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<後編>


『……はっ?!ここは……』
『……どしたの?星ちゃん……あれ?』
『……ふぁ、よく寝た。はっ?ここは……』

『…類君達のお部屋じゃない?』
『うわぁ!簡単に入って来られたじゃん?!』
『どこどこ?類君はどこ?ねぇっ!何処?!』

『理雄ちゃん、落ち着いて……』


キョロキョロ辺りを見回したら、どうやらもう日が暮れて窓の外は真っ暗。
いつの間に?と、三羽はバスケットから飛び出し、部屋中を走り回って二人を探したけど何処にも居ない。

これじゃあ何の為に危険を冒して戻って来たのか判らない!とばかりに理雄が足をドンドン鳴らしていると、明日香が窓際で理雄と星花を手招き。
急いで行ってみると……バルコニーからちゃぷんと音がする。


……水の音?

しかも窓は少しだけ開いている。
三羽が恐る恐るそこから顔を出して覗いて見ると………類とつくしがバルコニーの隅っこにある露天風呂で、仲良く並んで入浴中。

『ひゃああーっ!類君がっ、類君が裸だぁ!』
『つくしちゃんもだよっ!きゃあああっ!』
『………………うそ!』

『ヤバいんじゃない?これは不味いよね?私たち邪魔だよね?』
『……流石にうさぎだからって夫婦のお風呂をねぇ……』
『………………マジ?』

『それに私たち、水は苦手じゃん?濡れたら大変だよ?』
『確かにね……わざわざ具合悪くなるのにお湯には入れないよね』
『…………………いや、行く!!』

『『理雄ちゃん?!』』

理雄はどうしても類君とお風呂に入りたくて入りたくて入りたくて、ダッシュで露天風呂に向かって走り出した。
明日香と星花はそれを窓際で背伸びして見てるだけ。
とても湯に近づく勇気はなかった。



「つくし、洗ってあげる……おいで?」
「えぇ~!いいよぉ!自分で洗えるもん!」

「いいから!恥ずかしがらなくていいじゃん?俺達夫婦だよ?」
「だってぇ……誰かに見られたら……」

「誰も見てないって❤ほら、こっちに来てごらん」

「……ううん、類…何処かから視線を感じるんだけど」
「……は?」

類はつくしを洗おうとさっきからボディタイルを握り締めている。
それなのにつくしが照れて来ないもんだからウズウズし過ぎてその視線に気が付かなかった。

でも言われてみれば横から鋭い視線が……?
二人同時に顔を窓の方に向けると、そこに居たのは……美作城の脱走うさぎ。


「あれ?これは……理雄ちゃん?」
「起きたんだ?でも一羽だけ?他は寝てるのかな」

『類君ったら!全員起きたけど、ここまで来る勇気は理雄だけ!ほら、早く抱き上げてっ❤』

「あら、窓の内側に居るわ、星ちゃんと明日ちゃん。どうして来ないのかしら?
お風呂に入りたいんじゃないのかな?」
「つくし、さっき出水先生に言われただろ?うさぎは水嫌いだし、濡らしたら体調壊すって」

「あっ!そうだったね。じゃあ理雄ちゃんもお部屋に戻りましょ?」

『やだっ!!理雄は平気だもん!やだっ!戻らない!』


理雄は抱き上げてくれるまで動かない!のポーズで露天風呂の真下で仁王立ち。
短い足をバンバンさせて「抱っこしてぇ!」の猛アピールを繰り返す。


「……この子、入りたいのかしら」
「でもダメなんだろ?」

「そうねぇ…じゃあ足だけ?」

『足だけでも尻尾だけでもいいのっ!兎に角類君、理雄を抱っこして~!!』

理雄の思いとは裏腹に手を伸ばしたのはつくし……でも、理雄はその瞬間ガバッ!と踞った。


「類……なんだか類の方がいいみたい。
抱きかかえてあげてくれる?」
「えっ!俺なの?」

「だって私が手を出したら小さくなっちゃったんだもん」
「……判った」


ザバッ!と身体を起こして素っ裸の類が手を伸ばしたら、興奮したのは窓際の星花。
「いやん!」と叫んで目を隠したものの、チラッと盗み見るのは当然。
そして明日香は「あぁ、なかなか……」と訳の判らない事を呟いていた。

そして肝心の理雄はと言うと……それまで踞って居たのに急に身体がびょーん!と伸びて類の腕の中に入ることに成功!
そして露天風呂の淵にチョコンと乗せられた。

『きゃああーっ!ここまで来た!大成功じゃん!』

「うふっ!可愛いわねぇ~!」
「……うん」

『そりゃ雄だけど、類君に会うために磨きを掛けてきたもん♪』

「類、私はいいから理雄ちゃん洗ってあげたら?」
「……俺が?」

『きゃあっ!つくしちゃん、ありがとーー♪』

「だってどう見ても類が好きみたいだよ?」
「……うん、じゃあおいで、理雄」

『はいはいはいはい!今行きますっ❤』


理雄はちゃぷんちゃぷん揺れるお湯が怖いくせに類の横まで行って、その小さな足を出した。
類がそれを持って優しくコシコシしてやると理雄の目はうっとり……。

「もう少し湯に近づいて……」
『こ、こ、怖いぃーーー』
(でも、類くんに触られてる🎵)


「こんな感じかな……」
『でも、濡れるぅーーー』
(ぁ、でも気持ちいい)


「良かったねぇ、理雄ちゃん♪」
「もうこの辺でいいでしょ。濡れちゃいけないから部屋にお帰り?」

『えっ!もう終わり?もう終わったの?類君、足は4本なんだけど?!』

「お帰り、理雄」


『…………はい』

つくしを洗い損ねた類のご機嫌は少し下り坂。
これ以上下ると一緒に寝てくれないかもしれない……そう思った理雄は渋々部屋に戻った。



『やったじゃん!理雄ちゃん、お風呂まで行けたね!どうだった?』
『濡れなかった?早く乾かさないと!』
『……あっ!右の前肢は触らないで!ここ、類君がコシコシしてくれたから!』

『……そうなんだ?でも明日人参食べたら汚れると思うけど』
『右手使わないようにするのよね?理雄ちゃん』
『勿論!しばらく洗わないもーん♪』

『『…………(いや、無理だって)』』


そして類とつくしも露天風呂から出てきてお揃いのバスローブでホカホカ。
当然のように類のハグが始まって、三羽は呆然と二人のラブシーンを見る事に……。


「あんっ、類ったら……まだ身体が熱いから……」
「だってさっき洗わせてくれなかったじゃん?もう我慢出来ない……」

『ちょ、ちょっと!これ、どーすんの?見るの?私たち!』
『……見てもいいけど?これもある意味勉強だよね』
『いや!待って?理雄、まだキスしてもらってないっ!』


「でも、その前に星ちゃん達を寝かせないと……」
「暗くしたら寝るんじゃない?そうしたら俺達も……ね?」

『電気消されるよっ?!バスケットに入らなきゃ!』
『え?明るいまましないの?』
『そうじゃなくて!早くベッドに行くよ!全員でっ!』


ここでも全員の言葉に反応したのは星花。
理雄の号令に、まるで暗示に掛かったかのようにベッドに向かって走り出した!

そして三羽揃ってベッドの真ん中に寝転がり「動くもんか!」の姿勢。


「あらら?そこで寝たいの?」
「無理じゃない?潰しちゃうよ」

『『『潰す?!』』』

「そうだよね……類、寝相悪いもんね」
「うん、まぁね。ジッと出来ないから潰す自信がある!」

『『『自信がある?!』』』

「じゃあやっぱりバスケットで寝てもらおうか!
類、おやすみのキスとハグしてあげてね~!」
「……了解」

『うわぁ~~~ん💦せめてそれだけでも~💦』

『『……理雄ちゃん……』』


こうして類は一匹ずつ抱っこして、ハグしてキス❤をしてやり、三匹をバスケットに入れた。
何とかチュ!をもらって類君と裸の付き合いも出来たので今回は理雄もホクホク❤



***



次の日の朝……


「……ん?暑っ……つくし、熱でもあるの?……つくし?」

『………………くぅ……』

「つくし……あれ?つくし居ないの?」

『…………はっ!類君、起きたの?』

「………………あれ?」

『おはよっ!類君♥』


類が目を覚ました時、愛妻の姿は既にベッドにはなく、そこに居たのは理雄。
ちゃっかり明け方にバスケットを抜け出して、類達のベッドに入り込むことに成功♥
つくしが目覚めてベッドを降りた瞬間に、その腕枕を我が物としたのである。


「…………いつから?」
『ふふっ!いいからいいから!類君、おはようのキス♥はやくっ!』

「道理で暑いわけだ……起きよ。お前もみんなの所に戻りな」
『ああああーっ!!やだぁっ!!』


つくしの居ない朝、類のご機嫌は最悪。
理雄を抱きかかえるとポスッ!とバスケットに戻された。

そこには呆れ顔の星花と明日香。
「何やってんだか」って感じでジタバタする理雄を見ていた。



「あっ!類、起きたの?おはよ~!」
「おはよ、つくし。何処に行ってたのさ……朝は横に居てくれないと拗ねるよ?」

「ごめんごめん!もうすぐしたら美作さんがお迎えに来るでしょ?
だから今日もお土産の人参、採ってたの。明日ちゃん達にあげようと思って」
「そうなんだ?相変わらず優しいね」

『えっ!もうあきら君が来るの?……ってか、怒られるよね…』
『…………今度はヤバいよね。鍵付きの籠かも……』
『やだやだっ!まだ帰らない~!!』

『あきら君、怒ったら怖いのよ……』
『あの優しい目の奥にキラッとね……うわっ、汗が出る~💦』
『こうなったらもう1回脱走を……』

『『理雄ちゃん、まだ私たち脱走中だって!!』』


そんな3羽の願いも虚しく、あきらのお迎えは朝早かった。
しかも今回は黒曜星の背中にアルミ製の鍵付きゲージ付き。

お土産の人参だけあきらが背負って帰ることになった。



「ホントにごめんな?よく言って聞かせるから」

「いいよぉ!また遊びに来てねっ♪」
「……今度は日帰りでね」



パカラッパカラッパカラッ


『……今度っていつかしら……』
『あきら君次第だよね……』
『明日だよ!明日!!また明日来るから待ってて、類君~!!』


『『今度は1人で行きなよ……』』


「……そこの3人、判ってるよな?
帰ったら反省室だからな!」


『『『………………』』』


パカラッパカラッパカラッ
(黒ちゃんは走るよ、今度こそ真っ直ぐ美作城へ)



おしまい♪




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皆様、こんばんは~♪

如何でしたか?一応りお様からも「OK♥」いただいたのですよ?(笑)
本当は露天風呂に一緒に入って身体を洗ってもらいたかったらしいのですが、調べたらうさぎは水がキライで、お風呂はダメらしいのです。
体温調整が難しい動物なんですって。

そしてこんなにも有り得ない事を書いてるにも拘わらず、一緒にベッドで寝るのは危ないだろうという判断(笑)
決してりお様のご希望を無視した訳ではないのです💦

でもまぁ・・・またいつか出てきそうな三羽ですよね(笑)


りお様、いつもありがとうございます~!また遊びましょうねぇ~!(ファンタジーで)


それでは来週の火曜日にお会いしましょう~!


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2019/08/01 (Thu) 09:39 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

願いがかなって安心した女様、こんにちは!

りお様のお願い事ってのがあってね、

①添い寝
②露天風呂で身体を洗う
③お口にキス

これを全部叶えてくれと・・・いやぁ、調べたけどお風呂がね!無理だったからどうしようかと思いました。
でもまぁ、何とか合格いただいたので一安心♥

暫く反省室なので出てこないと思います(笑)

えぇ、なかなか・・・(笑)
やっぱりこれは星ちゃんじゃなくて明日ちゃんでしょう(笑)
恐らくご本人は今でもうさぎにされていることを知らないと思います。ははは!星さんは知ってるんだけどね💦

2019/08/01 (Thu) 12:03 | EDIT | REPLY |   

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