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ク~ンク~ン……

「……ん?どうした小司郎」

ワンワン!ワン!

「なんだよ、煩せぇぞ、大司郎。言いたいことがあるならはっきり言え!」

……とか何とか言っても俺の真横に来て鼻を擦りつけてる可愛いヤツら。


あの長い試練の日が終って、今ではこうやって一緒に寝そべるようになった俺達。
仕事に飽きたらこうやって共に暮らした部屋で寛ぐんだが、これが結構癒やしになる。

犬なんて絶対に無理だと思ったのによ……いや、流石だな、俺。

顔の横10センチの所に小司郎の鼻があっても驚かねぇし、俺の腕枕っていう誰もが羨む場所を独占してる大司郎。
つくしもこんな俺を見たら、アイツなんて捨ててこっちに来ねぇかな……。

いや、二匹じゃやっぱりダメか?
花沢には三匹居るもんな。

まずは同じ数だけ従えなきゃ「道明寺、素敵!」の声は出ねぇか……?


「………………ヤベ、どうしよ」

ワン?

いや……そう言えば西田がもう一匹犬が居るって言わなかったか?
今ならもう一匹ぐらい容易いんじゃね?此奴らはこんなに俺様に懐いてるんだし、それを見ればもう一匹もすぐに……。

それならって事で急いで西田を呼びつけた。


「お呼びで御座いますか?司様」
「おぉ!この前もう一匹居るって言ったよな?此奴らみたいな犬がよ」

「は?は、はぁ……居るには居ましたが」
「居ました?今は居ねぇのかよ」

「……はい、今はもうここには居りませんが」
「何処行ったんだよ。すぐに連れ戻せ!」

「は?いや、それは出来ないかと思いますが……」

何だ、この西田のアヤシい態度。
なんでそんなにモジモジしてんだよ!あの時はすげぇ調子よく「もう一匹如何ですか?」なんて言いやがったクセに!
異様に瞬きの回数が多い西田を目の前で睨み、「吐け」とひと言言えば思ってもみなかった答えが返ってきた。


「じ、実は司様が小司郎と大司郞を連れて花沢様をお訪ねになった時、もう一匹をもらっていただけないかとお話ししたのです。司様は三匹目は無理だと言われましたし、それならば動物好きのお二人にと…。
ですからボストンテリアは現在花沢様のところですくすくと育っていると思われますが……」

「なっ……なんだと!!って事は類んとこは四匹居んのか!!」
「そ、そうなりますっ!はい!!」


ちょっと待て……。
って事は俺にあともう二匹飼えってのか?

いや、それは無理。どう考えても無理。
俺の顔を貸して、腕を貸して、残りは膝枕ぐらいだろう!!それ以上は貸せねぇ……。
だから三匹までが限度!


「西田、取り返しに行くぞ!」
「はっ?!何をで御座いますか?」

「俺の中司郎だ!」
「な、中司郎?そんな無茶なっ!」

「喧しい!ヘリを出せ!いや……今日は橋で行く、すぐに車を用意しろ!」

「……畏まりました」




**花沢城**



「あのう、類様、つくし様」

「どうしたの?田村、真っ青な顔して」
「具合悪いの?田村さん」

「いえ、そうではないのですが……お客様がお見えなのですが、どうもご機嫌が悪いらしくて」

「は?機嫌の悪い客?」
「あら、私達に何か相談かしら?」

「琥珀達に見付からないように応接室にお通しして御座いますのでお越しいただけますか?」


珀達に見付からないようにって……そんなの一人しか居ない気がするんだけど。
「珀達って……道明寺なの?」
「お仕事の話じゃないなら、後で呼んでね」と気を利かせてくれた…と言うか逃げたつくしと離れて応接室に入れば、
仏頂面で戦闘態勢の司と、暑くも無いのにしきりに額の汗を拭う西田さん。

司に喧嘩吹っ掛けられる謂れは無いんだけど?


「何かあったの?司」
「……俺の……俺の 中司郎を返して貰う」

「……言ってる意味が全く 全然 解らないんだけど?」

西田さんに視線を移せば、額からは滝の様な汗!!

……気の毒に…

大方の予想は付くけどね…ウチ 四匹になったからね…負けてられないとか、元々は俺が飼う予定だったとか、そんな感じ?

……何か…想像して腹が立って来た💢


「と、兎に角返して貰うっ!」
「……………………」

「中司郎は何処に居る!」
「ウチには、そんな名前の家族は居ないよ」

ガタッ!!

応接室の椅子を蹴飛ばして立ち上がった司を制して、座る様に睨み付けた。


「……司…座って」
「……………」

「あのさ…まず 中司郎ってのは止めてくれる?中司郎じゃないよ。桜三郎って名前だから、ハルってよんでる。それから、西田さんからはどこまで話聞いてるの?ウチに来るまでの事しか聞いて無いでしょ?」

何か言いたそうにしてる司を視線で黙らせ、話を続けた。

「ハルが西田さんに連れられて来た時、仔犬特有の元気さとか好奇心とか、無邪気さとか全く無くてさ。聞いたら 大司郎と小司郎と兄弟みたいに育ってたって言うじゃん。きっと、三匹はとっても仲良しだったんだろうね…可哀想に……夜泣きも凄かったんだよ…」
「……………………」

「勿論、仲良しだった三匹を用意した西田さんにも、三匹目を断った司にも罪は無いよ。
だけどさ、ハルは?ひとりぼっちにされた、ハルは?」



「だ、だからっ!」

「司…、だから俺が飼うなんて言わないでね」
「……………」

「司が考えてる程、簡単な事じゃないよ?」
「……でも」

「でも、も、へったくれも無いっ!モノじゃないんだよ」
「………………」

「………ハルの、ハルの気持ちを一番に考えてやってくれないかな?」


わんわん♪
わん、わんわん♪


中庭から皆の声が聞こえて来る。
つくしに甘える四匹の声、三匹の先輩に甘えるハルの声。

その声に気が付いた司は、窓際まで歩み寄り様子を見ていた。
西田さんは頻りに頭を下げていたけど、
気にする事など無いの意を込めて俺は頷く。


「なぁ、類」
「……ん?」

「中…、いやハル楽しそうだな…」
「でしょ?でもね 司、あんな風になるまでさ、結構かかったんだ…」

「………そっか……悪かった…」
「いや、判ってくれればそれでいいよ」


「はぁ!!」
「……なに?」

「何で大司郎と小司郎まで一緒に遊んでんだよっ!」
「あれ、知らなかったの?一昨日も来てたよ?」


「はぁーーーー!俺も誘えよっ!」


ぷっ。誘って貰えなかったんだ…。
つーか、普通逆じゃない?
ま、司だもんね。


「よし!俺も向こうに行くぞっ!!」

勇んで部屋を出て行くのはいいんだけど…分かってるのかな。
あっちには珀がいるんだけど?
存在を忘れてるよね?

まぁいいや。
俺も行かなきゃ。
つくしと二人きりになんてさせられないし!


「あっ、そういや類!
お前あきらが犬飼ってるって知ってたか?」

「えっ?そうなの?」

司が言うには、道明寺城に来たあきらが大司郎と小司郎を見て、多頭飼いすると協調性が生まれるのかもな、とか、うちに連れて行ってみようかな?なんて事を言ってたらしい。

俺も犬は嫌いじゃないから気になるといえば気になるけど、来たら最後、セカンドハウス確定でしょ?
それはどうなの??

ひっきりなしに喋る司の言葉なんて右から左。どうしたもんかと考えてた。


「大司郎!小司郎!来いっ!!」


わん♪
わんわん♪


えっ?
あぁ、もう池まで来てたんだ…。

向こうからは二匹が駆け寄って来る。

ふーん?
ほんとに懐いてるんだ……。
あの司にねぇ……。


「お前等なー、勝手に来るんじゃねぇ!
ちゃんと俺に言ってけよな」



いやいや…司……それはムリ!
っていうか、そうじゃないよね?


うーーーっ!
わん!わわんっ!!


あっ…忘れてた……。


大司郎と小司郎が司の足元で短い尻尾をふりふりしてる所に珀が凄い勢いで走って来てて、その後ろを桃、菊、ハル、少し離れてつくしも追って来てる。


「うっ…うわっっ!
おい、類!!なんとかしろっ!!」



ふぅっ、仕方ない…。


「は」

わわんっ!!

「うわっ!!あっ……」


バッシャーンッ!!


………また?
そんなにうちの池好きなの?


バッシャーン!!


珀から逃げようとした司は足元にいた大司郎と小司郎に足をとられて、また池に落ちた。菊はそれを見て池にダイブした。


菊……。
またシャンプーだね。


キューン…
クーン……


「大丈夫だよ。お前たちは落ちないでね。
菊、come!」



またしても襟首を咥えられ、司は菊に引っ張られ池の浅瀬に連れて来られた。


「ねぇ、司。泳げるよね?
今度からは助けないからね!」


「うっせー!!
お前が早くあいつを止めないからだろ?!
次があってたまるか!!」


「司の苦手意識が抜けないせいでしょ?
うちに来るなら慣れてよね!」

「菊、good!
でも、水遊びが好きなのは知ってるけど、むやみやたらに飛び込んじゃダメだよ?
つくしが大変なんだからね」



くーん……


「道明寺…また落ちたんだ……。
はい、これ」

「うっ、うっせー!」

悪態つきながらタオルを受け取らないでくれる?

「菊ちゃん、また遊んでもらったのね~♪」

つくし…それも違うと思うんだけど……。


きゅぅ~ん……


「大ちゃん、こーちゃん、大丈夫だよ~♪
あらっ、ハルも?
うふふ、ハルは優しいね~」


濡れた司の体を三匹揃って舐めまくってるのに、司は怒ろうともせずにされるがまま。

「ハル…ありがとな。
一緒に飼ってやれなくて悪かったな……」



わん♪♪


くすっ。
以前なら考えられない光景に感動すら覚えるんだけど。


わうっ………?


「珀、司も努力してるんだよ。
今度からは少し大目にみてやってね?」



………わぅん…



「何だよ!大目にみてやってって?!
襲わないようにちゃんと叱れよ!!」



うーーー!


「珀…もう大丈夫だから…ね?」


……わん…


ふぅ。
鬼ごっこはまだまだ続きそうだね……。



パシャッ…バシャッ……


今日もそこには静司郎とラスカルが、居た。






おしまい




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皆様、こんにちは~!plumeriaでございます。

今日はですね(笑)地図を作ってしまったので公開しちゃいます!!
(まさか載せるとは思わなかった私💦)

どうやら「Flower Island」の位置関係が気になる・・・とコメント下さる方がいらっしゃるそうで。
「動物も多すぎて判んない!」とのお声も(笑)

「すぐに来れる距離なの?って思われてるんだよね・・・」
「お城がさぁ、背中合わせなんじゃないの?」
「そうかぁ!じゃあ地図にする?」
「動物の名前も入れてさ」
「うん!描いてみる~」

「2人で楽しそうな会話してるわね・・・」と、お仕事から帰ったG様(笑)


私は衣装のお直しがあったのに黙々と地図を作成・・・

『お直し頼まれてるヤツ、明日持ってこられる?』
と、先輩からの問い合わせに・・・「頑張りまーす!」と、いいながら手には絵筆が(笑)



「描いたんだけど・・・字の入れ方がよくわかんない・・・」

パソコン音痴の私のひと言にG様が「入れるよ~♥」って事で出来上がりました。
が、私は本当に身内で楽しむものだと思っていた💦あはははは!


島は下記のようにお花の形をしておりまして、それぞれのお城は中央に寄っています。
なので動物たちがすぐに来るんですねぇ(笑)
真ん中は「自然保護区」です。今はキリンの凜ちゃんがいます。

花沢国と道明時国の間には類君が作った「人工の川」があります。
美作国との国境には防御壁が作られています。

花沢国の「山羊、ユキちゃん」は総ちゃんからの預かり品なので緑色で書いてます♥


何やら気になるマークや道がありますねぇ・・・まだまだ増えそうですねぇ(笑)池も全部の国にありますし。


え?何やってるんだって?

ド真剣に遊んでいます(笑)

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それではまた来週の火曜日に~!!

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2019/04/16 (Tue) 16:59 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは!

あははは・・・お恥ずかしい💦ホントに何してるんでしょうかねぇ(笑)

連載が暗いとこういう所で弾けないとやってられないんですよ(笑)

読者様の呆れ顔が目に浮かびます・・・でも、すっごく楽しんでます!!
まだまだ続く、花沢城♥

最終回はいつだろう(笑)

2019/04/16 (Tue) 21:45 | EDIT | REPLY |   
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2019/04/16 (Tue) 22:03 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

悪魔の館様(爆笑!!)こんばんは!

あっはは!判りました?私もね~、そう思ったのよ(笑)
でも、まさか公開するとは思わなかったからいいや!って思ってね💦

どうしてかしら・・・そこだけが暗いのよね(笑)

それをお二人に話したら「増築と塗り替えだね!」だって!!困ったわぁ~💦

でね、その長い道路は意味があるんですが、まだ先のお話しなのよ(笑)
因みに道明時国のは滑走路ね。あそこは自家用ジェットがある設定なので。

そして「出会い」・・・これもお二人に話したら「書かなきゃ!」ってなりました。


そのうち公開するかもよ?(笑)待っててくださいねぇ~♥

2019/04/17 (Wed) 00:01 | EDIT | REPLY |   

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