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窓の外を見ながら楽しそうに鼻歌歌ってる花沢類・・・いい加減にこの繋がれてる手を解いて欲しいんだけど、振り解こうとすると余計に力を入れるからそのままにしてる。

で・・・車は何処に向かってるの?
窓の外を見たらだんだん近づいてくるのはスカイツリー・・・まさかあそこに行くのかしら?


「ねぇ、花沢類。スカイツリーに行くの?」
「ん?その隣かな?牧野もきっと喜ぶよ」

「隣?うーん・・・私、実はスカイツリーそのものが初めてだから隣って言われても全然判んないんだけど」
「行けば判るよ」

うん、それはそうなんだけどね。


そのうち車はスカイツリーの目の前で停まり、私達はそこで車を降りた。当然そこは凄い人混みなんだけど、その中をスタスタと歩いて行って、まるで私は保護者に引率される子供みたいに引き摺られた。
だからっ!道明寺といい、花沢類といい、足の長さを考えろっつーの!


「ほら、ここ。1度来たかったんだよね~!」
「うわぁっ!凄い~!」

花沢類が連れてってくれたのは「水族館」!ここにあるって事は知ってたけど、勿論来たのは初めて!薄暗い館内に青く光る水槽に興奮して2人でダッシュして入った。
でも、よく見たら誰も居ない・・・まさかの休館日?それを不思議に思ってキョロキョロしていたら彼がニッコリ笑って恐ろしい事を言った。


「今日のために貸し切ったんだ。静かでいいでしょ?」
「はぁっ?!!この為に貸し切ったの?!」

「うん、2人で見たいじゃない?」
「だから外に沢山人が・・・」

2人になりたいだけでこんな施設を貸し切る?遠くから来た人はどーすんの?って思うんだけど、それを悪いと思わないのか、ここでも天使の笑顔で私を奥へと誘ってくれた。
罪悪感もすごくあるんだけど、幻想の世界に入ったらそれもすぐに何処かに飛んでった。


「うわっ!クラゲ!凄く沢山クラゲが居る~!」
「うん、いいよね、クラゲ・・・友達になれそう」

「そうだねぇ、花沢類の速度ってクラゲに似てるもん!」
「・・・・・・」

「何処に行くとも判んない、ふらふらゆらゆらしてるとこそっくりだよね!それに触ると毒持ってたりするし」
「・・・・・・毒」

クラゲは水の中を漂っている浮遊生物・・・つまりプランクトンらしい。泳ぐ能力が無いってことも驚きだった。
丸い半透明だけかと思ったら意外とカラフルなのがいて、ここで花沢類・・・じゃなかったクラゲを見るだけでもかなりの時間が掛かった。
カラフルな傘と触手を持つ「ハナガサクラゲ」、薄いピンク色の「サカサクラゲ」、鮮やかな赤い触手の「アカクラゲ」。
傘の真ん中にクローバーみたいな模様がある「ミズクラゲ」。通常4つの模様なのに5つある子がいるらしく、花沢類とそれを見付けるのに必死だった。

「癒やされるねぇ、花沢類」
「そお?じゃあ牧野は俺で癒やされてるんだ?」

「ううん、クラゲよ」
「・・・・・・」


その後にはペンギンのコーナーに向かった。
この水族館の屋内開放のプール型水槽でマゼランペンギンを見ることが出来るって聞いて大はしゃぎ!今度は私が花沢類を引っ張ってた。


「きゃああぁーっ!花沢類、見て見てっ!可愛いーっ!」
「あ、ホント!可愛い・・・」
「あはは!ペンギンって寸胴だよね~!お腹が1番おっきいのかな?」

「牧野に似てるよね~」
「・・・・・・」

いや、可愛いと言われるものに似てるんなら許すわ。それがたとえ体型でも。


見ていたら2匹でくっついてるペンギンが多い?恋人なのかなぁ・・・?

「マゼランペンギンってとっても愛情深いんだって。恋人達にはこの水槽の中でもマイホームみたいな場所がちゃんとあって、そこで寄り添って寝るらしいよ」
「うわっ!そうなの?可愛いわねぇ~!喧嘩しないのかしら・・・人間ってくっつきすぎると喧嘩するじゃない?」

「夫婦になるまでは片思いや三角関係や浮気まであるんだって。人と同じだね」
「へぇ・・・西門さんと美作さんみたいだねぇ!」

「・・・ぷっ!」


「クラゲ」と「ペンギン」が手を繋いだまま最後に向かったのは江戸をテーマにした金魚たちのスペース。
そこには和風な飾り付けがされていて、ワキンやリュウキン、ランチュウっていう種類の金魚がゆらゆらと泳いでいた。

「花沢類、掬いたくなっちゃうね!」
「手を入れちゃダメみたいだよ?牧野、入らないでね?」

「あっ!見て・・・これ、何かに似てない?」
「どれ?あっ・・・ぷっ!」

そこに居たのは身体が真っ黒で大きくて、頭の部分がゴツゴツしたランチュウ!ドレスみたいに尾びれをヒラヒラさせて泳いでるけど、その顔を見た瞬間、あいつを思い出した!

「「道明寺だーーっ!!」」


ここを出る時には記念にって、水族館オリジナル「マゼランペンギンぬいぐるみ」の50センチ特大サイズを買ってくれた。
それを抱えて満足して出れば、待ってた人達からの恐ろしい視線・・・慌てて頭を下げて逃げるようにここを離れた。


「牧野、今度はこっち」
「え?まだ何処かに行くの?」

花沢類が指さしたのはスカイツリー。今度はそれに登ろうって言われ、また手を繋がれて引っ張って行かれた。

まさか・・・と思ったけどここでも凄い人混み。
いつもこうなんだろうけど何かが違うような?チラッと見上げた花沢類の顔はやっぱりニコニコで、さっさとエレベーターに乗ってしまった。


エレベーターが着いたのは天望デッキ・・・ここにも誰も居なかった。

「花沢類!まさかここも貸し切ったの?!」
「ん、だって2人がいいでしょ?」

「そう言う問題じゃ無いって!!他の人の楽しみ取っちゃダメでしょ!」
「一日貸し切ったんじゃないもん。時間制限あるから早く行こ?」

「はっ?これ以上何処に?」
「もっと上に決まってるじゃん」

「そうなんだ・・・って、きゃああぁーっ!!

噂には聞いてたけどいつの間にかガラス床の上を歩いてて、真下の道路やツリーの鉄骨が丸見え!!
それに驚いて思わず花沢類に抱きついてしまった!
今度鼻を擽るのは柑橘系の爽やかな香り・・・そして気が付いたら背中に回ってる手。セーター越しに伝わる花沢類の指の力にドキドキしてしまった。

凄く怖かったのに、いつの間にか恐怖を忘れて真っ赤になって、同じように少しだけ赤くなった彼が私の事を見下ろしてた。


「あっ・・・ごめん、もう大丈夫。は、離してくれていいよ、下を見ないようにするから」
「・・・まだ、このままがいい。牧野・・・動かないで?」

「はっ?でも、あの・・・」
「くすっ、誰も見てないよ。もしここで俺がキスしても・・・」

「・・・へっ?」
「牧野・・・さっきの嘘だから」

「うそ?な、何が?」
「あんた、ペンギンより可愛いよ・・・」


・・・そこ?

可愛さ比べられて勝てるのがペンギン?それってどうなの?ってちょっと考え込んでいたら、花沢類の両手が優しく私の両頬を抱え込んだ。

目の前にあるのは薄茶の瞳と優しい天使の微笑み・・・綺麗すぎる花沢類の顔が僅か30センチの所にあってどんどんズームされてる。
あんまり目を見開いていたからなのか、彼の方が照れて目を細めたから・・・これも条件反射なのかしら。
私も目を閉じてしまった・・・。


「牧野、可愛い・・・」
「そこまでだな、類!その手を離せ!」


「・・・・・・ん?」
「・・・早くない?・・・約束が違う・・・」


花沢類の体温を思いっきり感じてたのに、急に手を離されてまた蹌踉けてしまった。そして見てしまったガラス床!!
「きゃああぁーっ!」ってもう1回叫んで飛び付いたけど、もうそこに花沢類が居なくて、ヤケに黒っぽい男に変わっていた。


「どうした?こんぐらいで怖いのか、お前」
「はぁ?!に、西門さん?あれっ、花沢類は?」

「類ならあっち。お前が落としたペンギン持って帰っとくってさ」

「・・・はい?」


花沢類は既に私達に背中を向けて歩いてて、片手をヒラヒラさせていた。もう片方の手にはさっき買ってもらったペンギン抱えて。


「ホントはこの上の天望回廊で交代だったんだけど、類の事だから絶対に来ねぇと思ったんだ。その途中で足止めするんじゃねぇのって気がしたから降りて来たんだけど正解だったな」

「あんた達っ!一体何考えてんのよっ!こんなに世間の人に迷惑かけて!」
「迷惑?心配すんな。すぐにここから出ていくし、今日一日ここの入園料全額、類が払ってるから。来たヤツはむしろラッキーじゃねぇの?」

「何ですって?!!そこまでして私を引っ張り回してんの?!」
「いいからいいから!行くぞ」

「えっ!今度は何処よっ!」


「楽しい所に決まってんじゃん?」


革ジャンにジーンズ姿のエロ男が笑う・・・今までで1番危険な気がする・・・。




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2019/03/20 (Wed) 13:03 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは!

本当に羨ましいですよね~!って言うか、振り回されてるだけですけどね♡
1番デートっぽいのは類君・・・かな?(笑)
あきら君は自宅だし、司君はホテルだし。

私個人的には「クラゲ」と「ペンギン」に1人で盛り上がっておりました❤
水族館、好きなんです~!

花沢城に「海の生き物は・・・」って言ったら怒られましたけどね(笑)


総ちゃん・・・うふふ、いつもの彼らしい場所ですよ。

2019/03/20 (Wed) 21:41 | EDIT | REPLY |   

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