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星も月もない真っ暗な夜・・・あんたが居なくなってからはそこが俺の棲みついた場所。



いつだったか凄く寒い冬の日、1人で真っ暗な道を歩いてた。
周りに人なんて居ない。草だって花だって生えてない・・・何にも無い道を1人で歩いてた。

いつものコートを着てるのに、マフラーだって巻いてるのに寒くて寒くて仕方ない・・・心が凍り付いて俺の身体の熱を奪っていく。

寒さなんて平気なはずだったのに。
暗闇だって怖くなんか無かったのに。
今の俺はこの闇の世界が永遠に続きそうで恐ろしかった。


ひらりと雪が舞い降りた。真っ白な・・・あんたみたいな雪。
足を止めて手の平を出したら、雪の方から俺に落ちてくるみたい・・・指先に触れたら数秒で消えたけど。

でもまたすぐに次の雪が落ちてくる。

『類、元気してる?』・・・その雪は俺に話し掛けてくる。
「元気してるかどうか、確かめに来れば?」・・・そう言うと雪は俺の前から消えた。



夜空に薄ピンク色の小さな花が灯る・・・それは真っ暗な空をキャンパスに美しい絵を描くように。
俺はたった1人でそれを見上げてた。でも、誰かが傍に居るような気がしてふと横を見る・・・でも、誰も居なかった。

やがて小さなピンク色の塊は風に揺られて解けていく・・・1枚、また1枚・・・風に身を任せて踊り始める。

手を伸ばせば『捕まえないで』って逃げていく。
それでも追いかければ1度は止まってくれるけど、やっぱり風が好きだと飛んで行く。

あの日のあんたみたい・・・笑いながら逃げていく。


『ねぇ、今度は捕まえてみて?』・・・小さな花びらがそう言って戯けてる。
「捕まえて欲しいなら大人しくしなよ」・・・そう言った途端、強い風が吹いて花びらは1枚も無くなった。




今日は雨・・・窓の外には五月蠅いほどの天の涙と、眩しいほどの天の怒りが交差する。
窓硝子に当たる雨粒が俺の心に突き刺さる・・・あんたは雨が好きじゃなかったから。

真っ暗な空に一瞬の光が真横に貫き、そこを紫色に染めていく。
自分の周りが一瞬真っ白になって、その雨の真ん中に踞ってるあんたを見てしまう。

震えながら泣きながら、誰かの名前を呼びながら手を伸ばす・・・その手を掴んでいく男が居る。
それは・・・誰?


『ねぇ、次に光ったら抱き締めてくれる?』・・・窓に流れる雨粒が俺に言う。
「抱き締めてあげるよ・・・だから濡れちゃう前に戻っておいで」・・・やがて雨は止んだ。




噎せ返るような暑い夜・・・闇夜に美しい命が灯る。
それは輝いたり消えたりを繰り返しながらゆらりゆらり・・・恋しい人を見付けるためにひらりひらり。

その灯火が水に反転して映り、一瞬水面でキスしたかと思った。

1つがゆらりと俺の前を通り、手を伸ばすとそこで羽を休める・・・命をかけたイルミネーションは消すことなく、俺の上でひと休み。
余りに綺麗だったから両手で包みたくなって、もう一つの手を伸ばしたらフワッと俺の指から逃げていった。


『狭い所は嫌なの。ごめんね?』・・・そう言ってゆらりと恋を探しに行った。
「閉じ込めると思ったの?バカだね」・・・そう言った時には新しい恋人を見付けたみたい。




今日は満月・・・闇夜じゃなかった。
月が輝き過ぎて星なんて全然見えない・・・夜なのに自分の影が出来るぐらいの満月だ。
だけどやっぱり周りには誰も居なくて俺は1人だった。

まるで友達のように光る月も遠過ぎて話なんて出来ないし、そこに住んでるウサギとはもっと話が出来ない。
だってそのウサギ・・・月が好きだから。

月の真ん中を陣取って独り占め・・・そこは月とウサギ、2人だけの世界だった。
俺は地上から仲の良いあんた達を見てるだけ。


『ねぇ、つきたてのお餅、花沢類にもあげようか?』・・・って杵を振り上げたあんたが笑う。
「俺、餅は嫌いだし。言っとくけど団子はあげないからね」・・・そう言うと白い雲が月を隠した。




また寒い季節が来た。
今日も1人で1年前と同じ道を歩いていた。
周りに人なんて居ない。草だって花だって生えてない・・・何にも無い道を1人で歩いてた。

あの日と同じコートを着てるのに、マフラーだって巻いてるのに寒くて寒くて仕方ない・・・心が凍り付いて、今日も俺の身体の熱を奪っていく。

寒さなんて平気なはずだったのに。
暗闇だって怖くなんか無かったのに。
今の俺はこの闇の世界が永遠に続きそうで恐ろしかった。

恐ろしくて恐ろしくて・・・立ち止まって真っ暗な闇夜を見上げた。
そうしたら真っ白な雪が一粒、舞い降りてきた。

あの日と同じように・・・雪の方から近づいてくるみたい。
風に乗って踊ってるみたい。
ゆらりふわりと恋人を探してるみたい・・・そっと手を差し出したら、そこにあったかいものが乗っかった。



「ただいま、花沢類。やっぱり帰って来ちゃった・・・」

「・・・・・・・・・」


「沢山探したけど見付からなかったの。私が欲しかった場所、初めから・・・ここだったみたい・・・」

「・・・・・・お帰り、牧野」



長かったヒトリノ夜・・・これから始まるフタリノ夜。





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Comments 2

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2019/10/02 (Wed) 14:47 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんにちは🎵

meimei様、こんにちは🎵

コメントありがとうございます。

あっはは‼️判りました?
大好きなんですよ~💦全然イメージは違うんですけどね(笑)

そうそう、だからカタカナですよ♥️

バレちゃうんですね~!嬉しいなぁ♥️
またあると思うのでよーく見といてくださいね!

2019/10/02 (Wed) 15:45 | EDIT | REPLY |   

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