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plumeria

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「はい、先輩!これで全部のバイトが終わりましたわ。長いことありがとうございました。助かりましたわ」

「こちらこそ長いこと居座っちゃってごめんね?バイト代、こんなに貰っていいの?」

「いいんですって!私の方も化粧品の売上げが好調で嬉しいぐらいなんですもの!なんたって先輩があんなに綺麗に変身するんですもの、世の中の女性が自分でも変われるんだって信じ込むには持って来いでしたわよ!」

「・・・それ、褒めてる?」


12月20日、やっと桜子から解放されて久しぶりに自分のアパートに戻った。
夏に留守にしたままだから部屋の中が夏仕様のまま!急いで炬燵出したり布団を変えたり冬物を出したりと大忙しだった。

今まで料理もサボってたから久しぶりにご飯を炊いて味噌汁を作って、お風呂掃除してトイレ掃除して、引っ越ししてるみたいなドタバタぶり。
でも、そこでフッと鏡を見たら・・・何だか肌がツルツルしてる?

「あれ?私ってこんなに肌が綺麗だったっけ?」

元々肌だけは色白で綺麗だって総二郎にも言われたけど・・・こんなにツルツルスベスベだったかなぁ、と自分でほっぺたを触って首を傾げた。
そう言えば毎日お手入れお手入れ!って桜子に言われて、面倒臭いってサボったらすっごく怒られたっけ。



『お風呂上がりにプラセンタエキスの美容液をつけて、その後に化粧水と乳液。こっちの美容液は1日おきで、3日に1回はパックですわ。腕と脚にはこちらのボディミルクで保湿して、ネックラインもお忘れなく。美白美容液ですけど・・・』

『まだあるの?もういいよ~、何のためにこんなことするの?無理だって、私には必要ないもん!』

『何を言ってるんですか!明日の綺麗は今日作るんです!それは自分と好きな人のため、そう思ってお手入れですわ』




好きな人のため・・・かぁ。

私は今まで総二郎のために自分磨きなんてしたっけ?肌の手入れだってした?夏の日焼け止めぐらいかなぁ・・・。
総二郎が格好良すぎるから隣に立つのが嫌だって言ったら「俺は普段のお前でいいけど?」ってサラッと言われたから、努力なんてしなかったな・・・。


「・・・・・・今日もお手入れ、しようかな」

アパートの狭いお風呂に入って温まって、炬燵に入って化粧品を並べた。
今では順番も覚えたお手入れ方法を小さな鏡見ながら念入りに・・・その時にタンスの上に放置してた去年のプレゼントの包みが見えた。

どうしても捨てられなかった総二郎のための・・・クリスマスとバレンタインのプレゼント。
その包みが自分たちの行き場を探してる、そんな風に見えてもう1度手に取った。

選んだ時の自分の気持ち・・・それを思い出しながら、頭の中に1つの計画が浮かんだ。



****************



「西門く~ん、今年のクリスマスはどうすんの?」
「ねぇねぇ!良かったら私達と温泉とか行かない?もう街のイルミネーションとか見飽きたでしょ?のんびり旅行も良くない?」

「・・・・・・」
「ねぇってばぁ!行こうよぉ!」


結局あれから1度も団子屋にもファミレスにも喫茶店にもバイトに行ってない。大学にも殆ど顔を出してない。
あいつ・・・一体何処で何してるんだ?

憂さ晴らしで出てきた馴染みの店で両隣に五月蠅い女がくっついていたけど完全無視して自分の世界に浸っていた。


本当に歌舞伎町でバイト?そうは思ってもこの俺が歌舞伎町なんてウロウロ出来ない。
そんな場面を週刊誌にでも載せられたら親父に殺される。
たとえどの店にも入らなかったとしても、俺達の遊びにはそこそこのレベルがある・・・銀座の高級クラブでの写真ならまだしも・・・いや、そうじゃなくて。

まさかこの時間にも・・・

「ミニスカで・・・おっさんと?」

「えっ!西門君、ミニスカが好きなの?」
「うそっ!そんな趣味?ミニスカ好きなのはおじさんだと思ってたけど!」

「・・・は?馬鹿か!俺がミニスカなんて好きな訳ねぇだろう!うるせぇんだよ、退けっ!」


ウザい女達を押し退けて店を出て、当てもなく夜の街をブラブラしていた。
クリスマスシーズンは特に夜が明るい。目障りなほどのイルミネーションと人混みで鬱陶しいぐらいだ。そんな中をベタベタくっついて歩く奴らを見てイラッとする・・・。

ただ、やっぱどの子もみんな綺麗に見える。
好きな男の横にいるんだから当たり前・・・その日のその時間のために必死だから。


牧野はそういう事には超がつくほど鈍感・・・それはわかってて惚れたんじゃなかったか?
むしろそのぐらい真っ新なあいつが好きで、自分も自然体でみっともない部分を見られても、それを笑って丸っと受け止めてくれる部分にホッとしてたんじゃなかったか?

それなのに1年前、他の女と牧野を一瞬でも比べたんじゃねぇのか?


俺が最後に聞いたあいつの言葉は『総二郎なんか大っ嫌い』・・・あの時の涙を流した牧野の顔が今でも俺の頭から離れなかった。


ブラブラ歩いていた足を急に早めて俺はある店に向かった。
去年は何も渡せずに終わったから・・・もし、25日に会えたらあいつに渡してやりたくて。



**************


<side桜子>
どうでしょう・・・そろそろ西門さんもイライラMAXで、先輩はご自分に足らなかった部分を思い出したかしら?

私が思うにこの2人、単純なんですよ。ですから行動が読みやすいんです。
だから最後の仕掛けを準備しなくてはね♥

♪~~♪~~

「もしもし?ピエール?最後のお願いだけどいいかしら?」
『もうこれで最後なの?でも俺、ツクシのこと、本気なんだけど』

「そこは我慢してくださらない?バイトが終わったら先輩に似た女の子を紹介しますわよ?」
『ううん、ツクシがいい。イギリスに持って帰りたい』

「持って帰るのは自由ですけど、その前に流石のあなたでも驚くような男性が現れて、顔の原型を留めないほどヤられますわよ?それにとんでもないお坊ちゃまですから2度と東京の街を歩けなくなるかもしれませんわ。それでもいいのなら闘ってみて?」

『・・・やめとく』

「それが宜しいわ。再度ご忠告ですけど、彼が現れたら素直に手を引いて逃げてください。では、バイトの内容ですけど・・・」





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Comments 4

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2018/12/24 (Mon) 13:19 | EDIT | REPLY |   
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2018/12/24 (Mon) 14:49 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは!

まぁ、1年もかかるのは確かにどうかと思いますがね(笑)
書きながら自分でも「そんな馬鹿な!」って何回言ったことか・・・!

この喧嘩は現実だと1週間で解決しそうですもんねっ!(笑)
そこはほら・・・笑って見逃してくださいねっ♡

総ちゃんの1年間・・・・・・いやいや、今年は可愛くいきたいのでそんなっ💦
苦手分野には踏み込みません(キリッ!)

2018/12/24 (Mon) 20:31 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

てるる様、こんばんは!

あっはは!確かに・・・言われるまで気が付きませんでした💦

イギリスに持って帰りたいだなんて・・・(笑)
こんな所でイギリス人に成り済ました類がいたとはっ・・・!!

2018/12/24 (Mon) 20:34 | EDIT | REPLY |   

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