FC2ブログ

plumeria

plumeria





<道明寺城>

「西田、ポニーまで来たんだから少し庭を広げねぇか?」
「お庭を……ですか?そうですねぇ。
それも宜しいかと思いますが、何処を広げましょう?」

真っ白なスピカを連れて向かったのは城の裏山に繋がる芝生の庭。
ここをもう少し広くしてスピカにしっかり運動させて身体を丈夫にしてやらねぇとな。

あきらの馬とイチャイチャしねぇでつくしを乗せて楽しませるのが第一の目的なんだから!
昨日も「新郎側で教会を手配しようか?」なんて、馬鹿げたことを真面目に電話して来やがって!


馬の嫁より自分の嫁の心配しろってんだ!


「何処まで広げましょうかねぇ……あの山道の……あれ?」
「どうした?」

「何か居ませんか?あそこに……ほら!
茶色の動物が……小さいのも居るようですが、親子でしょうか?」

「なんだと?!この城の中に勝手に入って来やがったのか?!」
「勝手に…と言いますか、ここは裏山に通じておりますので…」

「喧しい!俺の城に無断で入って来るのは司郎丸だけで充分だ!追い出せ!!」
「近寄れば勝手に出ていくんじゃないですかね?」

「よし……俺が行く!」


ズンズン近寄っていくと、その茶色い動物たちは何かを必死に食べてるのか振り向きもしない!
この俺の方から歩み寄ってるのになんて野郎だ!と、ムカついて大声を張り上げた!


「おい!てめぇら、ここを何処だと思ってんだっ!!
勝手に入ってくんじゃねぇよっ!!💢」


キュン!!……バタッ!!!


「……おっ!な、なんだ?!」
「どうしました?司様っ!はっ……まさか声だけで?」

「馬鹿言うな!声だけで死んだりしねぇだろうがっ!
い、いくら俺でも……って、おいっ!本当に動かねぇのか?!」

「司様っ、いくら何でもこれは可哀想ですッ💦!」

「だから、俺は手なんて出してねぇ!!
西田だって見てただろうがっ!!」


「た、確かに…………でも、あっ……これは、もしや?タヌキではございませんか?」


「タヌキ?」

よく見たら死んだように倒れてるのは茶色くてずんぐりむっくりした奴等。
デカいのが2匹に小さいのが3匹……西田に言わせると5人家族のタヌキらしい。

この季節には冬に備えて沢山食べないといけないから人里に降りてくることもあると言う……。


「ここは人里じゃなくて道明寺城だ!やっぱタヌキでも許せねぇ!」
「そんな事を言ってないで助けないといけないのでは?
もしも司様が声だけでタヌキ退治をしたとつくし様が聞かれてはそれこそ……」

「…………嫌われるのか?」
「お助けになればお喜びになります。
ここはひとつ、この倒れたタヌキ一家を助けるために花沢城の獣医さんの所に行ってはどうでしょう?」

「…………前にもあったな」
「…………そう言えばありましたね。パンダだったでしょうか?
あの時のつくし様は随分喜ばれましたよ?」


………………。

「よし!!西田、此奴らを連れて花沢へ行くぞ!」
「畏まりました!!」


何故かそこで倒れているタヌキを抱えてリムジンに乗せ、急いで国境を越えた!!



花沢城 城門前


「つべこべ言ってねーで、とっとと類を呼べっ!!
こっちには病人……いや、人じゃねーな…病タヌキ……?いや、この際そんなのどうでもいい!
早くしろっ!!」


「ですが…類様が………」

くっそー! またか!
この台詞もあの時と一緒じゃねぇか!って事はあの時みたいにすりゃいいのか?


「おいっ、西田!
クラクションだ!!クラクションを思いっきり鳴らせっ!!」

「は…はぁ……またですか?」

「いいからさっさとしろ!!」


ブゥーーーッ!!
ブゥーーーーッ!!




花沢城 リビング


「ねぇ…類……。城門前に道明寺の車が来てるみたいなんだけど……?」
「懲りないよね……また同じ事してる。放っといたらいいよ」

「でも…門番さん、今回も大変そうよ?」
「………」


確かに五月蠅い……。
どうしようかなぁ~っと口と鼻の間にペンを挟んで悩んでいたらつくしに「もうっ!」って言われるし。
でも本当に嫌な予感しかしないんだもん……無視したい。

そう思っていたら田村がやってきた。


「類様…道明寺様ですが門番の話によると、今回は病タヌキがいるとか……」

「「……病タヌキ?」」


…司……またなの?
今度は、タヌキなの?……タヌキ?
飼ったの?野生?なんて思ってたら、つくしがドアに向かって駆けだしたから、思わずその手を掴んだ。

「つくしっ」
「だって…類……病タヌキって…きっと病気のタヌキって事でしょ?パンダと違って何処にでも居るでしょうけど、きっと怪我でもしてるのよ!
出水先生も呼ばないと!!」


「……分かったから、とりあえず落ち着いて」
「田村、司を出水先生の所に通すように伝えて」

「はい、畏まりました」

「俺達も出水先生の所に行こう」
「うん!」

……ん?このやり取り……パンダの時もした様な気がする………

……うん、凄く……する……

二人で出水先生の部屋に駆け込めば、診療台の上にデカいタヌキ 二匹と小さいタヌキ 三匹が横たわっていた。
それを囲んで、困り顔の西田さん、憮然としてる司、半笑いの出水先生。


「出水先生っ!何があったんですか?五匹もなのっ!三匹は子供のタヌキじゃないっ、怪我ですか?はっ!交通事故ですかっ!!」

病タヌキと聞いているつくしは、司の事も西田さん事も見えてないらしい…
横たわるタヌキと出水先生に交互に見つめ、
こちらは半泣き状態。


「つくし、落ち着いて?先生の話を聞こう、ね?」
「………ん…」

「つくしちゃん、心配しなくても大丈夫よ。
きっと、何かの衝撃があったのね…死んだふりフリをしてるだけだと思うわ」
「……衝撃?怪我とか、道明寺の車に轢かれた訳では無いんですね?」

「……でも、死んだフリをしなくちゃならない衝撃って……」
「そこまでは、私にも判らないわ」
「どうしちゃったのかしら……」

「……司、何をしたの?」
「失礼だな、俺は何もしてねぇよ」

「だって、ここに五匹連れて来るくらいだもんね?そこに居合わせたんだよね?」
「………スピカの為に庭を広げようとしたら、そこにコイツ等が居たんだよ」

「えっ、まさかだけどタヌキの住居を侵略した訳じゃ無いよね?」
「えぇーー!道明寺……」

「本当に失礼だなっ、そんな事しねぇって!」
「「………………」」

「逆だよ、逆っ!!スピカの庭にしようとして城内の裏手に下見に行ったらコイツ等が居たんだよ。だから、追い払おうと……」
「……うわっ、それで死んだフリしなくちゃならない程の衝撃って何?」

「……少し叫んだだけだよ、何もしてねぇ」
「道明寺……叫んだだけなのよね?……声だけで?」

「おい!てめぇら、ここを何処だと思ってんだっ!!
勝手に入ってくんじゃねぇよっ!!💢
って叫んだだけだ…」


「……ぁっ!」


キュン!!……バタッ!!!


「いやぁーーーーーー!また、気絶しちゃったわぁーー!道明寺っ!!💢」
「あっ、わりぃ」
「…司……」


半覚醒してモゾモゾと動き始めていたタヌキ親子は、再度危険を感じたらしく、再びの死んだフリ。

タヌキに危険を感じさせるって、どれだけなんだよ 司………


「もうっ!!道明寺は外に出ててっ!!!」
「あっ、おいっ」

「しぃーーーーっ!喋らないでっ!」
「……………」

…………ウチの奥さん 最強だ…
でもさ、このタヌキ達このままにしておけないじゃん!どうするのさ?

「つくし…怒る気持ちも分かるけどさ、元気なのは分かったんだから ここは連れ帰ってもらおう?」
「でもっ!!」

「このタヌキ達にも縄張りはあるでしょ?
ここで放したとしても、縄張り争いに負けて路頭に迷うかもしれないでしょ?」

「………分かった」


タヌキ相手に路頭なんて大袈裟かな?なんて思ったけど、つくしには効果覿面だったらしい。

けど ほっとしたのも束の間だった。


「ちょっと 道明寺っ!!
動物には優しくって何回言ったら分かるのよ!
今度動物を苛めるような事があったら、あんたは花沢城 出入り禁止だからねっ!!」


つくしはてくてくと出入り口に向かって歩き出したかと思えば扉を開けて司に怒鳴りだしていた。


うーん……
あんまり言いたくないんだけどさ、つくし……
あんたのその声もタヌキ達が起きてたら気絶ものだと思うよ?

うん……勿論 言わない……っていうか…言えないけどさ


「つくし、出水先生にケージ借りたから、司のリムジンに運ぼ?」
「………うん。
でもその前に、道明寺!!」


「おっ、おう!」

「この子達に名前をつけるわよ!」
「はっ?ペットじゃねーんだから要らねーだろ!」

「バカね…道明寺。
名前をつけたら愛着ってものが湧くでしょ!そうしたらあんたでも可愛がるようになるわよ♪」

「………」


なんか…ちょっと……ちょっとだけ司が気の毒になってきたかも……
城への出入り禁止令に立て続けのバカ扱い……

多分 つくしくらいだよね?
司にこんなに言いたい放題言って、反撃に遭わないやつって……。


「子供はポン吉、ポン太、ポンポンでどうだ?」

ぷっ
何 そのセンス……

「あらっ、いいじゃない♪
タヌキらしくって可愛いわ♪」


はっ……
声に出さなくて良かった……

「という事はお父さんはたぬ吉でお母さんはたぬ美?」
「おっ、いいじゃねーか!決まりだな♪」

「ねっ?道明寺。愛着湧いて来たでしょ?」
「おうっ。基本は干渉するつもりねーけど、時々様子を見に行くようにしてみるな♪」


どうやら話は纏まったみたいで、ご機嫌なつくしは自らケージの移動を手伝い始めた。こういう時は止めても無理なんだよね。で、結果、俺も手伝う事になるんだ……。


「つくし、重くない?大丈夫?」
「うんっ、へーき!類こそ大丈夫?ありがとうね♪」

「類っデレデレしてんじゃねー!」
「ああ…司はデレデレしたくても相手すら居ないもんね。ざ~んねん♪
あっ…そういえばさ……タヌキも化けるっていうよね♪♪」


「はっ……」
「えぇ~~?この子達も凪ちゃんみたいに?
うわぁ、いいないいな♪見てみたい~~~!!」



司に言ったつもりがつくしが食いつくなんて…。そうだよね、つくしそういうの好きだもんね。

「あっ、でもほら つくし。この子達は山に返すんだしさ?ねっ?」
「そっかぁ…でもそうよね。元気で暮らしてくれるだけで嬉しいわよね♪」
「でしょ♪」

はぁ~、危なかった。でもつくしはこれで大丈夫!
で、当の司を見てみたらなんだか上の空で顔が……妄想全開の真っ最中?ってくらいニヤけてる。

リムジンに着いてケージを運び込んだら司は大人しくそれの横に座って何も言わずに帰ってった。

「ねぇ、類?
道明寺ってば心ここにあらずって感じだったけど大丈夫かなぁ?」

「平気じゃない?司だもん」
「そっか!そうよね♪」


今日は良いことした~~!!なんて言って両手を真上に伸ばして伸びをしてる。


うんうん、ほんと良いことしたよね♪
ある意味今後の司も楽しみだし、暫くは司の襲撃もなさそうだしね♪♪


「さっ、つくし。
きっとSP達が首を長くしてるからもう戻ろ?」

「あっ、そうよね♪
ちゃんと『待て』して待ててるかしら?
ハルのお勉強の為って珀達もお留守番だもんね。
早く戻って褒めてあげなきゃね♪♪」



るんるんで歩き出すつくしの手を取って部屋へと歩き出した。


今日はもう何にも起こりませんように!
俺だってたまにはつくしとのんびりしたいんだから!!





おしまい




にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村



皆様、こんにちは~♪

今日は司君で狸一家です~❤
いや、それよりも静司郎が怖い?(笑)うふふ、S隊員が作ってくれたんですよ~。


タヌキを書くのに私が困った事・・・画像担当なので沢山探して「どうだ!」って出したんですが・・・

「ラスカルと区別が出来ないんだけど・・・」

ってなって、調べてみました。
そうしたら、顔だけ見るとあまり見分けがつかない💦
イメージでそうなるのか、若干タヌキの方がラスカル(アライグマ)よりも優しそう?ってぐらいでした。

で、見分ける時、1番の特徴ってのがこれだそうです!

15717056780.png

アライグマには眉間に縦の線があって、タヌキにはないそうです💦

そこで今回自分がタヌキとして出した写真・・・殆どがアライグマでした(笑)


「じゃあ、もう信楽焼のタヌキでっ!!」・・・いや、これが1番タヌキらしいですよね(笑)


そしてこの子達は・・・多分タヌキだと思う・・・💦

15717056900.jpeg
<ポン吉、ポン太、ポンポンです>

*S隊員、名前決めるときに「味ぽん」とか言いましたからね・・・(それ、名前になるのか?)


それでは次回は11月5日にお会いしましょう~!!
関連記事
Posted by

Comments 2

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/10/24 (Thu) 15:23 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

股間女様、こんばんは。
(省略の仕方が変?ごめんね💦)

名前って結構大変なんですよ~!
で、今回みたいに5匹も居たらねぇ(笑)

出したの私だけど、めっちゃ言われましたもん。

「なんで5匹も居るのッ!!名前が困るじゃんっ!」
「だってぇ~!家族にしたかったんだもん」

タヌキと言えば「ポン」・・・もう3人で「ポン」がつく名前をあげましたよ。
そうしたらね・・・味ぽんとかポン酢とか言うから(笑)

そうやって脱線していくのよ・・・ライントーク。


待って!!人参とズッキー二となんだったっけ?もう忘れた💦
大根?レンコン?茄子・・・えーと、確かに出されたら気絶するよね。

でもすぐに飛び起きるよね・・・そして猛ダッシュで飛び付くよね?

うん、間違いない。

2019/10/24 (Thu) 23:38 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply