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1月4日 花沢物産の新年パーティーが行われる日。

日本時間で3日の午後に帰国していた両親は昼前に起きてきて、あんまり開いてない目で出席者名簿を見てる。
その時、牧野は梅三郎と庭で大はしゃぎ。「転ばないで下さい!」と新年早々加代に怒られていたけど気にもせず、今日も桃太郎に押し倒され菊次郎に舐められていた。


「・・・殆どがいつものメンバーよね・・・はぁ、眠い・・・」
「そうだな。グループ内でのパーティーだから顔ぶれはそんなに変わらんよ。新しいと言えばあそこだけだろう」

「あぁ、今年は九州から五十嵐が来るんだってね。珍しい・・・って言うか20年ぶり?」

「来なくても良かったが急に業績を上げてきたから役員達が是非会ったみたいと言うのだよ。辞退すれば良いものを・・・」
「そうねぇ・・・私はパパ程感情的にはならないけど、東京から出て行く時には『葬式にも顔を出すか!』って凄い剣幕だったのにねぇ・・・」


九州にある花沢系列の・・・と言うか、父さんが嫌々花沢グループの中に入れてる五十嵐物産。
実はそこの経営者は父さんの弟で五十嵐家に婿養子に入った、俺の叔父さんにあたる人物だ。

一人息子がいて確か名前は浩司・・・俺より3~4歳年上だったと記憶してる。


「若い頃にお爺さんの経営方針に口出しして逆鱗に触れて、それが原因で東京から追い出されてその時付き合ってた女性の田舎に逃げたんだっけ。確か宮崎だったよね?」

「あぁ・・・会社の資金を流用して反社会的団体との取引をしたり、計画性のない契約に役員の名前を勝手にサインして大損させたり、その上花沢の名前を出して豪遊して金遣いは荒くてな。亡くなった母さん、お前のお婆さまもどれだけ泣いたか・・・私は兄としてどれだけ色んなところに出向いて頭を下げたか!ええい、思いだしても腹が立つっ!!」

「パパ、血圧が上がるわよ?」
「呼ばなきゃいいじゃん、何を言われても」

「そうはいかんのだよ!何も知らない役員が増えてるから、私1人が反対したら我儘みたいに思われるじゃないか!」

「「・・・・・・」」


だから招待したのは五十嵐物産の営業本部長の職に就いてる息子、五十嵐浩司ただ1人。
弟である叔父さんは招待状の中に名前を入れなかったらしい。


「どんな人だっけ。小さい時に1度宮崎まで会いに行ったでしょ?俺、5歳ぐらいだったからその話合いの時は屋敷から出されて何処かに散歩に行った覚えがある・・・違う?」

「ううん、確かにそういうことがあったわ。あれはパパと弟さんの最後の話合いだったのよ。それまでのことを反省して、出した損益を必死に働いて返せってパパが言ったら殴られたの」
「・・・ホントに痛かった・・・」

「殴られたの?父さん!」

「真面目に働くのは嫌な人なのよ。ギャンブル的要素がないとスリルがないって言う人で、花沢っていうネームブランドも利用してこそ価値があるって言うか・・・花沢の名前を使って裏で危ない取引をする事に楽しみすらあったみたいよ?」
「その度に取引先に私が謝りに行って、そこでも殴られた事が・・・」

「えっ!他の人にも殴られたの?」

「それに奥さんって人!その時は彼女だったけど、東京の大学在学中に弟さんとの間に子供が出来たからって大騒ぎしたの。確か2人共二十歳前で、私もその時はパパの婚約者でまだ結婚してなかったわ。
でもお腹の子が男の子だったら、その子が花沢の後継者だって言い触らして回ったもんだからお婆さまも激怒だったのよ!」

「1番怒ったのはママだったけどな。確かその人に一発・・・」

「はっ?!今度は母さんが殴ったの?」
「失礼ね、軽めに一発よ・・・」


・・・とにかくそういう問題児が来るわけだ?
数年ぶりに東京の花沢グループのパーティーに・・・なにか問題が起きなきゃいいけど。


「秘書は何時に迎えに来るんだっけ?類、あなたは藤本君が迎えに来るの?」
「いや、あいつは今日、家庭サービスで来ないって。俺も来なくていいって言ったから」

「そうなの?まぁ、来てもやることないしね」


可哀想に、藤本・・・母さんにまで酷いこと言われてる。



***************



「さてと!梅三郎、桃太郎、菊次郎!みんなおうちに帰ろうね~!」
「「「ワンワン!」」」

「だって今からパーティーの支度しなきゃいけないんだもん。また明日遊ぼう?って、明日から会社だった!ごめんね?」
「「「・・・ワン・・・」」」


庭で走り回って3匹と遊んで、時間になったから犬舎に戻してお屋敷の中に入った。
今日は会社に近いホテルで花沢グループの新年恒例のパーティーがある。それに類と一緒に出席することになっているから。

私の事を聞かれたら「近いうちにお知らせします」と答えることになってるらしく、それを考えても早く類に相談して自分の事を解決しなきゃ、ってブツブツ言いながら部屋に戻った。


「お帰り、牧野。今日も泥だらけだね。早くお風呂に入っておいで」
「うん!ごめんね、遊び過ぎちゃった」

「まだ時間があるから大丈夫。今日はそのホテルに部屋を取ってあるから着替えは向こうでするよ。もう荷物は全部運んであるからね」
「はーい!」

髪に付いてる落ち葉を類が取ってくれてクスッと笑われた。


その優しい目を見てるとこの人に本当の名前すら教えてない自分の事が恥ずかしくなる・・・。
ジワッと浮かんでくる涙を見られないように急いで向きを変えてバスルームに駆け込むと、大雑把に身体を洗ってお湯の中にバシャン!と飛び込んだ。

そしてバシャバシャと顔を洗って大きく深呼吸・・・鼻がお湯に浸かる寸前まで沈み込んだら、そこで唇をギュッ!と結んだ。


パーティーが終ったら全部話して類の指示に従おう。
きっといい方法が見付かって、私は瀧野瀬から自由になる。本当の意味で・・・。

そしてちゃんと片付いたらみんなに祝福されて類の所に・・・ふふっ、真っ白なウエディングドレスを着て類の胸に飛び込んで、その横で梅三郎が喜んでくれて。
暫くは2人でマンションとかもいいなぁ・・・ここでも楽しいし、プライバシーも守れるけど2人っきりの世界に憧れるよね。
ペットが飼えるマンションもあるって言うし、そんなお部屋を類と探しに行くの。

そんな日が来るかしら・・・うん、大丈夫だよね。類に任せておけば・・・。



そんな夢を見ていたら後ろでカチャッとドアが開いた音がして、驚いて振り向いたら・・・類が入って来た!!


「うわあぁっ!なんで類まで入ってくるの?!」
「え?ダメなの?今日、寒いんだもん」

「類は部屋に居たんだから寒くもないし、泥だらけでもないし、落ち葉だってくっつけてないでしょ!」
「いいじゃん、時間あるって言ったでしょ?」

「そういう問題じゃないってばっ!お昼だよ、お昼!!」
「あはは!そんなに恥ずかしがらないでよ、牧野・・・一緒に入っていい?」

「・・・・・・い、いいけど」
「うん!じゃ・・・横においで?」


横に行ったらすぐに類の膝の上・・・そしてすぐに類のキスが来る。
たった今まで悩んでいた事、夢見ていた事が全部吹き飛んじゃうみたいに類の手が私を抱き締めて離さない。私もそれに応えて必死に類にしがみついてる。

私の弱いとこを意地悪く攻めてきて「ヤだっ!」って言っても止めてくれない。
身体の奥が熱くなって溶けちゃいそう・・・彼の全部を受け止めたらお湯の中で倒れ込んで、そのまま逆上せてしまったみたい。

慌てた類が私を抱きかかえてバスルームから飛び出て、暫くベッドで意識を飛ばしてた。



「なんですって?つくしちゃんがお風呂で逆上せた?類!何やってんの、こんな時に!!」
「いや、まさか逆上せるとは思わなくて・・・ごめん、すぐに追いつくから先に行ってて?」

「馬鹿息子!!加減ってものを知りなさいっ!」
「た、体力つけるように言っとくから」

「遅れたら承知しないわよ?」
「大丈夫、抱えて行くから!」


遠くで類とお母様の声が聞こえる・・・でも、逆上せたのって私の体力の問題なの?
そうじゃないでしょ、類!って言いたかったけど・・・声にならなかった。





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2019/01/15 (Tue) 06:50 | EDIT | REPLY |   
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2019/01/15 (Tue) 07:16 | EDIT | REPLY |   
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Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは。

驚きました?ですよね~💦
実は類君と浩司君は従兄弟で御座いました!うひゃーっ!!

特に容姿についての記述はしませんが、類君とは似てないと自分では決めつけております!
五十嵐家の顔付き・・・イケメンっちゃイケメンでしょうがランクは全然違うって感じ(笑)え?聞いてない?ははは!


まぁ、そうなっちゃいますよね・・・。
つくしちゃんはパーティーが終ったら相談するつもりですから。

類君、そろそろベタベタしてないで気分を戦闘モードに切り替えないとっ💦
ヤバい場面でも甘い部分は残しつつ・・・。

2019/01/15 (Tue) 18:31 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: おはようございます🎵


meimei様 こんばんは!

はい、頑張ってます!こんな類君ですが見捨てないでやってください💦
私はめっちゃ楽しんで書いております💦

でもエロっぽくないでしょ?R要素はないですよね?
お茶目な類君って感じで受け止めてくださいませ!


えっ?!えっと・・・あるかも?ないかな?
それはその時にならないと判りません!
(基本童話作家でしょ?だからね・・・書けないの)

今の所は無しです♡え?ダメなの?(笑)

2019/01/15 (Tue) 18:35 | EDIT | REPLY |   
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2019/01/15 (Tue) 21:04 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さゆ様、おはようございます(笑)

あっはは!さゆ様、めっちゃ面白いですね💦
是非訪問してあげてください♡

見学・・・ぶはははは!させてくれたらいいですね!応援してます!(私の返事もかなり可笑しいww)

壊れていると言えば最近の類君も壊れてます(笑)
格好いい類君を書いてる作家様が多い中、こんなのでいいんだろうか・・・💦

ちょっと悩むけど今更真面目な類君に戻れない・・・このまま変態類君で走り抜けたいと思います♡

2019/01/16 (Wed) 09:20 | EDIT | REPLY |   

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