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plumeria

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纏まりのない晩ご飯が終わって後片付けをしてる間中、花沢類は何処かに電話していた。
これから私と何処かに行くって事と関係あるのかな?内容は判らないけど自宅の誰かに何かを確認してるみたい・・・「1日で出来たんだ、凄いね!」なんて声が聞こえたけど。

それが終わったらハクの籠の前に座って指なんて突っ込んで・・・ハクも女の子だからなのかしら?花沢類に近寄って遊んでない?あの子が私以外の人にそんな事するだなんて思わなかった。


「ねぇ、牧野。この子出してもいいの?」
「え?あぁ・・・いいけど噛まれても知らないわよ?」

「うん、大丈夫。そのぐらいじゃ死なないから」
「・・・・・・うん」

死ぬほど噛むようなインコを飼わないでしょ・・・くすっ、本当にそんな所は昔と変わんない。

凄く大人っぽく格好良くなったのに話せば学生の時と同じ。
英徳で一緒に居た時も何処か掴めない所があって不思議な空気感があって・・・だからなのか放っておけなくて気になって、気が付いたら隣に並んでたっけ。
だけど本当は頼りがいがあって私を包んでくれた。いつも落ち込んだ時には背中を押してくれた。

無理に引っ張り上げるんじゃなくて、そっと後ろから支えててくれた・・・だから凄く安心出来た。これ以上は落ちなくていいんだって思えたから。


春の穏やかな風みたいな花沢類・・・いつの間にか大事な人になってた人。

その風が森の中に隠れていた葉っぱの私を見付けてくれたんだね。
そしてまた太陽の下に出してくれたんだ。


「あっはは!くすぐったいっ!やめて・・・うわっ!」
「ピピ!ピピピッ!」
「あっ、ちょっと・・・そこ、ダメだって!あははは!」

「・・・何やってんの?」

花沢類の笑い声で部屋に戻ったら、ハクが彼の肩に止まって耳を噛んでた!
それに驚いて傍まで行くと慌てたように自分のお気に入りの観葉植物に止まって知らん顔。

もうっ!私でさえそんなこと出来ないのに小桜インコの分際でしないでよね?って変なヤキモチ・・・。花沢類には「大丈夫?」って聞いたけど「気持ち良かった!」ってまだ笑っていた。

気持ち・・・良かったんだ?


「片付け済んだ?」
「うん、もう終わったよ。明日の朝の準備しなきゃ」

「だからそれもしなくていいって。何も持たなくていいから行こう?」
「え?あっ、うん・・・」


やっぱりハクは連れて来いって言うから中の水だけ捨てて籠を抱えた。
ハクはこの部屋から出た事がないから大暴れして、五月蠅く鳴くのを咎められないように走って花沢類の車に乗り込んだ。



**



「ねぇ、花沢類・・・何処に行くの?」
「ん?そんなに遠くないよ。それにもう道明寺の連中は追い掛けてこないからそんなに警戒しないでよ。急に方向変えたりしないから」

そう言われて自分の格好を見たら、しっかり片手でハクの籠を持って片手はシートベルトを握りしめていた。
テーマパークを出た時に凄い運転見ちゃったから?あの後のお花見の時は忘れてたクセに、今日は思い出しちゃって確かに眉が引き攣ってる。

でも、今なんて言った?!道明寺って・・・あの人の名前が出た?


「えっ?!あの時私達って道明寺家の人に追われてたの?」
「うん。正確に言えば俺が後をつけられてたの」

「花沢類が?道明寺、花沢類を尾行していたの?」
「俺が動くと牧野の所に行くと思ったからだろ。それで牧野と俺がテーマパークで会ったってバレたんだよ。もしかしたら最近藍微塵の近くに変な車とか停まってなかった?」

「そう言えば黒い車が1台いつも狭い道に・・・えっ!あれも道明寺なの?」
「多分ね。俺が最近あの付近を彷徨いたから見張ってると思った。牧野が現れると思って司がそうしたんだろうけど、あんたが華になってたからあいつらには判らなかっただけだよ。で、司の帰国を聞いてから最近まであのアパートには花沢のガードをつけてたんだ。牧野、全然気が付かないよね、そういうの」

「・・・・・・」
「くすっ、見た目は華でも中身は牧野だもん、鈍い所は変わんなかったね」


うそ・・・それって私は道明寺に見付かって無かったの?
花沢類を付けていたら私がひょっこり現れて、それで道明寺にバレて花沢が攻撃されたの?あれだけ私のせいだって思ったのに、実は私は上手く隠れてたの?!

それにずっと花沢類の指示で守られていたの?


「き、昨日言ってくれれば良かったのに!なんでバレたんだろうってずっと考えてたのよ?」
「だってそれどころじゃなかっただろ?」

「・・・あっ・・・やだっ、知らない!」


それもそうだ・・・急に「牧野つくし」に戻って彼に告白してあんなことに・・・。
もう何も考えられなくて聞くことすら忘れてた。

恥ずかしくなったからハクの籠に抱きつくようにして顔を伏せて、クスクス笑う花沢類の顔を見る事も出来なくなった。



それから暫くして車は都心にある高層マンションに着いた。

比較的新しい綺麗なマンション・・・何階建てなの?って見上げたけど夜だからよく判らない。そこの地下駐車場に車を入れたら花沢類が先に降りて、助手席のドアを開けてくれた。
ハクの籠は彼が持ってくれて、私は手を繋がれて・・・地下だって言うのに凄く綺麗なフロアを歩いてた。


「ここ・・・誰のマンション?」
「俺に決まってるでしょ?最上階は俺の部屋だから」

「最上階・・・えっ!そこって・・・」
「ん?そのフロアが全部俺の部屋って意味。イヤでしょ、他の人と同じフロアって」

「・・・・・・」
「もともと二組入居可能だったのを両方買って壁を繋げただけ。だから玄関も二つあって面白いよ?」


いや、そういう問題じゃないから。
にっこり笑ってエレベーターまで案内されて、やっぱり綺麗な扉の中に入った。


「50・・・ねぇ、なんでこのエレベーターってこれしかボタンがないの?」
「俺専用だから」

「へぇ・・・はっ?!50階?!」
「うん」


専用のエレベーターで最上階に上がると扉が開いたところはもう玄関に繋がるエントランス。小さな庭が作られてて植木もあって、天窓からは月や星が見えていた。
「うわぁ~!!すごーいっ!」って叫びながら首を90度上に向けて歩いていたら、躓いて花沢類の背中に体当たり!
「鼻打ったぁ!」って叫んだら呆れた顔の彼が私を見ながらカードキーでドアを開けてくれた。


「どうぞ、入って」
「・・・お邪魔しまーす・・・」


そこはまるでホテルのエグゼクティブスィートみたいな豪華な部屋。
私のアパートの部屋より広い玄関を通ってリビングに向かうと、床から天井までの全面窓ガラスで綺麗な夜景が広がっていた。

天井にはシャンデリア、床は大理石、壁にも繊細な模様が施されていてブラケットシャンデリアがある。
革張りのソファーに上品なカーテン、フランスの街並みだと思われる大きな油絵まで・・・。


「奥に水回りがあるから。俺にはよく判らないから自分で確認しておいて?」
「・・・はーい」

彼に言われて入ったキッチンも最新モデルで大型の冷蔵庫。食器棚には綺麗なお皿やグラスが並んでいた。
その奥にはバスルームにシャワールームが二つ。乾燥機付きの洗濯機があって、そこの棚に並べられたタオルもホテル仕様の上質でフワフワのもの・・・それにいい香りがする。


「・・・どうかした?なんで変な顔してるの?」

「ううん、凄いなぁって思って。相変わらずだよね」


・・・何処を見てもハイクラスすぎて言葉が出なかった。

まるで別世界・・・私には似合わないこの部屋が花沢類を遠い存在にさせてしまって少しだけ悲しくなった。





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次回、最終話です♥
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2019/04/24 (Wed) 06:26 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんにちは。

そうなんです~💦このお話はここで終了なんです~・・・毎回の応援ありがとうございました。
これからは類君、思いっきりですよ(笑)

テーマパークもですね💦
私が詳しくないので書けば書くほど墓穴を掘りそうなので止めておきます(笑)


あはは!本当にごめんなさいね💦
3人で笑ってしまいました(笑)(あ、花沢城は合作なので頂いたコメントは内容をお知らせしてるんです)

「私達、ダメダメじゃん!」って。お恥ずかしい・・・やぁねぇ、もう!(笑)

こういうコメント頂いたよって連絡はしていますが・・・どうなるかはまだ判りません♡
気長に待って頂けると嬉しいです♡

2019/04/24 (Wed) 10:48 | EDIT | REPLY |   
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2019/04/24 (Wed) 14:55 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

シナモン様、こんばんは!

そんな所では出来ませんッ!キリッ!
不安定すぎて本来の力が出せないと思いますっ!!

ん?・・そう言う意味じゃ無い?(笑)

何となくハイジを思い出してしまった💦


因みにうちのオカメインコ(オス)も旦那の耳をよく噛んでますよ。
私には絶対にしないんですけどね(笑)

インコにも何かがあるんでしょうね・・・ってか、私の肩に止まることが殆どない💦

何故かって?

・・・・・・・・教えません(笑)

2019/04/24 (Wed) 21:14 | EDIT | REPLY |   

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