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plumeria

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「・・・納得出来ねぇな」
「総二郎が納得出来なくてもこっちは身の危険があるんだから仕方ないのよ」


大学4年になって初めての講義の日・・・私を大学まで送ると言った総二郎の申し出を断わった。
そしてご機嫌ナナメになった彼氏様は私の前で腕組みしてドアを塞いでいる。

ほんと、子供っぽいことするんだから!自分だって午前中に茶道教室の特別講師で忙しいって言ってたのに。


「だからね?この1年間でいいから私がここに住んでることを隠したいの!そうじゃないとまたイジメに遭っちゃうわよ?それでもいいと思ってんの?」

「そんな事になったら俺に言え。ぶっ潰してやる!」

「物騒なこと言ってんじゃないわよ!判ってるでしょうけど相手はお嬢様達なのよ?女の世界は怖いの!兎に角私は楽しく大学生活を終えたいの、お願いだから大人しくさせて!」

「・・・俺が彼氏でなんで大学生活が楽しくねぇの?毎日が浮かれ気分でワクワクしねぇの?」

「ワクワクもルンルンもするけど大学じゃダメ!バイト先もダメ!総二郎はもう大学を卒業してるんだから、私1人で闘う勇気なんてないの!・・・もうっ、いいからそこを退いてよ、遅刻しちゃうじゃないの!」

「じゃあキスして?」
「はぁっ?!!」


怒ったような顔してわざと顔を上向きにして・・・!

そんな事したらキスしろったって出来ないじゃないの!って総二郎の肩を掴んで私も思いっきり背伸びした。でも、勿論彼の顔に届くわけもなく、仕方ないから首元を思いっきり締めて頭を下げさせてチュッと・・・!
そうしたら今度は私を抱き締めて濃厚なヤツが・・・っ!!

朝から窒息しそうになりながらやっとの思いで大学に向かった。



大学に行ったら予想通り・・・。
この春であの4人が卒業したからって女子生徒の沈みっぷりは凄かった。
「もう大学を辞めようかなぁ」とか「今頃何処で何をされてるのかしら」とか「1度でいいから触りたかった」とか・・・。

満開の桜の花も新しい学年の祝いに見えない・・・舞い散る花びらを見て「道明寺様ぁ!花沢様ぁ!美作様ぁ!」って泣き叫ばなくてもいいと思うんだけど。

そう・・・でも、実はこれが怖かった。
アメリカに行った道明寺やヨーロッパに行った花沢類、美作さんは諦めがつくかもしれないけど、日本に・・・しかも東京に住んでる西門さんに対する変な期待だけが高まってるのよ。


「そうよ・・・総二郎様なら会えるかもしれなくてよ?」
「最近は何処のお店がお好きなのかしら!早速調べなきゃ!」
「西門流に入れば2人きりになれるって本当なの?」
「お家元に気に入られれば手っ取り早いんじゃないのかしら」

「「「「こうなったら西門様に絞るわよ!!」」」」

「・・・・・・・・・」


ほらね?この状態で私が彼女になりましたって言える?言えないでしょっ!!
『あんたぐらいの顔と身体で西門様に近づくんじゃないわよっ!』・・・そんな言葉が聞こえてきそう。

何処から石が飛んでくるだけじゃ治まらないわよ?待ち伏せて何処かに監禁とか、身包み剥がされて公道に放置とか・・・想像しただけで恐ろしい・・・。


だから絶対に言えない。
自分の身は自分で守らなきゃ!!総二郎には悪いけど1年間、あのマンション以外では無関係で通すのよ、つくし!


まだ誰にもバレてないのにコソコソと校内の隅っこを歩く私・・・何処かで誰かに見られている気がして怖かった。



**



そして入学して10日後・・・同級生達とのお食事会に誘われた。
その子達はお嬢様でも何でもなくて、1年の時から付き合いのある気心の知れた子達。それならって事で参加することに・・・でも、急に電話なんてされても困るから総二郎には話さないといけなかった。


「・・・って訳で、明日友達とランチに行くから電話しないでね?男子なんていないから」
「・・・何処でだ?」

「大学の近くに出来たばっかりのフレンチレストランだって」
「何時から何時まで?」

「12時半から2時までって言ってた。一応言っとくけどイケメンのお兄さんが働いてるとかの噂もない、普通のお店だから」
「本当だな?」

「・・・嘘ついてどうすんのよ。信じてないの?」
「いや、信じてるに決まってんだろ?お前は俺から離れないだろうから・・・じゃ、続き行こうか」

「うわっ、いやぁっ・・・もう、始めるの?総っ・・・ああっ・・・ん!」
「今から始めねぇと寝られねぇぞ?」


この話をしたのは総二郎との第1回戦の後・・・ベッドの中で『まったりタイム』の時だった。そしてご機嫌直しの第2回戦が始まってしまった。
・・・結局この日は第5回戦まで続き、私の全敗だった。



次の日・・・。

「あれ?つくし、どうしたの?顔色悪い・・・クマ出来てんの?」
「寝不足?遅くまでテレビでも見てたの?」

「・・・あはは、うん、まぁね。殆ど寝てないのよ」


ランチに来たお店で友達に早速言われた目の下のクマ・・・原因はあの男だけど言える訳もない。
『西門総二郎に寝かせてもらえなかったの』なんて白状したら、一般人のこの子達からも除け者にされちゃう・・・。私の数少ない友人だもん、大事にしなきゃ・・・。

でも、メニューを見るのも辛くて隣に居た陽子に選んでもらった。


テーブルの上には沢山のお料理が並んでワイワイと始まった楽しい女子トーク。
ゼミの話や格好いい教授の話、勿論彼氏のいる陽子、彩花のお惚気話では盛り上がった。

私はそんな会話にうんうん!と適当に頷きながら滅多に食べない贅沢な外食を堪能するだけ・・・ここで下手に喋って墓穴を掘らないようにと自分に言い聞かせていた。
ただし、彼氏とのアッチの話になると少しだけ真剣に聞いてしまう。でも2人の「夜の話」も総二郎とは比べられないと判断・・・やっぱりあの男は特級のエロ門なんだと今更ながら納得した・・・。


「道明寺さん、今度は宇宙開発事業の責任者になったんだって。さっき麗華さんが言ってたの、自分の会社もそのプロジェクトに少しだけ関わってるから会えるかもって!」
「へぇ~!!流石ねぇ、やることがデカすぎるわ!」

「ねぇ、つくしはもう全然道明寺さんとお話しないの?」

「・・・はっ?道明寺と?」


いきなり私にそんな話が来たけど道明寺?!
そんなのもう話さないに決まってるでしょ、何年前だと思ってんの?!

対・西門総二郎で防御していたから急に出てきた道明寺には驚いた。でも、まぁ・・・総二郎の事じゃないなら説明しても別にいいんだけどね。もうすっかりお友達だし。


「うん、もう話さないなぁ・・・特別な用でも無い限り電話もないし」
「うわっ!何かあれば今でも連絡取れる状態なんだ?」

「は?うん、電話番号知ってるし、掛ければ絶対出てくれるし。でも最近いつ話したかなぁ・・・卒業式の後は1回かな?向こうはご飯が美味しくないってぼやいてたっけ。確かに忙しいって言ってたよ」
「ええーっ!!いいなぁっ、今、電話出来ないの?」

「出来ないよぉ!だって時差があるから寝てたら怒られるでしょ?」
「ねぇねぇ、花沢さんは?美作さんは?」

「・・・う、うん。電話ぐらいなら出来るよ。たまにSNSでメッセージも来るし」
「きゃああぁーっ!メッセージが来るの?!」
「なんて書いてあるの?好きです、とかじゃないよね?ねっ?!つくし、答えなさいよっ!」

「あはっ、あははっ!あの人達の好きってのは恋とは別物だし、私の事は珍しい動物だと思ってるから。花沢類は残業が無いから嬉しいって言ってたし、美作さんは秘書が美人で楽しいらしいよ」


いや、ヤバいわ・・・このまま行けば間違いなく総二郎の話題になるんじゃないの?
それには答えられないしっ!もし聞かれたら無視よ、無視!!


「ねぇ、西門さんは?彼なら会えるんじゃないの?」

「さぁ?あの人の事は全然知らない。何処かで生きてるんだと思うけど」





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2019/04/15 (Mon) 12:12 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんにちは。

そうそう、何処かでね(笑)
そうそう、振り向いたらね・・・そこで生きてるのかもしれませんね💦


バレたらお仕置きがあるかもよ?(笑)

怖い怖い・・・ヤキモチ焼きの総ちゃんだから♥

2019/04/15 (Mon) 12:19 | EDIT | REPLY |   

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