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「あきら様、碧のブラッシングが完了致しました」

「ありがとう……ん、今日も綺麗だね、碧」


美作城の執事兼碧のトリマーとしてその腕を発揮している村山が部屋にやってきた。
その横に居るのはアフガンハウンドの碧。

真っ白に輝く毛を持つ碧は優雅な足取りで俺の方に向かって歩いてきた。
アフガニスタンではいまも狩猟犬として活躍しているものもいるけど、多くは美しくエレガントな雰囲気から鑑賞的価値に重点が置かれてる犬だ。

「今回の品評会でも最優秀賞でしたね。
流石、あきら様の碧ですな」

「いや、村山の手入れがいいからだろ?
おいで、碧……碧?おいっ!碧?」



………………。

「……今日もあきら様を無視ですか。はははっ!
相変わらずのツンデレぶりですな」

「まったく!ここまで馴れないと頭にくるよな……でも綺麗だから許すけど」

………………。


そう…1番の難点はこいつ、全然人に馴れないんだ!
それがアフガンハウンドの特徴だけどマジムカつく……!

類の所に連れて行こうって思ったけど、あそこのベタ馴れしてる犬に比べたらなんて素っ気ないんだ!
これじゃ一緒になってじゃれ合うどころかドン引きされて孤立するんじゃないのか?

いや、碧はそれでも構わないんだろうけど。
『お前等、そんな事が楽しいのかよ』ってぐらい冷めてるからな……。


「この子も人の言うことを聞いて遊べるぐらいならもっと可愛いでしょうにねぇ」

「そうだな。呼んでも目だけしか動かさないしな……綺麗だから許すけど。
本当は利口でいたずら好きなんだけど感情を表に出さないだけなんだよな」


「それなら花沢様のところに研修に行かせては如何でしょう?」

「はっ?!碧の研修?」

「はい!この子は自立心が強く、人に媚びたり感情を表に出したりはしません。
興味のない人に対しては実にそっけない態度を示しますが、実は小さいものには優しいのですよ。
確か花沢様のところには色々な動物が居るとか…同格の生き物には対抗心を燃やすかもしれませんが、小さな生き物には関心を示すかもしれませんよ?」


成る程……それ、いいかも。

いや、どうだろう……プロのトレーナーが躾けてもこれなのに類の所で性格変わんのかな……。
しかも子供の時ならまだしも成犬になってからはそれも難しいんじゃないのかな。

でもあの司も変わったしな。
いやいや、司は人間だった。


「あきら様、ここは1つ、碧を連れて行ってみましょう。
悩んでいると頭皮にも良くありませんので……」

「ん?村山、何か言った?」
「なんでも御座いません」



***花沢城***



「あっはは!上手になったわねぇ、ハル!今度はこっちよ、それーっ!」
「ワンワン!」

「あっ、ダメだよ、桃ちゃん、今はハルの練習中だよ~💦」
「ワンワン、ワンっ!!」


今日もつくしがハルにボールを投げて取ってこさせる練習をしてる。
遊びながら飼い主とのコミュニケーションを図るって言うのと、犬の持つ狩猟本能をかき立たせて喜ばせるって意味もあるんだけど。

「あ~!!ハル、ダメじゃない、穴掘ってる場合じゃないでしょ?
ボールは向こうに飛んで行ったのよ?!ハールー!」



くすっ、やっぱりね。

「つくし、無理させちゃダメだよ。
取ってきたら褒めてやればいいでしょ?」

「だってぇー!桃ちゃん達はちゃんと取ってくるよ?」

「ハルはボストンテリアだろ?だからね……」

レトリバー種みたいに撃ち落とされた鳥を回収する猟犬はボールを追いかけて、それを回収してくるボール遊びが得意な犬種。
だけど、テリア種やダックスフンドは猟犬と言っても獲物の巣穴を探して追い立てる猟をしていた犬種。


「……ってことで、ハルは穴を掘る方が得意な犬なんだよ。
桃太郎や菊次郎とは得意な事が違うってわけ」


「へぇ!わんちゃんがみんなボール取りが得意なんじゃないのね?」
「そう。それぞれ性格も特技も違うんだよ。人間と一緒だね」

「うん!判った。じゃあ今度から穴掘らせる!」
「いや、そういう意味じゃなくて……」


その時、田村が俺達の所にやってきた。


「類様、美作様がいらっしゃいましたよ」
「あぁ、リビングに通してて 今行くよ」
「はい、承知致しました」

「つくし、あきらが来たって。先に行ってるね」
「ハル洗ったら、皆で行くわ♪」


さて、どんなお嬢さんなんだか?
あきらから聞いた話だと、素晴らしくツンデレらしいから、どうなる事やら……

数日前、あきらから連絡があった。
司情報で、あきらの邸にも犬がいる事を知って、品評会でも有名らしい。

……が……

セカンドハウスは、勘弁して欲しい。


『……類、頼みがある…』
「どうしたのさ、深刻そうだね?髪の話?」

『チッ、違うよっ!』
「じゃ、何?」

『…………』
「あのさ……動物の話ならお断り…」

『そ、そこを何とかっ!頼むっ!!!』
「はっ?マジで動物の話なの?」


ツンデレ過ぎる愛犬 碧 の性格を何とかして欲しいらしい。
何とかって言われても……

ウチは dog school じゃないんだけど?

断ろうと試みたが失敗。
そもそも、プロのトレーナーでさえお手上げなのに、俺達がどうにか出来るハズがないじゃん。とも言ったのだが、押しきられた。
つくしを中心とする四匹の関係や、花沢城内の人と動物の関係が羨ましいらしい。


リビングの中、あきらの隣には流石最優秀賞といった佇まいのお嬢。


…………………………あれ?

あきらから聞いていた雰囲気と大分違う気がするけど?

…………何だろ?


「類、忙しいのに悪いな。こいつが 碧 だ」
「……ゎん♪」
「宜しく、Miss.碧」

「何か聞いてたのと雰囲気違ってるけど?」
「あぁ、どうやらテーブルの上のハムスターが気に入ったらしくて…」


俺達の真ん中にあるテーブルには、八子と潤。夜行性のクセに昼間から回し車でかけっこ中だ。
まぁ、小さい動物には優しいらしいから、つくしと相談して田村に準備させてたんだけどね。

……そろそろかな?

あ…来た来た、さて此からが本番だ。
このお嬢、我が家のSP達と上手くやれるのだろうか?
扉の向こう側から、つくしの声が聞こえる。
「お客様だから、シャキッとしてね」なんて言ってるけど……

コンコン


「美作さん、いらっしゃい」
「つくしちゃん、お邪魔してるよ。こいつが碧だ、宜しく」

「きゃーー美人さんね、碧ちゃん♪」
「ゎん♪」

「宜しくね♪つくしよ」
「♪ゎゎん」

うわ……全然ツンデレじゃないじゃん!!
どうやら、つくしは小さい動物認定されたらしい。
…ぁ…珀とハルも、小さい動物認定。

………残るは……ん?桃、菊、碧の三つ巴?

先に動いたのは桃と菊、つくしの両脇を取った。
『初めまして、つくしちゃんのSPをしております、桃太郎と菊次郎です』的な?
『我がテリトリーにようこそ』な雰囲気を
バリバリ感じる。

三匹が鼻先を合わせ、スンスンと挨拶を交わしてるのを、俺達は、固唾を呑んで見守った。

どうやら、小さきモノ達を守ると言う意味で、合意したらしい。


わん♪わんわん♪♪


「碧ちゃん、綺麗ね♪フサフサのサラサラだわぁ~♪♪♪」
「……ぷっ」

緊張が解けた時のつくしの一言で、一気に笑顔の花が咲いた。


犬達の様子を横目で窺いつつ、日頃の碧の様子を詳しく聞いていた。
聞けば聞くほど視界に入ってくる碧と結びつかない。
リビングの中をうちのSPと行ったり来たり。すごく楽しそうなんだけど…。

ほんとにツンデレ…?
うちに連れて来るためのこじつけ?
いやいや…相手はあきらだしそれはないよね?

「ねぇ、見る限り大丈夫そうだし外行かない?」
「いいのか?」
「ここじゃ思いっきり遊べないだろうからね」

「つくし、外に行こう♪」

「えっ?いいの?行く行く~♪」

わん!
わんわん♪

「碧、よかったな~」

………

「ぷっ」
「………俺にはいつもこんなだよ」

慣れた風を装ってるけど、ちょっと寂しそうなあきらが気の毒に思えた。
だって犬って従順なイメージだし、声を掛けたらそれなりの反応をするもんだよね?
碧がうちに来ることで何かが変わるならそれもありなのかも♪



「碧ちゃ~ん、行くよ~!!」
「わん♪」

つくしは早速 碧相手にボール遊びを始めた。
投げたボールを碧を先頭に桃、菊、珀、ハルの順で追いかけてて、中でも碧と桃は接戦を繰り広げてる。

「やっぱりボルゾイは足が速いよな~」
「ケンカにならなきゃいいけど……」

「「………」」

俺達の心配は杞憂だった。珀とハルの存在が大きかったのかもしれない。
この二匹がいなかったらどうなってたんだろ?




三十分…一時間とボール遊びをした犬達は、「ちょっと休憩しよ~!」って掛け声に従いつくしの周りを陣取って思い思いに過ごしてる。

「美作さん、碧ちゃんすごくいい子じゃない♪♪」
「まあな…」

くすっ。
あきらも俺と同じ事を思ってるんだ。
つくしはちっちゃい認定だもんね。
あきらがやってたら取りにも行かないと思うけど?
そんな事にも気付かない俺の奥さんはすぐ横に寝そべってる碧の頭を優しく撫でてる。


「何か今日さ…初めて犬らしい碧を見た気がするんだよな…。
類、何日か預けても平気か?
勿論、身の回りの物は用意するし、ブラッシングとかは俺が来た時にするから」


「まぁ、うちはみんなあんな感じだから大歓迎だと思うけど…あきら、寂しいんじゃないの?」

「碧のためでもあるからな」

「分かった。どうせ通うつもりなんでしょ?暫く様子見だね」
「あぁ、頼むな」


帰る頃には少しは犬らしくなってるといいね。
全てはつくし次第かな?


「……ってつくしっ、何してるの?!」

「うわっ、びっくりした!!
えっ、何ってコレ?
えへへ……可愛いでしょ~♪」


あのさ…つくし…。
碧はショーでチャンピオンになっちゃうような犬なんだよ?
うちのSP達とは違うんだよ?
ちょっと目を離した隙に…何で三つ編みにしてるのさ………。

悪気なんて勿論ある訳ない。にこにこしてるつくしにそんな事言える訳もない。
あきらは………あれっ?笑ってる?

「くくっ、黒曜星とお揃いか?
碧、よかったな!明日になったら綺麗なソバージュだ♪」


「そうそう!
ふっさふさのふっわふわだよ~♪♪」

「ぷっ」
「………」

笑ってたあきらの顔は固まってる。そのワードにすぐ反応しちゃうのは……やっぱり危機感から…?

「つ、つくしちゃん。
暫く碧を預ける事にしたから、よろしくな!俺もちょこちょこ様子見に来るから♪」

「えっ、そうなの~?
わーい、嬉しーい♪
碧ちゃん、いっぱい遊ぼうね♪♪」


「わん♪」


ぷっ。
上手く話を逸らしたつもりなのかな?
ま、いいけどね。


何にも決めてなかった碧の研修は、結局花沢城でのお泊まり研修になった。

帰り際、心配そうに声を掛けるあきらに対し、碧は特に変わりない。強いて言えば、あきらの姿が見えなくなるまでそこから動こうとしなかった。




数日後


わんわん♪
わん♪♪

朝も早くから鳴き声が聞こえて来た。
もうっ、誰?
まだ眠いんだから大人しくしててよ!
えーと…この声は……あれ?碧?

うちに来て数日たったけど、碧は手の掛からない いい子で鳴くことなんてなかったのに…何かあったのかな…?

「この声、碧ちゃんよね?
ちょっと見てくる!」


「ちょっと待って!
あきらからかも?」


ベットから出ようとしてるつくし越しにスマホのランプが点灯してるのが見えて慌てて呼び止めた。

「碧を引き取りに来たみたい」
「えっ?!そうなの……?」

「仕事で暫く居ないんだってさ。帰ってくるのはだいぶ先で、今日じゃないと引き取れないからって来てるけど…」

「………それって、お城に帰っても碧ちゃん独りぼっちっていう事よね?」
「……だね」

「類………」

やっぱりそうなるよね……。

瞳に涙を浮かべてじっとみつめられたら断るなんて出来る訳ないじゃん。

「いいよ。
碧は大人しくて手が掛からないし。うちのSPとも上手くやってるしね。
あきらにはそう返事しとくよ」


「うん、ありがとう!お願いね♪
ちょっと碧ちゃん見てくるね♪♪♪」


部屋から出て行くつくしの背中を黙って見送った。

さて…返信返信♪


『帰ってくるまで碧は預かるから大丈夫。
うちの門番、なかなか優秀でしょ♪♪』



碧にはちょっと可哀想かもしれないけど……会えた時の喜びはひとしおだよね♪




おしまい




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皆様、こんにちは~♪ plumeriaでございます。

今日はあきら君でワンコ、アフガンハウンドの碧(あお)ちゃんです♡
えへへ!今日もお友達のお名前拝借!お許しくださいねぇ~💦

でも、あきら君だから嬉しいでしょ(笑)なーんて!

しかもお嬢様です!プリンセスです!いやぁ、素敵~♡
黒曜星は「美作城のジェントルマン」ですからね!美作城は1番「お城」っぽいです✨

ただ、このアフガンハウンド・・・協調性に欠けるそうなんです💦
それでどうする?って思ったんですが、「あら、それも可愛いじゃない?」って事になりました。
プライドが高くて飼い主の言うこともあまり聞かない・・・う~ん?

でも、それがプリンセスだよね!(出た!テキトー発言!)

「ツンデレだけどあきら君が大好きなのよ!」
「協調性はなくても小さな物には優しいのよ!」
「三つ編みは外せないわ・・・」
「「「だよね~♪」」」

・・・この会話はなんと1月でした(笑)

そして各お城に秘書さんが登場することになったのもこの辺りで決まったんですね。

西田→田村→・・・はっ?連想ゲーム?って事になって

西田→田村→村○→○西→西田・・・「○を埋めなさい」って事で○の中に「山」が入りました(笑)。
なので、美作には村山さん、西門には山西さんが居ますが、これはGPSが勝手に作り出した人達です♡


この頃のラインの会話に・・・

「すごくない?、もう9話も書いてるよ?」

ってあったんですが・・・既に20話超えてます。
そして終わる気配がまだない・・・。地図まで出来たしね・・・。



それでは今日のお遊びコーナー!!

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いや、ホントに綺麗なわんちゃんですよね!私は実物を見たことないけど・・・ホントにこの毛、サラサラなのかしら?

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頭に王冠が乗ってる・・・(笑)

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ブラックシリーズじゃなくて、ホワイトシリーズ(笑)


それでは、また来週の火曜日に~♡ 
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2019/04/23 (Tue) 16:40 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは!

あはは!似合うでしょ?あきら君って感じでしょ♡

そうなんですよ~、後は総ちゃんですねぇ・・・一応鳥屋敷の設定ですが、ここはやっぱりねぇ♡
そして、その犬を選ばれたのは総ちゃんだからですか?(笑)

他の方もそれを言われたんですよ💦

さてさて、何がくるんでしょうねっ!

来週は順番通りで類君です♡今度は何かな??

2019/04/23 (Tue) 20:35 | EDIT | REPLY |   
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2019/04/23 (Tue) 21:53 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは!

あはは!大変失礼致しました!(爆)

いやいやいや・・・成る程、そう言う事なのですね?
お勉強になりました♡

いけませんねぇ💦頭の中が一年中「春爛漫」なものですから・・・💦
どうぞお許しくださいませ(笑)

2019/04/23 (Tue) 22:29 | EDIT | REPLY |   
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2019/04/24 (Wed) 13:12 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

貴婦人様(もうね・・・長すぎるから)こんにちは!

えーーっ!苛めてないけど、貴婦人様も酷い事言ってますやん(笑)
それを用意するほどの事は書いてないもん!

染めちゃうの?碧ちゃん、真っ白なんですよ?
それなら馬の黒曜星の鬣の方が良くない?

あっ!あきら君も茶髪なんだもんね・・・黒はダメか!(笑)


そうそう!あきら君の事が大好きなんですがツンデレだから態度には出さないの♡
可愛いでしょ?

そして、そう言うシーンを書ける人はいないので大丈夫!!
(そう言いながら少し想像した私・・・)


あっ!見た?(爆)

フタバちゃんが大好きな飼育員のお兄さん、見たかなぁ?凄く格好いい人で、私大好き!!

あのお兄さんの動画を何度見たことか(笑)ごめんよ、フタバちゃん(笑)

2019/04/24 (Wed) 15:01 | EDIT | REPLY |   

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