FC2ブログ

plumeria

plumeria

賑やかな所でいいなら俺に付き合って・・・しかも子供っぽいところ?
今日の私の格好を見てそこに決めたのかしら。子供っぽいなら遊園地、動物園・・・そんな所?

まぁ、それの何処でもいいやって思ったのが正直な気持ちだった。
坂本さんとデートと言っても何も浮かばなかったんだから。

とにかく2人っきりにならない場所で、ひたすら大人しくしよう・・・甘いムードになんかならないように気をつけなくちゃ。

そう自分に言い聞かせてる最中に突然鳴っちゃうお腹の音!
音楽が掛かっていた車内なのにそれよりも響いちゃって坂本さんが思いっきり噴き出した!


「あははは!華さんって可愛いところあるんだね。雰囲気変えてからは想像出来たけど、初めて会った時にはお腹鳴らすようなイメージじゃなかったし!」
「あっ!これは、その、け・・・今朝あんまり食べてなかったからなんですって!」

「食べられなかったの?どうして?」
「えっ?どうして・・・う~ん、いつもと違う行動するからかしら・・・」


「・・・俺の事を考えて、じゃなくて?」
「えっ・・・」

「何でもない」って微笑んだ坂本さんだけど、その優しい横顔にドキッとした。

そう言えば男の人の運転する車に乗るのなんて初めてかもしれない。
お父さんの運転やタクシーとかじゃなくて、遊びに行くのにこうやって助手席からハンドル握る手を見るなんて・・・何故かそれだけでドキドキするのは何故だろう。
少し骨張った男の人の指の関節・・・大きめの腕時計。カーブの時にハンドルを回す腕の動き・・・それをチラチラ見てたらやっぱりクスッと笑われた。

いけない・・・変な期待されそう。
これ以上運転席を見ていたら誤解されそうだったから、それからはずっと窓の外を見ていた。


「あ、ファミレスがあった!もうあそこで食べようか、華さん」
「え?は、はい!」

「またお腹が鳴っちゃうと嫌でしょ?」
「・・・はい」

どんどん坂本さんのペースにハマってる・・・それが少し怖かったけど、あの話を出されるなら最後の方だろうと思い、それまでは考えない事にした。

車はファミレスの駐車場に入り、お昼時だったからお客さんは多いみたい。
その方が真剣な話にはなりそうにないから安心だけど、知り合いがいないか警戒するクセがついてる。こんな所に入ってまでサングラスなんて掛けないから、店内をさりげなく見回して知った顔が無いかを確かめた。


こんな事、一生続けられないよね・・・なんて心の中で呟く。
いい加減、全部を諦めて元の自分になればいいのに・・・華なんて止めればいいのに。自分の欲望さえ捨ててしまえば何処にでも自由に行けるのに。

欲望さえ捨てれば・・・・・・それを捨てたら、もうあの人には会えないけど。


「・・・華さん?どれにする?」
「・・・・・・」

「華さん?聞いてる?」
「・・・えっ?あ!ごめんなさい!」

目の前の人を無視して、また私の心は「彼」が今何をしているのかを考えていた。


メニューを広げて1番始めに目についたものに決めて、ここでは何でもない会話をしていた。
どんな季節が好きか、どんな場所が好きか、最近見たテレビで何が面白かったか、学生の時はどんなスポーツをしていたか・・・その殆どは作り話で終わらせ、元の自分に戻りたいと言いながら「華」の虚像を作っていった。

「初めて自分の事を話すんだね」って嬉しそうに言われると心が痛んだ。


そうだったらいいなって言う私の「夢」の話です・・・ごめんね、坂本さん。


お昼ご飯を食べ終わったらまた車に乗って、今度こそ「デート」に向かった。



**



「・・・ここですか?」
「うん、ダメだった?」

坂本さんが連れて来てくれたのは浦安にあるテーマパーク・・・1度も来たことなかったけど、ここって凄い人混みだよね?私ぐらいの歳の人って結構来てると思うし、同級生に出会ってもおかしくないよね?
そんな所に2年間も色んな人から逃げて隠れてた私が行くの?

まだ駐車場に居るのに、遠くに見えるアトラクションを見ながら呆然としていた。


「・・・もしかして誰かに見られちゃ不味いって思ってるの?」
「は?あぁ・・・そう、でもないんですけど」

「こんな賑やかな場所は苦手?」
「いえ、前は好きだったんですけど、最近は全然外出しないから・・・何だか人混みに酔いそうな気がして」

「夜まで営業してるんだからゆっくり回ればいいよ。もし苦手なら乗り物なんて乗らなくてもいいし、見て回るだけでも楽しいと思うよ?それにここではみんな自分の事で忙しいから他人の事は気にしないって」

「そ、そうですね・・・」


きっと坂本さんは私の事を自意識過剰な女だと思ったんだろうな。私ぐらいの見た目で何言ってるんだって。

でも、この人の言う事も確かかもしれない。こんな所じゃみんな自分の乗りたいアトラクションに夢中だし、デートなら尚更相手のことしか見ないだろうし、限られた時間内にどれだけ遊ぶかで必死だって言うし。
そんな中に私1人が紛れても誰も気が付かない。


今日だけ・・・今日一日ここで過ごしたら、またいつもの自分に戻ろう、そう思って坂本さんの横に並んで入場ゲートを潜った。




********************




「類様、やっぱりあそこに向かっているようですね」
「・・・ん、そうみたいだね」

坂本の車は俺達の予想通り浦安に向かっていた。
あんな所で牧野と何を話すつもり?子供連れならともかく、大人のデートにしては少し子供っぽくないか?
いや、牧野が雰囲気を変えたから選んだのか・・・どうでもいいけど、彼女が喜びそうな場所に連れて行くのが坂本だって事に俺のジェラシーはどんどん大きくなっていく。


あんな場所に行ったら昔のような笑顔をあいつに見せるの?

あんたの太陽みたいな笑顔・・・俺だけのものにしたい訳じゃないけど、あんたが自分を取り戻した時の笑顔を1番始めに見るのは俺だよ。
車の中でも触れあってなんてないよね?俺が運転する車にだって乗った事がないクセに・・・。


もう隠しきれない嫉妬に満ちた俺の顔をバックミラーで見た運転手は苦笑いをした。

「・・・そんなお顔をされるんですね。初めて拝見しましたよ」

「・・・いいから見失わないでよ」
「はい、それは大丈夫ですが・・・それより車が1台、ついて来ています」

「・・・え?」
「振り向かれない方がいいと思います。この車を尾行してるかどうかは判りませんが、先ほどのファミレスを出て数分後からずっと後ろを走っています。シルバーの普通車ですね」

「・・・何人乗ってる?」
「2人です。たまにこの車との間に1台挟んだり、信号も同時にクリアするように速度調節する辺り、尾行に慣れているような気がします」


さっきファミレスで消えた黒の外車と交代したのか?

そこまで俺をマークするのはやっぱり1人しか考えられない。
あいつは牧野の居場所を知らないはず・・・もしかしたら俺が牧野を探すと思って利用してるのかもしれない。たまたま藍微塵に入る所は見られなかったって事・・・?

あんな裏通りの飲み屋なんて知ってる人間じゃないと行かないし、まさかこの俺が入る店だとも思わないだろう。尾行されていたとしてもあの辺に幾つもある雑居ビルの何処に消えたのかが判らなかった・・・その可能性もある。


坂本の車がテーマパークの駐車場に入って数分後、2人が車を出て行ってから俺もやっと外に出た。
運転手にはここで迎えを呼んで帰るように言いつけ、この車のキーを受け取った。

その時にもシルバーの車は少し離れた場所に停まってる・・・それに気がつかないフリをして牧野の後を追った。





ca6b5c9a59a90f5ad165993e0933e39c_t.jpg
関連記事
Posted by

Comments 6

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/03/30 (Sat) 04:57 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/03/30 (Sat) 07:59 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

桜姫様 こんにちは。

そうですよねぇ💦せっかく行くのに楽しくないですよね~!

でも、ストーカー類がついてますから大丈夫!(笑)
そのうち何かが起きるかも?

今回はお土産買うことは出来そうにないですね(笑)
色々調べたんだけど「買ってる場合じゃないし!」ってなってしまいました。ははは!

2019/03/30 (Sat) 11:59 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんにちは。

すっごく面白くないデートしてますよね(笑)
他の人の事考えながらご飯食べてる・・・なんだか坂本さんが気の毒な気もしますが💦
仕方ないですね・・・相手が類君ですもの。


嘘つきの時に一生懸命調べたんですが(笑)
ダッフィーは海だけ?(笑)

実は嘘つきのお土産、ダッフィーにしていたんですよ💦
そうしたら・・・ランドには無くて海だけ?って気がしてきて止めました。

行った事がないって悲しいわ(笑)他にすれば良かったなぁって、今頃反省してます(笑)

2019/03/30 (Sat) 13:43 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/03/30 (Sat) 14:55 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは!

そうなんですね!!
良かったぁ・・・「嘘つき」の話で嘘書かなくて(笑)

公開寸前まで悩んでいたんですよ~💦ありがとうございました。

あはは!今回は買う暇がないんですよ~💦申し訳ないっ!

2019/03/30 (Sat) 23:27 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply