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「東との国境線にはもう少し空軍を強化しておいて。あいつ、すぐ飛んでくるから」

「はっ!畏まりました」

「北との国境線は今の3倍ぐらい塀を高くしといて。あそこの洗濯屋がすぐにやってくるから」

「はっ!畏まりました」
「南は如何致しましょう、類様」

「……何しても無駄だよね。南は無視しよう。あいつには無視が1番堪えるだろうから」

「……はっ!無視します!」
「以上!本日の防衛会議、終了致します!」


「……お疲れ様。宜しく頼むね、みんな」
「わんっ!」


今日もよく仕事した♪
さて、今からはつくしとラブラブしようかなっ!

……そう思った時に田村がスッと横にやってきた。

「類様、少し宜しいでしょうか」
「どうしたの?田村」

「実は……いや、現場を見ていただきましょう。こちらでございます」

凄く真面目な顔した田村に連れて行かれたのは、城の北側にある衛兵達の宿舎。
そこの隅にある木造の小屋の前に連れて行かれた。

何があるって言うの?こんな所に……そう思って手招きされた小屋の裏に回ってみると……


「なに?これ……どうしたのさ!」
「それが原因がわからないのでございます。
実は初めてではございませんで、先週も穀物倉庫の柱がやられておりまして」

「えっ!今日だけじゃないの?」
「ご報告が遅れて申し訳ございません。ヤケを起こした衛兵の憂さ晴らしかと思っておりましたので……」


田村が指さした所の柱が見事に真っ二つに折られていて、小屋の壁にもあちこちに殴ったような跡が!
いくら木造だからってこんなに簡単に穴を空けるって誰の仕業?!

人間の拳で空けられるとしたら、1人しか思いつかないけど。
でも、まさかね……?


「……侵入者がいるってこと?」
「そうかもしれません。念のため衛兵を24時間待機させますか?」

「そうだね……誰だろう。でもさ、こんな誰も居ないところの壁に穴空けて攻撃する馬鹿いるの?」
「そんな馬鹿は…、いえ、そのような愚かなことをあの3人様がするとは思えませんが」

「だよね?いくら司がちょっと漢字読めないからってこんな事はしないよね」
「さようでございますね。いくら道明寺様が数を数えられなくてもこのようなアホな事は……はっ!」


「今度会ったら伝えとくよ。田村がアホって言ったこと」
「る、類様っ!ご勘弁をっ!!」


取り敢えずすぐに修理して衛兵の増員を、そう言いながら振り向いたら……


目の前にファイティングポーズの茶色い物体が……居た。


……………………司?


違う違う、スッゴい目付きが似てるけど 司じゃないよね?
つられて、ファイティングポーズ取っちゃったじゃん!


「類様っ!危険で御座いますっ、おさがり下さいっ💦挑発してどうするんですかっ!」

「……田村……あれ、なに?」

「カンガルーで御座います」

「いや、そこじゃなく」

「はっ!類様、首輪が付いておりますっ!」

「…飼い主が居るって事だよね?…」

「そう……なりますね」


ファイティングポーズのカンガルーは、俺達のやり取りをつまらないとでも言う様に、
くるっ と向きを変えて猛スピードで茂みの奥へと消えて行った。


「……田村…」

「はい、如何なさいました?」

「宿舎の壁ぶち抜いたのって、あいつじゃないの?」

「カンガルーがですか?」

「柱も真っ二つだったよね?」

「類様、カンガルーですよ?」

「田村も、さっきのファイティングポーズ見たよね?いけそうな感じじゃない?」

「…類様…」

「司が飼い主なら、あり得るよね?」
「しかも、あっちは南!」


「……………………………………………………」

「ほら、その沈黙は是だよね?ちょっと連絡してみる」


♪♪~♪♪~


『類か?俺だ、珍しいなどうした?』

「あ、司?あのさ……ちょっと聞きたい事があるんだけど」

『なんだ?』

「あのさ、司……静司郎の他に…」

『衛兵隊は解散したぞっ』

「そっちじゃなくてさ、司に凄く似てるヤツで……」


『司様っ!闘司郎がっ!!!また、脱走致しましたっ💦💦』

『はぁっ!またかっ!!』


「ちょ、司っ!トウシロウってなに?!!」


『類、悪い。取り込み中だっ』

ブッ……プープープー


………💢💢切られた………


司まで?
ほんとなんで一方的に切るかな。
でも……。

「田村……」
「はい…そのようでございますね……」

司の馬鹿でかい声は田村にも聞こえてたらしく、皆まで言わずともそう返ってきた。

「類様…如何致しましょうか……?」

防衛会議では南は無視なんて言ったばっかりなんだけど、流石にこれはこのままにしておけないよね…。
でもさ、カンガルー相手にどうしたらいいっていうの?

「ちょっと時間ちょうだい……」
「はい…畏まりました」

田村との会話を終わらせてその足で書庫に向かった。


せっかくつくしとラブラブしようと思ってたのに!!
何でよりによってカンガルー?!
司のやつ……絶対に許さないんだから!!



書庫について手に取ったのは動物図鑑。

まさかこんなものを手に取る日が来るなんて思ってもなかったよ。でも最近の動物襲撃事件を思い返せば新たに知識を足しておくのは悪くないのかも……?

出窓に座ってペラペラとページを捲り、出てきたカンガルーに手を止めた。

どうやら司のトウシロウはオオカンガルーって種類らしい。

ボクシングのような闘争を行う……ね……。うちの近衛兵宿舎で……ねぇ……。
せめて自分の城でやってくれないかな…。

ふーん?
後退出来ないんだ…?
それがわかっても何も出来ないしな……。


図鑑を閉じてネット検索に切り替えた。

あっ!
これだっ!!

やっぱりネットって便利♪♪
始めっからこっちにすればよかったかも?


画面を閉じてそのまま田村に電話をかけたら、ワンコールもしないうちに田村の声が聞こえてきた。

「あのさ、トウシロウ対策なんだけど。

南の国境線に池作って!
浅いとそこに静司郎が来るから深めにね!幅はカンガルーが飛び越えられないくらい広めだよ!」


「池…でございますか……?それは最早…川なのでは……?」

「そんなのどっちでもいいよっ。
カンガルーは水が苦手らしいから、それがあればこっちにはこれないでしょ。」

「そうなのですね!畏まりました」

「あっ、それと!
それにかかる経費と宿舎の改修作業代は司に送っていいからね♪♪」


はぁっ…。
言ったものの…うちの土地…最終的にどうなっちゃうんだろ…?

これも賠償請求しちゃおうかな?
うん、いいかも♪♪
これに懲りてもらわないとね♪



それから数週間後の花沢城…

「類ーっ!類ーっ!大変なの~💦ちょっと来てぇ!」
「どうしたの?何があった?」

田村と城内の設備費用の事で話し合っていた時につくしの泣きそうな声が聞こえてきた。
慌てて声のした庭に2人で出てみると、そこで半泣きのつくしが奥の方を指さしてバタバタしてる。

「どうしたのさ、なんでそんなに悲しそうなの?」
「つくし様、そんなにお困りなのですか?如何されました?」

「それがね、ユキちゃんの小屋が壊されてて、怯えたユキちゃんのお乳が出なくなっちゃったの!」

「えっ?ユキちゃんの小屋が?」
「あの頑丈な木造の小屋がで御座いますか?」

「うん!早く来て!犯人に謝らせなきゃ!」


犯人って……この城の人間が小屋を破壊なんてしないでしょ。
でも、アイツはこっちに入って来られないようにしたはずだし……?
他にまた侵入者(動物)が居るの?

おそらく田村も同じ事を思いながら走ってるんだろう。
チラッと横を見たら……目が合った。


「ほらほらっ!類、見て?酷いでしょう?」

「こ、これは……」
「まさしく、これは……類様、間違いないようですが?」

ユキちゃんの小屋は前の宿舎と同じように壁をぶち抜かれて大きな穴が空いてて、柱も数本真っ二つ。
どう見てもこれは……「トウシロウ」の仕業だよね?!


「類、何か知ってるの?」
「……でも、そんなはずないんだけど。南との国境線に川を作ったし…」

「川?あぁ!急に出来た川?でも今は橋が架かってるよ?」

「えっ!!なんで?!」
「橋が?つくし様、何故そのような事をご存じなのですか?!」

「だって……」


つくしの説明によると俺が川を作らせた数日後、司からつくしに直接電話があったらしい。


***


『あぁ、俺だけど』
『道明寺?わぁっ、私の携帯に掛けるなんて珍しいね!』

『まぁ、そうかもな。実は頼みがあるんだけどよ。類には言わねぇで欲しいんだけど』
『……それはどうだろう。類に内緒はしちゃいけない事になってるんだけど』

『…絶対に俺を馬鹿にするってわかってるからな。でも、花沢にとっても困ることなんだぜ?』
『うちにとっても困ることなの?うん……わかった。聞くわ』

『実はさ……お前んとこの国境線に突然川が出来てんだよ』
『はぁ?川が?自然に?』

『わかんねぇ……でも結構深い川が出来ててそっちに行けねぇらしいんだ。
三沢が用があって田村に会いに行こうとしたら川があって行けなかったって言ってきてよ…』

『不思議ねぇ……でも、最近は地球環境が狂ってるから何が起きてもおかしくないわ』

『だからよ、橋作ってもいいか?金は道明寺が出すから』
『勿論いいわよ!じゃんじゃん作って!費用は半分こにしましょ?』

『悪ぃな!じゃ、早速作るわ』
『頑張ってねぇ~♥』


***


嘘でしょ……ホントに?
せっかくカンガルーを入れないために作った川に橋架けちゃったの?!
川を作った費用の請求書、司に見せなかったのかな?
それとも見ても判らなかったとか……あり得る!

「どうして俺に相談しなかったの?」
「だってぇ!道明寺が類に話したら

『馬鹿じゃないの?そんな川、昔からあったのに気が付かなかったんでしょ』

って言われるって言うんだもん!」


た、確かに。
何か言われたらそう返事しようと思ってたけど。
請求書は「川の護岸工事」って事にしようとか色々考えてたんだよね。


「如何致しましょう?類様……」
「……仕方ない。ユキちゃんを石膏の小屋に変えよう。
総二郎から預かってる山羊だから怪我させたら五月蠅いし」


「橋はそのままで?」
「……今度の台風の時に壊そう」

「極秘任務ですね?手配しておきます」


「あっ!類、見てぇ!カンガルーさんだーっ!」

「えっ!現れたの?」
「つくし様、危のう御座いますっ!近づいてはなりませんっ!」


つくしが行こうとしたユキちゃんの小屋の向こう側に今日もファイティングポーズの「トウシロウ」が居た。

フットワークも軽やかに、赤い首輪をチラつかせ…
その顔がニヤリと笑った気がするのは俺だけ?



後日道明寺城から用事があってやってきた三沢に確認したら
あのカンガルーは漢字で「闘司郎」って書くらしい。

その「闘志」、自分の飼い主に向けてよねっ!!💢





おしまい





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皆様、こんにちは~!plumeriaでございます。

はい!本日は司君のカンガルーです!!
いや、飼えるのか?って思われた方、このぐらいで驚いていてはいけません。
この後にはもっと色んなものが出て参ります。

名前はハシビロコウの静司郎と真逆にしてみました♥
(考えるのが面倒になってきたとも言う)


実はこの時にどんな会話をしたんだろう?ってラインを見ようとしたら・・・

これも12月12日に始まっていました💦
それ以降の会話も半端ないので遡れないっ!

いやいや、12月はどれだけ花沢城に浸っていたんでしょう💦
1ヶ月で11作の刻みリレー!(と言いつつ、この12月12日には他のお話しも始まっていました)
同時進行で3~4作品書いてたのかしら?

今はですね、「一つが終わるまで次は出さない」ルール適用のため落ち着いてます♡


では、今日のS様お遊びコーナー!!

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つんつん!と言えば私♡これを見付けた時は嬉しかった!(笑)

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これはユキちゃんの新しい小屋を破壊しようとして失敗した闘司郎です(笑)

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本日のブラックシリーズは西門城の猛禽類vs道明寺城のカンガルーです!


それではまた来週~!!
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Comments 6

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2019/02/19 (Tue) 15:37 | EDIT | REPLY |   
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2019/02/19 (Tue) 16:55 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは。

コメントありがとうございます。
毎度とんでもない内容のお話しではございますが、3人ともド真剣に楽しく書いている花沢城物語♥


今回も楽しんでいただけて良かった・・・って事じゃなくて、イヤな記憶が蘇りましたか?(笑)

でもそういう事もあるんですね!怪我はしませんでした?
殴るんじゃなくて蹴るんですね・・・いや、そこで感心しちゃいけないけど。

うちの子もホームステイでオーストラリアに行きましたけど、変な爬虫類と写真撮ってました。
「噛まれたらどーすんの!」って言ったら「うん、怒られた」って笑ってたけど。

カンガルーやコアラは見られなかったそうです。
見てたらうちの子、絶対に近寄っただろうな・・・(笑)


うふふ、来週は順番でいけばあきら君♥
彼にぴったりな可愛い子ですよ~♡

2019/02/19 (Tue) 19:28 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

まりぽん様、こんばんは!

あはははは!そうそう、動物園になりつつあります。

でも、昨日G様のブログ誕生日に贈ったお話しがあるんですけど、やっぱり書けない動物も居るんですよ(笑)
もし、まだお読みじゃなかったら行ってみて?

タイトル~シロフクロウは飼えない~ってお話しがあります(笑)


これからもまだまだ出てきますよ~!!
どうぞ火曜日の15時をお忘れなく♡

コメント、どうもありがとうございました。

2019/02/19 (Tue) 19:32 | EDIT | REPLY |   
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2019/02/19 (Tue) 23:58 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

力石様 おはようございます。

初めまして(笑)ご訪問&コメントありがとうございます。
格闘家ですものね、どなたかと思いました(笑)

えっ!花沢城にはそんなシーンは出てきませんよ?メンバーを考えてみてください💦
ユキちゃんでさえ「これ、続きを私が書くの?」って言われたんですから。
「ただの乳搾りじゃん」って言っても「無理っ!」って(笑)

どの動物も基本可愛いのは赤ちゃんですよね(笑)
カンガルーなんて馴れないだろうし・・・どうやって首輪を付けたんだろう、司君💦

そしてヘッドロックされたら骨が折れるんじゃないの?
しかも類君、回し蹴り・・・いやいや、平和な花沢城ですから。
そんなシーンもありません(笑)

なんでもあり(爆)
良くお判りで・・・♡

自己満足100%時代考証0で頑張ります!
また遊びに来てくださいねっ!

2019/02/20 (Wed) 07:59 | EDIT | REPLY |   

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