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田村さんのお部屋を出てからお昼までは昨日と同じ作業の繰り返し。
私達は今日も世界中から届くお祝いの品を運ぶのと、会場のセッテイング、それにお料理の確認、帰り際にお渡しするお土産の準備。
これが個人のバースデーパーティーだとはとても信じられない作業の為にお屋敷中を走りまくった。


「はぁ~!凄い・・・こんなの初めて見るんだけど!」
「牧野さんは入ったばかりだもんね!これでも控えめな方なのよ。類様が余り派手なことをお好きじゃないから」

「えぇ?!これで派手じゃないの?これ以上何するの?!
「そうねぇ・・・類様のお友達の場合だと外国から有名な歌手を呼んだり、世界的に有名なスポーツ選手を呼んだりするんだって。それに花沢家は午後から1日だけしかしないけど、豪華客船貸し切って船上パーティーを数日間する家もあるらしいわ」

「・・・・・・は?誕生日って1日しかないのに?」
「私達には理解出来ない世界なのよね~。ほら、次の花束が来たわ!」


この日のために一体いくら諭吉が旅立つんだろう・・・私の3人なんて雀の涙だったのね。300人・・・いや、1000人ぐらい旅立つのかしら。
もう首が痛くなるぐらい捻ったけどさっぱり・・・だから、考えるのを止めて花束を抱えた。


時間はあっという間に午後2時20分。1番初めのお客様の車が到着した。

そして降りてきた人はタキシードの男性と豪華なドレスの奥様と、可愛らしいドレスの女の子・・・まるでお姫さまみたいに着飾った女の子は頭を下げる私達には目も向けない。
頬を真っ赤にさせてキョロキョロと屋敷を見回していた。

「これ、和泉。そのように落ち着きのない態度をとるのは止めなさい」
「そうよ、和泉ちゃん。そんな所を類君に見られたら嫌われてしまうわよ?」

「あっ、ごめんなさい、お父様、お母様」


・・・・・・・・・はぁ、これが「セレブなお嬢様」なのね?

この後も続々とそう言う人達がやってきて、私達はその都度並んでご挨拶・・・そして加代さんから「類様の支度の確認を」って言われたから彼の部屋に急いだ。


コンコンコン!

いつものようにノックを3回、そして「失礼しまーす!」と声を掛けて中に入った。


「・・・・・・え?」

そこに立っていたのはグラックタキシードの彼・・・まだ上着は着てなかったけどプリーツの入った白いシャツに黒の蝶ネクタイを着けてるところだった。
庶民の私が見ても一流品だと判る漆黒のスラックスにカマーバンド・・・背が高くて細いからモデルさんみたい!今朝のボサボサがこんなに変身するとは!って驚いた。

それに綺麗過ぎ・・・まるで本物の王子様が居るみたい。
私が呆然としていたらチロッと目を向けて・・・そしてすぐに知らん顔された!


「あっ、もう支度は出来ましたか?と・・・加代さんから言われたんですけど終わったんですよね?」
「・・・もう少し・・・あ、そのカフリンクス取ってくれる?」

「カフリンクス?」
「そのオニキスのヤツ」

「あぁ、これですね?」


恐る恐る近寄って、テーブルにあった黒いカフリンクスって物を手渡した。それを無言で受け取ると袖口に・・・そして同じ物がシャツの2番目にも付いてた。どうやらそれはスタッズボタンと言うらしい・・・花沢類が不思議そうに覗き込む私に教えてくれた。

そして上着を着たらチーフを差して完成・・・思わず拍手しそうになったけど、よく見たら足元が裸足だった!!


「ちょっと!類様、靴は?!」
「・・・あぁ、忘れてた」


何処の世界に靴忘れる王子様が居るのよっ!!
裸足で会場に行かれたら私が加代さんになぐられるっつーの!シンデレラだってパーティーの帰りに靴脱いだのに!

ここまで格好良く決めといて今度はソファーに座って靴下穿く姿・・・見なきゃ良かったと背中を向けた。


**


「随分と賑やかになってきましたねぇ。そろそろ時間ですよね?」
「・・・ホントに行かなきゃいけない?」

「ははは、何言ってるんですかっ!これ、類様の誕生日の為に開いてるんでしょ?」
「・・・はぁ、帰りたい」

「帰るも何もここはあなたの家ですけどね」


真っ青な顔して超嫌そうに、自分の部屋を出て廊下に居るのにドアに凭れ掛かって動かない花沢類・・・。
この大男をどうやって下まで降ろそうかと考えている時、階段を上がってくる足音が聞こえた。

その靴音からして男性・・・そして私を通り越して目を向けた花沢類が、もっと嫌そうな顔をした。
この人がこんなに嫌そうな顔するなんて誰だろうと振り向いたら・・・凄いイケメンが2人並んでやってきて、私と目が合ったら驚いた顔をした。


「あっ・・・」
「おっ?!」
「あれ?」

「ああーーっ!!あの時のっ!!」

「よもぎちゃん?」
「違うってあきら、つぼみちゃんだよな?」

「つくしだってば!!」


あれだけ人の名前で馬鹿笑いしたクセに忘れるとはっ!

私はちゃんと覚えてるわよ、「あきら」に「総二郎」でしょ?!
・・・って怒鳴ろうかと思ったけど、私の今の格好は花沢家、使用人の制服。この状況でお客様を怒鳴る訳にもいかず、グッ!と堪えた。
2人はそんな私を見てクスクス笑いながら横を通り過ぎ、ドアに縋って変な顔してる花沢類の横に行った。


ムカッとしてそっちを見たら・・・今度は私の方が完全に固まった。


3人共がタキシードでバッチリ決めてる。
あの時は大学の中だったから超カジュアルだったけど、こうやってフォーマルな格好をしたら太刀打ちできない美しさに目が眩む・・・男のクセになんなの?この人達っ!

「総二郎」は妖しい切れ長の目を細め、ニヤリと笑った口元が何故か超エロい・・・。
「あきら」は優しそうな微笑みだけどどう考えてもナルシストでしょ?自分に酔い痴れてるのが良く判るわ・・・。

そしてご主人様、花沢類・・・・・・この2人に挟まれたら美しさは負けてないけど愛想で完敗。
その無愛想な表情のまま、何処見てるんだか判らない視線でボソッと言われた。


「どうして顔見知り?牧野は兎も角総二郎とあきらは何で牧野を知ってるの?」

「は?あぁ~、この子は俺達が研究室に呼ばれた3月の初め、大学の合格発表見に来てたんだよ。ほら、今ってみんなネットで確認するじゃん?だから誰も見に来てなかったのを不安がってたから教えてやったの」
「そうそう!その時に名前聞いたんだけど、凄く印象深かったから覚えたんだよな!確かその時類もいたぜ?離れてたけど」

「・・・・・・覚えてない」


えぇ、でしょうね。
あなたは近寄りもせずに「総二郎」と「あきら」と一緒に何処かに消えたわよ。
その時も花沢類の周りだけ空気が澱んでいたから、私はよく覚えてるけどね!

「ん~」って唸りながら眉を変に歪ませて悩んでるけど、今更思い出さなくていいっての!


でも、自分の親友が来たからってどーしてそこまでご機嫌ナナメ?ホントに良く判らない類坊ちゃまだ!




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2019/07/17 (Wed) 07:49 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様 こんにちは。

そうですね~!椿さんですよね💦
しかも全然似てないのにね~!

うふふ、今のところ3人集合ですね♡残り1人は何処に行ったんでしょうか💦忘れているわけではありませんよ?
と、言う事はやはり無事に終わらないと言う事ですよね(笑)

でもそんな大事件でもないかも?期待薄でお願いします💦

2019/07/17 (Wed) 10:31 | EDIT | REPLY |   
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2019/07/17 (Wed) 14:07 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

シナモン様、こんばんは!

だってーーっ!普段は裸足のイメージなんですもん💦(S様とそう話し合ったの💦)
でも可愛いでしょ?靴下穿く花沢類(笑)

裸足で革靴履いたら・・・それこそ彼ですよ💦


よもぎちゃんって書いたらどうしてもソウイチロウの嫁さんを思い出す私(笑)
今頃どうしてるのかしら、あの夫婦(爆)
子供ぐらい出来たかしらねぇ・・・ははは!

演奏会までもう少し掛かるんですよ、待っててくださいね~!

2019/07/17 (Wed) 20:53 | EDIT | REPLY |   

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