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plumeria

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何が欲しいって聞かれたら、迷わず牧野の心が欲しいって答える。
何を見たいって聞かれたら、太陽みたいな牧野の笑顔が見たいって答える。

明日何をしたいかって聞かれたら、牧野の隣で眠りたいって答える。

明日世界が滅びるって言われたら・・・それまでの時間、ずっと牧野を抱き締める。
もしも牧野の命が明日消えるって言われたら、俺の命を差し出して助ける。


もしも牧野を誰かが奪うって言ったら・・・今すぐ牧野を連れてここから逃げる。
闘うことは牧野が嫌うから。

誰も俺達を引き離せないように・・・俺の総てで守るんだ。


そのために生きてる・・・そう思ってるから。




*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*




もう何年も前・・・英徳でつまんない毎日を送っていた時、彼女に出会った。

別に何かから逃げていた訳じゃないけど、誰とも会いたくなかった訳でもないけど、いつも自分の隠れ家にしてた非常階段。
ある日、そこに行ったらあんたが居た。

非常口を開けた音にも気が付かずに真っ直ぐ前を見て、まるで何かに逆らうかのように空を見つめて立っていた。
凄く力強くて逞しくて・・・小さな身体なのにとても大きく感じた。

足は肩幅に開いて、身体の横にくっつけてる手の拳は硬く握られてて・・・そのうち手が口元まで上がったら大きく肩が上がったんだ。


「バッカ野郎ーーっ!!巫山戯んじゃないわよ!!」


いきなり出た怒号に驚いてドアを閉めた。
ホントに驚いたんだ・・・女の子が非常階段でそんな事叫ぶだなんて思わなくて。

そうしたらあんたはトントン足音させて戻って来て「あー、すっきりした!」って何処かに消えてった。

くすっ・・・衝撃だったんだよ?あんたは隠れてた俺に気が付かなかったけどね。



暫くしたらあんたの名前がわかった。

牧野つくし・・・道明寺司に楯突いて全校生徒から集中攻撃受けるようになったけど、それにたった1人で立ち向かった雑草の如く逞しい女の子。
どれだけ虐められても正しいと思うことを貫いて、決して司に負けなかった・・・対等にやり合って、むしろ挑んでいった世間知らずで無鉄砲な女の子だった。


だけど本当はすごく優しくて、弱さを隠していただけで時々倒れそうになってた。

そうなった時、俺と同じであの非常階段でぼーっとする事があったよね。
たまに一緒になってさ・・・少しずつ話しをするようになって俺はあんたに恋をした。


初めはこれが恋だって思わなかったんだ・・・本当に自然だったから。


あんたに会えたら嬉しくて、あんたが笑えば楽しくて、あんたが悲しそうだったらそっと抱き締めてあげて。
「花沢類」ってフルネームで呼ばれると擽ったくて、「牧野」って呼んだ時に振り返ると大きな目が俺を捉えた。
「綺麗な髪だね」って細い指で俺の髪を触って羨ましそうに口を尖らせる・・・「あんたの髪の方が丈夫そうじゃん」って言ったら褒め言葉じゃないって怒ってた。

汚された服の上から俺のジャケットを掛けたらそのまま縋り付いて泣き出した。
放り出された荷物を一緒に拾った時、偶然手が重なったらそこに涙が落ちた。

「こんなの平気!私ね、雑草だから明日になったらまた真っ直ぐ立つことが出来るの!」・・・真っ赤な目をして鼻を啜りながらそんな言葉を出してたよね。
俺まで何度か司と対立して2人で除け者にされたら、その時も大泣きしてた・・・ごめんね、それが何故か嬉しかったんだ。



いつだったかな・・・ドキドキしたことがあったよ。

あれは雪が降るって言われたぐらい寒い日だった。
いつものように非常階段で踞って目を閉じてたんだ・・・すごく眠たくて。
冷たいコンクリートの上に座ってズボンのポケットに手を突っ込んだまま、コートの襟に顔を埋めて昼寝してたらギッ・・・って音がして誰かがそこにやってきた。

足音ですぐにあんただってわかったけど目を開けなかった。
俺に気が付いたらどうするんだろうって思ったから・・・ほんの少しだけ期待をして、黙って寝たフリしたんだ。



「花沢類・・・寝てるの?」

あんたの声が小さく響いたけど返事もしなくて、勿論目も開けない。
もしかしたらわざと出してたかもしれない寝息に気付かれたかな?なんて思いながら顔を傾けて様子を窺っていた。

そしたら一段ずつ俺がいる場所に近づいてきて、同じ階段の位置であんたまで座った。そんな気配がしたんだ・・・今、目の前に居るって。

「寒くない?風邪引くよ?」ってここでもホントに小さな声が聞こえた。

目を閉じててもあんたのすることがわかったんだ。
俺の顔を覗き込んだり、ほんの少し前髪に触れたり・・・そのうちふわっと俺の首にマフラーが掛けられた。


牧野の香りがするマフラー・・・それを俺の首に巻いてから、スッと立ち上がったあんたは足音をさせないように非常階段を出ていった。
ギッ・・・って音がして今度はドアが閉まる。その音を確認した後で俺は目を開けた。

自分の首を触ったらフワフワの白いマフラー・・・それを掴んだ時にまたあんたの香りがして凄くドキドキした。
顔を上げたら踊り場から雪が舞い降りてきた。


『寝たフリなんかして』・・・そう雪に笑われてる気がしたよ。



その日の夕方、マフラーを返そうとしてあんたを探してたらあきら達に出会った。

「ねぇ、牧野見なかった?」

「牧野?あぁ、あいつなら司と帰ったぜ?あいつんちの車で送るってさ」
「このクソ寒いのにコートも持ってねぇのか!って司が怒鳴ってさ。まるで連行されるみたいに引っ張られて車に投げ込まれてたぞ?」

「司が?・・・ホントに?」

「類、知らなかったのか?司のヤツ、牧野に本気だからさ。いつの間にか惚れてたんだと!」
「ガキみたいな愛情表現しか出来ねぇから仕方ねぇけど、これで牧野もイジメから解放されんじゃないの?司がひと言叫んだらここの連中言うこと聞くからさ」


雪の言う通りだったよ。
寝たフリなんかしないであんたを抱き締めてキスすれば良かった。

ドキドキなんかしてないであんたを掴まえれば良かった・・・俺、この時は本当に後悔したんだ。



そしてあんたと司の恋が始まった。
周囲の反応もそれまでと真逆になって、チヤホヤされて戸惑いながら、あんたは英徳の中で司の横を歩くようになった。


それでもたまに振り向いて、変わらない笑顔を俺に向ける・・・俺の恋はずっと続いたままだった。





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Je t'aime à la folie・・・狂おしいほど愛してる、と言う意味です♥

2019年 第1話目は類君の恋物語から・・・甘いラストまでお付き合い下さいませ。
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Comments 4

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2019/01/01 (Tue) 07:55 | EDIT | REPLY |   
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2019/01/01 (Tue) 14:08 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さゆ様!こんにちは~!

あっはは!得意の切ない系スタートっ!!(爆)
めっちゃ好きなバージョンからの新年1発目ですよ!!

このまま切なく終ったら石投げられそうですけど・・・ふふふ、そこはね♥

ギューーン!と方向転換させるのですよっ!

類君、頑張れっ!!

『さゆ、この人に何か言ってやって・・・書くの自分でしょ?ってさ。
いい加減俺で遊ぶの止めて欲しいんだよね・・・イチャつかせてくれたらそれでいいんだから』by類

2019/01/01 (Tue) 16:32 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、明けましておめでとうございます。

昨年は沢山のコメントありがとうございました。
今年もどうぞ宜しくお願い致します。

ふふふ、切ないからの甘いエンドは私の好物ですのでね~♡
今はまだ相手が違いますけどすぐに変化はやってきます(4話ですからね!)

これで「バイバイ、牧野」っ終ったらクレームの嵐でしょうしね(笑)
残り3話、猛スピードで時間が流れますがお許し下さいね~!あはは!

2019/01/01 (Tue) 21:22 | EDIT | REPLY |   

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