並んでお説教されてる俺たち。
早く離れろってうるさいから仕方なく別々のベッドに戻った。

そんなに痛くはなかったけど牧野を一晩中腕枕したせいで傷口が少し開いたらしい。
そのまま鬼のような看護師長に処置室に連れて行かれた。
牧野は逆に点滴も外れて後は腕の傷の処置だけになった。

******

昼過ぎになって総二郎とあきらが病院に来た。三条のおまけ付きで。
牧野はもう病衣から普通の服に着替えていてその手首の包帯で患者だとわかるくらい元気になっていた。
傷口の処置の時に、少し感染症の疑いがあると言われた俺の方が今度は点滴を始めていた。


「よっ!お二人さん。どうよ?」

「西門さん!本当にありがとう!でも・・・大丈夫?怖かったんでしょ?昨日はよく眠れた?」

「は?俺は全然問題ねーよ!怪我したのはお前達だろうが!」

ちょっと赤くなってる・・・ごめん、総二郎。バラしちゃって!思わず笑ったら総二郎に睨まれた。

「類!てめー余計なこと牧野に喋ったろ!命の恩人に対して失礼なっ!」
「命の恩人?総二郎の代わりに撃たれたのは俺だよ?総二郎は話しをややこしくしただけじゃん!」

そして牧野はいつもよりオドオドしながらあきらに向き合った。

「美作さんもありがとう・・・実はよくわかんないんだけど・・・」

「いいえ。どういたしまして。助かって良かったな」

にっこり笑ってるけどあきらの事も結構バラしちゃったんだよね。その笑顔の裏ですごいことしてるって・・・。
そして最後に牧野に飛びついて泣き出したのは三条・・・

「もう全然知りませんでしたわ!なんで何も教えてくれなかったんですか!こんなになっちゃって・・・!!
手首どうされたんですか?怪我をしたんですか?あとは?何もされてませんかっ!!」

「ちょっと、落ち着いてよ、桜子!もう大丈夫だから。だいたい知らせるったって捕まってたんだから出来ないよ!
手首もね、縛られたからちょっと怪我をね・・・」

「縛られたっ?!縛られてヤられちゃったんですかっ?!ひどいわっ、なんて乱暴なっ!相手は先輩なのに。
これだから外国の方は嫌なのよ!大胆なことばっかりするからっ!」

「・・・・・・なにか勘違いしてない?あんた」

「襲われたんでしょうっ!!男性に襲われたらどうなるかぐらいわかりますわよっ!」
「襲われたんじゃなくて、捕まっただけよ!なにもされてないわよ!!」

「・・・え?逆になにもされなかったんですか・・・?それはそれで気の毒な・・・」

もう苦笑いするしかないこの会話・・・誰なの?三条連れてきたのは・・・
それでもこのメンバーで集まったら牧野の表情も随分良くなった。みんなの顔を見渡してちょっとだけ泣いてた。


「それにしてもさすが花沢さんですわ。病室まで同室にされるとは・・・先輩も安心ですわね!一応ベッドは
別々なんですか?・・・病院だから、回診もありますもんね」

「うん。まだ一人は怖いから・・・でも退院したら類と一緒に住むの」

突然牧野がみんなにそう話したから、3人共がびっくりしている。
牧野の口からそんな話が出るなんて思ってなかっただろうし、しかもこんな笑顔で。

「ふーん・・・。昨日はあれからそんな話になったわけ?」

総二郎が俺の方を向いて聞いてきた。

「まぁね。今度は別のヤツから牧野を守らないといけないから側にいないとね。いつ現れるかわかんないでしょ?」

「あー・・・、そっちも厄介だな。俺は次は遠慮するよ。命が惜しいからな」
「俺もその時は不参加で!アイツには狙撃したくないな。美作に攻撃されたらたまんないよ!」

しばらく5人でいつものようにふざけた話しを繰り返していた。
総二郎がまるでこの度の事件がいい思い出になるかのように面白おかしく話すから牧野が最後には怒ってた。
俺の腕の傷跡がずっとこの事件を思い出させるからイヤだって。

「傷跡なんて残ったっていいよ。思い出したらいいんだから・・・牧野を守れた印だってさ」

みんなの前でそんな事言ったから、今日一番の赤い顔になった牧野。
三条はニヤリと笑うし、総二郎達はあきれ顔・・・

その後俺はやっぱり熱が上がってきて薬が投与され、病室には担当医や看護師が駆けつけた。
その様子をみて3人は帰るからと牧野に話しているのは聞こえたけど起き上がることは出来なかった。

牧野は病室のドアの所で帰っていく3人にもう一度お礼を言ってたっけ。
熱で少しぼんやりしてたけどその声ははっきりと聞こえて、俺は幸せな気分になっていた。


「本当にありがとう。これからはずっと類の側にいるから・・・」

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Comments 4

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2017/05/04 (Thu) 00:56 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、またまたおはようございます。

あ、そこは大丈夫ですよ!
点滴が書きたかっただけ。点滴外れたのは実話です。
あれって外れるんだー!って思いましたけど。
わたしは病気入院はないんですけど、怪我入院は何回か
あるんです。一回は結構悲惨でした。
出血多量で・・・。病院慣れしてます。
10針縫ったのもわたしの実話。自分の傷を見て
10針ってこんな感じなんだー・・・みたいな。
確かにホントは10針縫って腕枕はダメですよ!
お話しだから書いたけど、無理無理!!
いくら類でもそりゃ痛いですよ!( ̄∇ ̄)

すいませんね。いつもご心配かけて・・・。
私がとんでもない方向へ話を進めるもんだから・・・。

これからも宜しくです!

2017/05/04 (Thu) 08:10 | EDIT | REPLY |   
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2017/05/04 (Thu) 11:11 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

わんこ様、こんにちは🎵

私の事で言えば、正確な数字で12針。糸の跡がマジでぬいぐるみですよ。私の子供が大きな手術をしたんですが、その時はもうホチキスでした。何年前かな?
いや、だからですね!自分の傷痕の長さを測って、拳銃がカスってどのくらいだ?ってすっごく悩んだんです。
多分類君のは10針いかないだろうとは思うんですが、
大きくでてみました!

私は仕事と病院を行ったり来たり。
週明けに子供が手術しますから、ちょっと大変です。
でも、これが最後の手術❗
終わったらちょっとは楽になるかな?

いや、術後も大変かな。
病院に慣れっこになるのも疲れますね。

お互いに身体を大事にしましょう‼

今日はありがとうございました❗
わんこ様、よい休日をお過ごしくださいね。

2017/05/04 (Thu) 11:31 | EDIT | REPLY |   

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