『花沢城物語・特別編~露天風呂の愉しみ方♥~(前編)』 byR&GPS
あいつらから保育料なる物を徴収し始め早数か月
「田村。あいつらからの保育料ってどれぐらい貯まった?」
「思いの外多いと銭形より聞いておりますが?」
「じゃあさ、それで城の改築をしても良いだろ?」
「はあ?改築ですか?」
「そう。温泉なんだけどさぁ。あそこは動物達も頻繁に入ってるだろ?それだとつくしの気が削がれてさあ。
アレに集中できないんだよね。」
それは、アレでございますよね?
この花沢城のお世継ぎといいますか、お子様ご誕生の為のアレヤコレですよね?
「仲が良い程出来にくいって言うけどさぁ。そろそろ本気を出す時期だと思うんだよね。」
確かにそうでございますね
御結婚後も仲が良いのは大変良い事なのですが、最近はご親友達や動物達も頻繁に来られ、お二人の時間が無くなっているように思われます
「でさ。考えたんだけど、城内に俺とつくし専用の露天風呂を作りたくてさ。」
「城内に露天風呂ですか?」
「そう。動物達に邪魔されなければ、アレに専念できるだろ?それに露天風呂で夜空を見ながらってムード満点だしさ。 つくしの気分も高まって、それはもう❤」
類様、、
お顔が崩れております
そんなだらしない顔、誰にも見せられませんので至急引き締めてくださいませ
「後さ、レースの○○○○も新調したいんだよな。ほらっ、以前あきらのキリンに破られただろ?アレが一番のお気に入りだったんだけどさぁ。」
ありましたねぇ
美作様のキリンによって、類様お気に入りのレースの○○○○が破れまして、暫く類様が不機嫌になられた事が
つくし様は、他にも沢山あるから一つぐらいどうって事無いと恥ずかしそうにおっしゃられたのですが、ダメだったんでしょうか?
と言うか、どうせ脱がせるんだからどれでも良いのでは?と思うのは私だけでしょうか?
「この際だからさ、このデザインで作ってくれない?」
このデザイン?
もしかして御自分でデザインされたのですか?
類は、机の引き出しからファイルを取り出すと、レースの○○○○のデザイン画が描かれた物を机の上に広げる
こんなデザイン画を描かれる前に、仕事をして下さいませ!!
と言うか、何枚描かれているのですか?
しかも、綺麗に色まで塗られているんですけど?
この部分もスケスケ?
えっ?こんな所に穴が?
これをつくし様が?
チラリと見るはずが、ガッツリ食い付く様に見てしまう田村
それぐらい衝撃的なレースの○○○○だ
「田村!お前、見すぎ!!」
「あっ、失礼致しました。」
田村は、正気を取り戻しサッとデッサン画をまとめる
「全部が無理なら、作れるだけで良いから」
「畏まりました」
「銭形はお金に厳しい所があるけど、城の改築とレースの○○○○は、花沢城の今後を左右する大切な経費だときちんと伝えといて!!」
「畏まりました」
田村は恭しくお辞儀をすると、デッサン画を抱えて類の執務室を後にする
その田村を見ながら、類は数か月後が楽しみで仕方ない
城のバルコニーに露天風呂が出来たら、星空を見ながら❤
もちろん、夜空に響くつくしのあの声❤
その後、レースの○○○○を着たつくしと❤❤❤
うんうん♪
割と良い考えなんじゃない?
保育料で潤っている今なら、何でも思い通りに進みそう
ルンッ♪
**
類様からお預かりしたデッサン画を持って、城の中にあるアトリエにやって来ました。
ですが、類様はご存じでしょうか?
花沢城のデザイナーは男性です……しかもかなりの変わり者です。
えぇ、芸術家には変わり者が多いと言いますから仕方がないのですが……果たしてこのデザインが彼に通用するのでしょうか?
でもご命令ですからね……田村、頑張ります!!
「失礼します……あの、類様から至急作っていただきたいものがあるそうで、デザイン画を預かって参りました。
小栗先生、如何でしょうか?」
「……国王様から?して、どのようなものを?」
「はぁ、つくし様がお召しになる○○○○でございます……色指定もあるようで」
「見てみましょう…………おおっ?!これはまた……」
「何でもお子様のことをお考えだそうで……」
「このデザインで?」
小栗先生のお気持ちは判ります……えぇ、国王様がそのようなものをデザインしたと思うと驚きますよね?
私も腰が抜けるかと思いましたから。
それに何とも大胆なデザイン……作る方も手が震えるのではないかと思います。ハイ……。
「……ふーむ。予算は?」
「は?予算……ですか?まぁ、それなり……じゃないですか?
まぁ経費に余裕が出来たと仰られて作る気になったものですからねぇ……」
「……国王様にお会いできるかな?」
「小栗先生がですか?はぁ、それは大丈夫だと思いますが?」
何でしょう?小栗先生、超真剣になっていらっしゃいますが、変わり者の血が騒いだのでしょうか?
私、これ以上問題が起きるのは困りますが?
そうは言っても先生もノリノリなので、類様のところに逆戻り……類様、驚いてますね?
「……どうしたの?何処かに無理があった?多少のデザイン変更は許すけど?」
「国王様、そう言う問題ではございません。このデザインの素材と染めについてですが……」
なに?この人……確かうちのデザイナーだよね?
職人なんだから言われた通りに作ればいいのに……田村、上手く説明出来なかったのかな💢
しかもさっきのデザイン画、全部持って来てるし!出来るだけでいいって言ったじゃん!
「素材と染め?色なら近ければいいけど?」
「それがですね……このデザイン画を拝見しましたところ、使われているレース類が花沢国にはございません。
こちらのストレッチラッセルレースは美作国で作られている最高級品でして、このデザインに使われている透けてるアイラッシュレースは西門国で生産しております。そしてここのチュールレースですが、これだけ繊細なものは道明寺国でしか手に入りません。
しかもここのケミカルレースは特殊なので10㎝50000フラワーと高額ですが?」
「……花沢って何作ってるの?」
「花沢国は専ら綿専門です。レースは残念ながら取り扱っておりません」
「……そこが既に問題じゃないの?レースの1枚も作れないの?」
「レースと言うのは特殊な機械で織るものでして、設備にかなりの予算が掛かります。
この国は他の経費が嵩んでおりまして、織機を購入いただけないのです。
ですが幸いにも隣国に高級レースと生地がありますから困ってはおりません。
ただ、お値段がヒジョーーーーーに高いのです」
こんな所でも予算が削減?!
だからつくしはレース製品をあんなに大事にしてるの?!
し、知らなかった……!!
「それに国王様……デザインですが」
「文句あるの?そのぐらいじゃないと気分が高まらないんだよね……毎回じゃないから気にしないでもらえるかな!」
「そうではございません。気分の盛り上がりはこの○○○○を脱いでしまわれてからで宜しいと思うのです。
それよりもつくし様のお身体を考えましたら、このように切れ目や穴を開けてスースーさせるより、しっかりと身体を温めるデザインと生地を選ばれるべきだと思いますが?」
「そ、それは……そうなってからでいいんじゃないの?」
「いいえ!女性の身体は常に温める!!それが第一でございます!
そうでないとお元気なお子様にも恵まれません!私は腰まであるパンツ!お腹が出ないシャツ!ふんわり身体を包むコットンで○○○○を作らせていただきたい!!」
そんなのでムフフ❤な夜が来るわけないじゃんっ!!
あんな所に穴が開いてるから❤❤❤になるんだし、そんな所がスケスケだから俺の心臓がバクバクになるんだし!
それをフカフカコットンで包まれたら……そのまま寝ちゃうよね、つくし。
でも小栗の顔が怖くて反論できない……!
こうなったらもう露天風呂に全部予算投入して豪華なのを作ってやる!!
そう言う事でレースの○○はスケスケと穴あきを我慢して、標準仕様のデザインにしてもらった。
「田村……露天風呂は頼んだよ!」
「畏まりました」
後編へつづく!
皆様、こんにちは~♥
あはは!なんだか保育料が無駄遣いになってるようです💦
類君、ちょっと暴走気味?(笑)
まぁ、余談ですが・・・
「ねぇ、レースのあれってハンカチ・・・じゃだめかね?」
「今更なんじゃない?」
「なんだと思ってるのかしら・・・りおさん」
「でもさぁ、キリンさんの時、レースのアレって・・・破れてないよね?」
「・・・うん、多分無事に取り戻した・・・」
「・・・まぁ、いいか!!」
さて、露天風呂はどうなるんでしょう?(笑)18:00も宜しくです♥
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