FC2ブログ

plumeria

plumeria

抱きかかえられたまま温室の中に入ったら、そのまま奥の方に向かって美作さんは歩いて行った。
もう寒くないから降ろしてもらってもいいのに、そんな気配もなくて穏やかな笑顔のまま・・・私も降りればいいのにしがみついたままだった。

心臓がバクバクして破裂しそう・・・!
このお屋敷の温室なんて入ったことも無いけど、確か噂ではここの中にもお部屋みたいなのがあって寝泊まり出来るとか?
って事はベッドがあるって訳で・・・


・・・・・・え?!まさか、こんな朝っぱらから?!いや、そうじゃなくて!!


「み、美作さん?そろそろ降ろしてくれる?自分で歩けるんだけど」
「すぐそこだから気にすんな」

「すぐそこ?」

そう言われて視線を進行方向に向けたら、そこには温室なのに小さな部屋みたいな場所が本当にあった!しかも開放的で壁がない?こんな丸見えの所で?!
ここからでも見えるラタンのカウチベッド・・・そこに横たわる自分の姿を想像して頭から湯気が出そう!

いや、だから寝ないってっ!!

もう1回見たらどうやらカーテンらしき物はあって閉めることは出来るみたい?そのカーテンもフリフリで可愛らしい・・・


「・・・ってか、なんで温室にこんな場所があるの?」
「ん?ここで星を眺めながら花を見るのもなかなかいいんだぞ?体験してみる?」

「へぇ!何だかロマンティックだね~」
「あぁ、2人なら特にな」

「・・・は?」

2人?2人って誰と誰よ?


美作さんはその上にゆっくりと私を降ろしたら、凄い至近距離で必殺王子スマイル・・・瞬殺されそうな甘い視線で全身の血液温度が2度ぐらいあがった気がした。
そして耳元に唇を近づけて「少し待っててくれ・・・」。

ドキン!とする囁き声に「はい!!」と色気のない返事をしたらクスッと笑われた。

もっと奥の方に行ってしまった美作さん・・・何をしに行ったのかしら?
まさか・・・服脱いで出てこないわよね?せめて腰ぐらい何か巻いて・・・いや、だから違うでしょ、つくし!!


変な妄想に頭を抱えていたら、いつの間にか戻って来てたみたい。顔をあげたらそこには真っ白な薔薇の花束を持った彼が、ちゃんと服を着たまま立っていて、私にその花束を差し出した。
ピンク色のリボンが揺れて甘い香りが鼻を擽る・・・それを受け取ったら自分が本当にお姫さまになったような気がした。

「綺麗だろ?」
「う・・・うん、綺麗・・・こんなの持ったこと無いから・・・」

「白い薔薇の花言葉は”純潔”、そして”私はあなたにふさわしい”だ。牧野・・・受け取ってくれるよな?」
「・・・はい?」

えーと、えーと・・・もしかして、今告られてるってこと?美作さんに?
どう返事していいのか判らなくて花束を抱えたまま黙っていたら、彼の顔がどんどん近づいてくる。そっと顎に添えられた手、それが私の顔を持ち上げて、真正面には綺麗な顔が・・・。


「牧野・・・薔薇よりお前の方が綺麗だ」
「・・・・・・あ、あの」

うわぁーーーーっ!!このままだとキスしちゃうーーっ!!



「そこまでだ、あきら!」

「・・・へっ?!」
「・・・ちっ!時間切れか!」


突然温室内に響いた怒声・・・この声は道明寺?!
美作さんの手が顎から離れて今度は不貞腐れたように腕組みして仁王立ち。私は馬鹿みたいに1人で口を上に向けてキス待ちのポーズ取っていた!

ハッとして我に返り、自分の後ろを見たら・・・タキシード姿の道明寺がこっちを睨んでる?!


なんで温室にタキシード?めっちゃ違和感あるんですけどっ?!
そう思ったのも束の間、ツカツカと近寄ってきたら私の腕を引っ捕まえて、今度は道明寺の肩に荷物みたいに担がれた!その時に落としちゃった薔薇の花束、美作さんが拾って苦笑い。

「ちよっ、ちょっと!!人を米俵と一緒にするんじゃ無いわよ!降ろしなさいよっ!」
「喧しい!今からは俺の時間だ。大人しくついてこい!」

「はぁ?今度はあんたの時間って・・・なに?何処かに行くの?美作さん、助けてーっ!」

「悪い!俺の時間終わったからさ。今度は司と楽しめよ?面白かっただろ?」
「はぁ?!面白いって・・・冗談だったのーっ?!」


白亜の城の王子様がニコニコして手を振ってる。
嘘でしょ?今までの夢の時間は何だったの?「私はあなたにふさわしい」・・・そう思うんなら助けなさいよっ!

暖かかった温室を出たら、また冷たい風の吹く芝生の庭。
そこを今度は閻魔大王みたいなのに掴まって、門に向かってズンズン歩いて・・・いや、運ばれて行った。


「あっ!道明寺、今、お尻触ったでしょ!」
「あぁ?触るか、そんなもん!風でドレスが・・・うおぉっ?!」

「きゃああぁーっ!スカートが捲れてるじゃないのっ!エッチー!!」
「俺じゃねぇ!!・・・ったく!」

「ぎゃああぁーっ!足が寒いーっ!」
「少しは黙れっ!!」

気が付いたら風でドレスが捲れ上がって太股が丸見え!
私よりも真っ赤になった道明寺が下に降ろしてくれたけど、今度は襟元を持たれてこいつのスピードで歩かれた。

「何すんのっ!ネコじゃないんだから、襟持つのやめてってば!」
「うるせぇ!ガタガタ言わずについてこい!」

「ガタガタ言わないけど、あんたの足の長さと一緒にしないでーっ!!」


そして見えてきた黒塗りのリムジン。
そこの後部座席に放り込まれて向かったのは・・・銀座?そして車が停まったのは何処かのサロンの前・・・いや、ドレスショップ?
ズラリと並んだ店員は全員が真っ黒なスーツに身を包んだ超美人。その人達が道明寺を見るなり「お待ちしておりました」と頭を深々と下げた。

その中のリーダー的美魔女がスッと前に出てきて私を見ると、ニコリと妖しい微笑みを落とした。


なに?ゾクッとするんだけど?!


「司様、こちらのお嬢様のお召し替えをしたら宜しゅうございますのね?」
「あぁ、頼む」

「それでは少々お時間頂きますわ」
「出来るだけ急げ。時間がねぇ!」

「畏まりました」


何ですって?今度はここで着替えるの?
この真っ白なお姫さまから今度は何に着替えるって言うの?!

私の恐怖に震える顔なんて無視して「お嬢様、参りましょうか」と微笑まれ、このサロンの奥の部屋に連行された。


「ど、道明寺?ねぇ、何が起きてるの?ちょっと、答えなさいよっ!」
「いいからいいから」

「良くないっ!あんた達、何企んでんのよっ!」

「早く連れて行け!」
「畏まりました!」


黒尽くめのお姉さん達が私の両手をガシッ!と掴むと、それを見た道明寺までがニヤリと笑った!


いや、だから、今度はなにーーーっ?!





14985469080.jpeg
関連記事
Posted by

Comments 4

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/03/14 (Thu) 14:09 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんにちは🎵

yuka様 こんにちは。

ちょっと!大丈夫ですか?コメントとかしてていいの?(笑)
ちゃんと寝て下さいね~💦早く良くなりますように♥


うん・・・今回はホワイトデーなんて書く予定なかったんです。ちょっと忙しくて頭がこんがらがってるので。
だけど、こう言うのなら考えなくてもいいので(どう言う意味?)さらさらっと書けるんです。

先のことなんてバレバレでしょうけど、楽しければいいかな?って感じで(笑)

今の所6話?7話かな?
ごゆるりと楽しんでくださいね♥

2019/03/14 (Thu) 15:36 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/03/14 (Thu) 18:46 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

爆笑!!その時に来られても困るでしょっ!!(笑)

そんなホワイトデーとか無いから。
このお話は可愛いヤツです♥

アレとかソレとか無いからっ!!(爆)

2019/03/14 (Thu) 21:59 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply