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「牧野・・・不思議な人が下にいるみたいだけど知ってる?」

「不思議な人?」

類に言われて窓から下を覗き込んだら・・・類が不思議な人と言ったのは私のお父さんとお母さんだった・・・。
確かに凄い格好してるかもっ!普段着って言ったけど、ホントに普段着で来ちゃったじゃないのっ!

慌てて類に「降りてくる!」って言ったら「俺も行く!」って。2人で階段を駆け下りてビルの前に出たらお母さんが嬉しそうに笑って近寄って来た。

「つくし~!久しぶりねぇっ!元気だったの?」
「元気だけど、どうしてホントに普段着で来たのよ!コンサートって言ったでしょ?」

「つくしが自分で言ったクセに何でそんなに怒るんだい?裸で来たわけじゃないんだから・・・ねぇ、ママ」
「馬鹿言ってんじゃないっつーの!今日は類を紹介するって言ったのに!もうっ!」

「・・・・・・」


類が固まってる。ヤバい・・・ショック受けたかしら。

お父さんはヨレヨレのジャケットにポロシャツ!しかもボタンを留めてないから肌着が見えてるっての!それを慌てて私が留めたけど、ズボンの色と合ってないじゃないの!
お母さんはクリスマスを意識したのかグリーンのセーターに渋いけど赤いスカート?クリスマスツリーじゃないんだからもう少し大人しい色合いの服はなかったのかしら?!

しかも2人ともこんなに寒いんだから厚めのコートぐらい着なさいよーっ!って、持ってるのかどうかも知らないけど。


「類、あっ、あのこれがうちの両親・・・です」
「・・・あっ!初めまして。花沢類と申します。今までご挨拶もせずに申し訳ありません。今日はお会いできて・・・嬉しいです」

類の動揺を隠せない挨拶があったけど、今度はうちの両親が類を見て固まった。ヤバいっ!こっちは類に見惚れてるわ!

「・・・ま、牧野つくしの父でございます!娘がお世話になっておりました!」
「なんで過去形なのよっ!!」

「きゃああぁーっ!つくし、ホントにホントだったのねぇっ!・・・素敵だわぁ・・・」
「ちょ、ちょっと待って!ここ路上だからとにかく上に!ほら、類もぼーっとしないでっ!」

「あ、あぁ・・・そう、だね」


お父さんとお母さんを教室に連れて行って指定の席に座らせたら、こんな所が初めてだから大騒ぎ。
「驚いたでしょ?」って類に聞いたら「面白そうな2人だね」って笑ってた。ちょっと・・・引き攣ってたけど。

すぐその後には前田さんが到着して、類が席まで案内したら、ここでは加代さんと懐かしそうに話してた。
それからアリスとさんジルベールさんが来て私達に薔薇の花束をくれた。席まで案内したのはマリアさん、フランス語を初めて聞くうちの両親の間の抜けた顔に類が噴き出してた。


「よっ!遅くなったな!」
「意外と綺麗な教室じゃん?へぇ、中は思ったより広いんだな」
「「こんばんは~♪類お兄様、つくしお姉様」」

最後の方で現れたのは西門さんと美作さん兄妹。

あれだけ普段着でって言ったのに西門さんは黒のタキシード。美作さんはグレーのタキシードで双子ちゃんは色違いのドレス姿。ここだけ世界が違ってるから子供達もその親も、うちの両親達も驚いて目がまん丸になってる。

そして何故か私にじゃなくてマリアに薔薇を一輪手渡して、スムーズな動きで手にキスしたのは西門さん。
「そこに彼氏がいるわよ!」って言うと「ごめんな!」ってアランさんに片手をあげて笑ってた。

アランさんに前もって話してて良かった・・・。


類と橋本さんとアランに可愛い封筒を渡したのは双子ちゃん。
プレゼントは持ってこなくていいって言ったからお手紙を書いたそうだ。それを3人が受け取ってニッコリすると、何処からか溜息のような声が漏れる。
多分生徒のお母さん達が類の笑顔に感動したのね・・・。


「牧野、ほらよ!」
「はい、これは俺から」

「・・・要らないって言ったのに」

2人は私に綺麗な包装紙で包まれて高級そうなリボンで結ばれたプレゼントをくれた。
「帰ってから見ろよ?」って言われたからここでは開けずに控え室に・・・類はちょっとだけ面白くなさそうな顔してたけど、それも西門さんと美作さんが宥めてた。


「あれ?この真ん中は?」

美作さんのひと言で私と類が顔を見合わせた。


その席は類のご両親の席だったから。
時間はもうすぐ5時・・・まさか来てくれないのかしらって不安になった時、ガチャっとドアが開いた。


入ってきたのはお父様とお母様・・・!



*****************



牧野がこれだけセッティングしてくれたのに裏切ったのはやっぱりうちの両親か・・・って内心呆れてた時に現れたのは父さんと母さんだった。

もし来たとしても母さんだけだろうと思っていたから、母さんの後ろに父さんが居たのには流石に驚いた。
表情はまるで怒ってるようにも見えて、そんな顔で来るぐらいなら来なきゃいいのに・・・なんて俺の表情も硬くなった。

それなのに・・・

「お父様~!お母様~!いらっしゃい、お待ちしてましたぁ!」

「あらあら、私達は遅かったようね。ごめんね、つくしちゃん」
「・・・・・・母さんが支度に手間取るからだろう」

牧野が俺の横を通り過ぎて2人に駆け寄り、母さんだけじゃなく、父さんの手も取って席に案内した。


なんで・・・?なんで父さんの手を取れるの?あんた・・・もう許してるの?

そう思った時には2人は席に座り、母さんは俺に手を振ってたけど・・・俺は驚きすぎて身体が固まっていた。
「ほら!挨拶しなきゃ!」って牧野が今度は俺を引っ張って2人の前に連れて行った。


「・・・・・・来てくれたんだ。ありがと・・・」

「・・・社長室まで押し掛けてきたんだ!欠席したらまた来るかもしれんからな。仕方なかっただけだ」
「あなたったら・・・もうっ!」

「社長室?牧野が?」

「・・・・・・ふんっ、仕事の邪魔をしないように説明しておけ!」
「お止めになって、あなた」


振り向いたら真っ赤な顔してちょっとだけ舌を出した牧野が苦笑い・・・それを見た総二郎とあきらもクスクス笑ってた。
橋本さんは嬉しそうに、マリアとアランは何が起きたかわかってない。
ただ、アリスとジルベールは事情を知ってるから喜んでたし、うちの両親と挨拶を交わしていた。


これで招待客は全員揃ったから、挨拶は橋本さんがしてくれた。


「本日は私達の演奏会に来ていただきましてありがとうございます。急に集まったメンバーですのでもしかしたら聴き苦しい部分があるかもしれませんが、気持ちだけは1つにして演奏致します。
何より音楽を楽しんでいただきたい・・・演奏者の心の声を聞いていただきたい、皆様のクリスマスの思い出に残ればと願いながら演奏致します。それでは支度をしてきますので暫くお待ち下さいね」



**


「・・・どういう事?」
「えっ?あっはは!いいじゃない、来てくれたんだから♥」

「会社にまで行ったなんて聞いてない」
「教えてないもん。机に招待状広げてね、真横まで行って何を演奏するのか説明したのよ!」

「・・・どうしてそんな事が出来るの?そんなにすぐに許せるの?あんた、ホントにお人好しだね」


「だって類のお父様だもん。ずっとあのままでは居られないわ。仲良くするのに時間なんて待つ必要ないって思ったの。
でも私もね、あの時のことは許しません!って言ってやったわよ!」


控え室で2人でした会話・・・ホントに驚くよね、牧野って。


3人はわざとらしく俺達に背中向けてる。
だからそっと牧野を抱き締めてキスを1つ・・・そして耳元で囁いた。


「ありがとう・・・嬉しいよ」





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2018/12/24 (Mon) 06:21 | EDIT | REPLY |   
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2018/12/24 (Mon) 08:09 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: Merry Christmas~イブ!

えみりん様、こんにちは♥

Merry Christmasイブ♥!!あっはは!そう言いながら私は仕事です~💦

そんなに私は事件魔ですか?そんな馬鹿なっ!
ここまで来て揉め事なんて起こしませんよっ♥

我が家はクリスマスは何にも致しません(笑)
ケーキも買わないし、プレゼントもないし、ご飯も普通に和食です。

でも、明日の夜には娘が帰ってきますので賑やかになります(笑)
私に何か買ってくれたそうなのでそれが楽しみ~!
(って前回はお漬物でしたがね・・・)

明日も夕方までお仕事です・・・とほほっ!

2018/12/24 (Mon) 16:30 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様 こんにちは。

お祭りコンビからの・・・ふふふ、なんでしょうかね?
あきら君は多分、妹ちゃんの前で開けられたらマズいモノではないかと思います!
総ちゃんは・・・類君に怒られると思います(笑)

つまり、あっち系ですよね~💦

類パパ、きっとこの日の朝からソワソワしてたんでしょうね(笑)
それではコンサート、始まります♥

2018/12/24 (Mon) 16:34 | EDIT | REPLY |   

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