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plumeria

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「お客さん!時間間に合いますか?」
「だ、大丈夫じゃないかも!あと10分で新幹線が出ちゃうっ!」

「お釣りは?」
「あっ、あっ!・・・い、要りませんっ!!」

タクシーに乗ること自体滅多にないのに人生初めての「お釣り要らない」を口にしてしまった!自分でもそれに驚くけど、今はそれどころじゃないっ!乗り遅れたら桜子に殺されるっ!
そう思って東京駅の中を全速力で走って新幹線の乗り場まで行った!

もう1分切ったんじゃないの?って頃にホームに到着したけど、グリーン車に乗ってる総二郎にバレないようにしなくちゃ、って思ったのにその前を通過して自分の車両に行かないといけなかった!
「どうか見てませんように!」って叫びなからコートで顔を隠してホームを走り、プルルルルルと鳴る発車音と同時に何とか飛び乗った!


「はぁはぁはぁ・・・これ、やっぱり出る前の総二郎のせいだよね?はぁ・・・間に合わないかと思った・・・」

自分の席に辿り着く前に入り口のドアに凭れ掛かってまずは呼吸を整えた。
そしてよいしょ、と立ち上がり桜子の取ってくれた指定席に向かうと不機嫌な顔した桜子がジロッと睨んだ。

「随分のんびりでしたわね!来ないのかと思いましたわ」
「いや、色々あったのよ・・・早く出たくても出られないって言うか・・・」

「・・・朝から西門さんに掴まったんですか?そんなもの蹴り飛ばして追い出したらいいじゃありませんか!」
「蹴り飛ばす?総二郎を?」

「今晩使い物にならないように思いっきりやれば良かったのに。それに何ですか!その頭に・・・もしかしてスッピンですか?」
「うん。桜子に頼もうと思って化粧品、持ってきた」

当然このあと新幹線の化粧室で桜子にメイクされ、おかげでそれなりに人前に出られるぐらいにはなった。
「あれだけ自分磨きしなさいって言ったでしょ!」って鬼みたいに怒るけど・・・総二郎より早く起きでバッチリメイクなんて出来ないでしょ。
それだけで疑われてとんでもない事が起きるんだから!


「桜子、お腹空いた・・・」
「・・・今度は食料強請り?まったく・・・!食べなくても死にませんよっ!」

「あ、あのね、タクシー代のお釣りもらわなかったの。お金がない・・・」
「・・・・・・💢」


そんな事言ってるうちに京都について、私達は出来るだけ遅くにホームを降りて総二郎とは会わないように細心の注意を払った。

とにかく駅の構内は凄い人!
総二郎が何処に行ったかを探すなんてことは出来なくて、油断してたら色んな人に体当たりされるか行く手を遮られて桜子と離れたり、とにかく京都駅を出ることだけで必死だった。

「何処に行ってるんですか!ここで迷子になられても困るでしょ!」
「だってぇ!総二郎を気にしながら歩いてたら人に流されるんだもん」

「・・・先輩のその服、西門さんが毎日見てるんじゃありません?どうして彼が知らない服にしなかったんですか?」
「そんな無茶言わないでよ!去年のバイト代なんてクリスマスで使い切ったのよ。もう全然無いもん」

「コート買ったって言いませんでした?」
「真っ白のコートなのよ?目立つ・・・って言うか、あんたの真っ赤なコートの方が目立つじゃないのっ!そんなのあんたぐらいしか着ないんだから総二郎に見付かってんじゃないの?」

「私はどんな格好しても目立つんですもの、仕方ありませんわ。会食は嵐山近くの料亭ですって!お店の名前は聞いてますから早く行きましょ」

「待ってぇ~!!」


タクシーを1日貸し切りにして桜子の調査通り嵐山のお店に行くと、丁度総二郎が黒塗りの車から数人のお爺さん達と降りて入るところだった。
見るからに高級そうな料亭・・・こんな所で食べるものって美味しいだろうなぁ~!って思っていたらお腹が鳴って運転手さんに笑われ、桜子には呆れられた。
中に入りたかったけどそれだとバレちゃう。だからコンビニのおにぎりをタクシーの中で食べて出てくるのを待った。


「今は女性、居なかったわね」
「そうですわね・・・って言うか、コンビニのおにぎり初めて食べましたわ」

「なかなか美味しいでしょ?」
「まぁまぁですわ」




*******************




気のせいだろうか・・・最近つくしの様子がおかしい。
この前から続いてるって言い張るアレも2週間だろ?それ、病院行きじゃねぇの?女の身体の事は良くわかんねぇけど、そういうのちゃんと整えておかねぇと先々困るしな・・・。

何となく落ち着きがないし、マンションでも時々キッチンから俺の事睨んでるし、飯が寂しくなったし、夜まで寂しくなったし。
たまにすげぇ我慢出来ない時があるんだけど、隣で爆睡してるから起こせなくなるし・・・無理矢理ってのはやっぱイヤだしな。


流石に14日に仕事で留守にするって言うのはマズかったか?
でも本当に講演会の日程変更が出来ないってんだから仕方なかったんだよな。ただその日のうちに帰ることも出来たんだけど雛乃がその日じゃないと身体が空いてなかったし。

確かにその日は恋人にとっちゃ大事な日なんだろうけど、一緒に住んでる俺達にはその日に離れてても問題はないって思ったのは俺だけか?


そして今日がその14日。
こんな日に留守するからせめてこのぐらいはって朝っぱらから濃厚キスで攻めてみたんだけど、どうもつくしに色っぽさが足りない気がする。
いつもならこれでトロンとするくせに、ヤケに焦りやがって・・・何かが変だ。

玄関の見送りも、身体半分リビングの方に向いてたし。
如何にも「早く行け!」みたいな言葉が出てきそうな気がしたのは何だったんだ?


「総二郎様、どうされたんですか?お忘れ物ですか?」
「いや、そうじゃないんだけど・・・なんか気持ち悪くてさ」

「え?風邪でしょうかね・・・お薬飲みますか?」
「そんなんじゃねぇよ。それより急げよ?新幹線、結構ギリだろ?」

「はい!大丈夫ですよ」

東京駅に向かう車の中で弟子とそんな話をして、確かに発車時刻の20分前には到着した。グリーン車だから慌てることもないし、こんなに寒いのに構内をウロウロする気もない。
さっさと車両に乗り込もうとしたら・・・ホームの離れた場所にド派手な女が居た。


「あれ?桜子・・・いや、あいつが新幹線なんて乗らないか・・・人違いだろうな」

あんな派手なコート着てミニスカートなのはあいつぐらいかと思ったけど、よく考えたら移動手段が新幹線のはずはないし、1人でこんな所に居るわけもない。
どれだけ金掛けてもタクシーに乗るか男の車しか乗らねぇだろうからな。

そう思って自分の座席に座ってぼーっと窓の外を見ていたら、人混みの中で見覚えのあるコートがすげぇ速さで通ったような気がした!

「はっ?今のコート・・・つくしじゃね?」


いや、そんなわけないか。
つくしは俺が出る時にパジャマでボサボサでノーメイクだったんだ。あれから5分程度で出掛けるなんて不可能だし。それに今日は友達と飯食いに行くって言ってたんだ。
あいつに限って新幹線に乗ってまで飯食いには行かねぇだろう。

変な事ばっかり考えてるから桜子やつくしを思い浮かべるんだろうな・・・やべ、そんなんじゃ講演出来ねぇかも。


そして予定通り京都に着いて、こっちの支部の連中が迎えに来ていたからその車に乗り、昼食の予約をしている店に向かった。

嵐山の近くにある京料理の店で、俺が気に入ってるからいつもここを予約される。
今日もそこに着いたら眺めの良い特別室に通されて、その部屋で飯を食ってこの後の打ち合わせをしていた。そうしたら一緒に入った京都の爺さんが何やら外ばかり気にしてる・・・その爺さんと目が合ったらボソッと言われたひと言。


「あそこのタクシーですけど、もうずーっと同じ場所に居りますんやけど、えらい気になりますなぁ・・・」
「は?タクシーですか?」

「はぁ、そこの道の向こうですわ。なんや気味悪いですやろ?良く見えんのですが人が乗ったままじゃないですかね?」

爺さんが言うからちょっと振り向いて見たら、植木の隙間から僅かに見える表通りの向こう側・・・確かにタクシーらしき車が見える。目は悪くはねぇが流石に乗ってるヤツの顔なんて見えない。見えないが何かが動いてるような気がする・・・。


「・・・運転手は居るようですね。いや、後ろにも誰か居ますね・・・女性、かな?」

「何してはるんやろ・・・」
「さぁ?」


その時、背中にゾクッとするものが走った!
何だろう・・・すげぇイヤな予感。




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2019/02/15 (Fri) 12:15 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんにちは

meimei様 こんにちは。

あっはは!その通りですね💦申し訳ありません、判りました?
ただねぇ・・・大変なんですよ。

この時期4作品同時でしょ?こんがらがるんですよね~💦
真逆だから困るんでしょうが、書く方は楽しいですよ♥

了解しました!頑張りますね!!

2019/02/15 (Fri) 12:32 | EDIT | REPLY |   
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2019/02/15 (Fri) 14:13 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんにちは。

あっはは!1話目で書いたじゃないですか💦
アレで満足していただけたらと思います。

今ね、子供の卒業でドタバタしてるから体力がないのよ・・・本当にごめんなさい💦
3月もマジで忙しくて、もしかしたら連載休むかもってぐらい大変なの。

お許しくださいませ。


あの2人ってそう思えるんだ?ってちょっと驚きです。
他にもそう言われた方がいるのよね(笑)へぇ~、それも良いかもね(笑)

で、1話で終わったのには自分でも笑えたんだけど・・・つくしちゃんと離れて60話以上でしょ?
はっきり言ってめっちゃ難しいのです(爆)
あっちとこっちの話を書かなきゃいけないから、場所も時間も訳わからん!みたいな。

いや、そうしたのは私ですけどね(笑)
なのでつくしちゃんの1年を、このあと2話書いたら第一章が終です。


はぁ、どの話も疲れます・・・。


類君のお話がそろそろ終わります。
どうぞ最後まで応援宜しくです。そのシーンはないけど・・・。

2019/02/15 (Fri) 14:55 | EDIT | REPLY |   
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2019/02/15 (Fri) 20:50 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

どうもありがとうございます。
出来るだけで頑張ります!

本当にごめんなさい💦

2019/02/15 (Fri) 21:57 | EDIT | REPLY |   

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