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plumeria

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総と美作さんが部屋に入ってから暫くして、珈琲ぐらいなら・・・そう思って2人分を用意した。

そうしたら花音が自分のおやつのお菓子を持って行くって大騒ぎ。そんなお菓子は食べないと思うんだけど、花音の勢いに負けて小さなお皿にそれを入れて持たせた。
紫音は自分が珈琲を運ぶと言ってトレイを離さない。こっちはもしもひっくり返したら火傷するからって言うのに珍しく言う事を聞かなくて、ハラハラしながらそれを持たせた。

そして部屋まで行くと「あけてくださ~い!」の声・・・逆に邪魔しないだろうかと見守っていたら、出てきた総は笑ってくれた。
隠れて見ていた私にも「心配するな」って声を掛けてくれたから安心してリビングに戻った。


パパたちの為に一仕事した気分の双子が戻ってきたら「ご苦労様!」って頭を撫でてあげる。この時には花音の機嫌もすっかり良くなってて、夕方の喧嘩が嘘みたいだった。


「パパたちね、たくさんノート出してた!」
「たーっくさんあったよ?1,2,3・・・ううん、もっといーっぱい!」

「ノート?そうなんだ。忙しそうだった?」

「わかんない!あきらパパもそうちゃんパパも笑ってた」
「でもあきらパパは少しこわかったよ?」

「あはは、美作さんは普段笑ってる人だからね~」

「そうちゃんパパは笑ってないの?」
「おちゃの時は笑わないんだよ、かのん」

「・・・ふふ、うん、お仕事の時は笑わないけど、そうじゃない時は笑ってくれるしお話しも聞いてくれるよ」


・・・・・・西門家に行ったら驚くだろうな。いや、どうかしら・・・まさかあの家の中を・・・?
想像するのが怖くなって、それ以上考えるのを止めた。



この後は紫音と花音をお風呂に入れたり寝る準備をさせたりとドタバタしていた。

彼が話し相手になってくれたから少しは元気が出て、お風呂でも最近ハマってる水鉄砲でお湯の掛け合いっこをして大はしゃぎ。私まで何度も顔面にお湯を掛けられて悲鳴をあげた。

「あはははは!つくしママ、やっつけたぁ!」
「かのん、顔はだめだよ、目がいたいから!」

「だ、大丈夫だけど少し大人しくしようよ~!パパたちがお仕事してるよ?」

「だいじょうぶ!聞こえないって!そーれっ!!」
「うわあああぁっ!!」

「こうやって大きな声出してたら、ひとみママにも聞こえるんだって!そうちゃんパパが言ったもん!」

「・・・そっか。じゃあ・・・もっと遊ぼうか!」
「「うん!」」

遠く離れた独りぼっちの仁美さんに、自分達の楽しそうな声を届けたい・・・それには少しだけチクッと胸に痛みが走るけど、子供達の優しさが素直に嬉しいとも思った。
だから私まで水鉄砲を持って子供達とお湯を掛け合い、大きな声を出して3人で笑った。


そしてお風呂から出たらパジャマに着替えて、リビングで絵本を読んであげていた。
でも流石に部屋に籠もってからが長くて気になる・・・紫音と花音も美作さんと少しは話したいのか、眠たそうな目を擦って起きていた。

「あきらパパ、まぁだ?」
「・・・ふぁ・・・」

「2人とももう寝ようか?あきらパパにはいつでも会えるよ?」
「「やだぁ!今日おはなししたい!」」


やれやれ・・・ここでまだきちんと注意出来ないのが新米ママの辛いところ。
どうしても嫌われたらどうしようとか、仁美さんと比べられたらどうしようとか考えて言葉を飲み込んでしまう。今はまだ何処にも通ってないからいいけど、こんな事じゃ幼稚舎に行くようになったら大変かも・・・。

決められた生活時間はきちんと守らせないと・・・そう思うけど、毎回「明日からでいいか」って先延ばしにする弱い私が居た。

その時にドアが開いた音がして、奥から総と美作さんが出てきた。
2人ともその綺麗な顔を歪ませて、すっごい難問抱えてるみたい・・・出てくるなり深いため息ついて「もう一杯珈琲頼む」って言われた。


「あきらパパ!おはなしおわった?」
「ねぇ、なんのおはなし?おしごと?」

「あぁ、仕事の話だ。お利口してたか?牧野の晩ご飯、美味しいだろう?ちゃんと食べてるか?」

「うん!今日もおいしかったぁ!」
「あのね、いつも食べないのが出てくるよ?」


それを聞いた総は肩を揺らして笑ってる。
どうせお屋敷で出されるイタリアンやフレンチとは全然違う庶民食だもん!そりゃ子供達は見たことないでしょうけど、これでも料理は得意なのよ?!
肉じゃがや胡麻和え、マカロニサラダにお味噌汁・・・頑張って作ってるんだもん!

ムッとして珈琲を差し出したら美作さんまでクスクス笑っていた。


双子は1日の出来事を美作さんと総に交代で話し続けた後、満足したのか自分達の部屋に向かった。私は子供達が寝るまで傍に居てやって、夢の中に入ったことを確認したらリビングに戻った。

でもそこに居たのは総1人だけ・・・美作さんの姿はなかった。


「美作さん、お屋敷に戻ったの?」
「あぁ、流石に疲れたんだろう。俺も頭がこんがらがって痛いし・・・」

「・・・そうなのね。よく判らないけど大変な作業なの?あの・・・紫さんの事でしょう?」
「まぁな。でも、つくしは気にするな。結構複雑な過去があるみたいだけど、それに気を取られたら子供達の前で態度に出るから」

「うん・・・ごめんね、何も出来なくて」
「いや、その方がいい。それよりも・・・こっちに座れ」




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こっちに来て座れって言っても子供部屋を気にしてモジモジしてやがる。
その様子から既に察してるクセに往生際が悪い・・・我慢出来なくて立ち上がり、つくしの所に行くと「えっ!」って声を出したつくしを抱き上げソファーに押し倒した。

「・・・!!あの、ここリビングだから!こ・・・子供達もすぐそこに居るからっ!」
「そんなの見たら判るって。ベッドルームに行ったらもっとヤバいだろ?ってか俺が不味い。帰れなくなる・・・だろ?」

「そんなっ!やだっ、総、こんな明るい所で・・・」
「ばーか!薄暗かったらここで最後までやるぞ?」

「あっ、んっ・・・」

ジタバタするつくしを押さえ込んで唇を奪う・・・そうしたら抵抗していたクセにつくしの腕もすぐに俺を抱き締める。
真冬とは言え暖房が効いてるこの部屋ではつくしもパジャマだけ・・・そいつを通して伝わる体温が実にもどかしかった。

でも、ここで抱き潰す訳にはいかない。
この前からの事があるから下手に外泊を重ねられなかった。

せめて少しだけでも肌を合わせたくてつくしのパジャマのボタンを外し、俺もキスをしながら自分の上着を脱ぎ捨てた。
唇を離そうとしたら追い掛けてくるつくし・・・やっぱりこいつも淋しいんだろうと思うから、離した唇をすぐに重ねてお互いの舌を絡ませた。
そして首筋から鎖骨に舌を這わせ、白く浮き上がるつくしの胸を口に含んだ。

固くなった頂を舌先で弄くるとソファーの上で身体が跳ね上がる。片手で口を押さえて声が出ないようにしてるけど、我慢出来なくて何度も甘い矯声を響かせた。
そいつが俺の耳元ですげぇ煽る・・・身体のド真ん中が早くつくしを求めろと命令してるけど、それを必死で堪えていた。


「あぁっ・・・総・・・総、やぁっ・・・」
「つくし・・・すげぇいい香りがするな。それにこんなに熱いけど?」

「いやあぁっ・・・だって、総がっ・・・」


脱がせていなかったパジャマのズボンの中に手だけ入れて下着の上から指で撫でると、そこはもう熱を帯びて湿っていた。指の動きを早めるとつくしの頬が紅潮して目を潤ませてる・・・そして俺を引き寄せる腕が震えだした。

片足は床に落として、もう片方は俺の腰を擦るように押し当ててる・・・つくしも本当は俺が欲しいのかもしれない。だけど今日はここで止めないと、そう思った時につくしの指が俺のズボンに触れ、その目がトロンと艶かしく俺を見つめた。


「・・・つくし?」
「・・・ダメ?」

「くくっ、そんな訳ねぇだろ。本当は朝までいたいけどな・・・」
「総・・・信じてるの。でも、時々不安になる・・・だから・・・」

「あぁ、判ってるって・・・」


この後、俺はつくしを抱いた。
こんな場所でって思うけど夢中だった。

まるで焦って襲いかかるガキのようにつくしの中に固くなったモノを挿れ込み、まだ充分にその熱を楽しんでいないのに激しく突き上げた。
つくしもいつも待てって騒ぐクセに今日は違う・・・こいつも俺の一部をキツく絞り上げて、離したくないと必死に叫んでいるかのようだった。


抱えてる問題はそれぞれ少し違うけど、行き着く先は同じ・・・早く誰にも咎められずにこうやって暮らしたいって事だ。


この日はたった1度だけ・・・それでも同時に絶頂を迎えた俺達は、暫く身体を離す事も出来ずに抱き締め合っていた。そして何度も繰り返すお互いの名前と「愛してる」。
途切れ途切れに聞こえるつくしの泣きそうな声が、俺をこの場に縛り付けていた。


「・・・甘えん坊!途中で止められなくなったじゃねぇか!」
「だって・・・」

「だってって、花音みたいに言うなっての!じゃ・・・今日は帰るぞ」
「・・・うん、あの、総・・・」

「・・・どうした?」
「もう1回キスして・・・そうしたらもう泣かない・・・」

「・・・ばーか!」


つくしの顎をそっと指で支えて、今日最後のキスは俺にしては優しいヤツ。

美作の離れを出たのは日付が変わった頃だった。





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