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最終話




バタンッ!!

「家に戻ってっ!!」
「ご自宅…ですか?」
「いいからっ!速くっ」
「は、はいっ」


隣に乗り込んで来た解のおでこには、絆創膏が貼られていて、ちょっと笑えた。
司に命じられたとは言え、ご苦労な事だよね?

「あんたさ、そのおでこ冷やした方が良くない?」
「あ、ありがとうございます。石頭なんで大丈夫です」
「そっ?」


何だって、ぐるぐると時間がかかるコースを………
家から司のとこでしょ?あきら、大河原、
総二郎…移動するだけで、ざっと二時間半。


**

通常の類ならば、これだけの面子の邸をたらい回しにされたら、いくら何でも何かしら気が付く筈だが、如何せん『愛しの牧野』のゲリラ拉致 & 連れ回し(類は、そう思っている)
しかも、頭の中は二人で迎える初めての「俺」の誕生日でお花畑だった、これっぽっちも気が付いて無い。

**


うげっ!

もう、お昼過ぎてんじゃんっ!!
あっ!自宅に連絡して、彼女を確保して貰えばいいんじゃん♪


『……あ、磯貝?』
『まぁ、類様……今、どちらに?』
『んーーー司の邸からあきらの…ってそれは長くなるからいいや、牧野は?牧野は居る?』
『えぇ、いらっしゃいますよ……ちょ…』
『直ぐ帰るっ!』

ブチッ!!


『………いらっしゃいますよ、丁度出来上がりそうです』
磯貝が発した言葉など聞く筈も無く、類はスマホを切った。


その後、運転手を急かすが土曜日のお昼だ、
程よい渋滞に嵌まり、イライラ。
既に、一時を回ろうとしてしている。

自宅付近に入り、渋滞こそ無いが亀の歩み

「急いでっ!」
「類様、ここは住宅街です。これ以上は無理で御座います」
「…💢💢」

自宅前に着いても、イライラ。
……自動開閉の門が開くまでが、また長い…
何でこんなに、ゆっくりにしか開かないんだよっ!!
やっとの事でエントランスに滑り込んだ車が、止まり切る前に飛び出した。

頭の中は、マキノ マキノ マキノ……

ガチャ!!


「牧野っ!!…えっ?」


…………何、これ……

何時もの殺風景過ぎるリビングがパーティー会場になってる…
何時もは退屈そうにしているシェフも、
ニコニコ顔で出迎えてくれた。


「よう♪お帰り類くん」
「流石に速いな、もう少し掛かると思ったんだかな」

「滋ちゃん、頑張ったんだよぉ~」
「もうっ、滋さんが頑張ったのは飾り付けだけですわ」

「信玄餅は如何でした?」
「とっても美味しかったです♪」
「まぁ、それは良かった」

状況が飲み込めず、解と女狐との会話にも気が付かず、牧野は?と口を開きかけた時


コンコン


ノックされた扉から姿を現したのは磯貝。
その後ろから、今日 朝から探し求めた牧野が、真っ赤な苺が沢山乗ったデコレーションケーキを乗せたワゴンを押して出て来た。


「牧野っ!」
「花沢 類 お帰りなさい♪」

「えっ?もしかして、ずっとここに居た?」
「…ぁ……うん、ミニキッチンに籠って…」

「はぁ?」
「ぁ、ぁ、ぁのね…磯貝さんが、キッチンを使って良いよって言ってくれて…」
「花沢 類は、お昼過ぎまで留守だからっ…て…」

「類様、お疲れ様で御座います」
「……………………」


あいつ等に視線を走らせれば、全員ニヤニヤ。
磯貝は、満面の笑み。
大成 解に至っては、磯貝の孫と聞かされ、
二度驚いた。


……ヤられた…


皆、グルだった訳だ…。
すっかり振り回されてしまったけど、ここで牧野に「お帰りなさい♪」って言われたのは、少し将来(さき)の事を想像するに十分で口元が緩む。


「………牧野…が…?これ…を…?」
「…どうしても、手作りしたかったの」

「……味も形も…自信ないけど…おめでとう 花沢 類」
「……ありがとう……」


つくしの手を取り、引き寄せようとしたら割り込んで来た、総二郎とあきら。
いつの間にか、ロウソクに火が点っていた。


「お二人さん、イチャイチャは後にしてくれ」
「そうですわ、先輩の手作りケーキでお祝いが先です」
「そうだぞ、さっロウソクをふぅーーっと」

「「さあ、さあ」」


誰の顔も「早く、ロウソクをっ♪」とワクワク顔だ、大河原とあきらと総二郎の手にはクラッカー。


ユラユラと揺れる21本のロウソクの灯りが、幸せの色に見える。
牧野が俺の為だけに作ってくれた事が、何よりも嬉しい。
皆の協力も牧野の為と言いつつ、半分以上俺で遊んでたよね?

でも、そんな事気にならない。
揺れる灯りがボヤけてくる……気がする、
それくらい嬉しい。

一つ深呼吸して、大きく息を吸い込んだ。

少しだけ、ロウソクに顔を近づけてそれを消そうとした時、両脇の二人が一呼吸先に…


ふぅーーーーー


「はあっ?!!」

「「おめでとう、類くん♪」」


パンパンッ!
パンパァーーーーンッ!




「💢💢だからっ!俺の誕生日だよねっ!!」





おしまい♪………?


↓おまけつきです♪
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Comments 2

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キャロット  

空色様☆お話ありがとうございました。
つくしちゃんのケーキのプレゼント
無事に渡せてよかったですね。
類くんの「ヤラレタ」と脱力する感じ
意外に好物であります❤今回も可愛かった♪
プレミアム信玄餅も秋色桜餅も、
つくしちゃんのケーキには敵いませんよね。
苺一粒一粒にも類くんへの愛情がたっぷりつまってますからねぇ。
遊びながらも自分を祝ってくれる親友たち
クールな類くんが、じんわり感動してましたね。
そうそう!
ケーキの炎がユラフワ揺れてる画面!
凄く素敵でした♡
今このお話を読んでる瞬間、
「類くんが今、このケーキの前にいるんだ・・・」
みたいに、リアルな感じが伝わってきてよかったです♡
妄想の激しい女ですいません。
ところで今回のタイトルって、
フランス語で「誕生日ケーキ」って意味だったんですね。
え?今頃言うなって?(笑)
すいません、いつも後から気づく女なんです。
つくしちゃんの愛情がいっぱい込められた
誕生ケーキに、胸がいっぱいの類くん。
いよいよ類くんが、ろうそくの火を吹き消す時になり
読者も息を止めてこの瞬間を待っていたら、
!!!(゚Д゚;)
「はあっ!!!?」
読者、類に続いて固まる・・・の巻。
ぷっ(笑)
完全にヤラレました・・・
総ちゃんとあきらにでなく
進化したモンスター空チュウに!!!(笑)
でもね・・・
最後の小話
意外にも感動しました。
磯貝さんが、リビングからキッチンに続く窓から見える桜を
眺めながら心の中で呟くシーンに・・・じーん(涙)
みんなにたくさん愛されてますねぇ・・・
類くん!お誕生日おめでとう❤
楽しくて可愛いお話♡
ありがとうございました❤

2019/03/30 (Sat) 13:04 | EDIT | REPLY |   
空色  
ありがとうございます(*^.^*)

キャロットさま
ありがとうございます(*´∀`)♪
愛しの牧野から心尽くしの手作りケーキを貰い……(司と摘んだイチゴが沢山のってるけど、朝から親友の屋敷をたらい回しにされたけど…)
「おかえりなさい」と言って貰い、
「ロウソク、ふぅ~♪」が出来れば、
めでたし めでたし♪
……いや、進化した空チュウは、そんなに優しくありません、キリッ!
(アミダでアンカーになった腹いせとも言う……(^_^ゞあはは)
おそらく…読者の皆さんだけで無く、メンバーをも固まらせたのでは無いかと思いますm(__)m
拍手オマケに感動されたとの事。
……実は、本編より先に出来たお話しでした(*^.^*)
この後は、甘~い💓お話しが続きますので、お楽しみに(^_^)v
ありがとうございました🍀

2019/03/31 (Sun) 00:44 | EDIT | REPLY |   

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