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ホテルで食事をした数日後・・・
あきらが少し体調を壊していた家元に挨拶をしたいと言うから、牧野と一緒に西門に呼んだ。
以前から牧野に会ってみたかった家元夫人にもこの際会わせてしまおうというのもあったが
あきらがいてくれた方が牧野も安心だろうと思ったからだ。


「いいか?別に紹介ってだけで深い意味はないって思っとけ。特にお袋は何か言い出すかもしれねぇけどな。
今日は親父の見舞い・・・それ以外の意味はないからな」

「わかってるよ。でもちょっと緊張はするけど」

牧野の肩を抱いて門をくぐる。
その後ろに冷めた眼のあきらが立ってるけど、そっちは無視して家元達の部屋に向かった。


「失礼します。家元、家元夫人・・・美作が帰国したので見舞いも兼ねて挨拶に来てますよ。それとご紹介したい
人を連れてきてますので・・・よろしいでしょうか」

「おぉ・・・美作君か?久しぶりだね。お入りなさい・・・」

体調を壊していると言っても風邪をこじらせただけのものであまり心配はなかった。
いつもは家元の側にくっついているような家元夫人じゃないのに、今日は綾乃まで連れてこの部屋にいた。
いかにも身内であるかのように平然とこの部屋にいる綾乃は、俺の横にいる牧野に極上の笑みを送っている。


「お家元・・・おひさしぶりです。美作です・・・具合はどうですか?」

あきらは慣れているから家元とは普通に会話をしていた。ただ、家元の側についているお袋・・・いや
家元夫人の方は俺の隣にいる牧野を上から下まで、まるで品定めするように見ている。
いつもはそんな事はしないのに、俺の相手だと言うだけでこうも変わるとは・・・

家元夫人ともあろう人がそんな行動を取るとはな・・・牧野に気付かれないようにため息をついた。
その家元夫人が何か言いたそうに見てくるので俺の方から話しを切り出した。


「家元、家元夫人、先ほどお話ししましたがこちらがお付き合いしている牧野つくしさんです。
美作とも知り合いでしたので一緒にお見舞いをしたいという話になりまして、今日は連れてきました。」

牧野を紹介すると少しだけ前に出て、丁寧に頭を下げた。

「初めまして。牧野つくしと申します。今日はご体調が悪いのにお伺いして申し訳ございません。
どうぞよろしくお願いいたします」

「牧野さんというのかね?はは・・・総二郎がこうやって連れてくるとは初めてだな。ご心配いただいてありがとう。
そんなに緊張せずにゆっくりしていきなさい」

家元の方は昔から仕事では威厳のある人だが、プライベートは穏やかな人だったからそこまで心配していなかった。
問題はこっちだ・・・。家元の言葉を聞いても表情一つ変えない。
家元夫人は特に言葉もかけず、軽く頭を下げるにとどまった。

その時、家元夫人の横についていた綾乃があきらに声をかけてきた。


「美作の・・・あきらお兄様ですわよね?ごきげんよう・・・私を覚えていらっしゃるかしら?」

「綾乃?・・・綾乃じゃないか!随分大きくなったな。しかもすごく綺麗になって・・・見違えたよ!
いや、昔から可愛かったけどな!」

この2人も昔からの知り合いだ。ガキの頃、俺とあきらがいつも一緒に遊んでた頃に、ちょうど綾乃もこのあたり
住んでいた。母親同士が仲がいいからいつも西門に綾乃は来ていた・・・赤ん坊の頃から知っているワケだ。


「まぁ!お上手ですわね!あきらお兄様も牧野さんをご存じなの?随分仲が良さそうね?」

「あぁ、高校も大学も同じだからな。総二郎と同じくらいの付き合いの長さだよ。牧野はみんなに好かれててね・・・
まぁ、総二郎に取られたってところかな」


なんだ?あきら・・・

わざと俺の方を見ながら言ってるようだけど・・・先日といい今日といいあきらのその意味ありげな
態度が気になった。大学の時、あきらが類のように牧野を追いかけてたなんて思わなかったけどな・・・。

家元夫人も何か言いたそうだったがあきらがいたからなのか、言葉少なく自分の部屋へと戻っていった。


******


家元の見舞いも済んで、綾乃を加えた4人で俺の部屋へと向かう。
西門はもちろん俺の部屋に入るのも初めての牧野はキョロキョロとあたりを見渡して落ち着かない。

「牧野!座っとけよ。お前、緊張しすぎだって!」

そう言うと慌てて部屋の真ん中に来ようとして身体の向きを変えた。
なぜかその牧野の横にはピッタリとあきらが寄り添っていた。

「こっちにおいで、牧野。・・・総二郎の部屋はここに段差があるから気をつけて・・・」

って言った途端に牧野はその段差に躓いてあきらの胸にぶつかる形で止まった。

「きゃっ!!ごっ・・・ごめんなさい。美作さん!」

「全然問題ないよ。牧野は?足、痛めなかった?」

そう言って牧野の肩に手を掛けて覗き込むように牧野を見ているあきらに無性に腹が立った。

「全く、お前はドジなんだから!よく前を見とかないからだ!」
「そうじゃないさ。初めての部屋なんだからわからないよ。・・・牧野、大丈夫か?」

なんでこの前からそんな眼をして牧野を見てるんだ?まさか・・・あきらが?
確かにあきらは高校の時から牧野に特別な感情を持っていたのは知っているが・・・もうそれは何年も前だ。
足を気にする牧野の肩におかれたあきらの手・・・
牧野の心配をするところなのに、俺はそのあきらの手に意識が集中した。


「いつまで牧野の肩に手を置いてるんだ、あきら。・・・離れろよ!」

「みっともないな!総二郎、俺にまで嫉妬してるのか?バカだな!お前」

また・・・今まで通りの笑顔のあきら。やっぱり気のせいなのか?
少し足を引きずりながら牧野は俺の隣に座った。

あきらの隣には綾乃・・・


綾乃があきらと牧野を見ていたなんて、この時の俺は何も気が付いていなかった。

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Comments 2

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2017/05/15 (Mon) 16:34 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

花さま!今晩は!

好物!爆笑!

どうしよう・・・。あきらですよ?
確かに、初めはまた類君にしようかと思ったんですけど
どうしてもイメージ湧かなかったんですよね。

総二郎が一番疑わないならあきら・・・しかないでしょ?
みたいな。でも、そこが罠・・・。

そして、今この先の展開で非常に困っている私。
このお話、無事に終わるんだろうか・・・。

でも、あきらと一緒に頑張ります!(笑)( ̄∇ ̄)v

今日もありがとうございました!

2017/05/15 (Mon) 20:56 | EDIT | REPLY |   

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