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パーティが終わって数日後の夜、笹本が実家での用が終わって琥珀を迎えに来た。
丁度俺達が仕事から帰って夕食を食べようかって時で、嫌な予感がしたと思ったら案の定・・・


「笹本さん!一緒に晩ご飯食べましょうよ!それまで琥珀は梅三郎達と遊ばせておけばいいでしょう?ねっ、類」
「・・・・・・笹本、疲れてるんじゃないの?」

「あははっ!飛行機でずっと寝てたし疲れはないんですが」
「あら!じゃあいいじゃない?どうぞどうぞ!1人増えたって問題ないから。ねっ!類」

「・・・・・・どうぞ」


そこ、遠慮するのが普通じゃないの?
一応ここは花沢グループ代表の本宅でお前が話してるのはそこの嫁さんだけど?って思ったが、口に出したらまたつくしから「心が狭い!」って怒られる。
だから何も言わずに笹本を連れてダイニングに向かった。


「きゃああぁーっ!こんなにお土産もらっていいんですかぁ?!」
「うん!口に合うといいんだけどなぁ・・・あっ!これはね『黒ぶた侍』って言う肉まんなんだけど、見て!真っ黒なんだよ?」

「うわっ!ホントだっ!あはは、なんか類に似てない?」
「え?それは返事出来ないけど・・・」

「あんた、黒ぶた侍の奥さんでもいいの?」

「「・・・・・・」」


誰が「黒ぶた侍」なのさっ!
色白だと言われたことはあるけど黒いって言われた事なんてないし。それに侍って総二郎じゃあるまいし!

つくしはそのあとも「唐芋レアケーキ」「芋焼酎」「さつまあげ」を貰って大満足だった。
笹本・・・品物でつくしを釣るの、止めてくれるかな!


「あれ?社長と副社長はご在宅ではないのですか?」

「・・・アメリカに社用で出向いたんだけど、今度は観光に走ったみたいで行方不明。暫く休暇取るからって連絡があったよ」
「お義父様もお義母様もお休みをあまり取らないからね~。たまにはいいんじゃないって事になったらしいですよ?」

「あぁ!お孫さんが生まれたら暫くは旅行も行きにくいですもんね!」

「「・・・・・・」」


だからそれは俺の話であって、父さん達にはあんまり関係ないと思うんだけど。
ただ母さんの買い物とバカンスに父さんが引き摺られてるような気がする・・・まぁ、静かでいいけど。それに宮崎の時は俺が数日間仕事休んだから、その分働けって言われたし。


ダイニングに入ったらもう加代が3人目の食事を整えていて、ここでも笹本は目がテンだった。

「あの・・・これが毎晩の夕食ですか?」

「はい!ここのシェフさん、本当にお上手だから毎日ご飯が楽しみなんです~♡」
「くすっ、いつも加代に怒られてるよね?妊婦だからって本当に2人分食べなくてもいいんですって。あんた、残さないもんね」

「あはは・・・ヤバいよね?そろそろ気にしないと・・・」
「いいんじゃない?もともと痩せてるんだから」

「あぁ、苦労が多そうですもんね」


💢💢・・・笹本、本気で追い出してやろうか!



今日の夕食はイタリアン。
俺とつくしは勿論並んでいたけど、いつも父さんがいる場所に笹本が座ってて不思議な感覚・・・そして、流石キュイジーヌで働いてるから並べられてる料理も真剣に味わっていた。

「本当に美味しいですねぇ~、羨ましいなぁ、毎日がこんな食事だなんて」
「笹本さんは自炊ですか?」

「俺は社食で残ったものをもらってることの方が多いかな?翌日には出せないものもあるから」
「あっ、そうですよねぇ。勿体ないですもんね!」

「ちゃんと社員価格で買うんだよ?」


楽しそうに会話しちゃって。ホント、判ってんのかな?花沢物産次期社長夫人にタメ語?
この後も俺が黙って食べてたら2人はずーーっと話が終わらない。流石にムカついて咳払いしたけどつくしも笹本も気が付かなくて、傍に控えていた加代がクスクス笑っていた。


「あぁ、そう言えば専務、この前出席されたパーティーってエバンスホールディングスでしたよね?」

「・・・そうだけど、何かあった?」

「いえ・・・お孫さんと言う金髪の男性に会いました?」

ここで笹本からエバンスの名前が出ると思わなかった俺とつくしは目を合わせた。
しかもあいつはつくしをエバンスに取り込もうとしたヤツ・・・思い出したくもなかったのに、あのニヤけた顔が頭に浮かんで食事どころじゃなくなった。

「どうして笹本からその名前が出るの?まさか知り合いって事はないよね?」
「そんな訳ないじゃないですか、仕事で出向いたんですよ」

「お仕事で?笹本さん、キュイジーヌとエバンスって何か関係あるんですか?」
「いや、関係というか・・・この度の会社設立で当然エバンスにも社員食堂は出来たんだけど、そこにキュイジーヌが外部に販売してる加工食品が幾つか選ばれてね。それで挨拶に行ったんだよ。まだオープンする前の段階でね」

「・・・それで?」

「あぁ、すみません!実は私がエバンスの食堂関係者と話し合ってる時、そこの貴賓席のようなところに座っていた人達が居たんです。でも難しい話でもしていたのか、若い男性がご年配の方に怒鳴られていましてね・・・最後の方は杖で小突かれたりして」

「うわっ!何処かのお爺様みたい!」
「つくし、そこまでされてたの?!」

笹本からつくしに視線を戻してそう言うと「言い過ぎた!」って舌を出して笑ってる。
驚いた・・・瀧野瀬の爺さん、つくしにそんな事までしてたのかと思った・・・。


「・・・?それで私がその人達を見ていたので教えてくれたんですよ。ご年配の方がエバンスの会長で、金髪の若い方がそのお孫さんだと。でも、どうやらそれは表向きだそうで、本当は息子さんらしいですよ?」

「は?息子・・・でも会長って歳が・・・」

「社内ではもう噂されてるそうですが、日本にいる若い愛人さんのお子さんらしいんですよ。イギリスには奥様もお子様もお孫さんもいるので、その彼はどうやらあまりいい待遇を受けてはいないみたいですね」

「食堂関係者がそこまで話したの?」

「いえ、私達の打ち合わせが終わったあと自販機で珈琲を買っていたんですが、その向こう側にいた連中がそんな事を話しているのが聞こえたんです。『だからあんな無茶をしてるんだよ、道明寺でも失敗したのにさ』って。道明寺ホールディングスは専務、お友達だったと思いまして」

「・・・あぁ、幼馴染みだけど」


あんな無茶・・・その言葉が凄く気になった。

確かに孫と言った方がいいぐらいの歳だろう。そしてあまり世間に出したくない存在として扱われてきたのなら、俺達が知らなくても納得できる。
相応の歳になったからやっと表舞台に出てきた・・・そして父である会長に認められたいから色んな企業に手を出して買収に走り、功績として認められたいって事?

100パーセントの成功じゃないだろうから道明寺の他にも買収に失敗した企業があって、責められている場面を笹本が見た・・・それなら後の会話も意味は判る。
でも、あんな無茶って何だろう・・・確かに司のおばさんを怒らせたのは最大級の無茶だけど。


「笹本さん、このデザートも美味しいですよ?沢山あるから持って帰ります?」
「え!いいの?好きなんだよね、チーズケーキ」

「美味しいですよね~!私も好きです、レモン風味のチーズケーキ♡また作ろうかなぁ~」
「牧野さん、作れるの?」


だからっ!牧野じゃないんだってば!!


「コホン・・・!笹本、聞いたのはそこだけ?」

「え?あぁ、それがですね、駐車場に行った時に今度はその金髪の彼がコソコソ誰かと電話で話していたんです。その内容が『情報がわかったらすぐに電話をしろ。誰にも見付かるなよ、それが終わったらエバンスに引き抜いてやる』・・・みたいな感じでした。
なんかスパイみたいじゃないですか?思わず動けなくてジッとしていたら、彼は私に気が付かずにビルの中に戻って行きましたけどね」

「エバンスに引き抜く、誰にも見付かるな、か・・・確かに胡散臭い台詞だね」


色んな企業の中にスパイを潜り込ませてるのか・・・それとも社員の誰かを「スパイ」にしてるのか?

まさか花沢にも・・・?


**


「本当に遅くまで申し訳ありませんでした。琥珀もお世話になっちゃって」

笹本が琥珀を迎えに行ったのは夜の10時・・・まさかそんな時間までつくしとお喋りするとは思わなかった。

エバンスの話はあれで終わったのに、その後には九州の話で盛り上がっていた。
つくしも宮崎だから何となく言葉が通じるみたいで、終わりの方は通訳が必要なほど方言で話してたから俺にはさっぱり・・・気が付いたら「産後には砂風呂へ行こう!」、で話が纏まっていたのには驚いた。


「それじゃあ、おやすみなさい、笹本さん!琥珀、また来てね~!」
「・・・・・・」

「はい、おやすみなさい。また梅三郎君と遊ばせて下さいね!」


クゥ~ン・・・クゥ~ン


笹本の車が出て行ったあと、俺の足元には梅三郎・・・何故か悲しそうに車を見てる気がした。

「どうした?梅三郎・・・お前には桃太郎と菊次郎がいるじゃん。遊んでもらいな?」
「うふふ・・・琥珀の事が好きなのよ、きっと!」

わんわん!!

「・・・だから早いって!仔犬だろう?梅三郎!」
「あら、梅三郎は豆柴だからこの大きさよ?仔犬だなんて失礼だよね~、梅三郎!」

わんわん!!わんっ!


気のせいかな・・・梅三郎が「男」に見えるんだけど。





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2019/05/06 (Mon) 00:34 | EDIT | REPLY |   
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2019/05/06 (Mon) 06:50 | EDIT | REPLY |   
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2019/05/06 (Mon) 12:06 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

オレンジ*****様 こんにちは。

ご訪問&コメントありがとうございます♡
お久しぶりですね~、お元気ですか?

こちらこそこれからも宜しくお願いします(笑)昭和が遠くなりましたね・・・💦


うふふ!このお話はComedyですので類君はこのままかもしれませんね💦
ってか、私の類君はあんまりクールで格好いい場面がないのですよね・・・。

そう言う類君が好きだけど書けないので(笑)いつもこんな緩い類君になっちゃうけど。

その表現、好きだなぁ(笑)
うんうん、そんな類君ですが宜しくお願い致します!


えっ?!笹本・・・?
う、梅三郎・・・・・?あっはは!活躍してくれるといいけどなぁ(笑)💦

2019/05/06 (Mon) 14:00 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんにちは。

今回の笹本はいい働きしたでしょ?(笑)
でも、この人もかなりキャラが崩れた気もしますけど・・・。

鹿児島弁と宮崎弁・・・実はそういう場面になったことがあるのですが、本当に通訳が欲しいほど判りませんでした(笑)
私の住んでる所もかなり方言はあるんですが、そんなもんじゃなかった・・・。

類君じゃないけど会話に入れませんでした。
1人ずつと話すと普通なんですけどね・・・不思議ですよね。


梅三郎♡もう1度琥珀と会わせてあげたいと思っています。
まだ先ですけどデートさせてみたいですね!(笑)桃ちゃん、菊ちゃん、ごめんね💦

2019/05/06 (Mon) 14:08 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

シナモン様、こんにちは!

あははは!何回目かの伝説ですかね💦
とうとう類君を肉まんにした女(笑)

もう今までに彼をどれだけ苛めたのか、判らなくなりました。

そしてお約束のように検索したのね?(笑)
可愛いでしょ?私的には似てるって思ったのよ💦どうしてかしら・・・


砂風呂はねぇ、入ろうと思ったらダメだったんです。
こう見えて心臓がイマイチ弱いので「止めてください」って言われて入れなかったの。

天然サウナですもんね。

あすさんとやった「夏の思い出」の1話目が砂風呂だったでしょ?
その時にあすさんなら砂風呂R書けるかと思ったけど、やっぱり無理だったみたい(笑)

でもSさんは書けそうでしたよ?(笑)
去年の類総イベントでそんな事書いてたもん。(ラインだけどね)

「やだ、砂が入っちゃった・・・」
「何処に?俺が綺麗にしてあげる」的な(笑)


ホント、みんな変態ですよね・・・。

2019/05/06 (Mon) 14:19 | EDIT | REPLY |   

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