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plumeria

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♪~♪♪~♪・・・目覚ましのスマホが鳴った。

「類・・・朝だよ?起きなきゃ・・・」
「ん?まだ・・・まだ寝る・・・」

「いや、ダメだって・・・そう言って最近ずっと朝ご飯が少ないんだから!はい、起きて?」
「・・・牧野、起こして」


・・・・・・どんどん子供みたいになるような気がするのは私だけかしら。
寒いって言うのもあるけど一緒に寝るようになってから類が朝起きない。枕に埋もれたまま決まって言う台詞が「牧野起こして」・・・つまり私からキスして起こしてって意味らしい。

だけど、そうすると類のお返しが来て・・・とんでもない時は朝から類が元気になってしまう。
それが怖いから先にベッドから降りて自分の身支度を済ませてから布団をバッ!と剥ぐんだけど、この時、彼は大抵何も身に付けてないから私はそのままダッシュで洗面所に逃げる毎日。

暫くしたら「ハックシュ!」って類のくしゃみがしてゴソゴソ動き出すのよね。ふふっ、これが1番手っ取り早いんだから。


「・・・酷い、牧野。なんで逃げるの?」
「あはは!逃げてるんじゃなくてああでもしないと類が起きないからだよ。さっ、ご飯食べに行こう?」

「もう少し優しく起こしてよ・・・また風邪引いたらどうすんの?」
「ちゃんと服着て寝る癖をつけたら?裸で寝るからそうなるのよ」

「牧野だって裸じゃん」
「わっ、私は類が抱きついてるから・・・あっ、ここ寝癖ついてるよ?」

「ん~・・・もう面倒臭い」


ふあぁ~って、まだ大欠伸。
大きく背伸びしたらやっと目が開いたみたい。私に片手を差し出して「行こ」って言う時の細い目が・・・好きかも。


ダイニングに行ったら今日も4人で仲良く朝食・・・お父様もお母様もあれからも変わらず楽しい時間を作ってくれた。
お母様は相変わらずお父様のトーストにジャム塗りながら、お父様はお母様のためにフルーツをお皿に盛りながらまた昨日の会食で起きた事で喧嘩してる。

「だってパパったら私が横に居るのに相手の奥様にワイン渡したのよ?そんなの向こうの旦那様がする事でしょ?」
「そんな事ないよ、君だってワトソン君にシャンパン貰ってたじゃないか」

「あら?そうだっけ?あれはボーイじゃなかったの?」
「あれは向こうの社長秘書のワトソン君だよ。以前にも会ったことあるじゃないか」

「・・・向こうの奥様と私、どっちが綺麗だった?」
「そりゃママだろ?いつも1番綺麗なのは君だよ」


「・・・牧野、早く食べな。目の前見てると遅くなるよ?」
「はっ!そうよね、うん・・・ご飯に集中するわ」


多分、わざと明るくしてるんだろうな・・・くすっ、ちょっと演技がイマイチだわ、お2人とも。



ご飯が終わって、類がお仕事に出掛けた。
私は玄関まで見送りに行って、彼の車が門を出て行くまで手を振る・・・この生活にも慣れてしまった。

壊されたくない・・・日にちが過ぎるほどその思いは強くなっていった。



**



その日も桃太郎達と庭に作ったアジリティーで遊んで、その後に庭をみんなで走り回った。
これが今の私のストレス発散!そんな気分で加代さんに止められるのを無視してずっとこの子達を追いかけていた。

「桃太郎ーっ!このボール取ってきてぇ!菊次郎はフリスビーね!行くよーっ!」
「「ワンワン!」」
「ワンワンワン!!」

「あっ!梅三郎は追いつかないって!あっはは、頑張れーっ!」
「ワンワンワン!!」

いいなぁ、あんなに走れて。私もあんなに早く走れたら気分がすっきり・・・

ガシャーン!!

「えっ、何・・・?」
「「ワンワン!」」


私達が正面の1番広い芝生で遊んでいた時に門の辺りで大きな音が聞こえた。

・・・何かが割れた音?

桃太郎達を引き連れて門の前に行くと中学生ぐらいの男の子が数人、頭を搔きながらそこに居てオロオロしてる。この辺でこんな子供を見たことがなくて驚いたけど、私が門の内側から覗き込んだら走り寄って来た。

「すみませーん!!」
「どうしたの?何か割れたの?」

「あの、この前でサッカーボール蹴っていたらこの家の中に入っちゃって・・・何か割れたんじゃないかと思うんですけど・・・」
「え?うちに入ったの?どの辺り?」

「あの木の辺りです。ボール、見当たりませんか?」
「サッカーボール・・・あっ!あれかな?」


お庭の隅にある植木の下に白黒のボールを見付けて走り寄ったら、そこには黒っぽい機械みたいな物が割れて散乱していた。これはカメラ?もしかして防犯カメラがあったのかしら・・・?
その木を見上げたら確かに何かを取り付けていたような金属片が見えた。

外部から判りにくい所にわざわざつけていたのかしら・・・それとも悪戯されない為にこんな庭の中に?


「ボール、あったよー!それよりダメじゃない!こんな道路でボールなんて蹴ってちゃ。事故にあったらどうするの?」
「ごめんなさい。それと実はこの上のカメラにも当てちゃって・・・」

「は?」

子供達が指さしたのは門柱にはっきり取り付けられているカメラ・・・そこもボールが直撃したのかヒビが入って割れていた。

ボールは子供達に返して「もうここでは遊んじゃダメよ!」って話してる時に、お屋敷の中から数人の男性が走ってきた。それを見た子供達は「もうしませんから!」なんて言い残して凄い勢いで走って逃げた!
はぁ・・・何処の土地でも子供ってのは逃げ足速くて困ったもんだわ、なんて暢気に仁王立ちしていたけど、走ってきた男性達は逆に必死の形相で、私の方が驚いちゃう!


「ど、どうしたんですか?」
「今の子供達はどちらに行きましたか?」

「はっ?えっと・・・あの向こうの道を左に・・・」
「捜せ!!」
「「「はっ!」」」

その人達はすぐに子供達が消えて行った方向に走り出し、責任者と思う男性が門のカメラを確認していた。そして私が何も言わなくても庭のカメラが壊された場所にも行って地面に転がっている破片を手に持っていた。
その顔は結構深刻な・・・非常事態でも起きたかのような怖い顔だったから声が掛けられなかった。


「牧野様、お怪我はありませんでしたか?」
「は?はい、私は音を聞いたから来ただけで、ボールにも当たっていませんし・・・」

「そうですか。念のためお屋敷の中にお戻りください。すぐに類様にご報告しますので」
「類に報告?そんな一大事なんですか?」

「そうだと決まったわけではありませんが、監視カメラに異常があった時には旦那様か類様にご報告が義務ですので」
「・・・そうなんですね」


お屋敷の中に入ると加代さんまで慌てたような顔で私の前にやってきた。
そしてリビングに連れて行かれてこの状況を説明された。

私の見た事もない男性達はこの花沢家のボディガードさん達。警護の他に情報収集やお屋敷の監視もしているらしくて、壊された監視カメラはお屋敷の一室で常にモニター表示されているらしい。
それですぐに駆けつけたのか、って納得した。

「お屋敷の中も監視カメラってあるんですか?」

「いえ、お屋敷の中は花沢家のプライベートですからございませんわ。お庭の中の方はそうでも無いんですが、門の外側に不審者が近づかないかを見てるんです。でも、たまに悪戯して壊す子もいて・・・滅多にないんですけどね」

「わざと壊すの?」

「そうなんです。この地域にお住まいの子供さんは勉強のストレスから、余所から来た子は洋館が物珍しくて悪戯を。でも、子供の悪戯ならいいんですよ、怖いのは花沢家を狙っての場合ですわ」


へぇ・・・そんなこともあるのねぇ、と驚くばかり。
まだ庭を彷徨いてるスーツ姿の男性に少し恐怖を感じた。


類達は常にこうやって守られてるのね・・・そういう世界で生きてるんだ、と。





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2019/02/08 (Fri) 08:33 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは。

コメント、いつもありがとうございます。
あはは!多分その全部ですね(笑)ナイスつっこみありがとうございます💦

毎朝そんなのが隣で寝てたら嫌ですけどねぇ(笑)
私なら無視して1人でご飯食べに行くなぁ・・・なーんて!類君だから置いていけませんね(笑)


そうそう!寒いみたいですね・・・流石に私の所も寒いですもん。
どうぞ気をつけてお過ごし下さいね💦

雪・・・降りそうですよね~・・・うちは絶対に降らないだろうなぁ・・・。

2019/02/08 (Fri) 18:54 | EDIT | REPLY |   

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