Be mine Forever・3
「えぇ?!西門さんが・・・浮気ですか?本当に?」
「だって!!14日なのに京都に行くのよ?そこで雛乃って言う人と会う約束したのよ?そんな約束、マンションに帰ってからしてたのよ?酷すぎない?」
次の日、多忙な桜子に無理言って来てもらった私のバイト先の喫茶店でのこと。
仕事中なのに桜子に何倍も水と珈琲持って行きながら事の次第を説明してたら、とうとう店長が「もう今日はいいよ・・・」って言ってくれた。
毎度私のバイト中は総二郎が来て睨みを利かせてるけど、そのおかげで少しでも彼を見たい女性客が増えたって事で許してくれたみたい。
今日ももう少ししたら総二郎がやってくる・・・その前に桜子に愚痴を言いたくて仕方なかったんだもん!
「それって先輩の目の前で?よく我慢しましたわね!」
「・・・いや、隠れてたのよ。シューズクロークで驚かせようとして・・・」
「・・・何やってるんですか、その歳で!って事は西門さんは先輩が居ないと思って話してるって事ですか?」
「うん、そうだけど」
「・・・その仕事って言えば納得するだろうって言い方が許せませんわね。雛乃ってまるで舞妓さんの名前みたいじゃないですか?」
「舞妓さん?ってあの芸者さんの見習いみたいなの?」
桜子が顎に手なんて当てて眉を寄せて悩み出した。
確かにそんな古風な名前だけど舞妓さんって・・・いつそんな人と出会うって言うの?舞妓さんは東京まで来ないから、総二郎が京都に行った時に馴染みになったって事?
西門なら確かにお座敷遊びはしそうだわ・・・それにこの1年間は知らないけど、昔っから京都にはよく行ってたもの。
元々西門が関西出身だから、ご隠居様は京都に居るし。
「14日に行くんですのね?」
「そうらしいの。15日には帰ってくるからって・・・一緒に暮らしてるんだからValentineなんかどうでもいいだろ?みたいに言ったのよ?そりゃ何もしなくてもいいのかもしれないけど、そんな言い方しなくても良くない?私は去年出来なかったから今年はケーキ焼こうと思ってたのに・・・」
「14日・・・私達も京都に行きます?浮気現場、見せていただこうじゃありませんか」
「えぇっ!私達も行くの?ど、どうやって見るの?」
「それはお任せ下さいな。西門さんのスケジュールぐらい私でも探れますわ。先輩が問い詰めるとまた喧嘩になりますから何もしなくて結構ですから」
「・・・そうなの?」
「あら・・・でも、その状態でも夜はご一緒ですの?そんなんじゃ西門さんを愛して差し上げられないでしょ?」
「なっ、なんて言い方すんのよっ!・・・今はその、アレの最中だって言ってるから大丈夫」
「Valentineは10日も先ですけど?」
「・・・長引いてるって言うわよ」
そんな事を話していたら、いつの間にか私のバイト終了時間に近づいてて、窓の外に総二郎の姿が見えた。
ヤバっ・・・どうしよう!ここに座ってること、どう説明したらいいの?
アタフタしたけど間に合う訳もなく、カランとドアベルを鳴らして彼は店に入って来た。でもカウンターに私が居ないから不思議そうな顔してる。
それを見た店長が「今日はもう終ってますから」なんて言って桜子と珈琲飲んでる所を指さしたら、もっと変な顔して私達のテーブルに近づいてきた。
「何やってんだ?2人で・・・で、なんでそんな怖い顔してんだ?桜子」
「別に何でもありませんわ。これが私の普通の顔ですけど?」
「・・・なんでそんなに言葉まで冷たいんだよ。それにつくしはなんでもうバイト終ってんだ?」
「た、体調不良?胃がムカムカして吐きそうで身体がだるくて・・・で、熱っぽかったのよ」
その言葉には総二郎だけじゃなく桜子まで驚いたような顔して私の事を見た。
あれ?なにか変な事言ったかしら・・・って私もつられて驚いた顔したら、急に総二郎に腕を掴まれて「病院に行こう!」って叫ばれた!!
「はぁっ?病院って、今はもう診療時間外だってばっ!」
「何言ってんだ!そんなの無理矢理開けてやる!いいから行くぞ!」
「ちょ、ちょっと待ってよっ!なんでそうなるのーっ!!」
「お前、本当はアレじゃなくて・・・つわりなんじゃね?」
「西門さん、落ち着いてっ!つわりなんて受精直後に起こりませんわっ!」
午後7時30分・・・満席の喫茶店にこんな会話が大声で響き渡り、恥ずかしいってもんじゃない。3人でその店を飛び出して逃げるように帰った。後で桜子には・・・
『あんな言い方したら妊娠しましたって言ってるようなもんです!仮病の時はよく考えてから言葉を選んで下さい!』
って怒られた。
**
それから1週間後、桜子は本当に総二郎のスケジュールを調べていた。
どうして判ったの?って聞いたら答えは簡単。
「西門に行きましたらすぐに出てきてくれる香川さんって若いお弟子さんが居ますの。その方にちょっとだけ顔を近づけて『お・ね・が・い♡』って言えばすぐに調べて下さいます。これが西門さんの14日と15日の予定表ですわ」
「あんた・・・いつもそんな事してんの?」
「これが桜子最大の武器ですから。自慢じゃありませんが失敗したことありませんので」
まぁ、いいか・・・って事でそのメモをもらった。
14日の朝早くに東京を出て京都入り。その後に京都支部の人達と食事して講演会。その後は馴染みの呉服屋さんと茶道具の専門店にご挨拶・・・そして最後に予定されてるのが祇園?
祇園って・・・舞妓さんに会える場所じゃないの?じゃあ雛乃さんってやっぱり舞妓さんか芸妓さん?
「先輩!14日、私達も祇園入りですわ」
「本当に行くの?あんた、仕事と彼はどうするのよ」
「仕事よりも面白そうですもの。それに彼氏と別れたばかりでValentineなんてどうでもいいんです!」
「・・・そういう事?」
泊まるところは京都駅に近いホテル。
一応ちゃんとホテルを予約してるんだ・・・それにはホッとしたけど、本当に泊まるのか、それが1人なのかは不明だって桜子はここでも何故か楽しそうに話していた。
どうして私より桜子の方が張り切ってるのか判んないけど、とにかく私達の京都行きが強引に決められた。
でも・・・これで総二郎の浮気が発覚したらどうしたらいいの?
やっと自分の居場所を見付けたと思ったのに?
年末まで住んでたアパート、引き払ってるのに~💦
「だって!!14日なのに京都に行くのよ?そこで雛乃って言う人と会う約束したのよ?そんな約束、マンションに帰ってからしてたのよ?酷すぎない?」
次の日、多忙な桜子に無理言って来てもらった私のバイト先の喫茶店でのこと。
仕事中なのに桜子に何倍も水と珈琲持って行きながら事の次第を説明してたら、とうとう店長が「もう今日はいいよ・・・」って言ってくれた。
毎度私のバイト中は総二郎が来て睨みを利かせてるけど、そのおかげで少しでも彼を見たい女性客が増えたって事で許してくれたみたい。
今日ももう少ししたら総二郎がやってくる・・・その前に桜子に愚痴を言いたくて仕方なかったんだもん!
「それって先輩の目の前で?よく我慢しましたわね!」
「・・・いや、隠れてたのよ。シューズクロークで驚かせようとして・・・」
「・・・何やってるんですか、その歳で!って事は西門さんは先輩が居ないと思って話してるって事ですか?」
「うん、そうだけど」
「・・・その仕事って言えば納得するだろうって言い方が許せませんわね。雛乃ってまるで舞妓さんの名前みたいじゃないですか?」
「舞妓さん?ってあの芸者さんの見習いみたいなの?」
桜子が顎に手なんて当てて眉を寄せて悩み出した。
確かにそんな古風な名前だけど舞妓さんって・・・いつそんな人と出会うって言うの?舞妓さんは東京まで来ないから、総二郎が京都に行った時に馴染みになったって事?
西門なら確かにお座敷遊びはしそうだわ・・・それにこの1年間は知らないけど、昔っから京都にはよく行ってたもの。
元々西門が関西出身だから、ご隠居様は京都に居るし。
「14日に行くんですのね?」
「そうらしいの。15日には帰ってくるからって・・・一緒に暮らしてるんだからValentineなんかどうでもいいだろ?みたいに言ったのよ?そりゃ何もしなくてもいいのかもしれないけど、そんな言い方しなくても良くない?私は去年出来なかったから今年はケーキ焼こうと思ってたのに・・・」
「14日・・・私達も京都に行きます?浮気現場、見せていただこうじゃありませんか」
「えぇっ!私達も行くの?ど、どうやって見るの?」
「それはお任せ下さいな。西門さんのスケジュールぐらい私でも探れますわ。先輩が問い詰めるとまた喧嘩になりますから何もしなくて結構ですから」
「・・・そうなの?」
「あら・・・でも、その状態でも夜はご一緒ですの?そんなんじゃ西門さんを愛して差し上げられないでしょ?」
「なっ、なんて言い方すんのよっ!・・・今はその、アレの最中だって言ってるから大丈夫」
「Valentineは10日も先ですけど?」
「・・・長引いてるって言うわよ」
そんな事を話していたら、いつの間にか私のバイト終了時間に近づいてて、窓の外に総二郎の姿が見えた。
ヤバっ・・・どうしよう!ここに座ってること、どう説明したらいいの?
アタフタしたけど間に合う訳もなく、カランとドアベルを鳴らして彼は店に入って来た。でもカウンターに私が居ないから不思議そうな顔してる。
それを見た店長が「今日はもう終ってますから」なんて言って桜子と珈琲飲んでる所を指さしたら、もっと変な顔して私達のテーブルに近づいてきた。
「何やってんだ?2人で・・・で、なんでそんな怖い顔してんだ?桜子」
「別に何でもありませんわ。これが私の普通の顔ですけど?」
「・・・なんでそんなに言葉まで冷たいんだよ。それにつくしはなんでもうバイト終ってんだ?」
「た、体調不良?胃がムカムカして吐きそうで身体がだるくて・・・で、熱っぽかったのよ」
その言葉には総二郎だけじゃなく桜子まで驚いたような顔して私の事を見た。
あれ?なにか変な事言ったかしら・・・って私もつられて驚いた顔したら、急に総二郎に腕を掴まれて「病院に行こう!」って叫ばれた!!
「はぁっ?病院って、今はもう診療時間外だってばっ!」
「何言ってんだ!そんなの無理矢理開けてやる!いいから行くぞ!」
「ちょ、ちょっと待ってよっ!なんでそうなるのーっ!!」
「お前、本当はアレじゃなくて・・・つわりなんじゃね?」
「西門さん、落ち着いてっ!つわりなんて受精直後に起こりませんわっ!」
午後7時30分・・・満席の喫茶店にこんな会話が大声で響き渡り、恥ずかしいってもんじゃない。3人でその店を飛び出して逃げるように帰った。後で桜子には・・・
『あんな言い方したら妊娠しましたって言ってるようなもんです!仮病の時はよく考えてから言葉を選んで下さい!』
って怒られた。
**
それから1週間後、桜子は本当に総二郎のスケジュールを調べていた。
どうして判ったの?って聞いたら答えは簡単。
「西門に行きましたらすぐに出てきてくれる香川さんって若いお弟子さんが居ますの。その方にちょっとだけ顔を近づけて『お・ね・が・い♡』って言えばすぐに調べて下さいます。これが西門さんの14日と15日の予定表ですわ」
「あんた・・・いつもそんな事してんの?」
「これが桜子最大の武器ですから。自慢じゃありませんが失敗したことありませんので」
まぁ、いいか・・・って事でそのメモをもらった。
14日の朝早くに東京を出て京都入り。その後に京都支部の人達と食事して講演会。その後は馴染みの呉服屋さんと茶道具の専門店にご挨拶・・・そして最後に予定されてるのが祇園?
祇園って・・・舞妓さんに会える場所じゃないの?じゃあ雛乃さんってやっぱり舞妓さんか芸妓さん?
「先輩!14日、私達も祇園入りですわ」
「本当に行くの?あんた、仕事と彼はどうするのよ」
「仕事よりも面白そうですもの。それに彼氏と別れたばかりでValentineなんてどうでもいいんです!」
「・・・そういう事?」
泊まるところは京都駅に近いホテル。
一応ちゃんとホテルを予約してるんだ・・・それにはホッとしたけど、本当に泊まるのか、それが1人なのかは不明だって桜子はここでも何故か楽しそうに話していた。
どうして私より桜子の方が張り切ってるのか判んないけど、とにかく私達の京都行きが強引に決められた。
でも・・・これで総二郎の浮気が発覚したらどうしたらいいの?
やっと自分の居場所を見付けたと思ったのに?
年末まで住んでたアパート、引き払ってるのに~💦