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とある日の道明寺城、執務室


「司様、花沢城に送っていた偵察部隊から連絡が入りました」

「おうっ、どうなってんだ?」

「それが………」

「西田!!さっさと言えっ!」

「はぁ………それが……。

西門様が鷹をお飼いになられたようでして、その鷹が花沢城をいたくお気に召したらしく通っているらしいのですが……」

「ですが…何なんだよ?!」

「必然的に西門様も通っているそうです」

「………」


総二郎が鷹?
もしかして動物好きなつくしを鳥で釣ろうって作戦か?

………。


「西田!!鳥を飼うぞ!
鷹だか鷲だかその辺にいるような鳥はダメだ!
珍しくてでかい鳥だっ!」


「はい、畏まりました」

「そのための部屋がいるな。調教師もだ!
あとは…絵師も忘れるな!!確か鳥好きな花の名前の絵師がいただろ」


「絵師…ですか…?」

「つべこべ言ってねーでさっさとしろっ!」

「はい、畏まりました」


眉間に皺を寄せながら部屋を出て行く西田を睨みながら、頭は総二郎への対抗心でいっぱいだ。

総二郎のやつ…見てろよ!
俺様がつくしをあっと言わせてやるぜ!



数日後


「………。
西田…これは何だ?」


「はい、先日司様が仰っていた珍しくて大きな鳥、ハシビロコウでございます」


クァックァックァックァックァッ……


「なぁ…こいつ…何してんだ?」

「これはクラッタリングと言いまして、ハシビロコウは滅多に鳴く事はなく、こうして嘴を叩き合わせるように音を出して仲間に合図を送るようです。
それから親愛の意味を込めてお辞儀のように首を振る事もあるようです」


クァックァックァッ……


「しねーじゃねーか!!
ま…目つきは悪いが…いいだろう……。
早速調教師に芸を仕込ませろ!」


「……はい、畏まりました」


ハシビロコウを連れて出て行く西田を黙って見送った。

あいつ…何であの鳥を選んだんだ?
もっとつくしが喜びそうな鳥、いるよな?

けどまあ、少し待てば俺も花沢城に出入り自由だな!
頼むぜ、調教師!!

おっと…その前に絵師にカッコ良くマークも入れさせねーとな。

意気揚々としてた俺に爆弾が落とされるなんてこん時は思いもしなかった。



またまた数日後


「………」
「………」


何でこいつ動かねーんだ?
鳥って忙しなくちょこまか動くもんなんじゃねーのか?

つーか、芸を覚えないだと?!
俺様の目論見はどーしてくれんだよ?!


バサッ
バサッバサッ


「おい、こいつ何してんだよ?!」

「いえ…私に言われましても……」


動かねーんじゃねーのかよ?!
何で羽、羽ばたかせてんだ?

そう思った瞬間にその重たそうな体は宙を舞って、開け放っていた窓から飛び出ていった。


「おい……」
「はい……」


この出来事が功を奏すなんて事もこの時は知らなかった。




所変わって花沢城



「ねえ、類……あれは、鷹じゃないわよね?」
「……………」
「あれは……鷹じゃないね、もっと大きい奴だ…」
「………何だろう…」
「デカイな…」


いや?あれは……鳥じゃない?羽ばたいてないし。
なんだろう、そう思ってつくしと2人で空を見上げていた。

「わんわん!」

隣では琥珀がまた警戒してる……その後ろには桃太郎と菊次郎まで。
前足を踏ん張って威嚇してるみたいだけど、警戒心最大級?

この子達がそんなに怒るだなんて…?


「類…なんか変な顔が描いてあるんじゃない?」
「顔って言うより全体が嘴?」

「見たことある?」
「ううん、ない……あっ!もしかしてあれって……」

だんだん近寄ってくる物体を見たら…ヘリコプターじゃん!!しかも変な顔付き!

バリバリバリバリ……!
「わんわんわんわん!」

バリバリバリバリ……バリバリバリ…!!
「わんわんわんわんわんわん…わ、わん!!」


……琥珀、疲れたね?


その時、桃太郎と菊次郎が同時にくるっと後ろを振り返り、城の裏にある池の方に顔を向けた。
そして隊長である琥珀を残してそこに向かってダッシュ!

「えっ!どうしたの?桃ちゃん?菊ちゃん?」
「わんわん?!」

「琥珀、部下に置いて行かれてるけど?」
「わ、わんわんわんわん!!」

琥珀にもSPの隊長としての意地がある…2匹の後を足をフル回転させて追いかけた。
その後ろから俺とつくしも……上空のヘリも気になるけど急いであいつらの後についていった。


池の近くまで行ったら2匹が並んで何かを見ている?(いや、よく見たら2匹の足元に琥珀も居たけど)
ただ吠えたりもしなくてジッと見てるだけ?

「どうした?何がいるんだ?」
「桃ちゃん達、何を見てるの?」

「えっ!!何あれ……つくし、池の向こうの島に何か居ない?」
「どこどこ?」

「ほら、小さな岩の隣。草の中にさ…恐竜みたいなの」
「恐竜?いつの時代の話してんの?類ったらいやぁねぇ!」

「ホントだって……よく見て?」
「……あれ?何あれ。置物じゃないの?」

「あんな置物、うちの城にはなかったでしょ?」
「た、確かに」


「……わん」

ほら、琥珀達もあんまりにも怖い顔で動かないから吠えていいんだか悪いんだか迷ってるんじゃないの?

それにしても凄い顔。
グレーの、所々撥ねた羽にめっちゃ長い脚……何より怖いのは三角に吊り上がった目。
何処睨んでるんだろう?俺かな?琥珀達かな……まさかつくしってことはないよね?

ってか、いつからそこに居るんだろう?全然気が付かなかったけど。


5分経過…10分経過…15分経過……



「ねぇ、いつまで睨めっこしてるの?話しかけてみない?」
「えっ?!あんな恐ろしい顔に?」

「顔は怖いかもしれないけど性格は優しいかもよ?ほら、道明寺だってそうじゃない?」

「…………そお?」


「…………あの……」

『……………』

「君は、何処から来たのかな?」

『……………』


話掛けてはいるが、俺の袖口を握りしめていて、おそるおそるといった感じだ。


「あっ、少し動いた」
「ねぇ、お名前…は?」


……だから、通じてないって…


「…ぁ…ぁ、一歩移動したっ!」
「いゃ~ん、可愛い❤️お辞儀してくれたぁ~🎵」


……だからさ、お辞儀かどうかなんて、判んないじゃん…


「おぉぉ、此処に居たかっ!」
「悪いな、コイツが邪魔したみたいで」


「司っ」
「道明寺っ、どうしたの?」


普段、吠えまくる 桃、菊、珀を見れば、
飛び掛かろうとしてんだか、腰が引けてんだか、判らない不思議な体勢のままだ。


「待って、もしかして…さっきのヘリって司ん家の?」

「おぉ、あれな。良いだろ?俺様仕様だ」
「アイツに付けてあるマイクロチップを追いかけて来たら、ここだった」


「………で、何処に降りたのさ」

「そんなの、ヘリポートに決まってんだろ」

「連絡も無いし、許可も出してないけど?」

「そんな固い事言うなって、無事に降りたしな」

「………司……」


管制室は、何をやってんのさっ!
無許可着陸じゃん!強引な奴。
……まぁ、あのヘリの着陸を阻止しろっ!って方が難しいかもだけどさ、
つくしが大切に育ててる花畑の真ん中に降りられるより、いいけどさ…

……ヘリポートのセキュリティも強化だね…


「ねぇねぇ、この子は道明寺のなの?」

「おぉ、格好いいだろ?ハシビロコウってんだ」

「…ハシビロコウ…」
「……へぇ…で、お名前はなんて言うの?」

「よくぞっ!聞いてくれた♪道明寺 静司郎だ、良いだろ?な、な?」

「セイシロウ?」

「おぉ、セイはこれな、そしてシは俺の字、で、ロウは総二郎のロウだ」

「…へ、へぇ……」

「良いだろ?」

「……そ、そうね……」

「な!いい名前だろ!な、な♪」

「あはは…は…、静かなあんたと西門さんなのね…」


…司……唯一持ち合わせて無いモノをコイツの名前に込めたんだ……
合ってる気もするけど、そんなモノ込められてもね……

…何か、気の毒……と、思ったら静司郎と目が合った。

あれ……?
なんか今ちょっと頭下げた?
もしかして静司郎って賢かったりする……?

そう思ってじっと見てたら静司郎の視線が琥珀に向いた。

なんだろ…?
琥珀の事好き…とか…?

今度は琥珀を見ると、琥珀の視線は射るようにじっと司に向けられてる。


「わわわん!!」


次の瞬間、司に向かって猛ダッシュし始めた。

あっ……もしかして司が犬苦手だから……?


「うわっ!く、来んじゃねえ!!
うっ、うわぁっ!!」



バッシャーン!!


突然の事に司は驚いてよろけながら後ずさり池に落ちた。


あーあ……池が台無しじゃん……。
ほんとしょうがないやつ……。

「司、大丈夫?」

家の池…結構深いんだよね……。
手を差しだそうとしたら黒い影に先を越された。

…菊次郎?
あっそうか!
水遊び好きだったっけ。

まだバシャバシャともがいてる司の後ろに回ると、襟元に上手く噛みついて奥へと引っ張り始めた。

「うわっ、何すんだよ?!
止めろ!離れろっ!!」


「司うるさい!暴れないでじっとしてて!!
菊次郎!come!」


遊んでもらえてると思ったのか菊次郎はゆったりと前足を動かしながらこっちに近づいてくる。

「「わんわんわん!!」」

隣では琥珀と桃太郎が応援するように声をあげている。

「お前たちは入っちゃだめだよ?
後が大変なんだから!sit!」


岸に近づいてきた司に手を伸ばして引き上げると、その隣で菊次郎がブルブルと体を震わせた。

「道明寺、大丈夫?」
「これが大丈夫に見えんのかよ?!」

つくしはそう言って、いつの間に用意したのかタオルを渡すと、返事を聞くことなくくるりと向きを変えて菊次郎の横にしゃがみふわっとタオルをかけて拭き始めた。

「菊ちゃん、偉かったね~♪♪
あとでお風呂入ろうね~!」


「俺は無視かよ……」


ぷっ。
そりゃ仕方ないよね。
つくしはこいつらが可愛くてしょうがないんだから。

元はといえば、司がいきなりうちにくるからじゃん!!

…って……あれ?

ふと静司郎を思い出してさっきいた場所を見た。静司郎は微動だにせずこっちを見てる。

……………。


「ねぇ、司……。
あのハシビロコウ、ほんとに司が飼ってるの…?」




おしまい



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↑S様からのクリスマスプレゼントです♥



<おまけの話>


「ねぇねぇ、類」

「ん?」

「道明寺のヘリコプターって、静司郎くんマークになってたじゃない?」

「……あ~あれね、インパクト 大だよね」

「なんでも、鳥好きな絵師さんに頼み込んだらしいよ」

「そうなの?わざわざ?」
「あれを描かされた訳だよね?大迷惑な話だな……」


「その絵師さん…大丈夫だったかしら?」
「少し…心配よね…」



………バリバリバリバリ…
………バリバリバリバリ……


「「……………………」」

「………来たのかしら」

「多分ね、さっき静司郎池に居たもん」

「降りてくればいいのに……」

「ヘリポートに許可は出してるよ」


つくしと2人で空を見上げること数分……旋回ばっかりして一向に降りる気配がないんだけど!
その音の方が五月蠅いじゃん。

ほら、3匹もめっちゃ迷惑そうだし。


「田村、いる?」
「はっ!いかがされましたか?類様」

「あのさ、城に付けてるスピーカーのスイッチONにしてマイク持ってきて」
「は?!城内アナウンスですか?」

「ううん、城外アナウンス。音量最大ね」
「…畏まりました」


田村が急いで持ってきてくれたマイクを持って……大きく息を吸って……


「司ーっ!!そんなところ飛んでないで降りてきたらいいじゃん!
ヘリの音、五月蠅いんだけどーっ!」



俺の声が聞こえたのかな?
ヘリは少しだけ高度を下げたかと思ったら窓が開いた。

そして見えたのは真っ赤な拡声器を持った司。


「降りてぇのは山々だけど、そっ、その犬どっかに移動させろーっ!!
そうじゃねぇとそこに行けねぇんだよっ!!」



馬鹿じゃないの?ホントに……。
琥珀達が怖くて降りられないんだ?

チラッと見たら、今の司の声に反応して既に威嚇態勢の3匹。
「ウ~ウ~」って低い声で今にも吠えそうなんだけど。

「珀、桃、菊、大変だろうけどしばらく上を睨んでてくれる?」

「わんわんわん!!」


これで司の襲撃はないってことだよね♥


くるりと向きを変えて、つくしの肩を抱いて城の中に入ろうとしたら……目の前に静司郎?
いつ池から来たの?…全然気が付かなかったんだけど。

「…………クヮ」

この静かな訪問者は一体なにがしたいのか……。
誰が好きでここまで飛んでくるのかさっぱりわかんないんだけど。


「静司郎ーっ!!帰ってこーい!
巫山戯んなよ、お前の主人は俺様だぞーっ!!」


「…………」

「やっぱり司のこと、主人だと思ってないんだろうね」
「みたいだね」



終わり💦


皆様、こんにちは~♥plumeriaでございます。

3番目は司君でした~!

ハシビロコウと言えば・・・これも我が家で登場させたメスの「ソウジロウ」・・・(笑)ちなみに旦那様は「ツカサ」です♥
何故かS様が好きなようでして、ラインスタンプもハシビロコウがよく登場します。
類君が犬、総ちゃんが鷹・・・司君は何がいいかと話した時、この顔が頭に浮かんだんですよね。

そしたらぶん投げられてきました(笑)

今でも色んな動物を書いていますが3人で話した事は・・・

「なんかさぁ・・・毎日動物のこと調べてない?」
「無駄に知識が増えていくんだけど」

「無駄じゃないって!これも勉強よっ!」

「それにさぁ・・・画像が動物しかないんだけど」
「1ヶ月で画像500枚ってどうよ?」

「お遊びもほどほどにしないと・・・」
「止められる?」

「・・・止められない」
「「だよね~」」

「・・・じゃ、次誰にする?類が終わったから今度はあきら?」
「司君じゃない?総ちゃん次なに?」
「でもさ、これの公開日、いつよ?」
「・・・さぁ?」
「まぁまぁ、いいじゃん!何書きたい?」
「えっとねぇーっ♥」
「だから落ち着こう?」

「1人ずつ、いや、1匹ずつ終わらせようっ!!」
「「だよね~」」


そういうことで、来週元旦も15:00にお会いしましょう!!


本日のS様、お遊びコーナー!

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ご主人様、完全無視の静司郎君(笑)この先もよく登場しますよ~♥

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意外と大きな鳥さんです。ちゃんと飛ぶんですよ💦

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たまにはこんな面白い顔も。


そしてっ!(笑)S様の新コーナー!動物たちの本音シリーズ♥
この先もブラックアニマルが出てきます!


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2018/12/25 (Tue) 15:56 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

つくしんぼ様、こんばんは!

おおっ!琥珀ですか?可愛いでしょ?

そういう私は実は犬がダメなんですよ(笑)
実家で柴犬飼ってたんですけど、18年間怖かったです💦

で、ハシビロコウはどうしても私には司君に見えるんですよ(笑)
数ヶ月間続くと思うので(そんなにかいっ!!)もし良かったら遊びに来てくださいね♡

類君、更に疲れてます・・・ははは!

2018/12/25 (Tue) 20:22 | EDIT | REPLY |   
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2018/12/25 (Tue) 22:14 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

miz**様、こんばんは。

コメントありがとうございます♡

3匹、可愛いでしょ?この子達は花沢城のSPですからほぼ毎回出るんです。
つくしちゃんを守るために必死でガードしまくるんですが・・・最終的にはお友達になってしまうんですよね(笑)

つくしちゃんが笑っていれば幸せな3匹でございます!

さて、こうなると残りはあきら君♡
今度は何が出るのかお楽しみですが、来週は元旦ですのでね・・・(笑)

可愛いのがやってきます♡お楽しみに!

2018/12/26 (Wed) 00:18 | EDIT | REPLY |   

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