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plumeria

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大勢の人の前でピエールに抱きつかれて今にもキスされそうなぐらい顔を寄せられた!
それに驚いて必死で片手を彼の顎に当てて引き離そうとするけど・・・凄い力で押してくるから全然効果がないーっ!
それなら足でって思ったけど・・・ヒールが高すぎて片足で立てないっ!

「やだっ・・・!ピエール、やめてってば!」
「どうして?俺のためにそんなに可愛くしてくれたんでしょ?最近ずっと会ってくれなかったから寂しかったよ、ツクシ!」

「誰があんたのために頑張ったのよっ!これは総二郎のために・・・!!」

そう言った時、目の端で猛スピードで走り寄ってくる人影を捉えて、チラッとそっちを見てしまった。


それは・・・黒髪の綺麗な男の人で、少し意地悪で結構エロくて、でも・・・私の1番好きな人で、今日1番会いたかった人。

いつもはクールでそこまで走ったりしなのに、ニヤけて巫山戯てばかりなのに、今はすごく怒った顔してこっちに向かって走ってくる・・・その人がすぐ近くまで来た時、私は思わず叫んでしまった!

「総二郎ーっ!!助けてぇっ!」

「つくし、顔伏せとけ!この野郎っ、つくしから手を離しやがれ!」
「うっ、うわあぁっーーっ!!」

「きゃああぁーっ!」

顔を伏せろって言われたから咄嗟に下を向いてギュッと目を閉じたから何が起きたかはわかんない!
でも、総二郎の声と共にピエールが私から離れたから、顔を手で覆ってその場にしゃがみ込んだ!
「馬鹿野郎っ!俺の女に何しやがんだ、てめぇっ!」って総二郎の声が聞こえて、その時にボカッ!と人が殴られる音がした。

まさか総二郎がピエールを殴り倒した?
恐る恐る手を退けて目を開けたら、凄い人集りの中で総二郎がピエールの左頬に拳を振り下ろした、まさにその瞬間だった!
でも、それが1発目じゃない!ピエールがお腹を押さえてるから総二郎、蹴りまで入れちゃった?!

「総二郎、総二郎ーっ!もういいから・・・もういいからっ!!」
「馬鹿言うな!お前に手を出したんだからこんなもんで済まされるか!」

しゃがみ込んでる場合じゃないっ!
ピエールの喧嘩の腕なんて知らないけど、総二郎に本気出されたら病院行きじゃないの!そう思って飛び出して、総二郎の身体を止めようとした。

「痛いっ、痛いって!!わかった・・・もう近づかないからやめろよっ!」
「喧しいっ!人が黙ってりゃ夏前からこいつに付き纏いやがって・・・てめぇなんかがこの俺に勝てるとでも思ってんのかよ!」

「・・・えっ?総二郎、なんで知ってんの?」


「そりゃお前!俺はずっと・・・・・・あっ」

ピエールを殴ろうとして振り上げていた拳はこの時ピタッと止まった。


「夏前からピエールと私のことを知ってたって・・・どうして総二郎がピエールのこと知ってるの?」
「・・・・・・」

「総二郎・・・もしかして見てたの?」
「・・・・・・」


総二郎が止まって、私も総二郎の真横でコートの裾を握ったまま彼の顔を見上げていた。
その隙をついてピエールは凄い速さで何処かに走って逃げていったけど、もうそんなことはどうでもよくて、私は1年ぶりに会った総二郎のことで頭が真っ白になってた。


『会いたかったの』・・・そう言おうと思ってずっとこんな所にいたのに何も言葉に出来なくて、ただ・・・目の前に立ってる総二郎の目を見つめてた。



***************



今、俺の目の前に立ってるつくしはめっちゃ綺麗だった。
これまで見たこともないぐらい・・・マジで綺麗で可愛くて、俺は目が離せなかった。


そんな服で会いに来たことなんてねぇし、そんな髪型も初めてだし、そんなに化粧も上手くなかったよな?
いつもスッピンかよってぐらい薄いメイクで、確かに綺麗な黒髪だけど手の込んだアレンジなんかした事ないよな?

アクセサリーだってせっかく開けてるピアスホールにいつもおもちゃみてぇなのしかぶら下がってなくて、洗い物に困るからって指輪だってつけてなくて、無い胸が余計強調されるからってネックレスだってつけねぇで・・・。

俺はそんなお前でもすげぇ好きだったけど・・・。

でも今日のつくしの耳にも首にも俺の知らないアクセサリーがつけられてて、そいつにドキッとした。


「・・・怪我、無かったのかよ」
「うん、大丈夫・・・驚いたけど何もされてないし」

「せっかくのコート、少し汚れたんじゃねぇのか。そんな白いの着て・・・」
「あはは!ホントだ、さっき踞ったからその時かな・・・」


ヤバい・・・なんでこいつこんなに全身可愛くしてこんな場所にいるんだ?夏から居なくなってたけど、その間に新しい男でも出来たのか・・・それでこんな格好で待ち合わせてんのか?お前にそのアクセサリーを贈ったのはそいつか?

そいつのためなら自分を磨こうって気になったのか?
それならこんな所に来た俺って、マジで馬鹿みたいじゃね?でも、さっき俺に助けてくれって言ったのは何だ?

頭の中がこんがらがって言葉が出てこない・・・あの小っ恥ずかしい台詞は何処行った?今、言うんじゃなかったのか?
小さく唇が動くけどこいつの名前すらサラッと出すことが出来なかった。


「ありがと・・・助けてくれて」
「あ?あぁ・・・いや、こんぐらい何でもねぇし」

「そっちこそコートのボタン、取れ掛かってない?さっきピエールに掴まれたの?」
「え?・・・そうかもしれねぇけど覚えてないわ。夢中だったから・・・」


お互いにその程度しか言葉が出なくて、そのうち俺達を囲んでいた人集りもバラバラになって何処かに行きやがった。

俺達はクリスマスツリーの前の通路で向かい合ったまま・・・そしたら雪が降ってきた。あの日のようにチラチラと小さな雪が俺達の間に降ってきた。



「・・・思い出すね。1年前のこと・・・あの日も寒かったね」
「あぁ、そうだな。お前は安物のジャケットしか着てなかったから余計に寒かったんだよ」

「くすっ、そうだったっけ?」
「忘れたのかよ!俺が買ってやるって言ったのに要らないって言うから・・・風邪引かせたくなかっただけなのに」

「・・・1年前はね・・・自己満足の恋だったの」
「自己満足?」

「うん・・・総二郎のためだって思い込んでた我儘な私の行動にね・・・自己満足してたの。ごめんね、総二郎」

つくしはそう言うと俺の目を見てニコッと笑った。

それを見たとき、俺はもう何も考えられなくなって目の前のつくしの腕を引っ捕まえて自分の両腕で抱き締めた。
「うわっ!」って声はこんな格好してても変わんなくて笑える・・・今まで見たことがないフワフワしたつくしの髪の中に自分の顔を埋めて、真っ白なコートのこいつを思いっきり抱き締めた。


「そんなんじゃねぇよ・・・そのままのお前がいいって言っておきながら、俺は自分の都合に合わせて振り回そうとしたんだ。だからお前が謝らなくてもいいんだ」

「・・・総二郎?」

「本当は格好がどうこうじゃ無くて・・・ただ単に俺はつくしとずっと一緒に居たかっただけだ。ずっとこうして抱き締めてたかっただけなんだって」


今更のようにドキドキしながら、まるで初めて女に告ると時みてぇに声が掠れてみっともなかったけど、言いたかった言葉をやっと言えた・・・そしたら今度はつくしを離せなくなって、せっかく綺麗にしてるこいつの髪に指を突っ込んで頭を抱え込んだ。

「痛いよ・・・」って小さく声が聞こえたけど知らん顔して、「人が見てるよ」って声なんかどうでもよくて、1年ぶりに触れるつくし思いっきり抱き締めていた。


どのぐらいそうしてたのか、つくしも俺の腕に抱かれてクスクス笑っていたから身体を離した。
自分の周りを見たら通りのド真ん中・・・行き交う奴らが見ちゃいけないものでも見るかのように赤い顔して通り過ぎるから、すぐ近くの街路樹の下まで移動して、そこで二人並んでツリーを見た。


「お前・・・待ち合わせしてたんじゃねぇのか?」
「してたよ」

「・・・そいつ、いいのかよ。来なかったのか?そんなにめかし込んだのにフラれたのか?」
「失礼な!ちゃんと来てくれたわよ。あっ!ピエールじゃないわよ?」

「じゃ、何処に?どんな男だ?!」
「・・・鏡見ときなさいよ」



「・・・は?」

「くすっ、馬鹿ね、総二郎。他に誰を待つのよ・・・そっちだって来たクセに」


つくしはそう言うと「MerryChristmas、総二郎」って小さな声で囁いて、俺の頬にキスをした。
10センチのヒールは俺達の距離を縮めて、ドレスアップしたつくしは魔法でも掛かってるかのように大胆に、大勢の人間が通り過ぎる道の真ん中で・・・「大好き」って言葉をくれた。




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2018/12/25 (Tue) 13:48 | EDIT | REPLY |   
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2018/12/25 (Tue) 14:12 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは!

きっとピエールにもつくしちゃん並みのバイト代が出るんですよ。
そうじゃないと総ちゃんの蹴りと拳は痛かったと思うし(笑)

総ちゃんにとっては1年ぶりのつくしちゃんではありませんでしたが、つくしちゃんにとっては1年ぶり。
このあとどうなるか・・・?

あはは!今回はPlumeriaにその気がございません💦
総誕イベントで充分書きました💦大人しくクリスマスを迎えたいと思います♡

2018/12/25 (Tue) 18:58 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

みわちゃん様 こんばんは!

あはは!一年中短パンですから(笑)
雪が降ろうが短パンです。流石にルームシューズは履いてますけど。

年末は寒いみたいですねぇ・・・やっとコートの出番かしら。
重ね着が出来ない人なんですよね(笑)11月まではTシャツ1枚でしたから。

お話・・・こんな喧嘩に1年もかけるんかいっ!みたいな感じですが(笑)
何とか元の鞘に・・・って事ですかね?
総ちゃんの連載が暗すぎるので明るくしたかったんですよ(笑)

類君の方も何とか上手くいきそうで♡
これで「隣の・・・」ともお別れかと思うと淋しいですね・・・。

元旦もGPSは活動してますのでどうぞ宜しくお願い致します(笑)

2018/12/25 (Tue) 20:17 | EDIT | REPLY |   
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2018/12/27 (Thu) 10:46 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんにちは!

お久しぶりです♥お元気ですか?
コメント本当にありがとうございます!

あはは!今年はR疲れでクリスマスストーリーは控えめに行ったのよ(爆)
本当は総ちゃんのラストはがっつりコースでも良かったんだろうけど、
私、1ヶ月に1回ぐらいしか書けないから(笑)

それなのにSetinと総誕と私の帰る場所の始めにめっちゃ書いたからね・・・筆が折れたんです。

類君のは爽やかに、且つ甘々に・・・こちらもほんわかと終われて良かったわ♥


連載・・・類君でコメディ書くって大変ねぇっ💦
結構難しくて悩みながら書いてます。

で、あのシーンは・・・公開寸前まで「こんなの書いていいんだろうか」って悩んだのよ(笑)
ヤバいでしょ、類君にアノ反応なんて書いちゃ!

怒られるだろうか・・・って思いながら公開しちゃった(笑)

総ちゃんの連載・・・誰もコメントできないほどの暗さ(笑)
それなのにまだまだ続くという恐怖・・・2人が離れてるから書くのが大変💦

色んな意味で問題作品ですが、頑張って最後まで書き上げたいと思います。


GPS・・・これはもう!!
すっごく楽しんで書いてます!何処まで続くんだろうって思いながら(笑)
止まらないのよねぇ・・・S様が不用意に呟いたひと言から始まって、夏ぐらいまで遊ぶかもよ?

ふふふ、気晴らしに読みに来てくださいね~!


私は今の所風邪もインフルにもなってないです。
元気・・・とまではいかないけど生きてます!!

パール様も身体に気をつけてくださいね。
何があってもPluはパール様の応援団です。きび団子、山ほど差し入れしますからね!

頑張りすぎたら倒れちゃう・・・だから程々にして楽しい事を見つけて過ごして欲しいと思います。
時々はお話ししましょ?待ってるからねぇ~♥

コメント、ありがとう~!!



2018/12/27 (Thu) 17:25 | EDIT | REPLY |   

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