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plumeria

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どうして?・・・どうして隣に西門さんが居るの?何でこういう時、くじでさえ私を裏切るかな。
で、どうして肘突いて私の方を見てるの?・・・すっごく気になるんだけど。

向かいに座っているイケメン君に目線を向けたら逸らされる・・・そりゃそうよね。西門さんがその人を睨むんだもん。
で、西門さんの前に座っている陽子は私を睨むのよ。
「なんであんたが知り合いなのよ!」って心の声が聞こえるようだわ。

左隣には誰も居ないし、その向こうのテーブルの恋人達と話すわけにもいかないし、そうなったら私の話相手は・・・


「お前・・・全然変わんねぇんだな。化粧してんの?」
「・・・五月蠅いな。会わなくなって2年経ってんのよ?少しは変わってるところ見つけなさいよ」

「何処にあんだよ、そんなもの。気のせいかな、そのセーター高校から着てなかった?」
「・・・物持ちがいいのよ。あんた達みたいに1回着て『はい、サヨナラ』って訳にはいかないもん」

「どうしてそんなに喧嘩腰?久しぶりなのに冷たくね?」
「元々あったかい関係じゃないし。あのね・・・自分の右隣とも話しなさいよ!なんでこっちばっかり見てんのよ!」

「そりゃだって、牧野だから?」
「・・・はっ?」


左手にはこの人の好きなブランドの腕時計、それに相変わらず綺麗な指先。
男のクセに色っぽい瞳を少し細めて口角も少しだけ上げてる・・・昔と全然変わらない西門さんのナナメの得意角度。私と同じで真っ黒なのに嫌みなほどサラサラの髪を掻き上げたら・・・ほら、私の同級生は全員ここに注目。

どうして相手の男達もわざわざこんな先輩を連れて来るんだろう!
普通はこんなの連れて来ないでしょうよ、女の子全部取られちゃうって判んないかなっ!それとも自分たちがこの人に勝ってるとでも思ったの?!

私も私だ!陽子に男子の大学名を聞けば良かった!・・・って1人でムカついてジンジャエールをごくごく飲んで噎せた。


「うっ、ゴホッ!コホ・・・うぷっ!」
「何やってんだか。急いで飲んだり食ったりするのも変わんねぇんだな!大丈夫か?」

「ゲホッ・・・はぁ、驚いた。大丈夫、ありがと」
「くくっ、可愛いな、お前」

「はぁっ?!なっ、何言ってんのよっ!」

ガタンと席を立ったら8人が一斉に私を見る。
「つくし、何やってんのよ!座りなさい、恥ずかしい!」って陽子に怒られ・・・西門さんがクスクス笑うのを睨みながら椅子に座った。この人、絶対に私で遊んでるわね?・・・なんて意地悪なのっ!

そのうちみんながソワソワして西門さんに質問を始めた。


「あの~、西門さんって茶道の方ですよね?お茶って教えてもらえるんですか?」
「時々テレビにも出ていらっしゃいますよね?スタジオってどんな感じなんですか?女優さんとかお知り合いなんですか?」
「どんな女性が好みなんですか?彼女って居ないんでしょ?」
「今度西門さんお薦めのお店で一緒に飲みませんか?携帯番号、聞いちゃダメ?」

これだけで終らずに次から次へと・・・男子の方が「やっぱ西門先輩はヤバかったな」って・・・今頃遅いってのっ!!

これに西門さんは何とも適当に答えてて、その度にウィンクや流し目が炸裂・・・そういう所も変わってなくてホッとするけど、何故か凄くムカつく。
だからその間は右を向かずに、ずーーっと自分の前にあるお皿のものを口に入れてった。


「牧野さん・・・だよね?」
「・・・はい?」

「自己紹介の時に話したけど、僕は池田光一。覚えてないかな・・・僕も英徳高等部なんだけど、他の奴等は大学から英徳なんだよね」

急に私の前に座っていたイケメン君・・・もとい池田君って子が、ブルスケッタを口に入れたばかりの私に声を掛けてきた。
慌ててそれを呑む込むようにして食べて、目の前の水をひと口飲んだ。そして池田君の方を見たら・・・ニコッと笑って「宜しく」って言われた。

「あっ、はい!確かに私も英徳高等部なんだけど・・・あの、あんまり友達居なくて同じ学年の子は殆ど覚えて無くて・・・ごめんなさい!」
「ううん、いいよ。くすっ、知ってるから。だって・・・ね?」

池田君は他の女の子に返事してる西門さんにバレないように指さして、またクスクス笑った。
私がこの人達に絡まれてたのを見てたって事か・・・それに当然道明寺の事も知ってるだろうし。だから「まぁね」って頷いて私まで照れ隠しで笑った。


「あのさ・・・道明寺さんとは別れたんだよね?」
「うん。今は友達だよ」

「・・・その後は?恋人が花沢さんって言うのは本当なの?」
「え?花沢類?・・・うーん・・・仲はいいけど彼にはならなかったな・・・あはは、そう言えばそんな噂もされてたねぇ!」

「じゃあ美作さん?あの人は年上が好きだけど、唯一牧野さんの事は大事にしてるって聞いたことがあるんだけど」
「凄く優しかったよ。でもそれも違うかな・・・私じゃ物足りないんだと思うよ?」

「・・・そうなんだ」
「うん、あの人達とはほら!世界が違うから。あっはは!私ってこの中でも1番庶民でしょ?」


良かった・・・次に西門さんの名前を出されたらどうしようかと思った。そう思ったのに・・・!



「で?なんで俺の名前は出ねぇの?」

「西門先輩っ!」
「はっ?!聞いてたの?」

今まで他の女の子と話してたと思ったのに横を向いたらすっごく近くまで寄ってて驚いた!
しかもさっきまで巫山戯た顔してたのに今は超真面目・・・むしろご機嫌悪そうに私の目の前20センチの所に顔があった。


「そこまで彼奴らの名前出しといて俺は?」

「べっ、別に意味なんて無いわよ・・・西門さんとは何にも関わらなかったから噂にもならなかったってだけでしょ?
日替わりで綺麗なお姉さんとばっかり歩いてて、タイプだって毎回違ってて、学年もバラバラで美人系から可愛い系、たまにはボーイッシュなのも居て選り取り見取りで女ったらしそのものだったもん!」


「・・・そうだったか?」

「そうよ!ミス英徳だって隣に居たし、3年の学園祭の時なんて英徳大学のお姉さんがわざわざ会いに来たじゃない!そうかと思えばギャル風なのまで手を出して、西門家が寄贈したお茶室に女の子と消えて行ったのも見たんだからね?信じられない!」


「・・・そんな事あったっけ。記憶にないわ」

「西門さんの頭は都合の悪いことは速効消去されるように出来てるんでしょ?そうじゃないと日替わりで女の子なんて選べないもん。いつかのクリスマスだって自宅の裏口で可愛い女の子にプレゼントもらってたし、イベント嫌いだって言うけどバレンタインにだって手編みのセーター受け取ったでしょ?全部知ってるんだからね!」


「それ見て泣いたのか?」
「当たり前でしょ!!・・・・・・はっ!」


ヤバい・・・今、興奮して言っちゃいけないひと言、出しちゃった?


「牧野さん、西門先輩の事凄くよく見てるんだね」って池田君が苦笑い・・・それに西門さんの後ろに居る全員がこっちを見てまた固まってる。


そして本人は・・・ニヤッと笑った。




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2019/01/21 (Mon) 00:02 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

meimei様 こんにちは。

はい!ありがとうございます。
そうなんですよ、めっちゃ見てたんでしょうね(笑)

それについてはよくわかりません。
100%・・・じゃないですよね?外部からも来るでしょ?

違うのかな・・・そこは気にしないで下さい💦

今月だけですよ。短編ですから実は1日の出来事を書いただけのお話です。
ふふふ、いい思いをするかどうかは総ちゃん次第でしょう!あはは~!

2019/01/21 (Mon) 13:45 | EDIT | REPLY |   

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