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とある日の西門城、総二郎寝室


ピィーーーッ
ピィーーーッ


……………。

今日は休みなんだからもう少し寝かせてくれたっていいだろうよ……?

蒼穹と疾風の鳴き声に心の中でぼやきながら寝たふりを決め込むことにした……ってのに………。


ピィーーーッ!
ピィーーーッ!!


……………。

「あー、分かったから静かにしろって!」

体を起こせば蒼穹と疾風がベッドサイドまで飛んで来る。

「いつもありがとな!」


ピィーー♪♪


俺が起きたことでテンションがあがったのか部屋の中を小回りにぐるぐると飛び回る。
そんないつもと同じ朝。


せっかくの休日だってのに予定もないっつーのはどうなんだ、俺……?
いや……厳密に言えば誘いはいくらでもあったんだけどよ。
けどよ?
あの笑顔に勝るもんがあるように思えるか?
ってことで全部断った。

しかも!だ!
今日は初の試みだしな♪


気を取り直して身支度をし朝食を済ませてから、その部屋へと向かった。


ピィーー
ピィーー


「おっ!お前たちも気になるのか?
来てもいいけどおとなしくしてろよ」


両肩に二羽を乗せうきうきしながらその扉を開いた。



「チーズ…キタヨ♪
チーズ♪チーズ♪

ツクシチャン…アサヒ……イイコ♪♪

チーズ…ダメダメ」

「朝陽、違うだろ?」

「チーズ…チガウ…ツクシチャン♪」


うーん…こりゃまだダメか?

第三の刺客、キバタンを前に計画を練り直そうかと考えてると、蒼穹と疾風が朝陽を挟むように隣に並んだ。


「ソウキュウ…イッショ…ハヤーテ……チーズチーズ」


くくっ。こいつどこまで理解してんだか。

つくしちゃんがチーズを欲しがってるから蒼穹に運ばせて、朝陽に伝言を頼もうと思ったけど、これじゃ無理か?
いやいや、せっかく一緒に飛べるように教え込んだんだから諦めんのは早いか?


ピィーー♪
ピィーー♪
ピィーー…ツクシチャン♪


「よしっ!じゃあ、行ってこい!!」

バサッバサッバサッ・・・!


さて……類達、どんな顔すっかな?




さて、その日の花沢城では……



「つくし……まだ時間掛かるの?もう止めたら?」

「もう少しだから待っててよ~。黒ちゃんのために今から植えても育つって言う人参なんだよ?」

「人参……黒曜星のために?」

「うん!また今度背中に乗せてもらうから!」

はぁ……さっきからそう言ってもう2時間も畑に居るんだけど。
人参の前は花の種まきだったのに。

金魚草にスィートピーにカーネーション……俺、どれだけジョーロに水汲んで往復したと思ってんの?
せっかくの休みの日にはもう少し、もう少し仲良くしてても誰も文句言わないと思うんだけど。

その時、畑の入り口で護衛のために見張ってた琥珀達が一斉に吠えた!

「わんわんわん!」
「わんわん!」「わぉ~ん!!」


「どうした?珀、何かまた来たの?」

3匹を見たら上空を見上げてる……?空からって事は総二郎?それとも司?

「……類、何だか蒼ちゃん達に見えるけど1羽多くない?」
「ホントだ。何だろ……白いのがいる」

「鳩?ううん、鳩にしては大きいよね?」
「蒼穹達と大きさが変わんないじゃん」

そうしてるうちに俺達の頭の上で旋回を始め、だんだん高度を下げてきた。


「おーーーい!蒼ちゃーん!疾ちゃーーん!
その子、お友達ー?降りておいでーっ!」


「ちょ、ちょっと、つくし、そんなに簡単に呼んだらホントに来るよ?」
「うん、あっ!来たよ、類!」


バサッバサッ……!

ピィーーーッ
ピィーーーッ
「ツクシチャーン♪」

「えっ?うわあーっ!!」
「きゃああぁーっ!私のこと、知ってるのぉ?!」

ズン!と腕が重たくなったかと思ったら、俺の右腕に蒼穹、左腕に疾風。
そしてつくしの頭の上には真っ白な……オウム?!


ん?何この匂い……蒼穹、なんか匂うんだけど。


「コンニチハ…ツクシチャン、コン……ピィーピィー♪」
「うふふ!こんにちは♥君は西門さんのところのオウムさん?
お名前は?」


「オナマエ、オナマエ……アサヒ、アサヒ、イイコ♪」
「朝陽ちゃんかぁ!可愛いねぇ!」

「アサヒ、カワイイ!アサヒ、イイコ♪」


イイコが人の頭の上で羽広げて踊る?
つくしの頭皮にそんなマッサージ要らないから!!

流石に痛かったのか、つくしは自分の腕に朝陽ってオウムを乗せて頭を撫でてやった。
これ、確かキバタンってオウムじゃない?総二郎、そんなに鳥が好きなの?


「ねぇねぇ、朝陽ちゃん、何か喋ってみて?」

「……ツクシチャン、チーズ…アゲル、アゲル、ピィ!
ハヤク……ワカレテ……ソウチャン、ピィ♪」


「ん?チーズくれるの?でも早く別れる?」
「ソウチャンって総二郎のこと?それとも蒼穹?」


「……ハヤク……ワカレテ、ソウチャンノオウチ、モドッテキテ!
ツクシチャン、マッテル!ソウチャン、マッテルヨー!!ピィー♪」


「……は?」
「総二郎が待ってる?つくしを?!」


どういう事なのさ!
俺とつくしが早く別れて総二郎の所に戻ってこいって?
総二郎がそれを待ってるってーーっ?!

あいつ……何を教えてんだよっ!
……いや、教えてる訳では無いのかも…
いやいやいや、でも 朝陽の前で言ってるって事だよね?

…………総二郎💢💢


「ねぇ、類……蒼ちゃん 何か匂わない?」
「………なんだろ?この匂い……」



つくしは、俺の右腕で毛繕いを始めた蒼穹に鼻を寄せ、首を傾げている。


「あ、つくしもそう思う?」

「うーん、なんだろ?」

「さっき、腕に止まられた時から気になってたんだよね…」


「……アサヒ イイコ♪チーズ チーズ♪」
「ソウチャン マッテル…チーズ マッテル♪」


「「チーズ?」」

「何も持って無いわよね?」

「だね」

「でも、匂うわよね?」

「かなりね」

「……あ、疾ちゃんの脚に…なんだろうこれ?
お手紙?付いてる」



『つくしちゃんへ

蒼穹にチーズを持たせた。
説明は、朝陽から聞いてくれ。
西門のチーズは、旨いぞ食べてみてくれ。

後で、三羽を迎えに行く。

総二郎』


「「……………?………」」

「蒼ちゃん、どこかにチーズ落としちゃったのかしら?」

「……さぁ……」


「「わんわん」」「わわんわん」


珀、桃、菊が懸命に吠えてる方向に視線を向ければ、今日も来たらしい ラスカル。


「また、来たんだ…」

「ねぇ 類。ラスカル何か白いの洗ってる」

「はっ?
それってさ…」


もしかしてチーズなんじゃない?って言おうとした時にはつくしはもうラスカルの元に駆け寄ってた。


っていうかさ…。
ここまで運んで来といてここで落とす?
いやいや…別に総二郎の所のチーズが欲しい訳じゃないんだけどさ。

思わず蒼穹を見たら、居心地が悪くなったのかつくしのいる方へと飛んでいった。
その後に続くように近寄ると、つくしは目線をラスカルに向けたまま呟いた。

「これって食べれるのかなぁ………」


えっ!ちょっと待って!!
川に落ちて?ラスカルが一生懸命洗ってるチーズをあんた、食べる気なの?!

「あんなの食べたらお腹壊すでしょ!
絶対ダメだからね!!」


「えっ…類?もしかして私が食べようとしてると思ってる?」
「思ってるよ!違うの?」

「流石にこれは私も食べないってば!!
私じゃなくてラスカルの話よ。

チーズなんて自然にはないものでしょ?そんなの食べたらお腹壊すんじゃないかなぁ?」


あぁ…そういうことか……よかった……。

「ラスカルに代わりの何かを渡したらいいんじゃない?」
「代わりの何か……」

つくしは辺りを見回したりポケットをごそごそするとハンカチを取り出してラスカルの前に出した。

「ねぇ、ラスカル?
このハンカチとそれ…交換しよう?」



キュー…キュキュ…!!


それは反論の鳴き声だったのか、ラスカルはチーズを守るように身を縮こませてる。

「うーん…これじゃダメかぁ…」

「わん!」
「「わわん!!」」

また吠えだした珀、桃、菊に辺りを見回した。


バサッ…バサッ……
バッシャーン…バシャッ………


空から降りてきたのは静司郎だった。
派手に水音を立てて着地すると、さも何事もなかったかのように置物と化してる。


キュキュッ♪♪


「あっ……うふふ」

それまで必死でチーズを抱え込んでたのに、チーズをポイッと転がすとラスカルは静司郎の足元に駆け出し、洗濯を始めた。
つくしは転がったチーズを回収すると振り向いてにっこりと笑う。

「よかったね、回収出来て」
「うん♪♪」

「さぁ…そろそろ部屋に戻ろうか」
「そうね♪」

帰れと言っても帰る筈もない蒼穹、疾風、朝陽とうちのSPを引き連れ部屋へ戻ることにした。




部屋で寛いでると田村が総二郎を伴い部屋へと入ってきた。

「よっ、お二人さん!
旨かったろ♪」



「ソウチャン…オカエリ…オカエリ!!
チーズ…ダメダメ…アサヒ…イイコ♪♪」


朝陽が真っ先に気づいてバサッバサッと羽音をたててその肩にとまった。

そうだよ…それがあった!!

「あっ、西門さん、いらっしゃーい!
あのね……言いにくいんだけど…」

「おっ、どうしたんだ?」

「つくし、ちょっと待って!」

今日の経緯を説明しようとするつくしを制した。

「総二郎、ちょっといい?!」





おしまい




15522669210.jpeg


<おまけ>

なんだ?なんでそんなに類が俺を睨むんだ?
……ってか、こんなに怖い顔出来るんだ?

それだけ腹が立ってるみたいだけど……なんで?

俺は迫ってくる類に押されるように部屋の壁まで追い詰められた。
まさかの……壁ドン?俺、それならつくしちゃんの方がいいけど?


「総二郎、お前……自分の城で何言ってんだよ」
「は?俺が俺の城で何言っても類には関係ねぇだろ?」

「関係あるよ!!総二郎が言ってるから朝陽があんな事言うんでしょ?!」
「朝陽が?……朝陽、お前何喋ったんだ?」


「……アサヒ、イイコ……イイコ?」

……なんで今度は朝陽が悩んでんだ?
まさか、またこいつ、言葉の順番間違えたのか?

よくやるんだよなーっ!
1つ間違えたらとんでもない伝言になるの!参ったな……。

「朝陽、怒らねぇから類に言ったこと、俺にも言ってみ?」


「……ツクシチャン、チーズ…アゲル。
……ハヤク……ワカレテ、ソウチャンノオウチ、モドッテキテ?
ツクシチャン、マッテル!ソウチャン、マッテルヨ……?」

「ねっ?俺とつくしが別れて総二郎の処に戻ってこい、待ってるよ、って意味でしょ?
これを総二郎が言ってるから朝陽が覚えたんだよね?

どうなの!総二郎……事と次第によっては俺、闘うけど?」



………………。

確かにそう思えるよな。
うんうん……やっぱりダメだったか。

まぁ、朝陽には罪はねぇ……俺の頼み事が長かったんだ。

「いや、類……それな?全然内容が違うんだわ。
俺が言ったのはな……」



『朝陽、いいか?これはつくしちゃんにあげるチーズだ。2個準備してるからな。
蒼穹は1度に1個しか運べねぇから、届けたら朝陽が説明すんだぞ?
蒼穹はそこでお前と別れて2個目を取りに城に戻ってくるはずだから
お前はつくしちゃんと花沢で待っとけ。
俺は蒼穹を待ってから残りを届けさせるからな。

早く食うように言うんだぞ?わかったか?朝陽』



「ほらな?朝陽が順番やら途中の言葉を省くから訳わかんなくなったんだよ」

「あのさっ!!オウムにそんな文章が覚えられると思ってんの?!
最初っから総二郎が届ければいいじゃんっ!」


「あっはは!やってみたかったんだよ。
朝陽に言葉教えたからどれだけ出来るのかと思ってさ!
疾風はチーズ持って飛ぶ訓練してねぇし、蒼穹も何故か戻ってこねぇしおかしいなぁとは思ったけどよ。

まぁ、いいじゃん。で?旨かったろ?」



あれ?なんで類とつくしちゃんが変な顔してんだ?
しかも蒼穹、なんでバツが悪そうに背中向けてんだ?


……ん?みんなどうした?





おまけ・おしまい


こんにちは~!plumeriaでございます。

今回は総ちゃんでキバタンでした♡
どうやらこれも12月中頃、私が具合の悪かった時に書いてたみたいです(笑)
ハムちゃんやカンガルーやユキちゃんと同時進行だったんですねぇ💦

↓ 具合悪いのに画像とか選ぶからこんなものを作られました💦

15522669290.jpeg


そしておまけが発生したのは、朝陽の言い間違い部分を書いたのが私だったから(笑)

「ホントはどう言う伝言だったのよ?」ってお二人に言われて「おまけ書いて説明してね」って💦

いや、そこはねぇ・・・適当に決まってるでしょ?
それこそ繋いでくださるお二人が知恵を振り絞って考えてくださるものと思っていたら甘かった(笑)


そしてS様、これも作ってくれました♡

15522669870.png

あはは!ソウイチロウ(笑)あれはコンゴウインコだってば!!


それではまた来週~♥
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