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穏やかに晴れた日…今日も珀、桃、菊、ハルとつくしの声が庭から聞こえる。
…ついでに色んな奴らの名前も聞こえる。

「珀~!ユキちゃんの小屋にご飯持って行こう?」
「わんっ!」

「桃~!人参畑に水やりに行くわよ~!
明日辺り黒ちゃんが来るかもしれないから」

「わんわん!」

「菊~!今日はラスカルと静司郎君、来てたぁ?」
「わんわんわん!」

「ハル~!またお庭に穴が開いてるから埋めるよ~、手伝って~!」
「わんわん♪」

「碧ちゃん、三つ編みしてあげるね~♡」
「わんわん!」


…………はぁ、うちの城、どうなってんだろ?
そろそろ何処かで線引きしないとホントに動物園だよね?
花沢城じゃなくて「花沢動物保護施設」もしくは「花沢動物避難所」いやいや「花沢アニマルホテル」


……本気で考えよう。つくしには申し訳ないけどこれ以上は……。
そう思っていたら田村がドアをノックして入ってきた。

「類様、少し宜しいでしょうか?」
「なに?また何か来たの?誰?どんな生き物?」

「いえ、そのような…いや、まだわからないのですが門番から連絡がありまして」
「門番から?」

「何やら門の外に段ボール箱が置いてあるそうで御座います」
「……段ボール箱?」


ほらね?何だかイヤな雰囲気じゃない?

でも、城門の外なら城には関係ないし。花沢の領地であっても城の土地じゃないし!
国王らしからぬ発言かもしれないけどそうだよね?ねっ?!

「それで……なんなの?開けてみたの?」
「いえ、それがまだ」

「開けて確かめたらいいじゃん。それからじゃない?俺への報告」
「是非、ご一緒に」

「…なんで?なんで俺が行かなきゃいけないの?」
「段ボール箱に『国王様へ』と書かれて御座います」


………………は?


それならば仕方ないかと門に向かったら、確かに門の外に段ボール箱がポツンと置かれていた。
極太マジックで「国王様へ」ってキッタない字ではっきり書いてある。

「……ね、田村。何か聞こえない?」
「は?私には何も……いや、聞こえますね?鳴き声…でしょうか?」

「甘えたような声だよね?」
「確かに。これは幼い声で御座いますな」

「これさ……つくしに聞かれたらマズくない?」
「私に聞かれたら何がマズいの?」

「だってさ、どう考えてもこの声は……って、つくし?!」


田村かと思って話しかけていたらいつの間にか俺の隣につくしが居たっ!!
そしてあの四匹と碧も一緒に後ろで尻尾をフリフリ……足音ぐらいさせてよね!

「類、あの箱はなんなの?」
「……落とし物みたい」

「落とし物?類宛みたいだけど?」
「うん、そうなんだけど」

「じゃあ開けてみてもいい?」
「あっ!つくし、そんな急に開けたら……つくしっ?!」

開けてみてもいい?なんて聞いてる傍からもう段ボールに近寄ってバリッ!と勢いよく蓋を開けた!


ニャアニャア~ニャアニャア~!
フニャア~!


「きゃああぁーっ!子猫ちゃんだぁ!しかも四匹っ!」
「えっ?!一匹じゃないの?」

「うん!子猫ちゃんが四匹もいるぅ~♪可愛いっ!!」

開けてしまったものは仕方ない……田村と傍まで行って覗いて見たら
段ボールの中には白、黒、茶、白黒の子猫が四匹、くりくりした可愛い目で俺達を見上げていた。

「類、お手紙入ってるよ?」
「……はっ?手紙?」

つくしが段ボールから取り出した手紙を「はい!」ってニコニコしながら手渡してくれて、それをガサガサと開けたみた。

『国王様へ

この子達を育てていただけませんでしょうか。
お城では沢山の動物をお世話していると聞きました。
幸いこのネコ達はどんな人とも仲良くできますし、動物見知りも御座いません。
ご飯にも文句を言いません。決して小さな動物も襲いません

どうぞ宜しくお願い致します』


待て、待て待て待てっ!!
これって……所謂 捨て猫だよね?

四匹も産まれちゃたけど、どうする?
育てられないよね?
お城の前に…イン ザ 段ボールにする?
見ない振りされると可哀想だから王様宛てにしよっか?

……な、感じ?

手紙を握り締めたまま固まってる俺を不思議に思ったのか、その手紙を覗き込んだつくしは、


「…類…宜しくお願い致します…だって」
「…………」

「ねぇ、田村さん……」
「…………」
「小さな動物も襲わない…っ…て」

「ねぇ、類 動物見知りもしないって」
「……………はぁ~」


……田村と二人で負けた。


桃、菊、珀、ハルに視線を移したら嫌そう…では無く、寧ろ歓迎ムード。
特にハルなんかは自分に後輩でも出来るかのように喜んでない?碧に至ってはお客さんぶって無視してるし。

……こいつ等、つくしに害が無ければ他の事はどうでも良いのかもしれない。
池のアイツとアイツ、昼となく夜となく空からやって来るアイツ等と…あぁ、片言伝言のアイツも……はぁ~

つくしを見れば、段ボールを抱えて眩い笑顔。

………仕方ない……


「つくし、まずそいつ等を綺麗にしてからだよ」
「はーい♪綺麗にしようね~桃も菊も珀も手伝ってね♪」

「「「わんわん♪」」」
「わん?」

「あはは!勿論ハルもだよ♡」
「わんわん♪」


「田村…」
「………はい…」
「最初に…八子と潤に対面させて、みる?」
「……………………」

「…大丈夫…だよ…………多分?」
「……類…さ…ま…」

「小さな動物も襲わないって、ほら『決して』って書いてあるし?」
「………………………………」


どうも気が乗らないっぽい田村を宥めてたら、振り向いたつくしが深刻そうな顔で言って来た。


「類……この子達の名前考えないとだわ」
「……白、黒、茶、白黒で良くない?」
「……それ、色じゃん…」

「類の仔猫なんだから、類が付けてよ」
「え、俺のなの?」

「国王様って書いてあったもの」
「えぇーーじゃあ…1、2、3、4…とか…」
「止めてよ、道明寺の烏じゃ無いんだからっ!」

「つくしが考えてよ、俺 無理」
「……え~バニラとか?チョコとか?」
「……つくし…ソフトクリーム想像して考えたでしょ?黒いヤツは?白黒は?」


「……あの…胡麻…は、如何でしょうか?それと胡麻塩……」


「「……………………」」

「あのさ…今更だけど……食べ物から離れない?」


この流れはよくないよね。
こんな事してたらそのうちこの城の中、食べ物だらけになっちゃうじゃん!
…いや…決して今後増える事を肯定してる訳じゃないけどさ…。

「じゃあ類考えてくれる?」

「……分かった。考えるからその四匹…早く洗って」
「うん」

楽しそうに四匹に向かって「よかったね~♪」なんて言いながら、ダンボール箱を抱えて城に戻って行くつくしの後に続いた。


何がよかったんだか……。
俺は全然よくないんだけど…?

つくしの後ろにぴったりくっついて歩く珀、桃、菊、ハル、碧をぼんやりと眺めてた。

あれっ?そういえば…こいつらの名前ってどうやって決めたんだっけ?


部屋に戻ってつくしが子猫達を洗ってる間中、ずっとさっき浮かんだ疑問を考えてたけどさっぱり思い出せない。


うーん、ヤバい?
そろそろつくしが戻って来ちゃう?
また矢のように名前を催促されちゃうの?

ふぅっと溜息をついてる横では、八子と潤が静かなカラカラの上で追いかけっこをしてるし、逆を見ればそれを鋭い視線でみつめる蒼穹と疾風。そして足元には珀、桃、菊……流石、碧はお嬢様だからソファーの上だし。
飼ってるわけじゃないけどバルコニーにはタニシも居るし。

なんだってこんなに動物だらけなのさ?!
この上、猫が四匹……。
四匹……。

なぜか視線は珀、菊、桃、ハルに向かっていた。

同じ四匹だし、こいつらに因んでつけるのもありなのかな?
そうなると……?

琥珀、桃太郎、菊次郎、桜三郎……。

桃太郎は………金太郎ってとこかな?
菊次郎……菊……ってことは…梅辺り……?
琥珀は………宝石つながりで瑠璃?それともジブリ繋がりにして千尋?
あっトトロのめいも可愛いよね♪♪
めいがいるならさつきも?うん、いいかも!

性別がぴったりはまればもうこれでよくない??


「るーい、お待たせ~♪♪
見て見て~!この子達すっごく綺麗になったんだよ~」


いつも以上にご機嫌なトーンの声が部屋に響くと、それに弾かれるように珀、桃、菊、ハルがつくしに近づいてく。つくしは四匹を見て、足元に子猫の入った籠をそっと置いた。

「今日からこの子達も家族なんだよ~♪
よろしくね~!」


「「「「わん♪」」」」

尻尾をぷりぷり振りながら籠を覗く四匹も歓迎一色……。
まぁ…流石にもう逃げられない…し……。

「類、この白い子と白黒の子が女の子だったよ~。
可愛い名前、考えてくれた?」


「……可愛いかどうかは分かんないけど…金太郎、梅次郎、めい、さつきでどう?」


ミャー♪
ミャオーン♪♪


「うふふ…気に入ったみたいね♪」

タイミングよく鳴いてくれたおかげで反対されることなく決まった?のかな?なーんてちょっとほっとしてたら、籠から白い子猫がひょこひょこと飛び出してきた。

「あっ、めいちゃん?どうしたの?」

猫に言葉が分かるはずもないのに、相変わらずつくしは話しかけてる。
めいはどこか頼りなげに歩いてて、でも真っ直ぐに八子と潤の籠に向かってる。

「る……類様………」

それまで黙ってた田村も急におどおどし始めて止めようとしたけど、それを制した。

大丈夫…とは聞いてても流石に心配にはなる…よね。でも今後に繋がることだし、ここは手を出さずに様子を見守るべきでしょ。

三人で息を飲む中、珀がめいの後ろをくっついて歩く。

もしかして母親にでもなったつもり?
思わずくすっと笑ったら、田村に睨まれた……。
うん…まぁ……今のは俺が悪い…のかな。


ニャーン♪♪


八子と潤まで辿り着いためいはそう鳴くと、籠に体を擦りつけてる。
よく分かんないけど、襲う気はないっぽい?寧ろ気に入ってる?


「はじめましてのご挨拶なのかな?」
「そうかもね?」

「…………」

つくしと少しほっとする中、半信半疑の田村は無言のまま八子と潤とめいを凝視してる。

これから毎日こんな光景を見なきゃなんないんだ………。

………………。

そうだっ!!
感傷に浸ってる場合じゃないじゃんっ!!


「田村っ!
門番の警備は今後24時間体制でもっと厳重に!!
街の人にも捨て動物禁止令出してっっ!!」


「捨て動物……ですか……?」
「分かれば何だっていいから!!
八子と潤がどうなってもいいのっ?!」


「はっ、畏まりました!
早急に対処致します!!」

文字通り飛び出して行く田村とは対称的に、つくしは動物達に囲まれて呑気に幸せそうにしてる。


その位置…俺のだったはずなのに……!
必ず取り戻してやるんだからっ!!





おしまい




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皆様 こんにちは~♡
10連休もお仕事のplumeriaでございます・・・トホホ!

少し気温が低いようですが、お風邪など引かないように連休を楽しんでくださいね~♡

と、言う事で、本日は類君でにゃんこ!でございます。

もうご存じだと思うのですが、GPSは鳥族と犬族・・・実は猫には無縁と言った感じでございました。
ですが、犬と来れば猫・・・これはやっぱり書かなくては!と、思った私は再びぶん投げてしまいました(笑)

しかも12月23日・・・この日に書いておりました。
で、書き始めた時にはハルが存在していなかったので、捨て猫ちゃんも3匹だったんです。
意味も無く犬の数に合わせていましたので。

で、この後にハルが登場して「あっ!猫が足りない!」ってなりました。
なので急に4匹にしてホッと一安心。


そうしたら今度はS様が呟いたんです。

「ねぇ、この時さ・・・あきら君の碧ちゃんが花沢城に居るよね?」

・・・はっ!そうだった!碧ちゃんも後から書いたから忘れてたっ!!

急いで碧ちゃんも加えて再び安心モードに(笑)
このドタバタが結構あるんですよね~。

好き放題書いてるのはいいんだけど、登場する順番が「類君→総ちゃん→司君→あきら君」って決まってるのですが、書きやすさから類君と総ちゃんが早く埋まるんです(笑)
1番悩むのが司君・・・何が似合うかなぁ?って毎回動物検索しながら考え込んじゃいますね💦
あきら君はとにかく「毛」に拘る・・・ははは!ごめんね、あきら君(笑)


捨て猫ちゃんという可哀想な設定ではありますが、これから花沢城で幸せに暮らしていきます♡


それでは本日のお遊び♡

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本文中ではハムちゃんにも優しいにゃんこですが・・・やっぱり本音は?(笑)

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これ・・・実は私が頼み込んでS様に作っていただいたんです。
この時はあきら君でシロフクロウを書くつもりだったんです・・・でも、残念ながら「飼えないシリーズ」になってしまった。
なので「飼えないシリーズ」としてG様のブログお誕生日にお話しを書いて送りつけました(笑)

もし、まだお読みでない方はG様のお部屋でどうぞ~♡
「花沢城物語~シロフクロウは飼えない」で2月に公開されていますよん♡飼えない理由もそこに書いてあります(笑)


それではまた来週の火曜日にお会いしましょう❤
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Comments 4

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2019/04/30 (Tue) 15:30 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんにちは❤

うふふ!今回は猫ちゃんです。
そして、偶然ですねぇ!それも候補に挙がったんですが・・・女の子2匹分だったので(笑)

この前のワンコもその名前も、気長にお待ちいただきたいと思います(笑)
何と言っても書き上がってるお話が多いものですからねぇ💦

忘れた頃にひょっこり出てくるかもしれませんよ?(笑)

今日もご訪問&コメントありがとうございました♡

2019/04/30 (Tue) 18:41 | EDIT | REPLY |   
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2019/04/30 (Tue) 23:55 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

メット女様(爆笑!) おはようございます。

むしっちゃいかんでしょう!
1本でも大事にしなきゃいけないんですよ?(笑)

ね?なかなかいい目付きの猫ちゃんでしょ?
どうしても使いたかったし、S様もシロフクロウにはノリノリだったのよ。
で、実際に自分たちが飼うんじゃないから調べなくてもいいのに・・・調べたのよ。

そうしたら猛禽類は飼えないねって。

でも既に飼ってる総ちゃんちの鷹・・・誰が冷凍ネズミを与えてるんでしょうか?


あはは!まぁいいか!

って事でお二人にもお知らせしておきましたよ~♡


そしてあちらですが・・・本日はございません。ご了承下さいませ(笑)
最近書いたからねぇ・・・筆が動きませんでした💦

2019/05/01 (Wed) 08:06 | EDIT | REPLY |   

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