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plumeria

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冬が終わって段々日差しが温かくなった今日この頃。
つくしと散歩にでも行こうかと誘いに行ったら……あれ?部屋に居ない?

何処に行ったんだろう?
この時間は大抵お昼寝してるか畑で作物の世話だけど。

外に出るなら俺にひと言声を掛けていくはずなのに……?
不思議に思って取り敢えず畑に行ってみることにした。


そして庭に出たら遠くで人の声がする……この声はつくしと田村?
何話してるんだろ?


「……お願いっ!大丈夫だから!」
「いけません、つくし様。何かあったら類様に私が叱られますからっ!
逆にお願いでございます、理由をお話し下さいませ!」

「だっ、だから……それは」
「お話いただけないならお出し出来ません。
あっ、いえいえ、それよりも使ってはなりません!」


………………ムカッ💢!
なんで田村がそこまでつくしを叱るのさ!

つくしが何をしたって言うの?


「何やってんの?田村……それ以上つくしを泣かすならいくら田村でも許さないけど?」

「あっ、類……」
「類様!とんでもございません、
つくし様を泣かせるだなどと、決してそのような事ではないのです!」

「でもつくしが困ってるじゃん。ほら、こんなに目が赤い……。
何があったの?2人とも!」



田村とつくしが顔を見合わせてお互いに困った顔してる。
この後小さな声で話し始めたのはつくしだった。

「あっ、あのね……ハシゴを借りようと思ったの。
で、田村さんに出してくれって頼んだんだけどダメだって言われて……」


「ハシゴ?ハシゴってあの高いところに登るための?」

「はい。つくし様が城にある1番長いハシゴを出して下さいと言われまして、
それをご自分で使われるというのでお止めしておりました」


…………は?
つくしがハシゴなんて登ってどうするの?
ってか、何処に登るつもりなの?

「つくし、それは田村が止めるのは無理ないよ。
どうしてそんなものが要るの?」


「……だって、だって」
「だって、なに?俺に言ってみて?」

「あっ、あのね?実はね……」


つくしは田村のことを気にしながら俺の耳に口を当ててボソボソと話してくれた。


「……えっ!ホントに?」
「……うん、だから誰にも言えなくて」

「そうだね。それは誰にも……あっ!蒼穹が来た時に取ってもらえば?」
「でも、蒼ちゃん達の嘴や足の爪で取るとレースが……。
あの繊細なレースが大好きなんだもん。

だって、だって…類だって好きって言ってたでしょ?あのレース…」


「……うん、凄く好き」


まさかあのレースの……が、高い木の枝に引っ掛かるだなんて。

よくよく話を聞いたらハシゴを掛けてもその木の枝が細すぎて人間が登ったら落ちるんじゃないかって結論になった。
でも早く取らないと、あのレースは俺以外の誰の目にも触れさせるわけには……


♪~♪~

その時に鳴った電話は……あきら?
もーっ!こんな忙しい時に!!

「もしもし?今、忙しいんだけど!」
『え?どうしたんだ?何かあったのか?』

「うん、ちょっと落とし物を高い木の枝に引っ掛けちゃってさ。
どうやって取ろうかと頭抱えてたの。
だから急用じゃなかったら切っていい?」


『落とし物なのに木の枝?
よくわかんないけど高い所の物を取りたいのならちょうどいいのがうちに居るぞ?
見せてやろうと思って今、類んとこの城門の前に居るんだけど』


「高いところにちょうどいいもの?」


よくわかんなかったけど城門を開いてあきらを中に入れたら……


「あきら?何に乗ってんのさ!!」
「きゃああぁーっ!それ、キリンさん?!」

「可愛いだろ?」
「動物園でしか見たこと無いんだもの、大きいのねぇ♪」

「見てくれ♪優しげな瞳とばっさばさの睫毛!最高だろ?」
「黒ちゃんと同じ瞳してる…♪♪」


うちの城、動物の出入りが多過ぎてつくしの警戒心が薄くなってる気がする…
いくら可愛いくても大き過ぎだろっ!


「……で、そのキリンどうしたのさ?今度は睫毛に憧れたとか言わないよね?」
「……失礼なヤツだな、今度ってなんだよ」

「あり得そうかな?って」
「ホントに失礼だよな?違うよっ!」

「で?どうしたのさ」
「半月程前に自然保護区の施設に行った時、運命の出会いをした訳よ。親子して肉食獣に追われたんだろうな…群れからはぐれたらしくて保護されてたんだ」

「…ぇ…この子のお母さん大丈夫なのかな?」
「あぁ、施設で療養中 心配無しだよ」

「良かった…」
「ごめんな、不安にさせたな」
「……ううん、まだ子供なんでしょ?」

「あぁ、あと1メートルは伸びるみたいだ」
「そんなに?名前は?なんて言うの?」

「凜ってんだ、可愛いだろ?」
「凜ちゃん…凜々しく…素敵な名前ね…」

「二匹共に体調が戻ったら保護区に帰してやりたいんだが、激しい栄養失調と脚の怪我がな…現時点では何とも言えなくて…」
「……出来れば帰してやりたいよな…」

「……まぁな、預かって来たのはいいが美作にはコイツが好んで食べるアカシアの木が少なくてさ、類んとこはウチより多いかな?と思ってな」
「あぁ、何本かあったはず気に入ると良いけど」


つくしはあきらの話が少しショックだったみたいで、少し涙目だったけど「早く元気になろうね♪」「お母さんに会いに行こうね」と、
凜の首筋を撫でていた。

動物達は、皆 つくしの優しさが判るんだろうな…子供だけど大きい凜がつくしに甘える様に彼女の髪の毛を食(は)んでいる。


凜の耳が何かに気付いたみたいにプルンと動き、歩き出した。


「あ、凜ちゃん待って♪」
「つくし踏まれない様に気を付けてよ?」

「はーい♪」


ぷっ。今の今まで大人しくしてた桃、菊、珀もじゃれる様に後に続くのをあきらと追った。

たどり着いたのは、レースの……が引っ掛かかったままになっている木。

……そう言えばアカシアの木だった…

見上げれば『私はここよ♪』と云わんばかりにヒラヒラと……

……不味い…非常に不味い………

ひやひやしながら凜の動きを見てたけど…。つくしもあれっ?って顔して凜とアカシアの木を見上げてる。


「これって……サバンナとかの写真によくあるよね………」
「うん…あるね……」
「………」


アカシアの木…推定…10メートル。
凜の身長…推定…4メートル強……。


木の半分にも満たない凜はその枝葉にも届かない。

近くで麒麟を見るなんて滅多に無いことだから、届くかも…なんて目が錯覚を起こしてたのかもね……。


「あきら…これ以外にも木はあるから」
「そうよね!確かこの木が一番高いのよ。
他の木ならきっと凜ちゃんも届くはずよ♪♪」


がっくりと肩を落としてるあきらに声をかければ、意気揚々と目を輝かせてる。

「ああ…ありがとな。

ところでさ…もしかして落とし物ってあそこに引っかかってるやつか?」


レースの……を指差して、俺とつくしとレースの……を代わる代わる見てる。

「違うよ!
あれは…ただの成長記録だから!!
それより凜、お腹空いてるんでしょ?
幾らでも食べていいから勝手に探してよ」


あんまり見られるとバレちゃうからでまかせなんだけど、大丈夫…だよね?

「ああ、悪いな。そうさせてもらうよ」

「田村、案内してあげて!」
「畏まりました」

意図を察知したのか田村の行動は素早く、早速あきらと凜をアカシアの木から引き離してくれた。


はぁ…よかった……。
俺以外のやつになんか見せられないからね…。
でも…あれ……どうやって回収しよう……。


「わんわん!」
「わおーん!」「わん!」

「どうしたの、急に?」

足元で鳴き出した三匹を見ると、視線は上空に向いてる。それを追うように見上げればレースの……が風に揺られてひらりひらりと宙を舞っていた。

「る…類!
引っかかってたのが取れたみたい♪♪」

「…あ…みたいだね。
……って……あっ……やばっ!!
早く追いかけないと!!」


風に揺られたそれはあきらと凜が消えた方へと飛んでいく。なんとしてもみつかる前に回収しなくちゃ!!

ひらりひらり……うわっ!マジでっ?!

それは風に舞いながらゆっくり落ちてきたのはいいけれど、事もあろうか凜の頭の角に落ちた!
凜は「は?」って感じで頭にくっついたそれを振り落とそうとするけど、そうしたら下にはあきらが居るじゃん!

あれをあきらに触れさせる訳にはいかないっ!
こうなったら……!!


「……ん?凜、どうかしたのか?」

あきらが凜の様子に気が付いた!時間が無いっ!!

「桃太郎!菊次郎!…GOーっ!!」
「「ワンッ!!」」

「琥珀は待機、伏せっ!」
「……ゎん?」


俺の号令で桃と菊が猛ダッシュで凜に近づき、その横まで追いついた!
そして先に菊が体勢を低くした瞬間に、その背中に桃が飛び乗り、菊は桃が乗ったと同時にジャンプ!!

桃の身体は宙を舞って凜の頭部にまで辿り着いてレースの……を口に咥えた!

白い身体がしなやかに地面に降りたら、咥えていたものを素早く俺の手元に持ってきた。


「よし!流石だ、2人とも!」
「きゃああぁー♪桃も菊も格好いい~♥」

「「ワンッ♪」」
「……ゎん?」

二匹の頭を撫でてやると「エヘン!どうだ!」とでも言ってるかのような誇らしい顔。
そして俺は受け取ったそれをササッとポケットに突っ込んだ。


でも、どうやらあきらには桃が咥えた時に目に入ったみたい。
凜と一緒に俺達の方をじーっと見ていた。


「……な、なにさ、あきら。早く凜が食べられそうな木を探しに行きなよ」

「類、お前……そんなものを使わせてるのか?」

「…………」
「…………」
「何故、二人して黙るんだ?」


くっそーーーっ!!
あきらのヤツ、やっぱり見たんだっ!
つくしのレースの……をっ!!


「……風邪引くぞ?そんなの使ってたら」

「……だって類が好きなんだもん」
「…………」

「意外だな、類」
「……放っといて!💢」


レースの……を頭に被ってしまった凜だけど、その睫バサバサの穢れのない瞳で俺達の事を見ていた。

ここで静養して元気になったら母親の待つ保護区に帰ることだろう。
俺達はそんな凜を遠くから見守った。


「ピンクだったな……」
「早く忘れなよ、あきら!💢」





おしまい


レースの……はご想像にお任せします♪


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皆様、こんにちは~♪plumeriaでございます。

今日はあきら君でキリンさんでした~♡
って言うより、レースのアレのお話でした!(笑)

書いてる時に「キリンって・・・飼わないよね?」って話題にはなっていましたが、そのせいなのか凜ちゃんの存在感が薄く、レースのアレの話に💦
じゃあ、もうタイトルも「レースのアレ」で!!

はい、テキトー集団ですので(笑)


そして本日はお知らせが2つございます!

その①

なんと、花沢城物語にゲスト様がお見えになりました~♡

先々週のお話しのコメント欄にお話しがドーン!と投げられて来たんです。
丸投げ隊としては「投げられたら受け止め、投げ返す!!」の精神でこれを受け止め、ゲスト様に投げ返したら、再び投げ返され・・・そしてお話しが出来てしまいました(笑)

そのお話しを公開したいと思います♡

★公開日時  3月27日(水)
★公開時間  第1話 15:00  第2話 18:00


どうぞお楽しみに~♡
ちょっといつもとは違う花沢城物語・・・むふふ、でございます♡

どなたがお見えになったのかも明日、判りますよ~♥


その②

GPSがLive and let liveるいか様にお話送りつけちゃいました~♡

るいか様にお目出度い事がございましたのでお祝い代わり(笑!お祝いなのかどうなのかは疑問ですが)に、頑張って可愛く、可愛くしてみました♡
えぇ、この私が可愛く・・・に挑戦しました!難しかったわ・・・💦

るいか様のお部屋で明日の20:00公開です♡
是非、そちらも遊びに行ってみてくださいね!!

るいか様のお部屋にはこちらから行けます~♡
↓↓↓






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それではまた明日~!!
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2019/03/26 (Tue) 23:41 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

お代官様(何度も言うけど・・・もういいかWW)こんにちは。

爆笑!!多分お代官様だけですよ、そんな風に読んだの!
真夜中にコメント読んで噴き出してしまったじゃありませんかっ!!

キリンさん・・・S様がめっちゃ感動的にしてくれたのに(動物保護に目覚めて)
私が再びそんなものを引っ掛けさせて💦
凜ちゃん、まだ子供だから気が付かなかったでしょうけど・・・。

気が付いた上に男の子だったら、桃のジャンプを交わして我が物にしたかもしれません。
そしてあきら君にプレゼント・・・♥

いかんいかん、花沢城はノーマルな童話です。


今日も楽しんでくださいね~♥
多分お代官様、喜ぶと思いますよっ!!

2019/03/27 (Wed) 10:09 | EDIT | REPLY |   

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