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茶道西門流時期家元 西門総二郎 現在25歳
眉目秀麗・文武両道・博識多才 世間ではこう呼ばれている俺も、とうとう今日見たこともない
婚約者とやらに会わなくてはならない。
冗談じゃない!この年でどんな女かもわかんないのに、いきなり会って1年後結婚だと?
そりゃ、どんな女でもイチコロで落とすテクニックは持っているが用意された女なんて興味なしだ!

ま、相手は惚れるかも知んねーが、俺は絶対に断ってやる!

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「若宗匠、お客様がまもなくお越しですのでこちらにお願いします」

弟子が呼びに来た。

ため息しか出ないが、とりあえずは会わなくてはならない。家元・家元夫人とともに客間に向かった。
気分は死刑台に向かうようだ・・・

正面にはいかにも見合いの席といわんばかりに美しく花が生けられ、それを見て再びため息をつき腰を下ろした。
まもなく襖が静かに開けられ、相手の両親と娘が入ってきた。俺は少し頭を下げた格好で待ち、その娘が目の前に
座るまで顔を上げなかった。

「大変お待たせいたしました」

相手の親の一言で顔を上げ、目の前の女と初めての対面だ。

そして俺は相手を見て、まるで時間が止まったかのように・・・その女から目が離せなかった。
なんてことだ、この俺が・・・だ。

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華道牧野流宗家長女  牧野つくし  現在24歳
容姿端麗・才色兼備・高嶺の花 世間では私のことをそう呼んでいるようだけど、その私もどこかの
次男坊の所にお嫁に出されることになった。冗談じゃないわ!その男聞けばとんでもない女ったらしって
いうじゃないの!見境なく色目使って遊んでるって聞いたわ。どうしてこの私の相手がそんな男になるの?
私はそんな女じゃないんだから、この結婚、絶対に断ってやるわ!

「お嬢様、間もなく到着でございますから」

車の中でお付きの侍女がそう告げた。

昔の約束だかなんだか知らないけど、私はもっと自由に恋をしてこんな窮屈な生活から離れたいのに・・・
茶道の家元なんて何の変化もないじゃないの!

あ、到着したのね・・・ほら、なんて造りのお屋敷なのよ!

豪華な正面から入って、立派な客間に通されたらお相手一家が揃っていた。

「大変お待たせいたしました」

お父様の言葉に相手の男が顔を上げた。初めてのご対面・・・でも私はびっくりして・・・
絶対口をあけたままで、凄い顔になってない?ヤバいわ!!早く戻らなきゃ!

なんてことなの?この私が・・・?

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両家の両親は昔からの知り合いらしく話は弾んでいるが、なんせ初めて会う俺たちに弾む会話
なんかあるわけない。夜の店でもあるまいし、隣には家元たちがいるしで何を話せばいいってんだ?

「お名前だけは伺っておりましたが、初めてお会いしますね」

「そうですわね。どうぞよろしくお願いいたしますわ」

な-んて普通の会話、やればできるもんだ。
しかし、思ったよりずっといい女だ。いつもなら舐めるように見てくる女や、無駄に色気振りまいて派手な化粧で
興ざめするような女ばかり。なのに緋色の大振袖にこの黒髪、それに似合う大きな眼と白い肌・・・すっげーな。
そんななのに、こいつさっきから目の前の茶菓子みてねーか?どういうことだ?この西門総二郎より茶菓子が
気になる女っているのか?

「すごく美しい和菓子でしょう?有名な職人に作らせたものですから、どうぞお召し上がりくださいね」

普段こんなこと言わねーけど。

「ええ、すごくきれいですわ。いただくのがもったいないくらいですわ」


あら、ずっと見てたの気がつかれたかしら?まずいわね・・・食い気のある女だと思われたかしら。
だって、この人すごく綺麗なんだもの。ずっと見てたら息ができなくなるじゃない。なんなの?
そこらの女性より綺麗な肌と濡羽色の髪・・・こんな人と生活したら早死に確定じゃない!
着物だからかしら?胸が苦しいんだけど・・・どうしよう・・・

「では、お家元、後は若い二人で仲良くお話でも」
「そうですな。我々は向こうの茶室にでも行きましょうかな」

とっとと出て行った両家の両親。

さて、残された二人は・・・

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