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「総二郎!この辺りだ!つくしがこの辺りに居る!」

「マジで?」
「これが落ちてたから!」

総二郎にも金平糖の袋を見せたら「もう少しいいもの食わせてやれよ・・・」って言われたけど、今はそれどころじゃない!
菊次郎が袋を拾った道の奥を見たら、そこには木々に囲まれた大きな屋敷があった。

桃太郎もその奥を見て唸り声をあげ、菊次郎も忙しなく動き始める・・・この奥にアルフレッドとつくしが居ると確信した。


「総二郎、行くよ」
「だからなんで俺まで行くんだよ~!ここで待ってちゃダメか?」

「まだそんな事言う訳?いいから来いって!コンビニとガソリンスタンドで聞いただろ?ここには監視の連中がいるんだから!」
「俺、暑いと動けねぇんだよな・・・」

「エアコンのない茶室で仕事してるくせに!」
「おっ!最近壁埋め込みで、客に気が付かれねぇようなエアコン付けたんだぜ?今度見に来いよ!」


口ではそんな事を言ってるけど俺達の目は鋭くなっていた。
南国特有の植物で覆われた屋敷の門が見えてきた時、状況が判るのか桃太郎は吠える事なく近くの草むらに鼻を突っ込んだ。
またそこでも金平糖の袋を見付け、俺の所に持って来た。


「つくしちゃん、そんなに好きなのか?金平糖・・・」
「もうおやつ食べちゃダメって言うのに止められないからだよ。1日1袋を楽しみにしてて、鞄に常時入れてたんだ」

「なんか泣けるな、その話。可哀想に・・・いいじゃん、産んだ後頑張れば」
「勿論頑張るよ!」

「お前じゃねぇよ、つくしちゃんだろ?」
「・・・今は無駄話止めないか?総二郎」


その袋が落ちている場所に立って見上げたら、この屋敷の2階の部屋が見える・・・薄いレースのカーテンが掛かってるから中は見えないが、この角度だとその部屋からしか投げられないのか?
それとも車でこの門を通った時に窓から投げ捨てたのか・・・。


そしてこの門には日本の「表札」のようなものはない・・・ここがエバンスホールディングス所有の建物だと言う証拠は何処にもなかった。

でも間違ってはいない。
今、つくしと凄く近い距離に居る自信が俺にはあった。


「どうする?」
「・・・どのぐらいの人間が居るのかが問題だな」

「停まってる車が2台しかない・・・それならそこまで多くないんじゃない?」
「正面から花沢だって名乗って行く気かよ」

「・・・・・・少し、人数を減らそうか」
「・・・だな」


俺が門柱の陰に隠れて総二郎がインターホンの前に立った。
白い桃太郎は隠しようがないから総二郎の傍に、菊次郎は目立たないから俺の後ろ側、植木が生い茂ってる所に待機させた。
総二郎の指がインターホンを押すと「can i help you for something?」と、英語で返事が来た。


『ここに来るように言われたんだけど、門を開けてくれる?』
『・・・どなたですか?』

『日本から来たソウタ・ニシカワ。ここの住所教えられたんだけど』



・・・なんて言って呼び出すのかと思ったら!!

また昨日の事を思い出して気分が悪くなったけど、総二郎は平然と中の人間と会話を続けていた。そして最終的には総二郎の粘り勝ちで「今行く」と・・・それを聞いて俺は玄関から見えないように身体を門柱にピッタリくっつけた。

すぐにガチャとドアが開き、向かってくる人間の足音を聞くと2人・・・総二郎はニコッと笑ってそいつらに片手を挙げた。


『日本人だって?ここにどんな用件出来たんだ?』
『それが俺にもよく判らないんだけど、スマホにこんなメールが来てさ、ここに来るように言われたんだよね』

『どんなメールだ?見せてくれないか?』
『いいけどさ、スマホを他人に手渡したくねぇんだよな。そっちから門を開けて出てきてくれない?』

『チッ!面倒な事言うな・・・仕方ない』
『デカい犬だな・・・噛み付かないか?』

『あぁ、よく躾けてあるから大丈夫だ。桃太郎、吠えるなよ?』



ちゃらんぽらんな格好の総二郎の嘘に簡単に引っ掛かって、男2人が門を開けて出てきた。
そしてその男2人が俺に背中を向けた瞬間、総二郎が俺に目で合図して攻撃開始!!

声を上げさせないように総二郎が左側の男の鳩尾にいきなり膝蹴りを喰らわし、それに驚いて総二郎に殴りかかろうとしたもう1人の男を俺が後ろから蹴り倒した!
勿論そのぐらいじゃ意識なんて失わないけど、ここで誰かを呼ばれるのは不味い!

鳩尾を押さえ込んで苦しそうに立ち上がった男がインターホンに手を伸ばしたところで総二郎のミドルキックがクリーンヒット!ドサッと倒れ込んだ男に桃太郎がのし掛かって動きを封じ、また総二郎が首近くの急所すれすれの所に肘打ちして一発で気絶させた!

その隙に俺が蹴り倒した男も立ち上がって向かって来たから、今度は茂みから飛び出した菊次郎が猛スピードでタックル!
いきなり犬に襲われて跳ね飛ばされたけど、すぐにまた体勢を立て直して拳を振り上げた!
菊次郎は着地と同時に向きを変え、今度は背中から頭突きして、俺は倒れ込んできた男の胸元目掛けて膝蹴り・・・!
鈍い音と同時にそいつも苦しそうに唸り声をあげたけど、地面に倒れ込んですぐに身体の力がなくなったのかぐったりと横たわった。

屋敷の中に居ると思われる連中には気が付かれなかったか?と、入り口を見たが特に物音はしない。


桃太郎と菊次郎に頼んで此奴らを草むらに運ばせ、俺達は門の中に入る事に成功した。そして2匹にはこの場で待機、誰も近寄らせないように見張りとして門の前に立たせ、総二郎と2人でドアの前に立った。


「本当にここでいいんだろうな・・・」
「さっきの連中の動き、あんなの普通じゃないだろ。倒しちゃったけど」

「・・・だな」


2人は減らした・・・多く見積もっても残りは4~5人だろう。
ここからは「花沢」を名乗ってつくしを助けに行く。俺達は躊躇う事なく玄関のドアを開けた。


『ケイン?誰だったの・・・えっ?!』

『悪いな、ケインじゃなくて。でも女かぁ・・・困ったな』
『突然入ってきてごめんね。ここに妻が居るはずだから迎えに来たんだけど。日本の花沢って言えば判る?』

『何ですって?!どうやって門を・・・まさか、ケイン達を倒したの?!・・・アルフレッド様!』



出てきた女性の監視役が呼んだ名前・・・俺が絶対に許せない男の名前を呼んだ。




*******************




朝食が済んで1時間ぐらいした頃、身体がだるくなってベッドに横になっていた。
もしかしたら少し熱があるかも・・・慣れない土地と急な気温変化で今頃疲れが出たのかしら。それとも1日中効いてるエアコンのせいで風邪引いたのかも。

そんな事を思ったらお腹まで痛いような気分になって凄く不安・・・早く日本に帰りたくて久しぶりに涙が出そうだった。

そんな時に限ってポコン!と蹴ってくる。
「こら!弱気になるな!」って言ってるのかなぁ・・・私が摩るともっとポコポコ蹴ってくる。


「あのさぁ!痛いんだけど?こんな時ぐらい大人しくしなさいよ!もうっ・・・誰に似てるんだか!」

ポコンッ!!

「だからね?あんたのパパがまだ来ないからどうしようもないんだって!私だって待ってるの・・・待ってるのに来ないのよ!ホントに肝心な時は遅いんだからっ!」

ポコポコ!!

「・・・・・・聞いてるのね?悪口言っちゃダメって事?」

・・・・・・・・・。


あら?静かになった・・・ふふっ、お義母様の言った通り、私の声が聞こえてるのね?
まだ姿は見えないけれど1人じゃないって教えてくれるんだね・・・・・・嬉しいなぁ。

ベッドの上でこの子を抱えて幸せに浸っていたら、下の階から監視の女性の叫び声が聞こえた。
驚いて身体を半分起こして部屋のドアを見つめると、ノックもせずにアルフレッドさんが飛び込んできて私の方に駆け寄った!

不機嫌って顔じゃなく、怒ってるって顔じゃなく、恐ろしいって言うよりも動揺してる?
この人、もしかしたら予想外の事には弱いのかしら?!ずっと虚勢を張ってきた彼が、思わず自分の本性を見せた・・・そんな表情に見えた。


「なっ、何ですか?!どうしたの、何が起きたの?!」

「こっちからお呼びしようかと思ったのに本当に来たんですよ!あなたのご主人がね!」


類が・・・?

やっと類が来てくれたの?私のメッセージ、受け取ってくれたんだーーっ!!




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2019/06/01 (Sat) 00:49 | EDIT | REPLY |   
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2019/06/01 (Sat) 02:23 | EDIT | REPLY |   
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2019/06/01 (Sat) 06:31 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

シナモン様、こんにちは。

やっぱりそっちからなんですね?(笑)
類君、すっかり「ついで」的扱いに💦

まぁ、巫山戯た感じの格闘シーンでしたが、しばらくこんな感じです♡
いちおう類君のお話なんで(笑)メインは類君にしていただきますが、当然総ちゃんも・・・。

コメディー&ハードボイルドな2人をお楽しみに❤

2019/06/01 (Sat) 12:01 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

まりぽん様、こんにちは❤

はい、こっちの誘拐は(笑)どうやら辿り着いて決着つきそうですねっ!
いやいや、これからなんですけど💦

普段動きすぎてるつくしちゃんは3日間の缶詰状態が拷問のようですね(笑)
早く日本に帰してあげないといけませんね~。

梅三郎も退屈して待ってるだろうし(本当か?)


あらら!そんな事を言わないであげて下さい(笑)
家ではゴロンとされてる方が楽ですよ?
うちのは1日中動き回るので、それはそれで困ります・・・。

掃除が下手なクセに掃除好きなんです・・・。
この前は気が付いたら「食器棚の中を片付けた!」って言われて、逆に使いにくくなりました💦

トホホ・・・💦

2019/06/01 (Sat) 14:08 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんにちは。

あっはは!本来の・・・💦(笑)
今までお巫山戯が過ぎましたからね(笑)

少しぐらいは格好いい!と思われる場面も書かないと💦
類君に闘うイメージはないんだけど、実はアクションシーンが大好きです❤


まだ屋敷内にも敵が居ますので、頑張っていただきましょう~!

早く日本に帰らないと、桃太郎と菊次郎は暑いところは苦手だろうし(笑)


さて・・・ラストが近づいてきました。
最後まで応援宜しくです❤

2019/06/01 (Sat) 14:17 | EDIT | REPLY |   

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