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「総二郎お兄様?」

ざわついてる会場の中でも聞こえる透き通るような声で・・・誰かが西門さんをそう呼んだ。
西門さんが振り向いたら少し離れた所に1人の綺麗な女の子が立っている。
どこかで見たような気がするんだけど・・・どこだろう。
そして西門さんは驚いたような顔をしてその女の子を見た。


「綾乃?・・・綾乃か?」

西門さんが綾乃って呼んだその人は西門の関係者なのかな。
着物を着ていてまるで日本人形のように可愛らしい人・・・西門さんに少し似てる。
上品に笑うその人はゆっくりと私たちの方に近づいてきた。


「やっぱり、総二郎お兄様でしたのね?お久しぶりですわ。相変わらず素敵ですこと!」

「いつ東京に戻ったんだ?いつもならすぐに家の方に来るはずなのに」

「ふふっ・・・一昨日戻ったばかりですの。明日あたりお伺いしようかと思っておりましたのよ?
ここでお会いできるとは思いませんでしたわ。私、こちらの会長のお孫さんと幼馴染みですの」

なんだろう?親戚の人?お兄様って呼んでるけど・・・西門さんの家なら親戚でもそう呼ぶのかな。
そう思いながら彼女を見ていた。それにしても豪華な着物・・・会場の中でも一段と目立っていた。


「総二郎お兄様、こちらはどなたですの?ご紹介して下さいませ」

「あぁ、こちらは牧野つくし。俺が今、夢中になってる女!よろしくな」

なんて紹介の仕方なの?そう思ったけど慌ててその人に頭を下げた。
こんな時もう少し余裕があると西門さんと釣り合うのかもしれないけど、どうしてもぎこちなくなってしまう。
上手く挨拶も出来ない自分が恥ずかしかった。


「牧野さん・・・っておっしゃるの?私は藤崎綾乃と申します。よろしくお願いいたしますわ」

「あ、いえ・・・こちらこそ。宜しくお願いします」

本当に綺麗にお辞儀をする・・・正真正銘のお嬢様だ・・・。
そうなのよね。お嬢様ってこんな時に堂々としてて、内側から自信持ってることを感じさせるんだ・・・。

「牧野、こいつは小さいときから知ってる母方の親戚筋の子なんだ。最近まで京都の学校に行ってたから
東京にはいなかったんだけど、帰ってきたんなら時々は会うかもしれないな。確か牧野の3つ下・・・か?」

うそ!この大人っぽさで私の3つ下?って、いうことは21?・・・信じられないっ!
私と同じくらいかと思った・・・やっぱり私って子供っぽいんだ・・・。

「牧野さんは随分とお綺麗な方ですのね。総二郎お兄様がお遊びをおやめになったのはこの方の為ですの?
今ではすっかり落ち着かれたとおじ様から聞いてますわ。いいお付き合いをされてるんですね!」

「いっ・・・いえ、そんな!最近再会したばかりですから」

いいお付き合いという言葉に異常に反応してしまう。
この人は西門に縁のある人なのに・・・そんな事を言っても大丈夫なの?


「綾乃、また家に遊びに来いよ。お前が来たらとにかくお袋の機嫌がいいからな」

「えぇ。近いうちに行きますわ。それでは・・・失礼いたします」


そう言って見せたその笑顔・・・!!思い出した!
あの時の人だ・・・卒業式の夜に西門さんと街の真ん中でキスしてた・・・あの子だ。


「どうしたんだ?変な顔して・・・」
「ううん。何でもない」

あの時の光景が一気によみがえった。あの雨の中、確かに一度私を見て笑った人。
その後に西門さんの方から、彼女に・・・

あの時もすごく綺麗な人だと思ったけど、3年たったらあのときよりももっと綺麗になってる。
私たちから遠ざかる着物姿の綾乃さんを、少しだけ不安な気持ちで見ていた。


******


「牧野、ちょっと挨拶したい人がいるからお前も来ないか?まだ、歩きにくい?」

「うん。まだちょっと痛いからここに座ってるよ。行ってきていいよ。何処にも行かないから」

「そうか・・・じゃあ、ちょっと行ってくる。お前、絶対に誰か来てもついて行くなよ?」

そんな人いるわけないのに、変な忠告だけして西門さんはお知り合いの所へ行った。
私にはわからない白髪の男性と話している。それは本当に私の知らない西門さんの姿・・・。
西門流の跡継ぎ・・・次期家元・・・もう学生じゃない西門さんはすっかり家業を継ぐ者としての顔になってる。
そんな大きな物を抱えている西門さんのことを初めて見ているような気がする。

なんだか不思議・・・。手が届いてるようで、届かないみたい。


それと同時に西門さんと綾乃さんのことが気になった。同じような世界に住んでいる綾乃さんのことが・・・

あのキスはなんだったの?どうしてあの時は一緒にいたの?
今になって思い出してしまって・・・そうしたらどんどんその頃の気持ちに戻っていく。



ぼんやりと会場を眺めていたら綾乃さんが遠くにいるのが見えた。

「綾乃さん?どこを見てるの?」

その視線の先にいるのは・・・西門さんだ。
なんて眼で彼を見てるの?そんなに思い詰めたような眼を彼に向けないで・・・。


綾乃さんは西門さんのことを好きなんだろうか・・・?

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Comments 4

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2017/05/10 (Wed) 13:12 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんちはです

えみりん様、こんにちは‼

ま、こんな人はでてきますよね。
この人が何をやらかすか、ですよね。

私は全然韓流ドラマ、わかんないです。
結構、いいよって言われるんですけど。

楽しいらしいですけどね。
睡眠時間が少ないと体調壊しませんか?

気をつけてくだいね❤

今日はありがとうございました❗

2017/05/10 (Wed) 15:26 | EDIT | REPLY |   
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2017/05/11 (Thu) 00:52 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、おはようございます。

書くと楽しいですよ。悪魔みたいな娘は。
さて、何をやらかすか、楽しみにしてくださいね!

ちなみに彼女は総二郎と結婚可能な親戚筋の設定❗
結婚可能。ここ重要。

爆弾投下は開始寸前です!

これからも宜しくお願い致します‼

2017/05/11 (Thu) 07:12 | EDIT | REPLY |   

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