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「ちょっと、つくしー!!あんたが病気なの?」
「・・・・・・ただの寝不足よ」

次の日、昼まで起き上がる事が出来なくて、午後の講義から受ける羽目になった。
マジ、このまま行けば特待保持できなくて学費発生・・・その時は総二郎に出させようと本気で考えるようになってきた。


「ごめんねぇ、そんな体調なのに付き合わせて。講義終了したら図書館の前で香坂君と待ち合わせてるから!」
「ん、判った」

「じゃあ、後でねぇ!」
「・・・はーい」

眠い・・・歩きながら眠る方法、花沢類に教えてもらえば良かった。



半分寝たような頭で午後の講義を受けて、全部終了した頃に頭がすっきりしてきた。
だから比較的元気になって図書館に向かい、陽子が来る前に自動販売機でカフェオレなんて買って待っていた。

待ち合わせの時間まであと5分・・・陽子の姿が見えないなぁって、あの子が来るはずの廊下を覗き込んでいたら、その反対側の後ろから声を掛けられた。


「あの・・・牧野先輩っすよね?」
「はい?・・・あっ、もしかして香坂君?」

「はい、香坂っす・・・」

「・・・・・・」


香坂君は私の2つ下らしい。
総二郎より背が高くて痩せてて、多分イケメンの部類に入ると思われる可愛い顔立ち・・・それなのにワイルドな格好して実にアンマッチ。だけど何処か憎めない・・・なんか守ってあげなきゃ、って思わせる子だわね。
野ウサギってこんなイメージなんでしょうね。背の高さを除いたら・・・。

あまりに可愛らしい顔してるから、ついジーッと見てしまったら「止めてくださいよ、そんなに見るの・・・」って赤くなってボソッと言われた。

やだっ!!なんかこんなの新鮮っ!母性本能擽るってこんな感じを言うのかしらっ♡
「ごめんね」って言う自分の声も上擦っちゃう。

ヤバい・・・今の私、絶対にニヤけて赤い顔してるわ!しかも年下・・・初めてじゃない?年下と2人で居るのなんて!


「あの、牧野先輩・・・陽子さんからメール来たっすよ」
「えっ?なんて?」

「・・・・・・最近受けてない講義の教授に捕まって説教されてるらしいっす。それで明日までのレポート提出になったんで今日は2人で見舞いに行ってくれって・・・」
「・・・はっ?私と香坂君で?」

「みたいっす・・・牧野先輩のスマホにも来てないっすか?」
「私の?あぁっ!!また電池切れしてるっ!!」


そうよ、総二郎がドクター・ジャガーに変身したから充電するのも忘れたわっ!


「それなら1人で行きなさいよ」って香坂君に言ったら、無言になってしまった。
判ったとも付いてきてくれとも言わない・・・捨てられた猫みたいな瞳で私を見つめるから「行けばいいんでしょ・・・」、そう言うしかなかった。

そうしたら急にニコッと笑って「ありがとう・・・」って言われて、不覚にも私の心臓は大きく高鳴った!!
その笑顔は超可愛いっ!!好きとかそんなんじゃなくて、こんな弟なら欲しい!って感じ?

「じ、じゃあ行きましょうか!えっと・・・バス?」
「俺、実は車持ってるんすよ・・・乗ります?」

「・・・いや、一緒に行くのに私がバスであんただけが車ってのもおかしいでしょ?」
「そうっすよね・・・じゃあ駐車場に行きます?」

「・・・・・・」


うーん・・・さっきは可愛いって思ってキュンキュンしたけど、このテンションにはついていけないかも?
毎日が稲妻のような総二郎と一緒だから、鈍行各駅停車みたいなスピードだと物足りなくなったのかしら・・・。


**


陽子の彼氏が入院しているのは△△総合病院。
昨日総二郎に○○総合病院って言ったけど本当は違う。

だって迂闊に喋ったら来るかもしれないんだもん・・・レストランにもバイト先にも大学にも合宿にも現れたし。
私だって学習するのよ!素直に教えるからいけないんだって!

こういう時は嘘ついた方が楽ちん!
どうせ何も起こらないし、お見舞いしたら帰るんだし、患者や見舞客の多い総合病院なら流石の総二郎でも私を見付けることなんて出来ないだろうし。

香坂君の車に乗って先ずはお見舞いを買いに行った。
怪我だから食事制限なんてないって事で無難にお菓子と大量の飲み物。私がそれを抱えていたら「飲み物、重たいから俺が持ちます・・・」なんて、無愛想だけど真っ赤な顔で言ってくれて、私は軽いお菓子だけ持った。

くすっ、やっぱり可愛いなぁ。本当に照れ屋さんなんだ?


「怪我だから外科だよね?えーと・・・西病棟5階だって。こっちだよ!」
「・・・あ、はい」

「いつもそんな感じなの?香坂くんって」
「・・・いや、そんな事ないっす」

「そうなの?今2年でしょ?何学部なの?」
「・・・文学部っす」

「あぁ!文学部?って事は・・・そ・・・西門さんと同じだったんだ?でもあの人が4年の時の1年かぁ!じゃあ接点はないわね?」
「・・・西門先輩は知ってる。有名だから」

「あはは!だよねっ!」
「・・・・・・あの人達を知らない人はいないっすよ」


そんな雑談をしながら西病棟5階に行って、ナースステーションで彼氏の名前を出すと病室を教えてくれた。でも生憎とリハビリ中だって言われてベッドはカラ・・・。
「どうしようか?」って話し掛けたけどお約束のように困った顔して無言・・・。
また捨てられた猫になってしまったから、仕方なく談話室で待つことにした。


「ちょっと!あんな研修医居た?ねぇっ!」
「初めて見た!何科の研修医?うちじゃないよね?」
「うそぉっ!きょう出勤で良かったぁ!」

通りすがりの看護師達がそんな事を言いながら凄く嬉しそうにナースステーションに戻って行く・・・どうやら格好いい研修医がいるらしい。
医者ってだけでハードル高いのに、それに加えてイケメン?そりゃ彼女たちは夢中になるよね?!

お付き合いできたら超ラッキー!自慢の彼氏様だよね!!
うんうん、って頷いていたら談話室の向こうにチラッと見えた白衣・・・その歩き方にドキッとした。


・・・・・・今の歩き方、似てない?いや、違う病院教えたし、まさかだよね?



気を取り直して談話室で香坂君と並んで座り、彼氏のリハビリ終了を待っていた。

「・・・ホント、病院って苦手っす・・・この匂い、ダメなんですよ」
「病院が得意な人っていないって!私も好きじゃないよ~」

「医者が身体触るでしょ・・・あれにもゾクッとする・・・」
「判る判る!ゾクゾクするよね。しかもゆっくり動かされるとさ、焦れったいようなむず痒いような・・・でも急がれると冷めちゃうって言うかね~」

「たまに強く押すの・・・あれ、痛いですよね」
「押すだけならいいよぉ!グリグリ揉まれたり摘ままれたりしてみなさいよ、それも左右同時とかマジ拷問だよね~」

「・・・マッサージっすか?」
「マッサージの域を超えてるけどね!」


あら?香坂君が黙った・・・その眉間の深い縦皺はなに?


「・・・・・・聴診器も嫌いっすね。冷たいし・・・心臓に悪い・・・」
「そうそう!ヌルッとしてるしザラッとしてるし、あの吸い付かれてる感じ?やめてーっ!って思うよね。もう心臓ドッキドキだよ!」

「ヌルッとしてるっけ・・・?金属っすよ?」
「うん、金属みたいに固くなってるの!あんなの挿れられたら痛いって!もうねぇ・・・人の身体とは思えないよね、あれは」

「入れる・・・それ、聴診器じゃなくて注射のこと?」
「うん、注射のこと。何だと思ったの?」


あれ?香坂君、なんでまたそんな顔してるの?
私、ずっと医療行為の話してたよね?


その時、談話室の窓の向こうを黒髪の男が歩いた。
えっ?!その揺れるサラサラ前髪・・・なんか見覚えあるような?



「牧野先輩、やっぱ面白いっすね・・・噂通りだ」
「は?噂通り?やぁねぇ、どんな噂してんのよ!」

「・・・一緒に居ると楽しいって、花沢先輩が言ってたから・・・」
「・・・はっ?花沢類が?」

「・・・うん、俺、クラリネットやってるんで花沢先輩とたまに音楽室で語り合ってて・・・」
「はぁ?!香坂君、そんなものやってるの?!」


見た感じはハードロックなのにクラリネット吹けるの?
そして花沢類の音楽仲間?!!ひえぇ~~~~~~っ!!!


香坂君と花沢類の会話って成り立つのかしら・・・そこだけ時間が3倍ぐらい遅いんじゃないの?


「・・・花沢先輩が牧野先輩の事好きだって言ったから、俺・・・会ってみたかったんすよね・・・あなたに」
「はっ?!私に会いたかったの?」


「・・・うん、俺・・・先輩の事、好きだから」

「・・・・・・・・・」



うそーーっ!!
もしかして人生最大のモテ期ーーっ?!!





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あれ?また総ちゃんが居ない💦
次回の更新、少しお待ち下さいね💦
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Comments 12

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2019/05/17 (Fri) 12:24 | EDIT | REPLY |   
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2019/05/17 (Fri) 12:28 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんにちは!

え?お願いしたい?そうですか・・・。


「パールさん、1番の診察室にお入り下さーい」

「はーい」


「・・・君がパール?そこに座って?」
「はっ、はい!!(なに?この先生、格好いいっ!!)」

「今日はどうしたんだ?」
「あっ、あのっ!胸がドキドキして、身体も熱くて、その・・・なんだかウズウズして・・・」

「そっか・・・そりゃ恋だな」
「ええっ!!だ、誰に?!」

「判んねぇの?目の前の男だろ?」
「・・・せ、先生?」

「じゃ、診察始めようか・・・ボタン、全部外さなきゃな」
「・・・先生に・・・お願いしてもいいですか?」

「あぁ、じゃ・・・そこに横になりな」
「や、優しくして下さい・・・」



この先が必要でしょうか?(笑)

2019/05/17 (Fri) 14:22 | EDIT | REPLY |   
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2019/05/17 (Fri) 14:24 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんにちは!!

まず先に・・・鋭いっ!!(笑)
そこは次回で判りますので待っててくださいね♡

研修医・・・何処で何を研修するのか判りませんが、医療機関内ではお静かに願いたいものです。
10年経っても騙せそうにないですね(笑)

毎年誰かが入院している我が家・・・今年は誰も入院しませんように・・・。

2019/05/17 (Fri) 14:26 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんにちは!

あはははははは!ピンポーン!!


そして茶摘み(笑)それもお楽しみが有るかも?!

2019/05/17 (Fri) 14:29 | EDIT | REPLY |   
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2019/05/17 (Fri) 14:31 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、これで最後ですよ?(笑)


診察の続き・・・

「パール、ブラ、邪魔だから外すぞ?」
「あ、明るい・・・」

「そりゃ仕方ねぇな。いいじゃん、医者はその方が調べやすいし・・・な?」
「は・・・はい」

パラリとベージュのブラが診察室の床に落ちる。


「じゃ、まずは心臓の音からな・・・楽にしとけ」
「ひゃああっー!先生、そ、それ!」

パールの胸の先をドクター・ジャガーは優しく口に含んだ。

「ん?俺の舌で確かめるんだけど?これ、俺のやり方ね」
「心臓に悪いですっ!!」

「そっか?気にすんな。ん・・・少し早いけど問題ねぇな。一応触診もな・・・」
「えっ!やだっ・・・」

「少し痛いかもしれねぇけど我慢しろ」
「ああっ・・・はぁっ、センセ・・・」

「・・・いい形だな、パール」
「は、恥ずかしいっ・・・」

このあともジャガーの舌による肌の検査、耳の検査、口内検査が続いて、最後に残された注射に入った。


「パール、こいつはな・・・注射針挿れる場所が・・・」
「ど、何処なの?先生・・・」

「・・・先ずは股関節の可動域からだ」
「きゃああぁーっ!だめぇっ!」

「よし、問題ねぇな。このぐらい開けば注射も楽だ」
「・・・・・・先生、怖いっ!」


「怖がるな・・・初めてでもないだろう?パール」
「・・・・・・・・今日は初めてだから」


「じゃ、行くぞ!!」

「センセーっ!!それ本物の注射じゃーーーんっ!!」




はい、おしまい♡

2019/05/17 (Fri) 21:55 | EDIT | REPLY |   
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2019/05/18 (Sat) 00:14 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんにちは♡

あっ!ドクタージャガーからの伝言です!

『パール
次回の診察時間はお前のスマホに送っとく。
誰にもバラすんじゃねぇぞ?極秘だからな・・・しかも診療時間外だ。体調整えとけよ』



じゃ、お大事に~(笑)

2019/05/18 (Sat) 11:08 | EDIT | REPLY |   
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2019/05/18 (Sat) 11:36 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんにちは。

全身磨き上げてお待ち下さいね♡
極太のビタミン剤のお注射・・・楽しみですねっ!!

2019/05/18 (Sat) 13:32 | EDIT | REPLY |   

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