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plumeria

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優紀ちゃんの家に行くという牧野を駅まで送る。
助手席の牧野を見るとさっきのあきらの姿が思い出された。

何故こんなにも気になってしまうのか・・・
あきらの牧野を見る眼が学生の時のまま、本気のような気がしてならなかった。

ガキの頃から一緒にいるあきらの事を俺は誰よりも知っている。
あいつは恋愛に関して適当って言う言葉はない。相手が誰であってもその時の恋には一途なんだ。


牧野の事は信じている・・・こいつに不安を感じているんじゃない。
この不安は間違いなくあきらに・・・だ。


「どうしたの?本当に今日は変だよ?また怖い顔してる・・・私、なにか失敗したかな」

「いや、違うって。なんでもねぇよ。優紀ちゃんによろしくな!もう何ヶ月になるんだ?」

「もうすぐ7ヶ月って言ってた。ふふっ・・・赤ちゃんね、女の子なんだって!名前で旦那さんと喧嘩になるらしいよ?
いいなぁ!そんな悩みって幸せだよね。羨ましいなぁ・・・」
「幸せな悩みか・・・そりゃ、羨ましいな。・・・俺たちもいつかはな!」

そう言うと牧野はちょっと照れたような顔をして窓の外に顔を向けた。


駅に着いてから車を降りようとする牧野の身体を運転席に向けさせてその頬を押さえた。
キョトンとした幼顔の牧野に小さい声で囁く・・・

「さっきの話し・・・ホントだから。いつかお前にもそんな悩みをイヤってほどさせてやるよ」
「え?・・・にし・・・」

俺の名前を言い終わる前に牧野にキスをした。
こいつは俺のものだと・・・誰にも渡せないと繰り返し自分自身に言い聞かせながら。
牧野の手も俺の腕を掴んで少しだけ力が強くなる・・・我慢出来なくなって車の中なのに
背中に回した手で身体のラインを撫でるように滑らせる。

「んっ・・・西門さんったら・・・もう、人が見ちゃうよ・・・」

少しだけ唇が離れたら牧野が真っ赤な顔で睨むように言ってきた。

「別にいいじゃん。見たいヤツには見せてやるよ。・・・ごめんな。乗り遅れたんじゃないか?」
「え!あ、ホントだ・・・もう!西門さんのせいだからね!」

牧野は一瞬焦って、怒ったようにそう言ったが車を降りるときにはもう笑っていた。
そして何度も振り返りながら手を振って駅の中へと消えていった。


「子供の名前で喧嘩・・・か。」

もし牧野が俺といて悩むことがあるのなら、
そんな幸せな悩みであって欲しい・・・そう思いながら車を再び走らせた。


******


自宅に戻って部屋に入ったらそこには綾乃しかいなかった。

「綾乃・・・あきらは?あいつ、帰ったのか?」

「えぇ、何かお仕事のお電話がかかってきて・・・急用が出来たからってお帰りになりましたわ。
総二郎お兄様にそれを伝えてくれって言われて待っていましたの」

「そうか・・・あいつも美作ではもう役職だからな。忙しいんだろうな」

綾乃は何故か俺の部屋を出ようとはしない。当たり前のようにそこに座っている。
例え綾乃でも俺の部屋に牧野以外の女が入っているのが気に入らなかった。

「綾乃・・・悪いけどもう出て行ってくれないか。俺の部屋には勝手に入るなよ。何を言われるかわかんねぇからな」

「お話しがあったから残っていましたのよ?おば様が牧野さんのことを気にしているようですから
お二人がお近づきになるチャンスをつくってみたらどうかしらって思ってましたの」

「別にそんな必要はねぇよ。お袋の機嫌をわざわざ取らなくても・・・牧野の良さは
俺が一番わかってんだからそれでいいんだ。余計なことはしないでくれ」

「そうかしら?男の方とは違って女は大変ですのよ?・・・初めが肝心ですもの」

綾乃は牧野とお袋を引き合わせたいようだが、俺自身そんな事はどうでも良かった。
牧野が決心してくれて俺の仕事を・・・西門を支えようと考えてくれるようになったらでいいと思っていたから。

時間を急かしたくはない。それほどまでに厳しい世界だから牧野にその時間を取ってやりたかった。


「総二郎お兄様は牧野さんを西門へお迎えになりたいの?それとも・・・」

「綾乃に関係ないだろう!言っとくがあいつの事は本気だ。今までの女とは違うし将来も考えてる女だ。
お前、うちの親に変な話しを持ちかけて邪魔すんじゃねぇぞ!牧野は普通の家の女だからこんな家には
ゆっくり慣れさせないといけないんだよ。わかったな!」

「はいはい!わかりましたわ。応援していますから!」

そう言って綾乃は客間に戻っていった。

昔から俺にばかりくっついてくる・・・面倒くさいヤツだがお袋のお気に入りだからうるさく言うともっと面倒になる。
綾乃と出会ったことで何だか自分の周りが妙な方向に動いているような気がしてならなかった。


*********
sideあきら

総二郎が帰って来る前に西門を出た・・・綾乃が言ったことが本当なら総二郎の顔を見ることが出来なかった。
総二郎が、本気でもないのに牧野とつきあい始めただなんて信じられない。
いや、そんな事は有り得ないだろう。相手が牧野なんだから・・・。

いくらあれだけ女と遊んでいたあいつでも、牧野には遊び半分で手を出すはずがない。
牧野が俺たちの中ではどんな存在だったか・・・答えなんて考えなくても出るじゃないか。


確かにさっきの俺が取った行動は総二郎に見せたかったんだ。今でも俺も牧野を想ってるんだってことを・・・
総二郎から奪い取ろうなんて事は考えなかったが、やっぱり牧野に触れるとそのまま抱き締めたくなったから
まだ俺も吹っ切れてないんだろうな・・・。


西門に入るなら、家元達だけじゃなくて多くの人間に認めてもらえた女じゃないと無理だ。
それは綾乃の言うとおりで、総二郎も承知しているはずだ。

牧野ではハードルが高すぎる・・・全く受け入れられないだろう。

だから、余計気になったんだ。なんで今更総二郎が牧野に想いを伝えたのか。
先のない恋なのはわかりきっていたはずだ・・・。


お前が綾乃に話したという内容・・・もしこれが本当だったら俺はお前を許せない。
総二郎・・・どういうつもりなんだ?それとも、事実は違うと言うことか?


牧野に再会して総二郎と2人でいるところを見るようになってからだ。

再び火がついてしまった牧野への気持ちがそうさせるのか。
昔の笑顔ばかりが思い出されれて苦しくなってくる・・・

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Comments 2

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2017/05/17 (Wed) 12:52 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

わんこ様、今晩は!

これがですね・・・。
お話しをややこしくしちゃって、私が混乱したんですよね。
どんな順番で書いたら伝わる?って感じで。

あきら悪者?( ̄∇ ̄)
私はあきら君、好きですよ?

あきつく書いてみたいってくらい好きですけど、
どうしてもこんなポジションになってしまいます。
ごめんね、あきら・・・。

このお話でもこんな事になってしまって・・・。
って思いながら、あきら君を書いてます。

あっ!これは総二郎のお話なんで、もちろん総二郎は
頑張っております!

plumeria、ハピエンですもの!

今日もありがとうございました。


2017/05/17 (Wed) 20:25 | EDIT | REPLY |   

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