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あきらが帰ったあとの藤本の冷たい目・・・別に悪い事なんてしてないのに、まるで犯罪者を見るような目で見るの、やめてもらいたいんだけど。
パソコンに向かって仕事をしてると、その向こう側に見えるあいつの黒縁眼鏡。
時々チラチラと俺を見ては溜息ついて、珍しく仕事が捗ってないみたい。

まぁ、頭の中でなに想像してるかなんて丸わかりだけど。


「はぁ・・・」
「あのさ、その溜息何回目なの?俺が何か悪いことした?」

「悪いことではありませんが、公私混同じゃないですか?正式に花沢家として専務の婚約者だと公表されたのならまだしも、同棲中の彼女を総務部に・・・あまり感心致しませんが、社長が納得されているというのであれば私1人が反対しても・・・」

「・・・じゃあ黙っといて。色々とあるんだよ」

「今まで不思議ですけど浮いた噂のひとつもなかったし、恋愛の『れ』の字も感じませんでしたので唐突すぎて・・・」
「・・・・・・悪かったね」


彼女じゃないと言いたいけど藤本にだけ話すわけにもいかないし。
真面目過ぎるから「嘘はいけません!」とか言って父さん達にバラすかもしれないし、牧野を問い詰めて地元に強制送還するかもしれない。

うん・・・やっぱりこのまま「同棲」にしておこう。いや、同棲してるけど。


♪~♪~

誰からかと思ったら総二郎・・・あきらが変なこと、伝えたんじゃないだろうね?
出なくても良かったけど、出なかったら鳴り続けるだけだから仕方なく電話に出た。

「・・・なに?仕事中なんだけど」
『類ーっ!!なんで教えてくんなかったんだよ!唯一日本にいる幼馴染みなのに!・・・どんな女だ?会いに行ってもいいか?』

「来なくていい!どんなって・・・多分総二郎の好みじゃないよ。普通の子・・・子供っぽいし」
『ええーっ!お前はそんなタイプが好きだったのか?可愛い系かぁ・・・で、いつ行こうか?』

「・・・切るね!」
『あっ、類、待て!る・・・』ブチッ!


すぐに会いに来ようとするんだから・・・絶対に総二郎やあきらのタイプじゃないでしょ!
色気なんて何処探してもないんだから。いや、探したことはないけど。


♪~♪~

・・・こうなったらかけてくるよね。1人にだけ伝えるようなことはしないだろうから。
画面見なくても誰だかわかる。こいつも出るまで鳴らし続けるんだろうね・・・あぁ、面倒臭い!!


「もしもし、今何処なの?アメリカ?それだったら早く寝なよ。そっち深夜でしょ?」
『・・・寝てたらあきらに起こされた。お前・・・ドウセイだって?』

「間違ってないけど真実でもない。その話は今度落ち着いたらするから今は放っておいて」
『・・・いつからだ?』

「えっと・・・最近だけど」
『俺達といた時には違うんだな?・・・でもよ、それって花沢にはヤバいんじゃねぇか?なんでおじさんが許してんだ?後継者諦めたのか?』


・・・こっちは何の話になってるんだろう?
司達といた時には違う?花沢にヤバくて後継者・・・・・・まさか?


『・・・いいか、類。よーく考えろ。まぁ、はっきり言えば気持ちは悪いがお前の自由だ。でもよ・・・』
「ストップ!司・・・多分、お前、漢字間違ってる。”せい”の字、”性別の性”じゃないから。”木へんに妻”だから」

『危険な妻?』
「・・・切るね」ブチッ!


牧野と司って似てんのかな・・・何で2人とも俺をゲイにするんだろう・・・クシュン!



**************



類が仕事に行ってから桃太郎と菊次郎にご飯をあげて、それからは部屋の片付けを始めた。
散らかしてるわけじゃないけど自分で整理してないから何が何処にあるか、クローゼットの中も普段は着ないような服ばかりだから一番手前に普通の服を並べた。

本棚もあるけど小説が多かった。しかも恋愛もの?私の読まないようなものばかり。
読んでみようかなぁ、と手に取ってパラパラと捲ったら・・・そこにあった差し込みの写真に驚いてやめた。


「あら、経済学の本・・・流石ねぇ」

【高校生のための経済学入門】
【スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編】
【たった1つの図でわかる経済学入門】・・・これは宮崎にもあったわ。もう読んじゃったけど。

【スティグリッツ入門経済学】・・・これは読んでないけど難しそう。でも、もう読みたくないなぁ・・・やめとこ!

自分の部屋に何があるかが粗方わかったら、今度は類の部屋のキッチンを探検。
冷蔵庫の中には食材は何もないけど料理を作るようなキッチンでもない。ミニって言うだけあって本当に珈琲煎れるぐらいの設備しかなかった。

あとはワインセラー。ここには数本のワインがあって綺麗なワイングラスも用意されてた。


「類の部屋にもうひとつ、ソファー置いてもらっても怒られないかなぁ・・・ラグの上に座ってもいいんだけど目線が近い方がいいよね」

類の部屋からひょこっと出ると廊下の向こうにお手伝いさんの後ろ姿が見えた。
その人に頼んでみようと思って「すみませーん!」と近づいたら、くるっと振り向かれた時の顔・・・類といる時に見せる顔じゃなくて驚いた。

なんでそんなに怖い顔してるの?怒ってる・・・?私何かしたっけ?


「なんでございましょう?」

「あっ・・・ごめんなさい。類のお部屋にもうひとつソファーを持ってきていただきたいんですけどお願いできますか?」

彼女は私の言葉にすっごく嫌そうな顔を見せて、ふん!と横を向いたら目線を合わせずに返事をしてきた。


「そのようなことは類様のお申し出なら手配致しますけど、あなた様の指示に従うようなことは聞いておりませんのでお断り致します。どうしてもでしたら使用人頭の加代さんに言ってください。私では判断出来ませんわ」

「そうですか・・・わかりました。お仕事中断させてごめんなさい」

「・・・・・・失礼します」


わざと勢いよく向きを変えられてその人は私から遠ざかっていく。
はぁ・・・良くわからないけど、あの人ストレス溜めてるんだろうなぁ。こんな大きなお屋敷で働いていたら何処まで掃除しても終わらないもんねぇ。

それならこのことは類が帰ってからにしようと思って、また部屋に戻った。



夕方になって桃太郎と菊次郎を犬舎から出して、またお庭を走って遊んでいた。
フリスビーは完璧だから今度は障害物を飛び越えさせたり、ちょっとだけ背中に乗ってみたり。

嫌がらずに遊んでくれていたから一緒に芝生に寝転んでたら、何処かから小石がひゅっ!と飛んで来た。


「うわっ、危ない・・・なに?何処から石が飛んで来たの?」

飛んで来た方に顔を向けたけど誰もいない・・・おかしいなぁって顔を元に戻したら、また1つ飛んで来た。
今度は素早く振り返るとお手伝いさんの制服がチラッと見えた。


まさか、彼女たちが私に石を?驚いて立ち上がると、建物の陰にいた人達の声が聞こえた。


「類様があんな田舎のお嬢さんに恋なんてするわけがないのよ」
「ベッドの中で気持ちいいって、そんな言葉を出すこと自体、品がないったら!」
「類様を抱き締めるだなんて許せないわ。類様はお1人でぐっすり寝たいはずなのに、強要してんじゃないの?」


あぁ・・・これって私に対する嫌がらせだったんだ?
目障り、そう言ってる訳ね?

なんだ・・・そういうことか。


特に怒りなんて感じなかった。
嘘ついてる罪悪感があったから・・・だから何も聞かなかったことにして桃太郎達のところに戻ろうとしたら、今までで1番大きな石が飛んで来て、それが菊次郎に当たった!

「ワンワン!ワン!」
「あっ、菊次郎!大丈夫?」

「ワンワン!」
「菊次郎、落ち着いて菊次郎ーっ!!」


びっくりする程大きな石じゃなかったけど、リラックスしていた菊次郎は驚いて思いっきり庭の真ん中を走って玄関の方に向かった!それに驚いて同じように桃太郎まで・・・!

「止まって、桃太郎、菊次郎!!」


私の叫び声なんて全然聞かずに2匹はそこら中を凄いスピードで走って大騒ぎになった!

ちょうどその時、門が開いて類の車が戻って来た。
2匹が走ってる方向の横の方・・・このまま走ったらぶつかっちゃう!!


「だめぇ!!桃太郎、菊次郎ーっ!!」





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2018/11/25 (Sun) 00:35 | EDIT | REPLY |   
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2018/11/25 (Sun) 07:47 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

まりぽん様、こんばんは。

あはは!お怒りになってますね?
明らかにお嬢様ではないように見えるつくしが許せなかったんでしょうね。

つくしに向けて投石なんてしたんでしょうが、菊ちゃんがとばっちり受けちゃって!

類君にきちんとお仕置きしていただきましょう!


このぐらいの大きな犬が車に当たったら結構衝撃が来そうだけど・・・。
私の住んでるところはたまに鹿が車に体当たりするんですよ。結構、凹みますよ・・・。

2018/11/25 (Sun) 18:52 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは。

あはは!押しかけてきますかね?
まぁ、登場したのですからそのうち現れると思います。

中にはどうしようもない使用人もいるのですよ。
女の争い・・・怖いですねぇ(笑)

つくしちゃんをお嬢様だと思ってないからでしょうね。
(まぁ、お嬢様にはほど遠い性格ですから)
でも、なんちゃって彼氏の類君が守ってくれると思います(笑)

2018/11/25 (Sun) 19:33 | EDIT | REPLY |   

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