FC2ブログ

plumeria

plumeria




あれはいつの事だったか・・・俺がまだガキの時、稽古が面白くなくて逃げた日だったっけ。


来たこともない川の土手で、そこの草むらに座ってたら、少し下の河川敷で女の子が仔猫2匹を抱いてウロウロしてた。


ニャア~ニャア~・・・「うん、困ったねぇ」
ニャア~ニャア~・・・「うん、私んちは無理なんだよね・・・探してあげるから待ってね」

ニャア~・・・「泣きたいのは私の方だよ~」


なんだ・・・野良猫拾ったんだ?バカだな・・・猫なんて自分で逞しく生きてくんだから人間が手なんて出すんじゃねぇよ。
子供ながらにそんな事を考えてジッと見てた。

俺なら放っておくね・・・生きられなきゃそれがその子の運命だし。
まだ6歳か7歳の俺が偉そうにそんな事を心の中で思ってた。

俺から見たら野良猫の方が自由気儘に生きてる気がしたんだ・・・茶なんて点てなくてもいいし。
食べたい分だけ探して食べて、寝たい時に寝て、好きな場所で生きていけるんだから・・・なんて。


そのうち猫を抱いた女の子は俺のすぐ横をよじ登ってきて、そして目が合った。
すげぇデカい目・・・真っ黒なのは俺と同じだけど、まん丸・・・そいつがジッと俺の事を見てきた。


「・・・なんだよ」
「ねぇ、あんたんち・・・広い?」

「はぁ?広い・・・まぁな。この辺じゃ1番広いかも・・・」
「お庭あるよね?」

「馬鹿にすんな!庭ぐらい家の何倍もあるって。それがどうしたんだよ・・・」
「この子達・・・飼えない?」


何言ってんだか・・・西門流の家元んちが猫を拾って飼うわけがないじゃん!
すぐにそう言えば良かったんだけど、その子の真剣な目が怖い・・・それに両手に抱えた仔猫を俺に向けてるし。


「その辺に親猫が居るんじゃねぇの?勝手に連れて来たらその方が可哀想じゃん」
「・・・この子達の親はいないの。だってね、ほら、あそこに入ってたの」

「は?」

その子が指さした方には段ボールがあった。
この仔猫はあの中に入っててポン!と川岸に置かれていたそうだ。このまま放っておいたら川に流されるかもしれないって・・・涙ながらに俺に言うんだ。


「あんたんち、広いんでしょ?隅っこでさ・・・」
「無理!」

「そう言わないで~、見て?可愛いよ?」
「可愛くたって無理」

「触ってみて?フワフワだよ?」
「フワフワでも無理なものは無理!」

「・・・じゃあさ・・・今日だけ!明日、飼ってくれる人探してみるから」
「・・・・・・・・・」



あぁ、仕方なくこいつを連れて屋敷に戻ったさ。
「うわ・・・ここ、あんたんち?」なんてデッカい目を更にデッカくして言われたけど、「そうだ」って言えば何故か仔猫に「良かったねぇ!」なんて言ってやがる!

「おい、今日だけなんだろ?」
「うん!明日も見に来ね!」

「見に来る?飼い主探すんだよな?」
「うん!見付かったらもらってもらう!」

「・・・あれ?俺んち、いつまで居るんだ?」
「可愛いでしょう?ふふふ、真っ白と真っ黒!」

「・・・・・・えーと」
「じゃあね!また明日!」


どうしてそんなに嬉しそうに帰るんだよ!俺が拾ったんじゃねぇからな!
・・・そう言いながら俺の手の中で2匹が鳴いてる。


ニャア~ニャア~・・・「なんで捨てられたんだよ・・・悪戯したのか?」
ニャア~ニャア~・・・「自分でどうにか出来なかったのかよ・・・うちは厳しいんだぞ?」

ニャア~・・・「どうなっても知らねぇからな」


俺は使用人に頼んで此奴らの餌と棲み家は用意してやったが、親父達には言えなかった。
言ったら最後、絶対に捨てられるから。
だから親父達が滅多に来ない場所に柵まで作ってやった。

使用人が初めだけそうしたらいいって言うから・・・って飼うわけじゃないけど!


確かに次の日、女の子は裏口の辺りでウロウロしていた。
それを見付けたから急いで・・・何故か急いで出ていったんだ。足がいつもより早く動いて自分でも不思議だった。


「はぁはぁ・・・見付かったのか?飼い主・・・」
「あのね、あのね・・・もう1日待って?まだ見付かってないから」

「はぁ~?嘘だろ・・・しょうがねぇなぁ・・・」
「ねぇ、あの子達、元気してる?」

「・・・・・・してるよ」
「見てもいい?」

「・・・・・・こっち」



この俺が初めて屋敷に女を連れ込んだ日・・・よく考えたらすげぇ昔だったな。


この子はその後も何度もやってきて、結局仔猫が普通の大きさになるまでうちに居座ってしまった。そして柵なんて必要なくなって、自由気儘に西門の裏庭の隅っこで暮らしていた。
名前は白が「シロ」黒が「クロ」、そのまんまだった。



「あのね・・・今日でこの子達を見るの、最後になっちゃった」
「・・・・・・え?」

「お父さんの会社がね、えっと・・・遠くになったの」
「転勤って事?」

「あっ、そうそう!それ!だからね・・・ここに来られなくなったの」
「ふぅ~ん・・・」


「元気でね、シロ、クロ!」・・・勝手な事を言いやがって。
最後の言葉はそれだけで、そいつは本当にこの庭に来なくなった。河川敷で出会ってからたったの3ヶ月だった。





それから12年・・・少し短かったが、シロとクロはこの世から居なくなってた。
だけどそいつらの子供達が元気よく西門の庭を自由気儘に歩いてやがった。


「総二郎様、ブランの姿が見えませんが・・・」
「マジで?あいつ、またどっかに家出したのか?放っておけ、いつの間にか帰ってるから」

「でも居なくなってもう3日目ですが?」
「・・・仕方ねぇなぁ!」


今となっては猫の管理人は俺。
親父にもお袋にも散々叱られたが、真面目に稽古します!なんて約束して許してもらったから。
そんなこんなで猫が家出したら探しに行くのは俺。まぁ、探すと言うより気儘な散歩になってるんだけど。

そして今日も居なくなった白猫・ブランを探しに行ったら・・・真正面から白猫を抱いた女がやってきた。



シロにクロ・・・これはお前達の仕業か?


「こんにちは!ねぇ、あなたのお家・・・広い?」

「広い・・・まぁな。この辺じゃ1番広いけど?」
「お庭もある?」

「馬鹿にしてんのか?庭ぐらい家の何倍もあるけど?」
「この子、飼えない?」

「くくっ、またその台詞か?」

「えへへ、久しぶり!私、牧野つくしって言うの。あなたは?」



ニャア~・・・『素敵な恋を拾いましたかニャ?』





にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
応援、宜しくお願い致します♡
関連記事
Posted by

Comments 4

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/10/30 (Wed) 12:00 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

みわちゃん様、こんにちは~!

コメントありがとうございます。

うふふ、可愛かったですか?(似合わないでしょ?)
総二郎と猫・・・何故かアンマッチな気もするのですけどね♡


そして、ありがとうございます。
何やら2度目のコメントになるのですかね?本当にお手数お掛けしました。
慌てて見直したら、他の方のコメント返信をしてないのがあって逆に私は大助かりでしたが💦

どうしたんでしょうかね?

いやいや、もうほんとにゆっくりしたいです(笑)
あれから少しプツッとしています。

「もうお休みしてもいいしなぁ~」なんて。

こんなに長く書くとは思いませんでしたからね(笑)
1日1話だと6年分書いてますから。アホですよね💦

まぁ、ボチボチやっていきます。どうぞ宜しくお願い致します。


あははっ!オルゴールにもコメント下さいましたよね?
「みわちゃん様、来たぁ~!!」って思いましたもの(笑)

判りませんでした?書き方のクセがそのまま出てたんですよ?(笑)
どうしても「、」とか「・・・」の使い方が同じになるんですよ・・・これがまた。

無謀な事はするもんじゃないですよね・・・。
更新出来ないストレスでイライラMAXでした。自業自得・・・そして暴露(笑)

はい!ちゃんとこちらで終わらせますので宜しくお願いします!
あれも長いんですよ・・・じつは💦


夜のお話・・・あれはもう・・・無視しましょう(笑)
どんだけ酷い話を書いてるんだか。
既にイヤになってます(笑)はい、これも自業自得。


花音の恋💦・・・もうこっちもどーしたらいいの?!
私も書きながらモヤモヤですよ!!(爆)いやだぁ!こんなの類じゃないっ!!

・・・・・・以上、自業自得3連発でした。


これからも宜しくお願いします(笑)
そして本当に申し訳ありませんでした。



2019/10/30 (Wed) 15:23 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/11/03 (Sun) 16:41 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

やだぁ!可愛かったですか?♡
実はこれ、夜顔とか初稽古とかよりも早くに書いたんですが、公開するのが恥ずかしかったのよ(笑)

なーんか、私のガラじゃないでしょ?

空様とかG様と遊んでるからかしら・・・。
たまにこんな可愛いものを書いてみたくなるんだけど、まだまだ下手くそなのよね・・・。

で、してるんじゃないかな・・・う○こ。

総ちゃんがお掃除・・・しないよね💦お弟子さんがしてると思います!!

えへへ!また浮かんだら書きますね~!

2019/11/04 (Mon) 23:20 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply