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ちゃぷん……ちゃぷん……


「ねぇ、類……外は凄い風だねぇ」
「ん?あぁ、台風が近づいてるからね。
でも大丈夫。少し南に進路がズレてたから」



1日の終わりのバスタイム。
つくしとのんびり風呂に入っていたけど窓の外ではゴーゴーと暴風雨。

だからかもしれないけどちょっと俺の方に寄って来て、ピタッとくっついてる。
そして不安そうに窓の外を見つめながら眉を顰める……くすっ、そんな可愛いところがあるだなんて。

「心配ないって。城が崩れるわけないでしょ?
それに何かがあっても俺が守ってあげるからさ……ね、つくし」


台風の最中になにやってんだ?って言われそうだけど、こんなに怯えるつくしも超レアものなんだもん。
少しぐらいいいよね?って素肌の肩を抱き寄せたら……


「道明寺、大丈夫かしら」
「………………は?」

「だって南に進路変えたんでしょ?
怖がってないかしら……」


「…………あのさ、司が怖がるわけないでしょ?
むしろ台風に向かって暴言吐いて進路変更させるか、道明寺空軍を出動させて迎撃ミサイル打ち込んでるよ。
もしかしたら闘司郎が前線に出されてファイティングポーズとってるかもしれないし。
それに万が一怖がってても地下シェルターで頭から毛布被ってるって」


「……道明寺の心配じゃなくて大ちゃんと小ちゃんだよ。
道明寺なら西田さんが守ってくれるでしょ?」


「………………」


司を守るの、西田さんなんだ。
どうやって守るのか見てみたいけど。


「そんな事よりさ……怖いの忘れるために何したらいいと思う?」
「……え?」

「くすっ……こうしたら忘れられない?」
「あっ…類ったら……」


ちゃぷん……
つくしの腕をもっと引き寄せて、その唇まであと数センチって所まできたのに……


「あああーーっ!!」
「な、なにーーっ!!」


バスタブの中でつくしが思いっきり大声で叫んで俺の首に両手を巻き付けてきた!
…………それはそれで楽しいんだけど。

じゃなくて!
つくしが俺の後ろを指さしてアワアワしてる?すんごい大きな目をして口まで開けて。


「る、る、類っ!!何か居るっ!!」
「……は?ここバスルームだよ?何が居るって?」

「だって、だって、ほら、あそこ!!真っ黒いの!」
「真っ黒?黒いものって……?」

つくしを抱きかかえたまま振り返って見たら…………


天井から何かぶら下がってる。

確かに真っ黒……って、もしかしてあれ……
「脊椎動物亜門哺乳綱蝙蝠目」……所謂コウモリじゃないの?


「つくし……何処から入ったのかは判んないけどさ、あれはコウモリだよ」
「コウモリ?血を吸うの?!」

「血を吸うコウモリもいるけどここには居ないよ。
住む場所が限られてるし、人の血を吸うコウモリは1種類しかいないからね」

「そうなんだぁ……驚いた!
台風から逃げてきたのかしら」


「どうだろう……?風で飛ばされて来たのかな」
「……可哀想ね」


可哀想か……?
さっきの俺の方がよっぽど可哀想だったけど?
めっちゃいい所で邪魔された感じだったけど。


パタパタパタ…………


「あっ!類、コウモリさんが飛んで行ったわ!
ドアの方に……ま、待ってぇ!」


「はっ?!つくしが追い掛けてどうするの?」

コウモリが飛んだからって慌てて素っ裸のつくしがバスタブから飛び出してドアを開け、その拍子にコウモリは脱衣場に!
それでも「待ってぇ!」なんて追い掛けるから今度は……え?!まさかバスルームから出ちゃうの?!


「つくし、あんた!自分の姿を見なよ!
すっぽんぽんだよっ!!つくしーーっ!!」



俺も慌ててバスルームから飛び出したけど脱衣場につくしの姿もコウモリも居なかった。
見ればドアが開いてる……まっ、まさか?!

慌ててバスタオルとパンツをひっ掴んで、脱衣場から飛び出した。


「つ、つくしっ!」
「はっ!る、類様っ!!」

「類様っ!!なんと言う格好ですかっ!!」
「田村っ、つくしは?」

「つくし様でしたら、先程すれ違いましたが?」
「…つくしの裸…見たの?」

「はっ?」
「見たんだね?」

「……つくし様は、ちゃんと夜着でしたよ?それよりも、類様ですっ!何ですか?その様な姿で…」
「………………………………」


男同士なんだから別に良いじゃん…、なんて言えるハズも無く、田村のお小言を聞きながら身体を拭いて、パンツを履いて湿ったバスタオルを押し付けた。
急いで夜着を身に着けて、つくしを探して廊下を走った。

ベッドルームを覗いたけど、居ない。
何処に行ったんだろう……?
珀達の所かな?


「……ゎん?」
「ごめんごめん、おやすみ」

………………居ない……。

リビングの扉が開いてるのを見つけて覗くと、台風だからと部屋の中に入れたタニシの水槽の前に踞る愛妻の姿。


「つくし…探したよ?」
「あ、類。あのね…コウモリさんを追い掛けたんだけど、何処にも居ないの…もしかしたら、水槽に落ちて溺れてるんじゃないかと思ったんだけど、ここでも無いみたい…」

「……髪が濡れたままじゃん、乾かそ?」
「…うん…類もね♪」


『何処に行っちゃったのかしら?』を繰り返すつくしを宥めながら、ベッドルームに強制連行。
何時もの様にイチャイチャしながら、お互いの髪を乾かす最中も、あの黒い奴を気に掛ける。


「ねぇ、あのコウモリさん大丈夫かしら?」
「……大丈夫だよ……。こんな雨の中態々外には行かないでしょ」

「……そうかな?」
「そうだよ。それよりさ♪」

「ん?なぁに?」
「さっきの続き……いいよね?♪」


返事なんて待ってらんないっ!何かを言おうとしただろう可愛いお口を塞いで、
ふかふかのベッドにダイブ♪

さて♪さっきの続きを…と、体勢を変えた処で再び俺の首に両手が巻き付いて来た。

……… deja vu …


「あぁーー!居たぁーー!!」


……おのれっ!一度ならず二度までもっ!!
振り向いた時には、愛妻は俺の下から抜け出し、コウモリを捕獲しようとしていた。

……そいつ、捕獲してどうすんのさ…


ドンドンドン、ドンドンッ!


「類様っ、つくし様っ!如何なさいましたかっ!!ご無事ですか?類様っ!!」


つくしが部屋の中でコウモリ相手にドタバタしてたからか、心配になったらしい田村の慌て振りが可笑しくて笑いながら扉に近づいた。

「くすっ、何でもないよ。今開けるから」
「あっ……!」

カチャッ

「あぁーーーっ!!」

「んっ?つくし?どうしたの?」


パタパタパタ…
パタパタパタ…


「わっ!!」

「…………」


なんか…黒いのが横切った……?
はっ……今のはすっごくマズかったんじゃない……?


「る…類様……今…私の目の前を……黒い物体が………」

目の前の田村はさっきまで扉をドンドン叩いてた人物とは思えないほど動揺してるし、後ろからは痛いほどの視線が突き刺さってる………。


「るーーいーーっ!
何でドアを開けちゃうかなぁぁ?!」



うわっ…怒ってる……


「ごっ、ごめん!」

振り返ったら鬼の形相……とまではいかないけど、頬をぷくっと膨らませてジロリと睨まれた。
その顔さえも可愛いんだけど、怒ってるつくしにそんな事言ったらまた怒られるから黙ってた。


「あの……類様、つくし様。
これは一体どういうことでしょう?先程の…黒い物体…は何でございますか?」


つくしに怒られる俺を見かねて助け船を出したのか、疑問を早く解消したかったのか……。田村は俺とつくしを交互に見ながらそう言うから、ここに至るまでの経緯を説明した。


「……コウモリ…ですか……」

「田村さん?コウモリどっちに行きました?」

「はぁ……あちらに飛んで行きましたが……」

そう言って田村が指差したのはキッチンへと続く廊下だった。
横をすり抜けて部屋を出て行こうとするつくしを引き留めた。

「もう違うところに移動してるかもしれないし、遅いから明日にしよ?」
「でも………」

「うん…俺がドアを開けなければ逃げなかったよね、ごめんね。でも捕まえてどうするの?狭いカゴに閉じ込める?」
「そ、そんなつもりじゃ……」

「今はさ夜だし嵐だし外に続く扉は全部閉まってるでしょ?
朝になって台風が遠ざかってれば、皆が起き出して開けっ放しの扉とかもあるかもしれないけど、コウモリって夜行性が多いからどこかに隠れて寝てるんじゃない?」


「………そうかな?」
「多分ね。だから今日はもう寝よ?」
「………うん」

「騒がせて悪かったね、田村。
そういう事だからおやすみ」

「田村さん、ごめんなさい。
おやすみなさい」


「はい、おやすみなさいませ」


ふぅっ やっと寝れる……

正直 明日にはどうなってるのか分かんないけど、相手はコウモリだもんね。いなかったらいないで仕方ないし!

さっきの続き……なんて思ってたのにつくしは心ここにあらず……。
俺って実は動物に邪魔される星の元に生まれたのかな?なんて思いながら、つくしを抱きしめて眠りについた。



翌日からつくしの「コウモリ大捜索」が始まった。
珀を先頭に四匹を引き連れて城の中を歩き回ってる。


「コウモリさんどこにいるかしらね~?」

ゎん?
わわん♪


「つ、つくし様~!!
こちらにコウモリが………あっ………!」


「つくし様、先程キッチンにコウモリが……!」


「はーい!!珀、行こっ!」

わん!
わんわん♪


「はあっ……またすれ違いだったね………」

ゎん……


使用人からの目撃情報は続々あがるのに、つくしは未だに会えずじまいらしい。


パタパタパタ…
パタパタ………


「つくし~!!いたよ~っ!!」

「はーい!今行く~っ♪♪」

わんわんっ♪


パタパタ…
パタパタパタ………


「あっ……」



どうやら花沢城コウモリ大捜索はまだまだ続くらしい。




おしまい



15662674190.jpeg
↑このコウモリの画像が判る方(笑)いるかな?


皆様、こんばんは!今日は類君でコウモリです♥

何故コウモリなのか・・・皆様は覚えておいででしょうか?
2018年の類誕イベントの時の事・・・あの時のコウモリ騒動が忘れられず、どうしても書きたかったのです!
しかも設定はバスルーム!!(笑)ここしかないですよね~♥

あっ!最近も現れたらしいですよ?(何処に?って思われた方はイベントに戻りましょう!)


本当に小さいヤツみたいです。
どうして飛び込んで来るんでしょうかね?それはやっぱり居心地がいいから?
(再・何処に?って思われた方はイベントに戻りましょう!笑)

イベントの中では名前を「類」にしていましたが、ここではそういう訳にもいかず、名前はありません(笑)


コウモリ君、何処に行ったんですかね?(笑)


それでは今日のお遊び画像~!

15662069980.jpeg


それではまた来週の火曜日にお会いしましょう♥
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2019/08/20 (Tue) 16:19 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

懐かしや~と思った女様、こんばんは!

懐かしかったでしょ?(笑)
S様が「何処でそんなにイメージが崩れたんだろう?」って不思議がってましたよ?(笑)

チーム類の妖精ですからね(笑)
私たちはギャップを見ないことにしています。
(何故こんなエロい(失礼発言)トークしてるのにお話書いたら可愛いんだろう?・・・謎ですよね)

えぇ、勿論類君をすっぽんぽんにして廊下を走らせたのはS様です(バラすな💦)



今回はバスルームじゃなくてリビングに来たみたいです。
紙コップで掴まえてお外に逃がしてあげたそうですよ?

でも、何処から入ってくるんでしょうかね?我が家にはコウモリは来たことないですけど・・・。

2019/08/21 (Wed) 00:10 | EDIT | REPLY |   
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2019/08/21 (Wed) 01:04 | EDIT | REPLY |   

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