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ワンワン!ワンワン……ワン!!


マジ、信じられねぇけどうちの庭に犬が居る。しかも俺様の犬。
そいつらがじゃれ合って転げ回って遊んでる。

中……いや、ハルはどうしてんのかな。
こいつらに会いたがってんじゃねぇのか……?

いや、あそこには大きいのからちっせぇのまで嫌ってほど居るからそれはねぇのか。

でも、やっぱり幼馴染みってのは特別だよな……な?


「西田!西田居るか?」

「はっ、どうされましたか?司様」
「……花沢に行く。ヘリ…いや、今日はリムジンで行くから準備しろ」

「はい?花沢様のところに?本日のご予定にはございませんが、花沢様の許可は……」
「うるせぇ!俺が行くって言ってんだからいいんだよっ!つべこべ言わずに支度しろ!」

「も、申し訳ございません!今すぐにっ!」


西田が何処かに飛んで行ったあと、俺は庭に出てあいつらを呼んだ。
そう!もう俺の姿を見ただけで寄ってくるからなっ!

こうしてみれば可愛いもんだ!


「小司郎、大司郎!出掛けるぞ、戻ってこい!」
「ワンワン!」
「ワンワンワン!!」

「よしよし、良い子達だ。うわあぁぁっ!急に舐めるのはよせっつっただろうが!!馬鹿野郎っ!」
「ワンワン!」

はー、びっくりした。心の準備前のペロンだけはまだ許せねぇ!
1回目の前で止まれっつってんのに……!


この2匹をハルに会わせてやろう、その軽い気持ちで道明寺城を出て花沢に向かった。
総二郎もあきらも使ってる手だ。これなら類も文句は言えねぇだろうしな。

ニヤリと笑って窓の外を見ながらぼんやりしていたら・・・


「うわあっ!!」

キキーーーツ!…ガックン!!

もうすぐ国境の橋に差し掛かるっていう細い道で急にリムジンが止まった。

「何事だ!司様が乗っておられるのに」
「申し訳ございませんっ!」

西田が叫んで運転手のところに行くと、何やら前方を指さして話してやがる。

「おい、西田。どうした?」
「はい、それが……」

「それが?だからなんなんだ?!はっきり言え、西田!」
「はっ、はい!道の真ん中に動物が倒れております!」

「動物?退かしてこい!」
「いえ、それが……どうやらパンダのようです」

「……は?パンダ?」


窓から顔を出したら確かにリムジンの前方に白黒のデカいヤツがいる。
しかも西田が言うように寝てやがる?とんでもねぇヤツだ!!この俺様が通るってのに!

「野生のパンダでしょうか?」
「そんなの俺が知るかよ!くそっ・・・退かしてくる!」

「あぁっ!司様、私が行きます!!」

西田と運転手を引き連れてそいつの横まで行ったけど、どうやら具合が悪いらしい・・・。
起きて襲ってきたら殴ろうかと思ったけど、そんな気配はなく踞ったままだ。

マジで?こんなデカいもの、退かさねぇと通れない道なのにっ!

「どうしたんでしょうか…病気ですかね」
「……病気?」

「苦しそうですが……どうしましょう」
「どうするって…どうすんだよっ!」

「確か花沢城には獣医さんが居るのでは?」
「は?あぁ……なんか言ってたな」

「連れて行きますか?司様が具合の悪い動物を保護したとなるとつくし様は感動されますよね…きっと」
「…………感動?」

「はい。お優しい方ですから病気の動物を見捨てるわけがございません」

「西田!リムジンに乗せるぞ!!お前も手伝え!」


西田と運転手に手伝わせ……って言うか2人に車まで運ばせてリムジンの座席に座らせた。
いや、正確に言うと床に寝かせた。

「ワンワン?」
「ワン……?」
「だ、大丈夫だ。死にそうなほど具合が悪いらしいから起き上がらないはずだ。
お前達は大人しくしとけ!」


両脇に小司郎と大司郎を抱えてリムジンの1番後ろの隅に……。
こんな場面、絶対に類には見せられねぇ……。



花沢城 城門前


「つべこべ言ってねーで、とっとと類を呼べっ!!
こっちには病人……いや、人じゃねーな…病パンダ……?いや、この際そんなのどうでもいい!
早くしろっ!!」


「ですが…類様が………」

くっそー!
やっとここまで来たってのに何だっていうんだよ。こっちにはパンダがいるんだよ!!
あきらも総二郎も毎回こんなのを潜り抜けてんのか?
これじゃあ埒が明かねー。

「おいっ、西田!
クラクションだ!!クラクションを思いっきり鳴らせっ!!」


「は…はぁ」

「さっさとしろ!!」


ブゥーーーッ!!
ブゥーーーーッ!!



花沢城 リビング


「ねぇ…類……。城門前に道明寺の車が来てるみたいなんだけど……?」
「うん、うるさいから追い返すように言っといた」

「でも…門番さん、大変そうよ?」
「………」

それも門番の仕事なんだから仕方なくない?それだけの賃金も払ってるし。
外ではクラクションの音が盛大に鳴り響きだした。

はぁ…。これじゃあ近所迷惑じゃん!
王様がこんなんじゃ示しがつかないよね……。

どうしようか考えてたら、そこに田村が入ってきた。


「類様…道明寺様ですが門番の話によると、病パンダがいるとかなんとか申しているようなのですが……」

「「……病パンダ?」」

病パンダって何??なんて思ってたら、つくしがドアに向かって駆けだしたから、思わずその手を掴んだ。

「つくしっ」
「だって…類……病パンダって…きっと病気のパンダって事でしょ?
道明寺領には野生のパンダが生息してるっていうし、きっと怪我でもしてるのよ!
出水先生も呼ばないと!!」


「……分かったから、とりあえず落ち着いて。」
「田村、司を出水先生の所に通すように伝えて」


「はい、畏まりました」

「俺達も出水先生の所に行こう」
「うん!」


つくしの手を引いて診療所に行くと、ちょうど司も到着したところで、車のドアを全開にして西田さんと運転手と三人で右往左往してる。

「本当にパンダがいるのかな?大丈夫なのかしら…?
道明寺ったら、いつの間に飼い始めたんだろ?」

言葉とは裏腹につくしは楽しそうに車に向かって歩いて行こうとするんだもん。そりゃあ、慌てて引き留めたよ!
だってあの見た目に騙されちゃダメでしょ!
可愛い顔してるけど、クマ科の動物なんだからね。


「おお、類!
こいつ、道端でぐったりしてたんだ。
お前んちに獣医がいただろ?診てやってくれ!」


「分かったから、早く運んで!」
「大丈夫かしら…」

心配そうなつくしと、パンダを抱えた三人の後に続いて診療所に入った。

「あら…本当に野生のパンダなのね!
ここに乗せてくれるかしら?」

指示された台にパンダを乗せると、診察が始まった。
出水先生が採血をしたりレントゲンを撮ったり忙しなく動く中、俺達はただ黙って見守るしかなかった。


クゥーン……


大司郎と小司郎は訳が分からないだろうに心細気に鳴いてる。
なのに!!
肝心の司はパンダもペットもそっちのけ。ずっとつくしの事をちらちら見てる。

ほんと、ムカつく!
どうせつくしからの賛辞を期待してるんでしょ!!

でも残念♪
つくしはパンダに夢中だもんね♪♪


「この子、妊娠してるわね♪」
「えっ?妊娠?!」

「ええ、妊娠。この様子だと……出産は来月当たりかしら…?」

目をぱちくりさせて出水先生を見ていたつくしの視線が俺を捉えた。

うっ………。
これはいつものキラキラ作戦…?

うるうるキラキラした瞳は『ねぇ、産まれたら飼ってもいい?ねぇ、いいでしょ?いいよね?』って語ってる。

どうする?どう切り抜ける?

ずっーと着いて来てるけど黙ったままの田村に視線を向けた。

『類様………残念ながら勝ち目はありません。早々に諦めては?』

目でそう語る田村に溜息しか出なかった……。

しかし出水先生によると、パンダは絶滅危惧種から外れはしたが、まだまだ危急種。このまま、飼育するのは色々な手続きが必要ならしい。
今の状態で自然に帰すには母パンダに無理がある為、関係各所に連絡の上一時保護という事に落ち着いた。
田村と二人、胸を撫で下ろしたのは内緒だ。


「お母さんパンダ、元気になるかしら?」
「…んー、でもそこは出水先生に任せよう?」

「俺達が出来る事は、静かに安全にしてあげる事だよ?」
「……そうね……回復してくれるといいわね…」

「道明寺も大変だったよね?道路の真ん中にパンダじゃ…吃驚したでしょ?」
「ぉ、おぉ、まぁな」

「大司郎も小司郎もお疲れ様」

わんわん♪

「吃驚したよね?大丈夫?桃達が待ってるよ、遊んでいらっしゃいな」

わんわん♪わわん♪
わんわん♪


本当に残念だったね、司。
つくしの興味は犬達の事とパンダの事だけみたいだよ?


「所で道明寺、お父さんパンダは居なかったの?」
「んーー見かけ無かったな…なぁ西田?」
「えぇ、見ませんでしたね…」

「出水先生、赤ちゃんパンダが産まれてお母さんパンダも元気になったら、自然に帰すんですよね?」
「えぇ、それが理想だわね」

「じゃあ、その時は私も一緒に行っても良いですか?」
「勿論よ」

「ね?道明寺、パンダを助けた場所覚えてるでしょ?」
「あぁ、バッチリだ!任せろ♪」

「うん♪その時は宜しくね♪♪」
「…////ま、任せておけっ!」


……ぷっ、司……判ってるのかな?
それは、只の道案内役だよ?


***


それから、一ヶ月半。
回復したお母さんパンダは、無事出産。
眠たい目を擦ってモニター越しに見守っていた俺達は、管理室内で拍手を送った。

産まれた時は、これがパンダなの?!って感じだったが、一ヶ月もすると立派な子パンダになり、
生後三ヶ月頃には、ヨチヨチ歩きで城内の皆を笑顔にした。

自然の帰すのが前提だから、見るのはいつもモニター越しだけど、誰かしらが管理室でその姿を見ている。
いつの間にか『パンダ見守り当番』が出来ていた。

司は忙しいだろうに、1日おきに花沢城に顔を出しパンダの様子を見て、安心したように帰って行く。
つくしには、子パンダのお父さんみたいね?
と、言われて嬉しそうな顔をしていた。


***


司が道の真ん中で動けなくなった妊娠中のパンダを運び込んで来てから、半年になろうとする頃、パンダの親子を自然に帰す事になった。

季節は秋。
何処までも青い空がとても深い晴れた日。
司の案内で、パンダを助けた場所に来ている。


「ねぇ、道明寺。この辺なの?」
「あぁ、ここだ」

「丁度、国境の橋を渡った所だったんだ」
「ちゃんと帰ってくれるかしら?」

「……大丈夫だろ…」


道明寺の領地内に親子パンダを入れて来た特注の檻付き輸送車を駐車。
檻の扉を開放して、車内から様子を伺った。

固唾を呑んで見守る中、外の様子を確認したらしいお母さんパンダが出て来た、その後を追うように子パンダが続く。
好奇心旺盛な子パンダは、親を追い越し茂みの中へと進んで行った。

一度も振り返る事無く山中に…と思った瞬間、お母さんパンダは振り返り俺達の姿を探した様に見えた。

隣のつくしを見れば、既に泣き顔。
良かった、良かった。の言葉しか出ないようだった。


バタンッ!


「元気に暮らせよーーーーっ!」


親子パンダの姿が見えなくなるその時まで寡黙だった司は、車を降りて親子が帰って行った山に向かって叫んでいた。

その後ろ姿からは、何か一つ仕事を終えた雰囲気を感じた。


「ルンルーン!元気でねぇ!!」
「……ルンルン?」

「ルーイー!大きくなったらまた会おうねぇ!!」
「ちょっと待って?俺と同じ名前なの?!」

「ん?お母さんは倫倫(ルンルン)で、子供は如意(ルーイー)だよ?
昨日付けたでしょ、個体識別票。出水先生と一生懸命考えて、あれに名前書いたの」


「…………くくっ!」
「笑わないでよ、司!」


いや、いいけどさ。
……せっかく同じ名前なら、格好良いパンダになれよ、なんて呟いたりして。



その後、パンダの生息域の道明寺国にはパンダ専門の保護施設もでき、レンジャーの育成にも尽力。
見過ごされて来たであろう幾多の命を救う事になる。





おしまい♪


15577075310.jpeg
皆様、こんにちは~!
今日は司君でパンダです!!

パンダねぇ・・・本当は早くから候補に上がっていたんですが、飼えないでしょ?(笑)
それを言えばハシビロコウもカンガルーもアライグマも飼えそうにはないんですが💦
キリンもね、飼えないから自然保護区を作ったんですよ。

それならって事で野生パンダ出現!!
しかも妊婦パンダ(笑)

丁度いいじゃん!千ちゃんのお話で花沢国には獣医がいる!!

・・・・・・・・・・・。

出産シーンが回ってきたS様(笑)
「判んないよ!!パンダの出産なんて!!」(爆)

いやいや、誰も詳しく書けなんて言ってないから・・・。


最終的にはこの親子をどうするかって悩んだ結果、やっぱり山に帰しました。
でもね・・・秋になってるんですよ。

秋・・・秋?秋まで続くの?(笑)
続いていたら怖いよね~💦って3人で話したのですが・・・さて、その頃には花沢城、どうなってるんでしょ?

そうそう!お話しの中のパンダの名前、ロシアとアメリカに居るパンダさんのお名前をお借りしました(笑)


それでは今日のお遊びです~♡

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この名前、覚えてます?瓜ぼうと同じ・・・空ちゃん、霞ちゃん、馨ちゃん(笑)今回はパンダになりました💦


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突然ですが琥珀です。実はこれ「間違い探し」です!!何処が違うか探してみてくださいね~♡


それではまた来週の火曜日にお会いしましょう~!!
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2019/05/14 (Tue) 15:45 | EDIT | REPLY |   
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2019/05/14 (Tue) 16:16 | EDIT | REPLY |   
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Re: タイトルなし

ビオラ様、こんにちは!

そうなんです~!パンダ出しちゃいました!
人気者だけど飼うことは出来ないパンダ・・・何度も会話には上がったんですがなかなか話にする事が難しかったんですよね(笑)

しかも司君に拾わせたし(笑)

うふふ、間違い探し・・・そこではありませんでした♡
来週答えを載せますのでお楽しみに~!!

2019/05/14 (Tue) 18:16 | EDIT | REPLY |   
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Re: 前回の続き

りお様、こんにちは~!!

もう爆笑なんですけど!困ったわぁ~(笑)

お茶摘みの話が出来るまでもう少し待っててくださいね!!

あっ、そうそう!
パンダって山に帰っていくのは秋ですから、この時期にはお茶摘みは終わってます💦
この話だけ季節先取りの終わり方してるんですよ~💦

また連絡しますからね~!


グインと内容が変わってるから・・・ふふふふふ!!

よってパンダさんの件はその時に相談しますね♡宜しくお願い致します~!

2019/05/14 (Tue) 18:21 | EDIT | REPLY |   
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2019/05/14 (Tue) 18:52 | EDIT | REPLY |   
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Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは!

はい!正解です~!!
どうもありがとうございました(笑)

2019/05/14 (Tue) 21:13 | EDIT | REPLY |   
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2019/05/15 (Wed) 00:30 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

まりぽん様、こんにちは!

うふふ~♡意外でしたか?
パンダは動物園では人気者でしょ?候補には早くからあがっていたんですよ。

でも飼うことが出来なかったり、レンタルっていっても仕組みが判らなかったりと随分悩みました。
それで最終的には「野生」(笑)

はい!なんでも有りです!!

また出てくるんでしょうか?その時は道明寺城?(笑)
司君、動物好きになるかもしれませんねっ!!

来週はあきら君です♡
お楽しみに~!

2019/05/15 (Wed) 11:48 | EDIT | REPLY |   
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2019/05/16 (Thu) 13:49 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ミスマッチ女様 こんばんは!

まさかだったでしょ?(笑)
でもパンダって見るにはいいけど、どうやって扱ったらいいのか判らなくてね~💦
でも書きたいよね、書きたいよね、書きたいよねって言い続けて、とうとう妊婦パンダが登場しました。

馨ちゃん(笑)

本名じゃないですけど、plumeriaの和名が「素馨」だったので馨にしました(笑)
後ろ姿、可愛いですよねっ!


そして間違い探し(爆)

あっははははは!残念ですがないなぁ!
これには制作者S様がお喜びです(笑)

すぐに判ると思ったけどなぁ~。来週正解を載せますね~♡

どうもありがとうございました!

2019/05/16 (Thu) 21:49 | EDIT | REPLY |   

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