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plumeria

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<side仁美>

あきらさんの寝息を聞きながら、昼間の話を思い出していた。
つくしさんと一晩過ごしたこと・・・それを聞いた後に言われた彼の恐ろしい計画。


**


「止めてって言ってるでしょう!!」

「あんたさ・・・美作さんがどうして牧野つくしの子供を引き取ったか知ってんの?」
「それはつくしさんが・・・彼女が育てられないから仕方なかったのよ。あなた・・・何が言いたいの?」


この人は何処まで調べているんだろう・・・それが判らないから迂闊な事は言えなかったけど、本当言えば私も総てを知ってる訳じゃない。
私が知ったのは既に紫音たちが産まれてて、つくしさんの精神状態が悪いから一緒に暮らせないって話だった。私はその途中を自分の目では見ていない。
どのぐらい彼女の様子がおかしかったのか、それはお義母様とあきらさんの言葉でしか知らない。

でも美作が守っていたんだもの・・・この人にも知る事は出来ないはずだけど。



「美作さんはね・・・牧野つくしの子供だから自分の手元に置きたかったんだよ」

「・・・そんな事は初めから聞いてるわ。施設には入れたくないって・・・私には全部話してくれてるわ」
「それ、友達の範囲を超えてると思わなかった?しかも男と女だよ?」

「でもあの子達の実の父親をつくしさんは愛してるわ。それにその人はあきらさんの友人ですもの、彼は裏切らないわ」
「でも認めてもらえない・・・だから彼女は佐賀に逃げたんだよ?可哀想だけど結ばれない2人だろ?」

「・・・そんな事、私には判らないわよ」


確かにつくしさんの子供だし、西門家の血を引いてるからそれなりの環境で育てたいって言われた。もしかしたら2人が出会ったあとで大きな変化があったら西門に戻すかもしれない・・・そう言ってた。
それでも私に協力して欲しいって・・・母親になってくれないかって真面目に話しあったわ。

それは私が子供を産めないからって事じゃない・・・自分たちの子供を望むならちゃんと考えるって言ってくれたもの!


「美作さん、あの子達の中に牧野つくしの姿を見てるんだよ」
「・・・そんな事ないわ」

「これからもっと似てくるよね・・・そうなったら別の感情が湧くんじゃないかな」
「何よ、別な感情って」

「女の子・・・可愛かったよね?」
「変な想像しないで!あの子は娘です!」

「そう・・・牧野つくしが手に入らなかったらその子を欲しがるかもしれないよね?」
「止めて!!あきらさんはそんな人じゃないわ!」


あきらさんが花音の事を女性として見る・・・そんな風に話したこの人が許せない。

心臓が痛い・・・イライラしてドキドキして身体中から汗が流れてる気がする。
こんな話を聞くためにこんな格好してホテルからコソコソ出るようなマネをして、紫音と花音、屋敷の人間にも嘘をついたの?それならもう用は無い・・・はやく子供達にケーキを買って帰らなきゃ。

ここに来た自分が馬鹿だったんだと、吉本に背を向けた。


「馬鹿馬鹿し過ぎて話にならないわ。どうぞ子供の事を言い触らしたかったら言えばいいわ。どうせそのうち公表するんだから」

「話すとしたら旦那さんが他の女の部屋に泊まったって事の方でしょ?」
「・・・そんなの証拠がないわよ」

「証拠なんて噂を流せば記者の方が探してくれるよ。美作さん、人気が有るもんね・・・週刊誌は飛び付くんじゃないかな?そうしたら相手もバレて牧野つくしは晒し者になって、そうなった原因を美作さんは必死になって探す・・・まさか自分の奥さんが絡んでるとは思わないだろうからショックだろうね」

「・・・卑怯な人ね!」

「そしてその人が産んだ子供を引き取った・・・もしかしたら本当の父親は美作さんだったりして」
「そんな訳ないでしょう!!あきらさんは佐賀で会うまで知らなかったのよ?」

「よく考えてみたら?美作商事の本部長が佐賀にまで出向く?あの時も不思議だったんだよね・・・あんなに偉い人がこんな田舎に来るなんてってね。本当はさ・・・佐賀に置いたのも美作さんじゃないの?」

「いい加減にして!!」


立て続けに訳の判らないことを言う吉本に大声を張り上げ、そこら辺にあったクッションを投げ付けた!
この人の言う事は全部嘘だ・・・あきらさんは私の事を愛してくれてるんだから!過去なんて引きずっていない・・・私と未来を見てるんだから!!


「・・・いい加減にするのは奥さんじゃないの?」
「何ですって?」

「まだ認めないの?本当は判ってるんでしょう?このままだとさ・・・邪魔のはあんただよ、奥さん」


「・・・・・・邪魔なのは・・・私?」


「そう。あの子達が居る限り美作さんは牧野つくしを追い求める。そして彼女が自分の物にならなかったら子供に手を出す・・・あんたは何年も先に歳取ってから美作さんに捨てられるんだ。可哀想だよね」

「・・・・・・私を捨てる?」


頭の中にあきらさんが花音を抱き締めてる姿が浮かんだ。
その花音はもう大人・・・大きくなった花音を嬉しそうにあきらさんが抱き締めてる光景・・・。

そして振り返った花音は・・・つくしさんにそっくりだった。


「戸籍上は娘にしてるクセに女性として愛しちゃうんだよ?それがもし世間にバレたらどうなるんだろうね・・・美作商事も危なくなるんじゃない?」
「・・・・・・そんな目で見てないわよ!」

「そうかな・・・逆もあったりしてね」
「逆?どういう事?」

「あの子の方が父親・・・美作さんに恋するかもしれないよ?それだけの容姿だからね・・・もしそうなったら美作さん、歯止めが聞かなくなるかもね・・・」
「花音が?そんな馬鹿な話を思い付かないで!」

「もし牧野つくしが現れたら本能的にそっちが母親だって判ったりして」

「そんなはずないわ!今までだってそんな素振りは見せなかったもの!」


「・・・え?彼女・・・美作に来てるのか?」


言葉に出すまいと思っていたのにつくしさんが美作に来ていることを喋ってしまった!
慌てて口を塞いだけどもう遅い・・・吉本の目付きが変わった。

そして私に最後の話をした・・・。


「そうか・・・なんだ、それなら丁度いい。俺の計画に乗ってもらおうか」

「あ・・・あなたの計画?」

「そう。その方が旦那もあんたの所に帰ってくるし、実の子供を産んで本当の親子になればいいんだよ。今のあんたは旦那が愛してる他の女の子供を育ててるんだ・・・そんな辛い思いはしなくていいんだよ。
このままだと娘に旦那を取られるか、あんたを追い出して牧野つくしを迎えるかだよ?きっと美作さんは都合のいい時期を考えてるんだよ。頭の中にはあんたの姿はない・・・牧野つくしの事でいっぱいなんだ」

「・・・・・・」


「だからさ・・・双子を手放せばいいんだよ」




*********************




『ちゅくちちゃん!ねぇねぇ、おなか空いた!』
『えぇ?もうお腹空いたの?さっきおやつ食べたのに?』

『ちゅくちちゃんのご飯、おいしいもん!まいにち食べたぁい!』
『本当?嬉しいなぁ!』



あぁ・・・双子の夢見てるんだ?夢の中で2人にご飯作ってる・・・何処だろう、狭くて薄暗い部屋だなぁ・・・。
あれは追い出される前のアパート・・・?そこに双子が来てるんだ・・・。

幸せな夢を壊したくなくて起きないまま・・・


『つくしちゃんってさ・・・私に似てるよね?』
『え?花音ちゃん・・・いつの間にそんなに大きくなったの?』

『俺達もう高校生だけど?つくしちゃん・・・本当はさ、俺達つくしちゃんの子供なの?』
『紫音君・・・どうしてそんな事言うの?』

『だってさ、私達、パパにもママにも似てないってみんなに言われてるの』
『似てるのは茶道家のあの人だって・・・』



ガバッ!と布団を跳ね飛ばして起き上がった!
すごい汗・・・どうしてこんな夢見たのかしら。


少し前の幸せな夢で起きれば良かった。
双子が高校生・・・・・・夢の中の2人は総にそっくりだった。





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