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plumeria

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それから半年後、俺が卒業する時・・・牧野は大学に退学届を出した。
少し寂しそうに・・・「確かに受理しました」という事務員の言葉に軽く頷いて俺の横に戻ってきた。


「ありがとう。牧野、決心してくれて」

「うん。向こうに行ったら私は知らないことばかりだから・・・よろしくね、類」

「今日は最後の晩ご飯だから・・・やっぱり牧野のオムライスだね!買い物に行こうか?」

「いつものスーパーだね!今日はデミグラスソースにしようかな・・・もう類の変な組み合わせの料理も
作れないんだね・・・それは寂しいかも!」

そんな会話をしながら大学を後にした。

卒業を祝うみんなと別れて、2人だけで今まで通った大学の門を出ていく・・・一歩門を出て2人で振り返った。
そこにある沢山の思い出を胸に刻むように、長い時間校舎を眺めていた。

「大変だったよね・・・特待試験。せっかく勝ち取ったのにごめんね。一年で終わらせてしまったね」
「向こうで学校に入るからいいよ。なにかあったらいけないからドイツ語でもやろうかな?」

そう言った途端2人で吹き出してしまった。もうあんな思いは絶対にしたくないよ・・・させないけどね。
差しだした手を握り返してくる・・・その温かさだけをこれからは感じていたいから。


******


「先輩、今度こそ桜子が遊びに行きますから!パリですもの!ご一緒にお買い物行きましょうね!」

「よく言うわね!アメリカには一度も来てくれなかったくせに!・・・でも、待ってるから・・・絶対に来てよ!」

そう言うと桜子は私に抱きついて泣き出した。意外と泣き虫なのよね。

「むしろ桜子が心配だよ!私がいなくなったら誰を苛めて遊ぶのか・・・いい加減女の子に睨まれるようなこと
してちゃダメだからね?」

「あら・・・大丈夫ですわ。西門さんと美作さんに暫くは遊んでいただきますもの!」

「はぁ?俺は無理だぜ?桜子みたいな男を手玉に取るような女は興味ねえな!」
「俺も基本パス!やっぱり女は年上がいいから。・・・いろんなことわかってるからな!」

そうやって2人で笑い飛ばしてる西門さんと美作さん・・・今回は助けてもらってばかりだったね。
ごめんね、西門さん。引っ越しなんてさせて・・・拳銃なんか突きつけられたりして・・・
美作さんもこのピアス・・・もう使うことはないけど宝物にするね。

アメリカから帰ってきた時にホテルでやった食事会・・・あれからもうすぐ1年になる。


そう・・・今日は類とフランスに旅立つ日だった。
1人で帰ってきた空港に今日は3人が揃って見送りに来てくれた。

「結局どうすんだ・・・花沢の家に住むのか?パリのど真ん中だっけ?牧野ついていけんのか?
世界の流行の最先端だぜ?似合わねぇよなー!」

「ひどいなぁ!慣れればどこだって生きていくわよ!類とアパートを探しに行くのよ」

「俺はフランスにまでは盗聴器を外しに行かないからな!せいぜい気をつけろよ!なんなら美作の最新作
でも持って行くか?防弾ブラとか!」

美作さんと西門さんが最後までからかってる・・・もうすぐ時間だ。


類が手を差し出してくれる。

みんながいるから恥ずかしいんだけどって思っていたら、みんなの方が囃し立てるから・・・類のその手をとった。
今日は2人分の大きな荷物を類が引っ張ってくれている。
そして何度も振り返りながら、零れる涙を拭きながら・・・類と2人でフランスへと旅立った。

「行ってきまーす!ありがとうー!!」

類と繋いだ方の手をみんなの方に高く上げて・・・そして私たちは日本を離れた。




「行っちまったなー・・・今度は牧野、泣かずにすむな!」
「えぇ・・・そうですわね。何だか静かになりますわ。お二人も卒業されましたしね・・・」

「いつになるかな・・・招待状が届くのは。・・・案外早いかもな!」



*******
<フランス>

類とフランスに着いてからすぐにアパートを探しに行った。
花沢のご両親は同居して会社のことや花沢の家のことを学んで欲しいと言われたが、
類が暫くは二人でと無理を言ったらしい。

そして、すぐに類の希望通りのアパートが見つかって二人で見に行った。
2階建ての小さなアパートだったけど、中の造りもお洒落で可愛らしかった。出窓にもお花が置いてある。
今まで住んでいたマンションに比べたら狭いんだけど、それが2人だけの家だと思うとむしろ嬉しかった。


「うわぁ・・・!類!すごく可愛いアパートだね!気に入ったわ」

「そう?良かった。ここだと会社にも学校にも近いしね。・・・フランス語は大丈夫?」
「うん!夏からは英語よりもフランス語を中心にやってたから。日常会話くらいは大丈夫よ」



その部屋の窓から見える風景を私は一生忘れることはないだろう。
いままで沢山の部屋を見てきたけど、ここが一番幸せになれる場所のような気がするから。

「類・・・どうしよう。ワクワクしちゃって、嬉しくて・・・すごく幸せなんだけど!」

「俺は何処でも幸せだったよ。牧野がいる場所が俺のいる場所だからさ。じゃあ、散歩に行こうよ!
引っ越しの前にしなきゃね・・・買い物できるスーパーを探しておかないと困るんじゃない?」

「ぷっ!そうだね・・・行こう!」


ここでは迷わずに類の手をとって、見知らぬ土地を二人で歩く。


隣にいるのはいつでもお互いであり、これが今からはずっと続くんだ・・・
いつまでも、いつまでも・・・


「牧野・・・Je vais etre en place pour vous(俺があんたの居場所になるよ)
Je veux que tu deviennes ma femme.(俺の妻になってほしい)」

「類ったら・・・試してるの?・・・ Est proche de beaucoup.(ずっと傍に居てね)」



さぁ、誓いのキスを贈るよ・・・どちらからともなく唇を重ねた。


dernier amour 

これが二人にとっての最後の恋・・・
そして、永遠の愛の始まり・・・


fin.

14948347590.jpeg
最後までお付き合いいただいてありがとうございました。
沢山爆弾落としてすみませんでした。

類が幸せになりますように!つくしちゃんがいつも笑っていられますように!

もう少ししたら新しいお話し始めます。
今度は・・・ちょっとだけ辛いかも~!でも、最後は幸せになるお話しです。

それまではちょっとだけ繋ぎのお話し書いときます。
「星の砂 月の雫」・・・plumeriaは星が好きなので書いてみました。
短編のお話し・・・のはずですがどうなることやら。

さらりと読んで下さいね。

それでは、また、近いうちに・・・。
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Comments 6

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2017/05/21 (Sun) 07:02 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

kyoroさま、おはようございます!

読んでいただいてありがとうございました。
ずいぶんとご心配かけたようですみません!激甘にする予定だったんですけどね。
脱線するんですよ・・・。明日は後書き書いてますので良かったら来て下さいね!

まだ、あんまり書いてはないんですが、ラストシーンってすごく考えます・・・。

いや、もう書いてて赤面しちゃう!って感じです。
頭の中は小栗君が出てきて、私に向かってお話ししてくれる
気分で妄想の中に溺れておりますよ・・・!(*^▽^*)
ラブラブなお話しがお好きなkyoroさまには申し訳ないですが
星の砂・・・は辛いかも?どうかな?

また、お暇なときに覗いて下さいね!待っています!

応援コメント、本当に嬉しいです。ありがとうございました!

2017/05/21 (Sun) 08:25 | EDIT | REPLY |   
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2017/05/21 (Sun) 09:37 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

わんこ様、おはようございます!

え?ホントに?
知らなかった!どうしよう・・・大丈夫かな。

そこまでは調べてなかったです。
雨の降る日はそばにいて・・・も同タイトルの漫画があったんですね!
始まってから知りましたよ。えへへ・・・。

最近小栗君がちょくちょくテレビに出てますけど、確かに類では
ないような・・・( ̄∇ ̄)うん・・・確実に時が過ぎていますよね・・・。

わんこ様、お話し最後までお付き合いいただいてありがとうございました!
星の砂・・・楽しんでいただけるかな?

また、お暇が出来たらお立ち寄り下さいね!
お待ちしています!

2017/05/21 (Sun) 10:58 | EDIT | REPLY |   
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2017/05/28 (Sun) 23:23 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、今晩は!

お疲れなんですね?大丈夫ですか?
私もくたびれてますけど・・・でも、相変わらずすさまじい勢いでコメント下さいますね!
本当に嬉しいですよ!

このお話しね~。初めはどうしようかと思ったんですよ。
激甘って苦手だから・・・。そして類がどうしても専務に見えてくるし。
何とかリタイアせずに終われましたよ。

あ~、良かった!
今は次のお話しの準備してますので、元気が出たらまた来て下さいねっ!

いつも、ありがとうございます!

2017/05/28 (Sun) 23:59 | EDIT | REPLY |   

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